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ISOマネジメントシステム認証制度では、原則的に、「審査」と「認証の決定」が別の者が実施することになっています。このコラムの読者にとっては、「おさらい」になりますが、・「認証の決定」では、どのようなことを検証するのか・「審査」と「認証の決定」は、別の者が実施する仕組みになっている理由について、解説します。《「認証の決定」では、どのようなことを検証するのか》「認証の決定」では、ISOマネジメントシステム認証制度において、審査機関が行った審査の結果を基に、その組織がISOの規格要
ISO認証審査において、認証機関が実施する審査で、しばしば話題に挙がるひとつに「シフト勤務における有効要員数」があります。IAFMD5:2019のおさらいになりますが、該当する要求事項は、「3.5」項になります。(規格より引用)QMS審査については、図QMS1が、表QMS1から計算される審査工数からの調整を行うためのビジュアルガイドとなり、すべてのシフトに対する合計有効要員数に基づく出発点を特定することによって、審査を計画するために使用されるプロセスに枠組みを与
ISOマネジメントシステム認証審査における要求事項(ISO17021-1)において、「審査の延期や中止」の代表格の要求事項は、「第一段階の結果によって、第二段階が延期又は中止される可能性」でしょう。ISO17021-1:2015では、第一段階の要求事項に、例えば、以下の要求があります。(以下、規格から引用)9.3.1.2.2第一段階は、次の事項を目的に実施しなければならない。a)依頼者の文書化したマネジメントシステム情報をレビューする。b)依頼者の事業所固有の条件を評
振り返りやおさらいになりますが、ISO9001、14001:2015発行以降、マネジメントシステム審査の概念が大きく変化した点は、◆リスクベース思考の審査→個々のプロセスを対象に、全ての審査の局面で、リスク思考を取り入れる◆文書中心の審査からプロセス中心の審査へ→逐条的アプローチ(文書を主体にしたチェックリストを埋めるような審査)の終焉→プロセスアプローチ(活動の結果-アウトプットに至るプロセスの審査)→プロセスのP-D-C-Aが回っていることの確認◆組織固有の状況の
組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。今回のテーマは、「シフト審査をしない正当な理由について」について。IAF文書(IAFMD5:20193.7)では、シフト審査について、以下の規定があります。(以下、MD5より引用)QMS及びE
本コラムの読者は、ISOマネジメントシステム認証組織関係者や認証機関の方が多いので、認定機関が認証機関に対して実施する認定審査に関する規定には、あまり馴染みがないかもしれません。今回は、認定機関が認証機関に対して実施する組織審査を立会する場合のIAFの規定(IAFMD17:2015)について、少し触れておきたいと思います。IAFMD17については、JABのWebサイトから、参考訳が掲載されているので、気になる項目について、以下に概略を挙げてみます。《立会いを実施するための一
ISOマネジメントシステム審査の業界仲間と話している時に、「30年前と変ったこと」について話が盛り上がりました。盛り上がった話は、一般的なことから、少しマニアックなことまでありますが、一般的なこととして、「文書類が電子媒体になったこと」があります。ISOマネジメントシステム審査の黎明期である1990年代は、組織が認証機関の審査員に提示する文書、記録は、オール紙媒体です。したがって、現地訪問前の文書審査では、組織は、マニュアルや手順書、主な記録類をキングファイルにファイリングして、郵
本コラムでは、何度か触れていますが、ISO9001:2015の「適用不可能」について、あらためて確認したいと思います。まず、規格の該当箇条を下記に引用します。(以下、ISO9001より引用)4.3品質マネジメントシステムの適用範囲の決定(省略)c)組織の製品及びサービス決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば、組織は、これらを全て適用しなければならない。組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は、文書化した情報として利用可能な状態に
言わずもがなですが、ISOマネジメントシステム認証審査では、「適合の証拠」を収集することが、現地審査に訪問した審査員の基本的な役割です。ISO17021-1:2015では、「審査証拠の収集」について、以下の要求があります。(以下、規格から引用)9.4.4情報の入手及び検証9.4.4.1審査証拠となるように、審査中に、審査目的、審査範囲及び審査基準に関する情報(機能間、活動間及びプロセス間のインタフェースに関連する情報を含む。)を適切なサンプリングによって入手し、検証しなけ
食品安全マネジメントシステム規格のひとつである「FSSC22000」。Version5以降、話題になっている規格解釈のひとつに、「本社が工場で製造する製品に対して責任を持つ業務」に関する審査方法があります。上記の話題に関するFSSC22000規格の要求事項として以下があります。(規格より引用)FSSC22000Version5.1Part35.2.1本部の業務1)認証に関わる業務(調達、サプライヤの承認、品質保証など)を本部が管理している全ての場合において、ス
「ISO/TC207/SC1」は、2022年1月の「SC1総会」において、ISO14001,ISO14004及びその運用の改善のためアドホックを立ち上げ、ANNEXSL改定検討、システマティックレビューでの各国コメント、フューチャーチャレンジレポート、ユーザー調査結果、ISO9001、ISO45001、ISO50001の改定動向を踏まえることとされたそうです。2022年12月に開催された「SC1総会」のアドホックグループからの報告から、気になる点を以下に引用します。特
コロナ禍以降、自宅で仕事をする機会が増え、今さらながら気づいたのは、「テレアポやFAX営業が多い」ことです。以前は、テレアポ電話に付き合っていましたが、ダラダラと商品説明が続くし、それを聞いているうちにイライラして時間の無駄と精神状態に悪いので、電話には出ないことにしました。ちなみに、今でもテレアポ営業の指導において、「電話をたくさん掛ければ、アポが取れる」という「数撃ちゃ当たる」式の確率論や根性論を説いているテレアポ教育があるそうです。私は、32~33年前の学生時代に、学習教材の
組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。今回のテーマは、「食品安全マネジメントシステムの非通知審査(システム変更)」について。食品安全マネジメントシステム規格に、「FSSC22000」という規格があります。このFSSC22000規格は、
組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。今回のテーマは、「現地審査での確認と審査報告書の記述」について。認証機関に対する認定基準について、「審査報告書」に関する要求事項を以下に、引用します。(※引用が長いので、コラムの結論を急ぎたい方は
組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。今回のテーマは、「認証文書とマークの適切な使用」について。ISO認証審査において認証機関によって、適合性が認められた組織には、認証機関より認証文書(認証書、登録証)が発行され、認定機関、認証機関のマーク
組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。今回のテーマは、「本部にサブサイトの資料を持ってきて実施する審査」について。組織が複数の常設サイトでマネジメントシステムを構築している場合の審査工数は、それぞれのサイトの要員数をベースに算出します。
組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。今回のテーマは、「労働安全衛生MSの審査におけるインタビュー対象者」について。ご存知のように、ISOマネジメントシステム認証制度では、各国の認定機関が認定した認証機関の相互承認を世界的規模で運用する
ISOマネジメントシステムの審査やコンサルティングに従事している仕事仲間が集まって雑談していると「日常の出来事をISO規格にあてはめる」ことをよくします。例えば、仕事仲間4~5人で、定食屋でランチを食べているとします。その定食屋さんは、年配の大将と女将さんで切り盛りしているお店。女将は、注文を取る時、メモも持たず、席に付いた客に向かって「注文は?」と聞きます。客が、次々に、俺は「サバの味噌煮」、私は「さんまの焼き魚」・・・「アジフライ」、「ミックスフライ」、「ぶり大根」・・・と矢
認証機関は、ISOマネジメントシステム審査について、審査する組織の産業分野によって審査に必要な力量を決めなくてはなりません。認証機関に対する要求事項であるISO17021-1:2015では、この力量に関する要求事項の規定が何カ所かありますが、例えば、「9.2.2.1.5」では、(以下、9.2.2.1.5より引用)審査チームリーダーは、審査チームと協議して、特定のプロセス、機能、事業所、分野又は活動を審査する責任をそれぞれのチームメンバーに割り当てなければならない。このような
組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。今回のテーマは、「機関の認定分野と審査員の専門性」について。ISOマネジメントシステムの審査を適切に実施するためには、マネジメントシステム規格の知識はもちろん、経営管理、品質保証、品質管理、環境や労
日産自動車の無資格者による完成検査の実施や神戸製鋼所の検査データの改ざんといった「日本の製造業は大丈夫なのか?」というような報道が、ここ最近、相次いでいます。日本人は、勤勉で、まじめで、誠実といわれ、その民族的な特性があるからこそ、ものづくりにしても、サービスの提供にしても、仕事の質が高く、きめ細かく仕事が管理され、「ジャパン品質」がユーザーや消費者から信頼されてきたことは、間違いなく言うまでもありません。製品やサービスの不良や不具合が発生しても、きわめて真摯にそれと向き