いつまでたっても帰国できない弥三郎は、マガダンの日本人たちが帰国するという情報を聞いて「自分だけ1人取り残されてしまった」という孤独感と何ともいえない寂寥感に苛まれ、生きていく意欲が失われつつあった。一方では、まだ監視の目に囲まれているのを感じて「俺は帰国を許されない運命なんだ」という気持ちになって、意気消沈していた。同僚たちは、ソ連の国籍を取って人並みの暮らしをすればいいと勧めてくれた。弥三郎は、生きてさえいれば、いつかは家族に会えるかもしれないと思い、迷った果てにソ連国籍を取ることにした。弥