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再会してまだ間も無い頃のこと。彼が未だ警戒心、或いは猜疑心を拭い切れぬ頃のこと。一緒に電車に乗り込んだ三人は、並んで座ることはありませんでした。彼女はひとり、兄妹と向かい側の席に座ります。「こっちに座ればぁ?」と誘いをかけられた彼女はこう答えます。「私はこっちでいいよ」「見ているだけでいい」瞳が湛える色は優しげでありながら、寂しさや諦めが入れ混じったかのようにも感じられるものでした。向かい合いつつの応酬を経て、彼はこう思います。「今の関係だって、いつ壊れてもおかしくないくら
令和5年11月20日、「渡くんの××が崩壊寸前」の最終刊である第16巻がいよいよ発売となります。(第16巻表紙)表紙を飾るのは、この物語の絶対的ヒロインである館花紗月です。その装いは第1巻を彷彿をさせるものでありますが、浮かべる微笑みは随分と異なる印象を与えるようにも感じられます。(第1巻表紙)第1巻表紙の微笑み、それは何とは無しに曖昧で、そして何処か不安にも感じられるものでした。それは第1巻や第2巻に漂っていた、彼女が醸す儚さや自意識の低さなるものを暗示しているようにも
令和5年9月20日、月刊ヤングマガジン第10号にて「渡くんの××が崩壊寸前」は遂に最終回を迎えました。(終幕)「またね」の吹き出しの彼方へと歩み去ろうとする館花紗月と石原紫。その様は、物語の終焉をこの上無く雄弁に物語っていると言えましょう。セピアの彩りと相俟って、見る者の心に切々とした哀しみを呼び起こすものなのでしょう。「渡くんの××が崩壊寸前」は、角川書店の「ヤングエース」にて平成26年9月から連載が開始され、途中で講談社の「月刊ヤングマガジン」へと移籍し、令和5年9月20日までの約
令和5年8月18日、「渡くんの××が崩壊寸前」第15巻が発売となりました。(表紙は館花紗月)何故、6冊あるのかについては後程に説明させて頂きます。さて、第14巻のラストにて、この物語は決定的な局面を迎えたと言っても良いのでしょう。(決定的な発言(14巻第6話))お互いの想いを確かめ合い、遂に恋人同士となった館花紗月と渡直人!続く第15巻ですが、衝撃の展開です!夏休み限定とは言えども、この2人は同棲なるものを始めてしまうのです!!!(これはもう表紙の帯にデカデカと書
(至高の仕事人ぶり!)「渡くんの××の崩壊寸前」には多くの魅力的なキャラクター達が登場します。主人公である渡直人とその妹である渡鈴白、館花紗月や石原紫といったヒロイン達、そして渡多摩代さん・徳井・梅澤真輝奈に石原美桜さんといった脇を固める人物等々、それらの登場人物は個性や表情などがリアリティある筆致で描かれており、それ故に物語はえも言われぬ迫力や臨場感を醸し出しているのでしょう。そして、作品中には「名前付き」の主要キャラクター以外にも多くのモブキャラ達が登場しています。渡直人の同級生
令和5年1月19日、「渡くんの××が崩壊寸前」第14巻が発売となりました。(表紙は館花紗月)第13巻は、己の中の館花紗月への思いに、そしてその強さに気が付いた渡直人が雪降る横浜駅の前にて彼女と再会するところにて幕を閉じました。(雪夜の再会)第13巻にて語られた「今度は直くんからキスしてくれたら、直くんの気持ち信じてあげる」という館花紗月の言葉、それは物語が、そして館花紗月と渡直人の関係性が大きく変化していくことを示唆するものと言えるでしょう。(物語の転換点)さて、第1
令和5年1月19日、いよいよ「渡くんの××が崩壊寸前」第14巻が発売となります!(第14巻表紙)第14巻の表紙を飾るのは館花紗月!ややレトロ感を漂わせるセーラー服と何処か寂しさを湛えたかの色合いの瞳は哀感を孕む展開を暗示しているようであり、靡く髪や舞い散る黄緑の三角形は波乱の予感もまた抱かせるように思えます。第13巻ですが、第12巻からその存在感を薄れさせていた館花紗月が物語へと復帰し、そして渡直人との関係性が大きく深化することを予感させる幕切れとなっていました。(雪の
【本記事では「主役」!】「渡くんの××の崩壊寸前」には多くの魅力的なキャラクター達が登場します。主人公である渡直人とその妹である渡鈴白、館花紗月や石原紫といったヒロイン達、そして渡多摩代さん・徳井・梅澤真輝奈に石原美桜さんといった脇を固める人物等々、それらの登場人物は個性や表情などがリアリティある筆致で描かれており、それ故に物語はえも言われぬ迫力や臨場感を醸し出しているのでしょう。そして、作品中には「名前付き」の主要キャラクター達以外にも多くのモブキャラ達が登場しています。渡直人の同級生や
「祭り」、それは非日常のものであり、何時しか終わるものなのです。何時か終わりが訪れる非日常、それが「祭り」なのでしょう。(第13巻表紙)然れど、もしも終わることの無い「祭り」があるとするならば…それは最早、「日常」と言うべきものなのです。嘗てはこの物語において「祭り」であった「嶋田さん」しかし、この第13巻を契機として、彼女は「日常」へと変貌を遂げたのです。この記事を書いているのは令和4年7月30日、「渡くんの××が崩壊寸前」第13巻の発売日である令和4年7月20日の10日
令和4年7月20日に「渡くんの××が崩壊寸前」第13巻が発売となりました。(表紙は梅澤真輝奈)今回は「概観」として、第13巻のイメージを紹介させて頂きます。ネタバレは無しです。あと、画像は第12巻以前のものなのでご安心下さい。第12巻の後半部分では、沖縄での修学旅行のシーンが描かれていましたが、行方知れずとなっていた館花紗月の影を感じた渡直人は、彼女への想いに突き動かされつつありました。(ほとばしる想い)もう一度、館花紗月と話したい、そしてこれまでの酷い行いについて
「渡くんの××が崩壊寸前」第13巻ですが、何と!令和4年7月20日に発売になるとのことです。(表紙は梅澤真輝奈の模様)表紙は活発そうな雰囲気を漂わせる梅澤真輝奈!ぶっちゃけここ暫くは登場の機会も少なめな感でしたが、第13巻ではどんな活躍を見せてくれるのでしょうか?(第13巻での「活躍ぶり」)第12巻ですが、中盤までは館花紗月の影が薄いままで進行するストーリーでした。(去りし人への想い)いよいよ始まった修学旅行にて、渡直人はその行く先々にて館花紗月の面影を幾度も目にすることとなります
本記事は2月20日に投稿しています。2月18日に発売となった、「渡くんの××が崩壊寸前」第12巻の内容に言及した記事であるため、ネタバレにはご注意下さい。しばらく改行します。(第12巻表紙は石原紫!)(改行終了)愛、憶えていますか?嶋田さん、憶えていますか?「嶋田さん」それは、「渡くんの××が崩壊寸前」第10巻にて恰も彗星の如く忽然と登場し、刃傷沙汰が勃発しても納得できてしまうような殺伐&寒々たる当巻の雰囲気を、そのホンワカとした態度や所謂萌え袖にて何とかリカバ
久々の投稿となってしまいました。(第12巻表紙)2月18日に「渡くんの××が崩壊寸前」第12巻が発売となります。これまで渡直人のことを只管に思い、そして時として際どく彼に迫ってきた館花紗月。そんな彼女は、第11巻の末にて、衝撃的な言葉を残し、渡直人の前から姿を消してしまいました。(衝撃の結末)館花紗月のこの発言の真意とは?そして、館花紗月に依存し切っていた自分自身に漸く気が付いた渡直人は如何なる行動を取るのか?(嘆きと後悔)実に気になる展開です。気になる方は是非、お求
令和3年8月5日、「渡くんの××が崩壊寸前」第11巻が発売となりました。(第11巻表紙)講談社ページ『渡くんの××が崩壊寸前(11)』(鳴見なる)製品詳細講談社コミックプラス「紗月のことも石原さんのことも好きだから、どっちとも付き合わない」考え抜いた末、出したはずの答えなのに罪悪感が残る直人。そんな中、多摩代さんから取り壊しになる信州の実家からPCを回収してきてほしいとの依頼を受ける。そこは直人が家族と共に過ごした場所であり、紗月と初めて出会った場所だった――。kc.kodansha
令和3年8月5日に発売となった「渡くんの××が崩壊寸前」第11巻は、第10巻までの既刊分と比較し、幾つかの点において大きな変化が見られます。(劇的に変わった表紙)今回は、第11巻の発売即後考察として、当巻における大きな変化について述べさせて頂きます。なお、第11巻に接してからまだ日も浅く、十分に読み込んでいない状態での考察ですので、精度或いは深さについては恐らく不十分であろうと考えます。その点については悪しからずご了承下さいm(__)mなお、本投稿にはネタバレが含まれます。発売からま
本ブログにおいては「渡くんの××が崩壊寸前」について妄想満載の考察を述べさせて頂いてますが、この作品って一体何?って思われる方もおられるかと思います。なので、本投稿では本作品の紹介をさせて頂きたく思います。よろしければご覧ください。8.1311巻関連記事まとめ『「渡くんの××が崩壊寸前」考察第11巻関連記事まとめ』令和3年8月5日に発売となった「渡くんの××が崩壊寸前」第11巻に関する記事のまとめページです。(第11巻)記事その1:第11巻全般紹介第11巻に関する全般的…ameblo
令和3年8月5日に発売となった「渡くんの××が崩壊寸前」第11巻は、第10巻までの既刊分から幾つかの点において大きな変化が見られます。(劇的に変わった表紙)今回は、前回に引き続き、第11巻の発売即後考察として、第11巻における大きな変化について述べさせて頂きます。なお、第11巻に接してからまだ日も浅く、十分に読み込んでいない状態での考察ですので、精度或いは深さについては恐らく不十分であろうと考えます。その点については悪しからずご了承下さいm(__)mなお、本投稿にはネタバレが含まれます
第10巻における館花紗月の言動、それは極めて積極的です。第9巻から引き続く館花紗月の積極性、それは渡直人をして石原紫との関わりを再考させる原動力ともなり、そして、第10巻に漂う、どこか切なげな雰囲気の要因ともなっているのでしょう。(決定的な台詞)↓↓関連リンク先↓↓①そもそも「渡くんの××が崩壊寸前」って何?って方へ作品・登場人物・あらすじ・作品概観など②このブログって一体何?どんな感じで考察してるの?って、方へ考察の全体計画・各考察へのリンクページ③この作者の他の作品ってどんなの
ご無沙汰しています。ここ暫く更新をお休みさせて頂いています。年度末&年度始めということで何かと忙しく…個人的にも何かとあったり。今週中には色々落ち着くかと思います。次の週末には投稿を再開する予定ですのでお待ち頂ければと存じます。最近は多くの方々にお読み頂いている中、更新が滞り大変申し訳ありません。話は変わりますが、最近、こんなものを通販で買いました。そう、北海道のコンビニ・セイコーマートさんの「山わさび塩ラーメン・改」です!この「山わさび塩ラーメン・改」、ラーメン大好き小泉さん
「渡くんの××が崩壊寸前」第10巻、その「構造」は既刊分と比較した場合、かなり異質なものであるとも言えるでしょう。(「牛」な石原紫)↓↓関連リンク先↓↓①そもそも「渡くんの××が崩壊寸前」って何?って方へ作品・登場人物・あらすじ・作品概観など②このブログって一体何?どんな感じで考察してるの?って、方へ考察の全体計画・各考察へのリンクページ③この作者の他の作品ってどんなのあるの?鳴見なる作品紹介等④10巻関連記事まとめ10巻記事まとめ⑤9巻関連記事まとめ9巻関連記事まとめ
令和3年3月5日に発売となった「渡くんの××が崩壊寸前」第10巻に関する記事のまとめページです。(第9巻表紙)ネタバレ的な内容もありますので、ご注意下さい。(⭐️の数でネタバレ度を示しています。⭐️×3が一番ハードなネタバレなのでご注意を!)記事その1:第10巻特典ネタバレ度:無し第10巻の発売に際し、三種類のイラストカードが特典としてリリースされました。其々について紹介します。魅惑の第10巻特典!『「渡くんの××が崩壊寸前」第10巻発売(3月5日)』(動く館花紗月!)いよいよ
「渡くんの××が崩壊寸前」の考察計画及び各項目の概要を記します。本ブログでは、主に館花紗月の謎について考察してます。また、彼女の謎を考察する上で避けて通れない渡直人の考えなどについても考察しています。石原紫や梅澤真輝奈、そして渡鈴白についても若干ですが考察しています。令和3年3月5日第10巻発売!(表紙は思わせぶりな微笑みを浮かべる館花紗月)最終更新:3.8第10巻即後考察(その1)第10巻の「構造」について『「渡くんの××が崩壊寸前」考察第10巻即後考察(その1)第10巻の「構
令和3年3月5日「渡くんの××が崩壊寸前」第10巻が発売されました以下、軽くネタバレになります。まだ第10巻をお読みになられておられない方はご注意下さい。「揺らぐ者、揺らがぬ者」渡直人は揺らぎます。石原紫への未練そして館花紗月からの誘惑彼女への慕情との狭間で。石原紫は揺らぎません。「文化祭の呪い」を信じ、渡直人へ再び告白しようと心に決めます。そして館花
本作品においては、登場人物の言動から、其々の抱える「共依存」的な性向が垣間見えることがあります。その描写は極めてリアリティに満ちており、この物語にえも言われぬ深みを与えていると言えるのではないでしょうか。(空虚な自我)↓↓関連リンク先↓↓①そもそも「渡くんの××が崩壊寸前」って何?って方へ作品・登場人物・あらすじ・作品概観など②このブログって一体何?どんな感じで考察してるの?って、方へ考察の全体計画・各考察へのリンクページ③この作者の他の作品ってどんなのあるの?鳴見なる作品紹介
本作品においては、登場人物の言動から、其々の抱える「共依存」的な性向が垣間見えることがあります。その描写は極めてリアリティに満ちており、この物語にえも言われぬ深みを与えていると言えるのではないでしょうか。(後姿)↓↓関連リンク先↓↓①そもそも「渡くんの××が崩壊寸前」って何?って方へ作品・登場人物・あらすじ・作品概観など②このブログって一体何?どんな感じで考察してるの?って、方へ考察の全体計画・各考察へのリンクページ③この作者の他の作品ってどんなのあるの?鳴見なる作品紹介等④9
このところ記事の更新等が滞っております。今週(1月18日の週)はちゃんとやります。(牛柄石原さん!)ということで、少しお知らせ的なこと。お知らせその1:「渡くん」10巻の発売について先日の記事にて、「渡くんの××が崩壊寸前」第10巻の発売は年明け早々になりそう!といった感じのことを申し上げました。問題の記事!『謹賀新年』新年あけましておめでとうございます。何年続けていても、延々と二つの作品の記事しかやっていない偏屈なブログですが、今年も何卒よろしくお願いします。(ちょっと時…am
本作品においては、登場人物の言動から、其々の抱える「共依存」的な性向が垣間見えることがあります。その描写は極めてリアリティに満ちており、この物語にえも言われぬ深みを与えていると言えるのではないでしょうか。(幸せだったころの「家庭」)↓↓関連リンク先↓↓①そもそも「渡くんの××が崩壊寸前」って何?って方へ作品・登場人物・あらすじ・作品概観など②このブログって一体何?どんな感じで考察してるの?って、方へ考察の全体計画・各考察へのリンクページ③この作者の他の作品ってどんなのあるの?鳴見
本作品においては、登場人物の言動から、其々の抱える「共依存」的な性向が垣間見えることがあります。その描写は極めてリアリティに満ちており、この物語にえも言われぬ深みを与えていると言えるのではないでしょうか。(「兄妹カプセル」な関係)↓↓関連リンク先↓↓①そもそも「渡くんの××が崩壊寸前」って何?って方へ作品・登場人物・あらすじ・作品概観など②このブログって一体何?どんな感じで考察してるの?って、方へ考察の全体計画・各考察へのリンクページ③この作者の他の作品ってどんなのあるの?鳴見な
本作品においては、登場人物の言動から、其々の抱える「共依存」的な性向が垣間見えることがあります。その描写は極めてリアリティに満ちており、この物語にえも言われぬ深みを与えていると言えるのではないでしょうか。(空虚な自我)本考察では、作中における登場人物其々の「共依存」的な描写について考察するとともに、そのパーソナリティに関しても考察するものとします。「その4」においては渡直人の「共依存」的な性向について考察すると共に、「共依存」と並んで本作品のテーマである「家族」との関連性等についても考察し
今回は「六十杯目」(8巻第3話)の実食について投稿します。今回は実際に伺った場面の画像が多いため、「エピソード紹介」と「実食」とは分割して投稿させて頂きます。(8巻表紙)↓↓ラーメン大好き小泉さん紹介↓↓ラーメン大好き小泉さん↓↓小泉さん関連投稿まとめ↓↓投稿まとめ↓↓鳴見なる作品紹介↓↓鳴見なる作品紹介等[エピソード紹介]エピソード紹介についてはこちらをご覧下さい六十杯目エピソード紹介[実食]今回のエピソードで登場したのは、いつ