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以上のように、日本の車体傾斜装置の主力は自然振子式から、構造が簡単で乗り物酔いも起きにくい空気ばね式へと移っているのが全体の傾向です。自然振子式が復権するためには、空気ばね式と組み合わせることでスピードアップと乗り心地改善の両方が見込める「ハイブリッド車体傾斜システム」を取り入れる以外にないでしょう。「ハイブリッド車体傾斜システム」では傾斜角度が拡大される一方、床面移動量は自然振子式より小さくなるので、JR四国の8000系にならってパンタグラフの位置補正機構を採用すれば、電車にも搭載できる
制御付き自然振子車両はJRの旅客会社全社に導入されましたが、その中にあってJR東日本は自然振子式と訣別する姿勢を打ち出しました。「スーパーあずさ」に用いていたE351系を、空気ばね式車体傾斜装置搭載のE353系に置き換えたのです。JR東日本E351系「スーパーあずさ」が走行する中央東線は断面の小さいトンネルが多く車両限界が厳しいため、E351系のカーブ通過速度は最大で+25km/hと、JR化後の自然振子車両の中では最も低く設定されました。それでも、高尾駅と相模湖駅の間の小仏トンネル