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「うそ?」展望台に着いたエレベーターの扉が開くと私の目に映ったのはずっと会いたいと思っていた人だった。慧くん、・・・。手すりに肘を付き展望台のガラスの向こうを眺めてる慧くんの姿に向かってゆっくり歩き出す。『しぃ、・・・。』「・・・、慧くん、・・・。」ガラスの向こうを眺めてる慧くんの声に私は返事をする。すると振り返り私を見た慧くんが驚いた表情になる。「・・・、慧くん、私、・・・。」自分でもわかる。今私の顔は真っ赤になってる。恥ずかしさでいっぱいの私はゆっくり慧くんの元へ進んで
「AinoArika#72」↓AinoArika#72|UNIONHey!Say!JUMP×妄想小説(ameblo.jp)「すいません」『いえ、私の方こそすいません』自分が運転する車が夢と魔法の王国と呼ばれる場所からどんどん離れて行く間、聞こえるのはエンジン音と対向車のタイヤ音だけの車内。今自分が口にした”すいません”が何に対して、誰に対してなのか、彼女が口にした”私の方こそすいません”が何に対して、誰に対してなのかわからなかった。
『ここで少し待ってていただけますか?』ずっと心ここにあらずのままショーが終わり、夜空を彩った花火の煙もなくなり、大勢いた周囲の人たちも少しまばらになり始めたころ、小山さんは言った。『すぐに戻ってきます。』「小山さん?」『ほんとにすぐ戻ってきます。ほんっとにすぐ戻りますから。だから少しだけここで待っててください。』そう言って小山さんは大勢の人の中へ消えていった。そんな小山さんが一体どこへ行ったのか、何をしに行ったのかそれを考えることもなくここから少し離れた場所、・・・、プレス専用エリア
「ここで少し待ってていただけますか?」壮大な音楽と共に城に映し出されるプロジェクションマッピング、華やかなラストをさらに盛り上げる花火が夜空に打ちあがってからしばらく経ち、城やその周辺にいた群衆が少しまばらになり始めたとき、俺は隣に立つ彼女に言った。「すぐに戻ってきます。」『小山さん?』「ほんとにすぐ戻ってきます。」プロジェクションマッピング、花火が上がってる間中、心ここにあらずだった彼女の顔が不思議そうなそれに変わり俺を見る。「ほんっとにすぐ戻りますから。だから少しだけここで待っ
「AinoArika#69」↓https://ameblo.jp/hey-say-jump-novel/entry-12378665689.html?frm=theme「わぁ、すごく美味しそう。」運ばれてきた料理の豪華さに思わず声が出る。「それにとてもきれい、・・・。」『よかった。喜んでいただけて。』「ふふ、・・・。大丈夫なんですね?」『え?』運ばれてきた料理から小山さんに視線を向けると彼は首を傾げた。「だってこのレストラン、明るいとは言えないじゃないですか?」『明る
「お先にー。」-あれ?もう帰っちゃうの?--もう少しここにいようよ。-日付が変わろうとしても相変わらずワイワイ賑やかな楽屋をあとにしようとした俺の背中に聞こえた知念と裕翔の声。「悪い、人待たせてんだ。」振り返らずに聞こえた声にこう答え、急ぎ足で地下の駐車場へ向かった。「うーー、さみーー。」今夜からこの時期らしい気温に戻るってことをすっかり忘れていた俺は薄手のパーカーのチャックを首元まで引き上げた。そして地下駐車場に着いたとたんもう一つ忘れていたことを思い出すことになる。「そ
「ただいまー!」テレビ局のロゴが思いっきり印刷された紙袋片手に裏口を開ける。そして莉夏さんがいつも立ってるところ、・・・、アレンジメントやブーケを作るためいろんな花や葉っぱが広げられてるカウンターへ向かった。『お帰りなさい。』店へ入ると作業してた手を止め、俺にきれいな笑顔を見せてくれた莉夏さん。『今日は遅くなるって言ってなかった?』莉夏さんはカウンターの前に立った俺に首を傾げた。「あ、・・・、うん。そうなんだけど、予定してたより収録が早く終わったんだ。」『そう。あ、・・・、今日も
『ただいまーー。』店の裏口が開いたと同時、大ちゃんの元気な声が聞こえた。『あーーっ!あっちーーっ!』私が立つカウンターの前、自分の指定席へ腰を下ろした大ちゃん。「お疲れさま。」『ほんとお疲れ、・・・、だよ。』そう言って大ちゃんはカウンターに突っ伏した。「今日も暑かったもんね。」『暑いってもんじゃないよ。』「じゃ、今日は思いっきり冷たいココアにしようか?」『待って。』作業をしていた手を止めて店の奥へ行こうとした私の背に大ちゃんの声。『アイスコーヒーにする。』「え?」『マ
『あ、いたいた。』大学近くの喫茶店。俺たちより三十分くらい遅れて来た大ちゃんは店内の一番奥の席に座ってる俺を見つけて手を挙げた。『ごめん、遅くなって。』「こっちこそ急に呼び出したりして悪かったね。」『いや、いいよ。ちょうど家、出ようと思ってたところだったからさ。』「そう?」『うん。あ、・・・、こんにちは。』・・・、バンッ!俺の隣に座っているしぃに気づいた大ちゃんが挨拶をしたとき、そのしぃがレポートの束を思いっきり強くテーブルの上に置いた。『謝って。』テーブルに置かれたグラス
「はぁ、・・・、マジかよ、・・・、」たった今教授から返されたレポートを見てため息をつく。完璧とまではいかないにしても、結構苦労して仕上げたんだぞ?なのにやり直せだって?「ウソだって言ってくれ。」『何そんなところで頭抱えてるのよ?』教授の部屋の前の壁に向かってレポート用紙の束を見ていたら後ろから声がした。「しぃ、・・・、」『はは、・・・、どうしたの?なんかこの世の終わりって顔だけど?』振り返った俺を見て笑ったしぃ。「もう笑いごとじゃないんだよ。」俺の言葉に笑ってたしぃはすぐそ
2018年6月23日。もうすぐ日付が変わろうとしたとき、大ちゃんが帰って来た。「お帰りなさい。」いつもと同じように大ちゃんを迎えると、彼は肩を落として、私をギュッと抱きしめた。『ただいま。』耳元で聞こえる声に疲れの音が混じってる。「お疲れさま。伊野尾くん、元気だった?」最近顔を見てない伊野尾くんのことをたずねたのは、舞台中の光くんに代わって今夜大ちゃんが伊野尾くんと一緒にラジオの生放送をしてきたから。『・・・、あ、・・・、うん。元気だったよ。今度時間作って莉夏さんの店に行くって言
『・・・、どうして、・・・、』大ちゃんが最近一人でよく来ると言った焼き鳥屋の個室。その個室の障子を開けたしぃは個室の中、小さなテーブルを前に並んで座ってる俺と大ちゃんを見て明らかにびっくりした顔になった。『やっと来た。』びっくりした顔を俺たちに向けてるしぃにこう言った大ちゃん。『さっき休憩時間にケータリング食ったあとなんも口にしてないからさ、腹減ってたまんなかったんだよ。あ、・・・、おやじさんにはなんでもいいから適当に焼いて持って来てって言って。』しぃの後ろに立っている焼き鳥屋の従業
「悪い、大ちゃん、ちょっと一人にしてくれ。」『おい、何する気だよ?』スタジオ奥の壁の前に立ってるのがしぃだと気づいた大ちゃんがこう言ったけど、俺は大ちゃんの返事も待たずしぃが立ってる方へ向かった。どうしてだよ?なんで俺の前から突然いなくなったんだ。「大阪に戻りました。」きみが送ってきたはがきに書かれた言葉はたったこれだけだった。大阪に戻った理由、内定していた会社を断ってまで叶えたかった夢がなんだったのか、俺が知りたかったことは一言も書いてなかった。三年ぶりにきみに会えた今、このほ
-はーい、じゃ次キッチンの方へ移動してください。-監督さんの声に俺たちはセットの中に作られたキッチンへと移動した。-冷蔵庫に食材が入ってるからそれ使って実際料理する感じで。あと食器も調理器具も自由に使ってもらっていいから。-監督さんの指示どおりメンバーそれぞれが思い思い料理をする格好をする。料理だけじゃない。部屋の掃除する姿。くつろいでる姿。遊んでる姿。俺たちはカメラの前でいろんなポーズを取ったり、演技をしたりしていた。俺たち九人が住んでる部屋って言う設定で作られたセット。そ
-おはようございまーす。--よろしくお願いしまーす。-こんな挨拶をメンバーそれぞれが口にしながらスタジオへ入る。今日は久しぶりのPV撮影。九人揃うのも久しぶり。『おー、かわいいセットじゃん。』俺と並んでスタジオに入った大ちゃんが目の前に用意されたセットを見て言う。『”ComeOnAMyHouse”、”愛すればもっとハッピーライフ”の続編だからね。』大ちゃんの後ろに立ってた知念の声。『前とおんなじで明るくてポップなセットでなんか見てるだけで楽しくなるね。』確かに知念の言
-お降りはあちらから、・・・、-キャストさんの案内の声に、小山さんはにはぁー、っと大きなため息をついた。「大丈夫ですか?」並んで階段を下りながらこう聞くと小山さんは首を横に振った。『大丈夫じゃないですよ。明るい外をゆっくり走るだけだと思ってたのに、なんで急に真っ暗になるかなぁ。』ふ、ふふ、・・・。小山さんが何を言おうとしてるのか分かった私は笑い出しそうになる。『あーーっ、莉夏さん、今僕のことバカにしたでしょ?』「・・・、いいえ、してませんよ?」『ウソだ、今のその様子、絶対バカに
『もう行くね。』二人して頭を付き合わせながら提出期限が来週に迫ったレポートを書いていたら俺の前に座っていた彼女が立ち上がった。「行くって、・・・。」『バイトよ。あなたとぶつかったあの日はなんとかぎりぎり滑り込みセーフだったけど、もうあんなことしたくないから。』こう言った彼女は自分が座ってた隣のイスに置いていたリュックに手をかけた。『じゃあね。』「待ってよ。」手をかけたリュックを持ち上げた彼女を見る。長身の俺とほぼおんなじ背丈。長くて黒い髪はこの前ぶつかったときと同じように頭の後
『今日のロケ先、ちょっと遠いってこと覚えてた?』ロケバスの車窓から限りなく続く高速道路の防音壁を眺めていたら隣に座ってる大ちゃんの声が聞こえた。『・・・、いや、覚えてないか。集合時間さえ忘れてたくらいだからな。』この高速道路をひたすら走り続けたらどれくらいで大阪に着くんだろう?さっき陽が落ちたところだから、深夜になるだろうか?それともどこかで渋滞にはまって空が白らんでくるころになるだろうか?『あーあ、まったくよくやるよな。遠くに行ってしまった人を三年も待ち続けるなんてさ。』有りえな
「ただいまー。」いつものように店の裏口を開け、帰って来たよってあいさつ。『お帰りなさい、大ちゃん。』店の中、いつもの場所に立つ莉夏さんが返事をしてくれる。うん、これだ。大好きな人の、大好きな声を聞くと一日が終わったって実感する。『お疲れさま。』いつものようにカウンターに立つ莉夏さんは俺を見て微笑む。そうそう、これも。この莉夏さんのきれいな笑顔を見ると、今日も莉夏さんのところに帰って来たって嬉しくなる。「莉夏さんもお疲れさま。」こう言ってカウンターを挟んで莉夏さんが立つ向かい
『ただいまー。』キッチンに立つ私に聞こえた大ちゃんの声。「お帰りなさい。」いつものようにお迎えの言葉を口にする。『ただいまーーっ!』ふふ、・・・。後ろから私を抱きしめたいつもと同じ大ちゃんに胸がキュンとなる。「お疲れさま。」こう言って私は手にしてたオレンジ色の花びら、・・・、最後の花びらを皿に置いた。『え?何これ?』後ろから大ちゃんの声。「さぁ、なんでしょう?」こう言って花びらを置いた皿を少し持ち上げる。『オムライス、・・・、だよね?』今置いたオレンジ色の花びらのほか
「今日もきれいじゃん。」オレンジ色に染まった空を見上げこうつぶやく。まだ大勢の観光客がいる中、俺はいつもの場所、・・・、一番きれいに東京の街を見渡せる窓へと向かった。途中にあるガラス張りの床。そこに立ち止まり下を見下ろす。高所恐怖症じゃなくても一瞬足がすくむ感じがする。俺でこうなんだ。「ここに立つなんてこと、山田には絶対ムリだろうな。」ガラス張りの床の下に広がる赤いタワーの足元を見ながら俺はこの前、自分たちの番組のロケでめちゃくちゃ高い場所にある吊り橋を渡る山田の姿を思い出した。
ねぇ、元気?ねぇ、ちゃんとやってる?ねぇ、そっちはどうかな?僕はね、最近ため息が増えたみたいだ。うれしい、楽しいだけでやっていける仕事じゃないことは分かってた。だからなんだろうな。疲れたとき頼れる友人がほしくて、ため息をついたとき優しく笑ってくれる友人がほしくて、この世界以外の友人がほしくて四年と言う期限付きだけど、それまでとは違う人たちがいる場所へ身を置くことを選んだんだ。『入学したときから卒業後の進路がもう決定してるあなたに私のような苦学生のことは分からないだろうね。』こ
「AinoArika」じゃなくてすいません。さっそく表題の件。「AinoArika」を書き疲れ、ここ数日趣味の針仕事をしていました。なのに頭の中では、大ちゃんにあそこへ行ってもらおう。大ちゃんにこのセリフを言ってもらおう。小山さんと莉夏さんにはもう少し一緒にいてもらおう。・・・、と、まぁ、気付けばお話のことを考えてる自分がいました。書き疲れて、少し妄想話から離れたくて違うことをしてたはずなのにね(;^_^Aこうなると病気だ。うん、完全に病気。(↑そんなこと前々からだろって声
『お待たせしてすいません。』マンションの前に停めた車から急いで降りた小山さんが私に謝る。『事前に休みの届け出してたのに、朝っぱらから呼び出されるとは思っていませんでした。』「それで、お仕事は大丈夫ですか?」『はい!パパっと片付けてきてやりました!』冗談っぽくそう言い、微笑む小山さんを見て胸がドキンと波打つ。ごめん、大ちゃん。やっぱり、私、・・・。私、小山さんともう少し一緒にいたい、・・・。『莉夏さん?』「あ、・・・、ごめんなさい。」あの夜、久しぶりに会った大ちゃんからも
『いらっしゃいま、・・・、あれ?』店の扉を開けると手越が驚いた。『どうした?』スツールに腰を下ろす間もなく、手越が聞く。『彼女、家まで送ってったんじゃないの?』「悪い、水くれるか?」手越の問いに答える前に、乾ききった口と喉が要求してるものがほしい。『ほら。』手越はすぐに冷蔵庫から冷えた水を取り出し、それをグラスに注いだ。『で?何があった?まさか、・・・、タクシーに乗ったのって彼女一人だけ、・・・、』「違うよ。」グラスの水を一気に飲み干し、手越を遮った。「一緒に乗ったよ。で
「いないんだ、・・・。」インターフォンを押しても反応がない莉夏さんの部屋。仕方ない、ここにかけて行くか。「本当は直接渡したかったけど、・・・。」俺は手に持ってたコンビニの袋をドアノブに引っかけた。帰ってないってことはまだ店?店に残ってオーダー受けたアレンジメントとかブーケ作ってる?ううん、違う。きっと店にはいない。俺の直感がそう教える。そして送った毎日メッセージに”既読”がつかないことがそう教える。今日の毎日メッセージと写真は三回。休憩時間、莉夏さんの
『いつですか?』微笑みながらこう聞く彼女。『このパスポート、日付の指定がありません。私は小山さんのご都合に合わせますけど、でも店があるので事前にいつの日か分かれば店を休む用意を、・・・、』「いいんですか?」思わず彼女の言葉を遮りこう聞いていた。「ほんとにいいんですか?」『はい。私も小山さんと一緒にここに行きたいです。』今聞いたこと、本当か?自分の耳が信じられない。彼女のきれいな笑顔を見てこう思う。『よかったじゃん、慶ちゃん。』きれいな笑顔を浮かべる莉夏さんを見てるといつの間
『いらっしゃいま、・・・、あ、、・・・。』店の扉を開けるとグラスを拭いていた手越が俺を見てその手を止めた。『何?なんか用?』「相変わらずな対応だなぁ。その口のききかたでよく客商売やってられるな?だからだぞ?この店も相変わらずなのは。」こう言って店の中を見てみる。カウンター、テーブル席。どこにも客の姿はない。「相変わらず客がいない。」『大きなお世話。放っといてくれ、・・・、ってそんなことより、・・・。』吹いていたグラスをキャビネットへしまった手越はカウンターから出てこっちへやって
『ここです。』並んで歩いていた小山さんがある店の前で足を止めた。赤い屋根。屋根につけられた黒い看板には店名を表す大きなアルファベット文字。茶色い木の窓枠には大きなガラス。その大きなガラス窓からこぼれる明かりはあたたかく、店内は優しい雰囲気が漂っていることを教えてくれてる。『入りましょうか?』そう言って小山さんは金色の取っ手に手をかけた。・・・、カラン、・・・。扉を開けると私の店と同じようなベルの音が来店者が来たことを知らせる。-いらっしゃいませ。--こちらにどうぞ。-私た
『うわ、・・・、美味しい。』夏澄ちゃんが作ったパスタを口に入れたしぃが頬を緩ませた。『私が好きな固さに、私が好きなトマトソース。うん、美味しい。』『よかった。』夏澄ちゃんもまた頬を緩ませ微笑んだ。『いやいや、栞里ちゃん、そのソースさ、レトルトだよ?ただ茹でただけだよ?誰がやったってそれなりの味になるんだよ?』『レトルトだって別にいいでしょ?ここは画材屋。レストランでもカフェでもないの。』『そんな店に誰が誘ったんだよ?こんな時間まで仕事して疲れてんだぞ、栞里ちゃんは。』『いいのよ、