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どうも。「殺処分されるクマが可哀想」と思うだけなら勝手ですが、秋田県庁に長々と抗議電話したり、SNSに「秋田県民は出ていけ」と投稿したりするのは異常です。これらの愚行を実践するかどうかがバカの分水嶺です。それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『非常線の女』です。ギャングの世界から弟を抜けさせようとする姉の姿を見て、ギャングのカップルもその世界から足を洗うために最後の一仕事をする。1933年公開の白黒サイレント作品。監督は小津安二郎で、出演は田中絹代、岡譲二、水久保澄子、三井秀
#非常線の女
「お箸の国の人だもの邦画ベスト100」今日は長谷川和彦監督のFacebookで邦画オールタイムベスト100というのをやっていたのに触発されて、自分が今まで観てきた邦画の整理総括する為に「邦画ベスト100」を書いてブログにアップしてみました🎞早速レッツラ・ゴー‼️第1位「祇園の姉妹」(監督溝口健二)第2位「浪華悲歌」(監督溝口健二)第3位「非常線の女」(監督小津安二郎)第4位「鴛鴦歌合戦」(監督マキノ正博)第5位「東京流れ者」(監督鈴木清順)第6位「麦秋」(監督小津安
先月31日、TOHOシネマズ日比谷に『連続ドラマWOZU~小津安二郎が描いた物語~』の『第一話出来ごころ』と『第三話非常線の女』を観てきました。上映前にサインも見てきました。上映後に松本優作監督、前田敦子さん、高良健吾さんの舞台挨拶がありました。動画を貼っておきます。『第一話出来ごころ』と『第二話生れてはみたけれど』は父と子の物語でしたが、『非常線の女』はその2作とは全くテイストが異なる作品。時子役のあっちゃんが妖しげで美しくそれでいて可愛らしくと
昨夜はヒューリックホール東京で『連続ドラマWOZU~小津安二郎が描いた物語~』の『第一話出来ごころ』と『第二話生れてはみたけれど』を観てきました。YouTobeで城定秀夫監督と田中圭さんのフル尺の舞台挨拶が観られますので是非ご覧になってください。『女子高生に殺されたい』を観た時から、城定秀夫×田中圭の次作を待ち望んでいたので、舞台挨拶があると知る前から絶対に観に行こうと決めていました。唯一の懸念はテレビ作品が映画祭で上映されて違和感は無いのかということで
アサヒグラフ昭和3年(1928)5月9日號掲載の銀座通りのパノラマ写真から、戦前の銀座の街並みを見て行きましょう、という記事ですが……はじめはちと脱線しまして――前年の年末昭和2年(1927)12月14日號の表紙。当時ののんびりした銀座の様子がわかります。おそらく……銀座七丁目・西側の亀屋なのではなかろうか?(違ってたらすみません)亀屋は……(当時の表記だと「龜屋」だろう)七丁目角に大きな店、扱うのは洋酒。「マッサン」(NHK朝のドラマ)のモデルとなった鳥居信治郎
最近イヤなことばかり續くのはきつとしばらく神社へお參りしていないせいではなからうか?などとおもつて鹿島神宮へお參りしました。かなり久しぶりです。あ。最近舊字(旧字)にはまっているのは別にヘンなスピリチュアル系のなにかとか神道系の新興宗教とかにハマっているせいではなくて、たんに毎日のように昭和3年のアサヒグラフを讀んでいるせいです。ご安心ください。御手洗池でしばらく寫眞を撮りました。望遠レンズを使つて藝術家氣取りの寫眞を撮りました。アアテイス
アナザー「ヤスジロー」……島津保次郎の「家族会議」(1936)をみたのですが、なんだか、わたくし・トマス・ピンコのために作られたかのような作品でした。すなわち、世界一イケてる自動車メーカーモーパー……a.k.a.クライスラーの戦前の大傑作「エアフロー」を、1936年当時、おそらく世界で一番かわいかったであろう高杉早苗たんが運転、爆走する、という……エアフロー&高杉早苗それでお腹いっぱいのところに、ツヤコお嬢さまこと、三宅艶子著「ハイカラ食いしんぼう記」で読んで以
目下、「古川ロッパ昭和日記・戦前篇」を読んでいるのですが、「全日記小津安二郎」と対照させて読んだところ、けっこうおもしろかったのでメモがわりに、この記事を書きます。はじめに書いておきますと――日記を読む限りでは小津安二郎と古川ロッパこの二人が会ったことはなさそうです。(あくまで戦前のはなし)会ったことがないだけではなく、「全日記小津安二郎」には古川ロッパの名前が出てこないし、「古川ロッパ昭和日記」には小津安二郎の名前が出てこない。お互いに関心ももっていなかったようで
「非常線の女」「非常線の女」全編1933年4月27日公開。戦前の小津安二郎のサイレント作品。原案:ゼームス槇(小津安二郎)脚色:池田忠雄監督:小津安二郎キャスト:時子:田中絹代襄二:岡譲二和子:水久保澄子その弟宏:三井秀夫みさ子:逢初夢子仙公:高山義郎三沢:加賀晃二岡崎実:南條康雄秘書:谷麗光拳闘場のボス:竹村信夫ダンスホールの与太者:鹿島俊作巡査:西村青児警官:笠智衆(ノンクレジット)あらすじ:岡崎商事でタイピストとして
ジュネス企画なるところが出しているエルンスト・ルビッチの5枚組DVDというのを買ってしまいまして――(「陽気な中尉さん」(1931)「私の殺した男」(1932)「極楽特急」(1932)「天使」(1937)「生きるべきか死ぬべきか」(1942))すっかりルビッチファンになってしまったトマス・ピンコであります。小津安っさんが「ルビッチ」「ルビッチ」言っているのはもちろん知っていたのですが……まさか、こんなすさまじい巨匠……天才だとはおもわなかった……□□□□□□□□もとい、、、
その2です。おもてのテーマは「塔」なんですけど――今回の「裏」のテーマは◎「日本間」で映画を撮るテクニックということになりそうです。□□□□□□□□前作「非常線の女」(1933)から「出来ごころ」(1933)への過激なシフトチェンジに関して……そこに一九二〇年代的なインターナショナルなモダニズムに対し、反モダニズム・ナショナリズムが勃興し取って代る一九三〇年代的時代相がある。それが「回帰」の主題である。(岩波現代文庫・田中眞澄著「小津安二郎周游(上)」142ペ
今まで小津安二郎の初期作品(「若き日」から「非常線の女」まで)を、「塔」という観点から分析してきまして、だんだんわかってきたことは――①「塔」の意味は……将来への希望、性的欲望のシンボル、若い頃に抱いていた純粋な夢、等々である。と、いうことでした。また描かれる「塔」は、電柱、時計台、煙突、教会・銀行等の巨大建築物、もしくは樹木という場合が多いのですが、例外として「花火」→「東京の合唱」「時計」→「東京の女」「ヒロイン(田中絹代)」「白いポット」→「非常線の
リブログなるものをやってみますが――なんと‼4年前の記事では↓↓・小津安二郎=古典様式(クラシック)、塔がない。・清水宏=ゴシック、塔がある。などと書いてますね(笑)今、「塔の作家・小津安二郎」などと主張している真逆のことを――このことに対する言い訳・屁理屈(笑)を書きますと……小津→クラシック的清水→ゴシック的というのは間違ってないとおもう。これは多くの人の賛同が得られるでしょう。では、小津作品になぜかくも多数の「塔」が出現し、「塔」を中心に
ようするに一番大事なことは常に隠されている――……わけです。今回のコロナ騒動でも同様で常日頃報道されている・首相のカミさんがどうこう、とか・芸能人の軽はずみな行動・発言、とか・マスクがどうこう、とかそういう話題は「表層」にすぎず、最も重要なはなしというのは……・極東アジアの平和を守っているアメリカ海軍が機能不全に陥っている。というそのことなはずです。軍艦というのはアレです。三密どころの騒ぎじゃない密集度合だからです。ロナルド・レーガンもセオドア・ルー
で、ようやく……10、「非常線の女」(1933)なわけですが、書くことが色々あるので何回かに分けます。「その2」だったか、「晩春」の壺――あれが「塔」だったんじゃなかろうか?などとめちゃくちゃな推論を書いたのですが、「非常線の女」ではこの白いポットが↓↓「塔」なんじゃなかろうか?と疑っております。また暴論を吐きます(笑)シナリオのS93・S94あたりで田中絹代の演じる時子が目にする、あの白いポットです。金持ちのボンボンに口説かれた時子がやっぱりケ
えー、順番通りにいくと「青春の夢いまいづこ」→「東京の女」→「非常線の女」なのですが、ちと先回りしてはじめに「非常線の女」のことを書きます。というのも……名高き田中絹代×水久保澄子の、キスシーンの背後に写っているのは……あれはカトリック山手教会だ、などとたわごとを書いている人をウェブ上で発見したからで――ちなみにカトリック山手教会はこんな↓↓まったく違いますよね。コロナ騒ぎ以前でしたら、休日にひとっ走り横浜に行って写真撮ってこれただろうに
昭和8年公開小津安二郎監督田中絹代岡譲二主演「非常線の女」Youtubeで観る。サイレント映画。作品としてはあまり面白いとは思わなかった。田中絹代といえば初心者の私にとって「お母さん」や「流れる」「銀座化粧」「黄色いからす」の田中絹代だったので本作に出てくる若い若い若い田中絹代は別人のように感じた。ギャングの女という役柄のせいもあるかも。いつも「日本のお母さん」的な役しか観て来なかったので。。
その2です。小津安二郎の初期作品を「モダンガール」中心にみていくと……①モダンガール=悪役時代(1929~1933)②井上雪子(ハーフ美少女)時代(1931~1932)③モダンガール追放時代(1933~1936)④モダンガール受容時代(1937~)というように時代分けできるのではないか?という論考です。①②は前回見ましたので……③モダンガール追放時代(1933~1936)「非常線の女」(1933)でモダンガールと大和撫子の融和を描いた……にみえた小津安二郎
小津ネタです。わたくしの書く小津安二郎関連の記事は「小津安っさんやっぱしスゲー」「天才!天才!」と褒めちぎる内容が多いのですが、――今回はそういう感じではないです。こと、「モダンガアル」に関していうと、小津の初期作品においてはごく普通の……一般大衆向けのコンサバな描写をしていたのだなぁというだけの記事です。逆にいうと……小津映画に出てくるモダンガールに注目すると、当時の世間一般の「モダンガール」に対する視線がわかるのではないか??ということにもなるかもしれませ
日本映画最初のキスシーンは、1946年公開の『はたちの青春』(佐々木康監督)とされている。小津映画のキスシーンというと、まっさきに思い出すのが『浮草』(1959)の若尾文子と川口浩によるものである。他にどんなものがあるか。『非常線の女』(1933)では、田中絹代が水久保澄子にキスするシーンがある。しかし、その瞬間は二人の足もとが写っているだけで、前後のショットからキスしたことがわかるにすぎない。『晩春』(1949)には、誰もが覚えているキスシーンがある。原節子が結婚した後、小料理屋で笠智衆と