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もしこの世の全ての名称が変わったとしたら。きっと世界は全く違うものになってるんじゃないかと思う。この世には何ひとつ決まってることなんてない。ただ俺らがそう思い込んでるだけ。この世界には実はいいこともそうじゃないことも存在していないんじゃないかとさえ思う。アフリカの大自然の中でちっぽけな自分を知るととっても平和的な気持ちになる。「この国を平和にする!」その度に、「その気持ちはわかるけど一体どうやって?無理だよ」いつも言われてきた。今でも言われる。だけど気づいたら現地に
「おかえり!」って言ってもらえる場所。自宅以外にもしそんな場所があったら本当に幸せだと思う。この世界はどこに向かっているのだろう。そして俺もどこへ向かおうとしてるのだろう(笑)戦場フォトグラファーの俺は、今ここで養鶏場を実現させるために奔走してる。戦争がこの世界から無くなることは本当に難しいことだと思う。そんななかで戦場フォトグラファーの在り方は変わってくんじゃないかな。きっと無くなっていく。戦争は無くなりそうもないのにね。ホント皮肉。これだけSNSが普及した今、わ
死ではなくその人がじぶんのなかにのこしていった確かな記憶をわたしは信じる「花を持って、会いにゆく」長田弘3月に亡くなった父と残された実家。俺にはアフリカでまだまだ実現しなければならないことがある。横浜にいる俺は鳥取の実家に住む予定は全くない。それでも長男ということで俺が実家を引継ぐことになった。この実家を今後どうしようかと考える。アフリカの問題がまだひとつも解決していないのに、また日本に新たな課題が増えた。俺はきっと死んだらアフリカの土になるんだろうなぁと漠然
がむしゃらになって走り回っている。とっても不思議な夢だった。それはこの間亡くなったばかりの父親の夢だった。実家にいる俺は、親族みんなで父を待ってる。待ってると言うよりも、むしろみんなでがむしゃらになっていなくなった父を探し回ってる。外はしんしんと降り積もる雪に包まれて薄暗くなっていく。どこにもいない。そんなに遠くに行けるはずない父が見当たらない。父の身に何かがあったのかも?そんな不安がよぎった瞬間、誰もいないと思っていた父の部屋からまだ小さなアフリカの男の子が出てき
「それがどうした!」シルベスタは「え?」とビックリしていた。命を狙われていると知ると、きっと俺が怖がってしまうだろうからと配慮してくれてたんだろう。まるで知っていたかのような俺の態度は意外だったんだと思う。もちろん知ってたわけじゃないけど、いつかそうなっていくだろうなぁと頭のどこかで想像はしていた。それくらいのことをしようとしてることは理解してるつもり。「ハナっから覚悟はしてる。じゃなかったらこんな無謀なことは出来ない。何もリスクなしでそんな大きなことが出来るなんて考
リチャードが大事にしてるもの。たくさんあるんだろうけど、やっぱり仲間たちなんだろうと思う。彼ら彼女らはこれまで長い間、まさにリチャードに命を預けて戦ってきた。きっとリチャードも同じで、そんなふうに彼らは今も日々戦い続けているんだと思う。昔のように実際には武器は持っていないけどね。リチャードが今ここにきて、改めてセキュリティの強化を強く願うのは理由があった。リチャードははっきりと言ってくれないけど、風の噂ですとシルベスタが教えてくれた。「レバノン人コミュニティからヒロさんの命が
「ヒロさんの気持ちがわかりません」シルベスタに詰め寄られる。リチャードとの対話、オノレやジョブ、ソースデラペのメンバーたちとのミーティングに通訳として徹してきたシルベスタの意見だった。「ヒロさんは我々のボスなんですよ!プレジデント、社長です。それを理解していますか?」それぞれのポジションで、それぞれ担っている責任を、それぞれの個性を駆使して果たしてる。だから特に誰がボスで、誰が部下だなんて考えたことなかった。何か問題が起こったら、何か決めなくてはならないときはみんなで話
来年の今頃は一体養鶏場はどんなふうになってるんだろう。なんだか最近はそんなことばかり考えてしまう。ようやくここまできた。それでもどうしても先に進めなく感じる時がある。また新たな問題がやってくる。今になって養鶏場を囲む強固なフェンスを作る必要が出てきたのだ。現場の責任者であるリチャードの判断だった。先月の国民投票のこと、ワグネルのこと、アフリカ各地で勃発するクーデターのこと...現在のこの国が治安が問題だった。不安になる要素は上げればキリがない。武装していないリチャ
何度も唱える。心の中で。「どうかWi-Fiよ、今は切れないで!」今年もグローバルフェスタJAPAN2023「外務省フォトコンテスト」に審査員として参加させていただく。わざと狙っているわけじゃないんだけど、この時期は毎年アフリカにいて、今年もアフリカからの審査会となった。本来なら外務省、Leica、そして運営の方々と膝を交えて審査をするのだけど、俺だけオンラインで参加させてもらってる。毎回、ここの貧弱なWi-Fiがいつ切れてしまうかヒヤヒヤしながらの審査会だった。なんと今年も昨
必ずマハメット宅では、食事の前と後に美味しいチャイが出てくる。俺はそれを密かに楽しみにしてる。Amaanaが終わり、アーメットと母親を送り届けた後は、マハメットたちとゆっくりと食後のチャイを楽しんだ。マハメットから何度も何度も「ありがとう」と言われる。なんで???お礼を言いたいのは俺の方だよ!「いえいえ。アーメットも母親もとっても喜んでいましたよ。私も本当に感謝をしています。このようなことをする外国人に私は初めて会いました。とても感動しました」マハメットは優しい眼差しで語
デコボコと固い赤土と雨季で粘土状になった赤土が悪路を形成している。ボダは街の中だというのに油断出来ない。何度も悪路に飲み込まれ車が動かなくなる。そんな悪路をアーメットと母親を乗せて約束の時間に遅れないようにマハメットの家へ向かう。今日はマハメットがお店を午後から臨時閉店してくれる。帰宅するまでしばらくみんなで待つ。緊張してるアーメットとお母さん。いや、この中で誰よりも緊張してるのは俺かもしれない。そんな不思議な緊張を壊してくれたのはマハメットだった。帰ってきたマハメットが笑
「実はもうひとつお願いがあります!」思わずそう口走ってしまった俺を見るマハメットの表情が再び真剣な顔つきに変わる。ふとマハメットにアーメットのことを相談してみようと思い浮かんだ。アーメットのこと、学校に一度行かせたこと、学校を辞めてしまったこと、家族のことなどを説明した。「もし可能ならアーメットと家族の面倒を見てもらいたい」マハメットは真剣な表情で答えた。「友人の頼み事です。断ることは出来ません。ただアーメット本人と母親をここへ連れてきてください。私はヒロとの約束
マハメットは俺の話を黙って聞いていた。これまでのPEACEisのストーリーを順を追って伝える。俺が話し終えるとマハメットは笑顔で頷いた。「素晴らしい計画ですね。ぜひこの国の人々のために力にならせてください」マハメット曰く、このボダのエリアはバンギからも遠く、悪路のためカメルーンから入ってくる食料や物資がなかなか届かない。そのため物価も高くなる。この街や周辺の村では細々と自給自足で暮らしていた。「2万羽じゃすぐに足りなくなりますよ」マハメットはアリューと同じことを言った
再会の乾杯!マハメットの家でご馳走になるチャイは本当に美味い!「ROX」の経営もうまくいっているようで、元々立派だった自宅はさらにアップデートされていた。「私たちは生きていくために日々戦っています。だからこうしてうまくいっているときには自分たちへのご褒美を形にしています」まさにこの国で成功している数少ない中央アフリカ人の1人だ。チャイで談笑した後はメインの話に入る。これがボダに来たかったもう一つの理由だった。「PEACEisプロジェクトのパートナーとしてあなたと組
逞しいアーメットの背中を見送りながら考えていた。明日、アーメットのお母さんに会ったところで何か良いアイデアがあるわけではなかった。オノレ曰く、以前までアーメットたちが暮らしていたイスラム難民キャンプは外国からの支援が止まり、とうとう封鎖になってしまっていた。現在、アーメットと母親と2人で小さな家を借りて暮らす。父親を内戦で亡くし、兄弟もいないアーメットは、自分が身体の弱い母親の代わりに家族を支えなくてはならない年齢になっていた。そのため学校に行くより、わずかでも水を売ってその日の生
身体の弱い母親を支えるため学校に行かないで水を売る片足の少年アーメット。以前、ボダに来たときにアーメットを学校へ行けるようにした。その時はアーメットと母親と話し合って学校に戻ることを決めた。そして必要な学費を支払い、教科書などを購入してアーメットがようやく学校に通えるとみんなで喜んだ。しかし、ボダのオノレからの報告によると、アーメットは最初こそ真面目に学校に通っていたが、途中から勉強についていけなくなり、試験もパス出来ず、結局学校に行くのを諦めて、再び水を売り始めていた。早速、ア
それはあまりにも危険で無謀とも言える夜中の移動だった。ボダの定宿としてるカリタス修道院でいつもののどかな朝を迎えた俺は、まだ昨日の移動の疲れを引きずったままシルベスタと専属ドライバーのアチェからの報告を聞いた。どうやら昨夜、ウチらが通過したBimon(ビモウ)という村で激しい戦闘があったと言う。しかもウチらが悪路に苦戦してようやく通過したわすが20〜30分後の出来事だった。この村をあの時間に通過してボダに向かっていることを知っていたシルベスタとアチェの家族や友人から心配の電話
大きな一歩だった。「ヒロさん!ようやく見つかりましたよ!」ようやくチャーターする車が見つかったとシルベスタが喜ぶ。バンギでの必要業務をこなしつつ、ボダへの出発準備を進めていた。この雨季のボダへの道はまさに地獄へ続くかのような悪路であり、誰も車を貸してくれない。さらにバンギの外は治安が悪化していることも影響して、もしかしたら今回はバンギから一歩も出られないかもと想像していた。シルベスタが見つけてきてくれた車は1日70,000CFといつも以上に高く、さらには専属ドライ
写真家として楽しみで仕方ない!こんなに魅力的な連中に囲まれて、そんな彼らを被写体として撮影が出来るなんて。今日はアリューたちにポートレート撮影をお願いした。今、進行中の「一期一会〜肖像とギフト〜」シリーズの撮影。いつものラフな格好ではなく、伝統的なイスラム衣装に身を包んでアリューたちは現れた。やっぱり格好いい!!!魅力的な被写体を目の前にすると思考が吹っ飛んでく。無意識にシャッターを切っていく。人を惹きつける魅力って決して学んで身に付けられるものじゃない。まして
今はまだプロジェクトを進めていくなかで気を配らなくてはならない繊細な部分がたくさんある。リチャードたちとのミーティングの後は、アリューたちとのミーティング。そんな時は鉢合わせしないように時間をうまくずらしていく。このプロジェクトはキリスト教徒とイスラム教徒を分断している争いを「雇用」を生み出すことによって無くすというのが大きな柱となってる。その極端な一例かもしれないけど、アンチバラカのリーダーであるリチャードと、セレカのリーダーであるアリューとを繋いで同盟を結ぶことが出来たら..
「あなたたちがこの国を変える」リチャードとシルベスタと3人だけのときはいつも伝えていること。「この国を平和へ、そして豊かに変えていくのはリチャードたちなんだよ!俺じゃない!だから絶対にリチャードが悪者になっちゃいけない。いくらプロジェクトを進めるためとはいえ、ソースデラペ内からはもちろん、カッセンベの村人たちからも政府からもイスラム教徒たちからも。リチャードが悪者になってしまったら誰もあなたについていこうと思わなくなってしまう。リチャードはこの国の太陽の存在になってもらわなく
陳情の内容は一見、多様で複雑な問題のように思えるけど、よくよく目を凝らしてみると結局は「お金」の問題だった。今、目の前にある問題を解決すれば確実にプロジェクトは前に進む。ということは、お金を用意して配ればこのプロジェクトは成功なんだろうか。困ったら誰かに助けてもらう(お金をもらう)また別の問題で困る。今度は誰に助けてもらおう?(お金をもらおう)いつまでもこんなマインドじゃプロジェクト自体が全然違うものになってしまう。“自らの手で自国を豊かにする”これがPEAC
プロジェクトを少しずつでも前に進めていくためにアフリカにいる間は時間を見つけてはリチャードたちとの対話を大切にしてる。いつでも話の始まりは些細でくだらないバカ話から始まるんだけど、自然とプロジェクトのこと、未来の話へと深まっていく。最近ではリチャードと、またシルベスタとどこかへ行き、誰かと会うと必ずと言っていいほど陳情を受け取るようになった。ある時はソースデラペ内から、またある時は養鶏場があるカッセンベの村人から、バンギにいてもヤロケにいてもボダにいても「陳情」を受けるようにな
この可能性だらけのこのプロジェクトを始動するためにはもう少し時間がかかりそう。クリアしてはまた現れる問題があまりにも多すぎる。これもあれもそれも...そのどれもがチームで取り組む難しさ。写真家としてこれまで1人でやってきたことが懐かしく思う。(まあ今でも現役なんですけど)どこかに属するのが嫌で、誰かと群れるのが嫌で、1匹狼な写真家という生き方を選んだ。全て自分の気持ちや感情のみが最優先で、全て自分が納得していくことで前に進んできた。全て自分が決めてきた。それが、いつの間にか
いつにも増してたくさんの使命と任務に追われ、バンギでは忙しい日々。リチャードやシルベスタは頼りになるけれど、俺じゃなきゃならないことが増えてくる。今日は国連機関UNDP(国連開発計画)へのプレゼン。すでに打ち合わせを済ませたところやアポをいただいてるだけでも3箇所。その中でUNDPのように、ここバンギに事務所がある機関には直接伺ってプレゼンを行う。まさか自分が国連機関にパートナー契約のためのプレゼンや打ち合わせを行うなんて地球がひっくり返ってもあり得ないと思っていた。本当に人生って
世界から関心を向けられず「忘れ去られた戦争」と言われるこの国でPEACEisプロジェクトは活動を始めた。今日はウズウズしていた。その日は朝早くからリチャード、シルベスタたちと合流してカッセンベへ向かう。首長フランクに会って挨拶をする前に、我慢が出来ない俺はそのまま完成したばかりの養鶏場を見に行った。入り口を入るとすぐに向こうに見える養鶏場の屋根が飛び込んできた。自然と早足になる。その「奇跡」を目の当たりにした。レンガも屋根も全て手作りで、色も形もバラバラ。決して綺麗と
豊かな日本を出発する直前、ここ中アでは大規模な国民投票が行われた。それは大統領の任期を延ばすため法改正のためのもの。現在のトゥアデラ大統領は現在、5年2期目で、すでに10年間、大統領の地位にいる。しかしまだこの国には問題が山積みで、それを解決するためには自身が大統領として継続する必要があった。結果はかなりの票差をつけて賛成が上回った。果たして現政権はその結果を受けて、大統領の任期を延ばすことを決定した。しかも1期5年から7年へというおまけ付きで。トゥアデラ大統領はこれからあと14
思考が全く追いつかない。どんどん状況が変わっていく。そんななかで今回の渡航はとても重要なもの。もちろん毎回の渡航が重要なんだけど、今回は特にそう感じてる。いよいよ「奇跡」を形にする。中央アフリカ共和国初の本格養鶏場をスタートさせる。ここまで本当に長かった。いろんなこともあった。裏切られたり、騙されたり、それでも素敵な出会いに救われた。「奇跡の実現」までまだやらなくてはならないことは山のようにある。ひとつクリアしたらまた次の課題という具合にまるで永遠に終わらない夏休み
ここに来てようやくスイッチが入る。日本を出発するまで本当にバタバタだった。3日前に鳥取での写真展を終え、横浜へ戻る。それからバタバタとアフリカ渡航の準備。連日の灼けるように暑い日本の夏に憂いの台風が当たり前のようにやってくる。つい先日までいた鳥取が甚大な被害に遭い、メールでしか安否確認が出来ないことに不安と苛立ちを感じながら、東京にも影響がありそうで、はたしてフライトは大丈夫だろうかと最後まで心身共に落ち着かないまま、ここへ辿り着いた。ここへ来ると自然とスイッチが
たった今、アフリカより帰国しました!今回はどんな旅だったか、また取材記で綴っていきます!どうぞお楽しみに〜!!!