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リングをご紹介します!DualFlow(デュアルフロウ)DFR-19「bluff面ring」¥33,000(税込)全長約3.2cm不朽の名作この作品でDualFlowを知った方も多いと思います。能面の小面をメインモチーフに眼底に穴の開いたスカルにマオリスタイルのトライバルを施し人間の恐ろしさを表現した作品。半分能面、半分髑髏一度見たら忘れらないインパクトを放つリングです。
三光尉の型紙。ご所蔵の先生の許可を頂き修復にお預かりした古面を写します。本面は枠無出目印在印で豊かな彫刻の秀作。江戸時代におびただしい数の写しが作られた金春家旧蔵の三光尉とは少し趣が違い、エラが張り何となく面長な印象です。同じ焼印の面には似たものがあるので、その面打や工房では定型になっていたのかもしれません。枠無出目印(2種類あり)の面は古元休満永の作とされていますが、その弟子である児玉近江満昌の作が含まれていると考えられています。ちなみに撫角の枠有出目印も古元休の作ではなく、同じく
狂言に使われる猿面の中でも特に「聟猿」とよばれる若く男前なお猿さんの面。某所蔵の面の正面写真2枚と縦横高さの寸法(本当に正確かは疑わしいですが)のみで制作してみました。伊藤通彦先生の要領で方眼紙に実寸大で正面側面のデッサンを描きます。余計な線が沢山あってはわかりにくいので、図面と絵の中間という感じに留めました。コピーを取ってスプレー糊で厚紙に貼り付て切り抜き、ごく簡単な図面?型紙?を作ります。面裏側と側面にそれぞれの輪郭線とノコ入れの目安線を描いています。制作手順も伊藤先生に則り側面
「十六」これで完成としますが、ご依頼ではないので手元にある限り直すかもしれません。増女は研ぎ出し彩色で光沢を強く出しましたが、これは淡く柔らかな雰囲気を目指しました。本面の持つ収斂するような不思議な目つきなど求めたものの、情緒的でキレイなだけに流れてしまいました。美少年であることは外せないのですが、それだけではないのが古面のすごさです。
ほぼ完成の増女。時間があるので間をあけてもう少し手を入れるかもしれません。肌全体は刷毛目を抑えて研ぎ出し、髪の墨色も黒々と。唇の朱は赤口朱でしっかり入れ、頬や眼窩に淡い紅の暈し。油で研いで光沢を出します。手にとって本面を拝見したときの印象を落とし込もうとしますが…裏は前回にも書いた墨塗りの擦漆、マコモで光沢を抑えたものです。十六。完成までまだ遠いので簡単な撮影にて。【古色液作り】敬愛する会津在住の仏師で天台僧の新井田慈英さんから数年前に頂いた”煤”。解体される古い民家の囲
筋怪士や筋男と呼ばれる面(形)ほぼ同じ形でもお流儀やお家それぞれで名称が異なるものはいくつもあるようです。本面は西蓮作と満猶が極めた面で、まあ怪しい鑑定(極め)の類ですが作は見事なので以前写させて頂いたものの写し。ただ彩色は肌作りの剥落や毛描き、目の金具など本面とは意識的に変えてみました。金剛流の山田伊純氏からのご依頼で制作したもので、私より年若な能楽師さんから新作のご依頼(古面の修復は何面かさせて頂いています)は初めてなで感慨も一入。鮮やかな型が次々と展開される金剛流の船弁慶など想
「平太」黄土系の白っぽい色。刷毛目と梨子地や打彩色と呼ばれる肌合いを重ねました。疵や剥落は最小限に抑え、油研ぎをしっかり目に施しています。梅若家の有名な洞水打の白般若だけがその形とは限らないように、白平太も観世宗家蔵の形だけとは考えないようにしています。なよなよした白平太や赤ら顔で武張った荒武者的な赤平太でもはないところを狙いました。これは何平太でしょうか…江戸以前の室町まで遡るような面も含め手元で直接拝見し修復もさせて頂く機会が増えましたが、制作当初のオリジナルの彩色が残っている
「増女」(ぞうおんな)平成最後はこの面。6年前に完成した右の面を左に作り変えています。少しは別嬪さんになりましたかね。。目指す雰囲気は見切った写真集に掲載されている名品ですが…「増女」といえば、紅潮しているような頬や鼻目元などに淡く紅が入る彩色が魅力的。赤過ぎればおてもやん、薄過ぎれば効果がありません。様々な場面でいただく質問に「どの面が一番好きですか」は少なくないのですが、、、女面の中でお流派問わず使われ、使用曲も多く且
お久しぶりです。月一更新を目標にしておりましたが、色々あり(基本的に良い事です、心配してくださる方がいらっしゃるので)パソコンに向かう気がおこらない日々が続いていました。ネタが溜まり過ぎているので前後しますが「小べし見」について書いてみます。左は天下一是閑在印の面を彫刻と彩色ともに出来る限り忠実に写したもの。右の彫刻は是閑写しですが、彩色を意識的に変えています。本面の上塗り層は下塗りが透ける程に薄いものでした。つまり真っ白の下地が主張する肌合いになるので、通常より少々厚めに塗っていま
2月某日、久しぶりにテレビ取材をお受けしました。氏春先生からテレビや新聞の取材はお断りせず受けなさいと言われてきました。最近は自ら発信可能な時代ですが、当時は難しかったですからね。”日本各地を訪れ、様々な分野で活躍する匠たちとの語らいを通して日本の素晴らしさや魅力を再発見する音楽紀行番組”と頂いたチラシに書かれています。番組ホストは二胡奏者のジャー・パンファンさんと、ギタリストの中村圭之介さん。放送作家さんとディレクターさん、お二人のメイクさん他10人以上の方がいらっしゃいました。
2月11日は「建国記念日」戦前は「紀元節」と呼ばれてたようですね。明治神宮周辺で「建国祭」が行われるということで参加させて頂きました。昨年は曳き手でしたが、今年は恐れ多くも囃子担当として山車に乗せて頂きました。安藤会長!先ずは若者。そしておじさん囃子で田舎囃子。踊りは若いですけど。。埼玉県本庄市のお囃子、様式的な撥さばきや穏やかな曲調で都ぶりですね、聞き入りました良いものですね。。山車オーナーの元禄弥さん、お誘い下さった細渕さん本当に有り難うございました。都会で囃子ができるなんて
とげぬき地蔵さんでの展示会「工燈」の様子岩崎先生は近年毎回お出で下さり、閉廊後は呑みに誘って下さるのが恒例となってます。作品をご覧になるより楽しみだそうですよ。。我々と期間が重なっていた学生時代からの友人の展示会。静かな住宅街にある、少し変わった構造のマンションの一室が会場のギャラリー。木彫と革から作られた生き物達。共鳴し合っているような作風で、一緒に行った宮本君と楽しませて頂きました。名古屋能楽堂で開催された能面展。堀安右衛門先生と御一門が打たれた面が
八月某日、所沢市のミューズでの能楽公演「触れてみよう能楽の世界」にて小さな個展とインタビュー形式のお話(聞き手は新井麻衣子師)と荒彫り実演をさせて頂きました。この会は観世流能楽師の遠藤喜久先生が13回も続けられているもので、玄人の能楽公演と共に、短期の講習を受けた生徒さんの発表会も行われています。数年前には「船弁慶」の前シテで、拙作をお使い下さったこともありました。所沢は氏春先生がお住まいだった土地。お会いする以前のことですが、京都生まれの先生は東京近郊などで引っ越しを多くされていたよ
先月は色々なことがありました。仕事のご依頼内容によっては何も公開できなくなると先輩方から伺いましたが、それが現実になり始めています。とても有り難いことなのですが・・・・中将(友閑写)もっと進んでいますが、今のところ木地仕上げの画像。某師のご教示により丸刀を多く用いて彫ってみました。長澤先生は一寸以上ある平の突き鑿を多く用いて(丸刀は当然使われるのですが)出来る限りこれ一本で彫れると良い。というようなお考えだったように思います。平を多用すると大きな面(平らな広がり)を少ない手数で表す
案の定広報が遅くなりましたが・・・本年も、菩提寺宗禅寺様に於いて当教室の唯一の発表の場とさせて頂いている「春の文化展」が始まりました。ご住職の高井正俊和尚様、創建400年を機にお寺に安置されている多くの仏像を修復された芝崎さんご夫妻と記念撮影。先祖も拝んだであろう菩提寺の仏様を修復された技術者さんは、もはや他人ではない気がしてしまいます。ご覧のように今回の特集はお寺の仏様がお厨子からお出まし下さり身近に拝観できるもので、江戸時代の仏像ではありますが、文化財的な価値は抜きにして、村人(