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小説「やっと訪れた春に」青山文平祥伝社好きな作家・青山文平最新文庫。なかなかにストーリーを書くのが難しい本ですが、いつものように丁寧な人物描写と見事な時代ミステリーに仕上がっていて、もはや名人芸の域に達していると思わされます。ラストに驚きの謎解きがされますが、タイトルとの対比に心が締め付けられます。いやはや一作でも多くの作品を残してほしい作家ですね。90点
小説「本売る日々」青山文平文藝春秋毎回新作を楽しみにしている青山文平。今回は江戸時代の本屋(出版もする)のお話。ここで出てくる本屋が扱うのはいわゆる学術書。その時代にそういう本を好んで読む人たちがどういう心持ちで本に対峙しているのか等、青山文平らしさ全開で書かれていて実に心地よい。ぜひ続編も書いていただきたいと思います。85点
新潮社2016年5月発行248頁御家人から旗本に出世すべく、仕事に励む若き徒目付の片岡直人しかし上役から振られたのは頼まれ御用つまり不可解な事件にひそむ「真の動機」を探り当てる御用でした職務に精勤してきた老侍が、なぜ刃傷沙汰を起こしたのか歴とした家筋の侍が堪えきれなかった思いとは人生を支えていた名前とは意外な真相が浮上するとき、人知れずもがきながら生きる男たちの姿が照らし出されます犯罪を犯した事実は決定事項なので調べる必要はなく、その理由を調べる裏の仕事着眼点が面
下垣内教授の江戸Amazon(アマゾン)東京美術学校の発足に携わり、帝室博物館でも要職を務めるなど「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年歴史の大きなうねりの中で亡くなった思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった美術に関する意図とおりの質問のあと下垣内教授は自らの半生について語り始める「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」凡百の出世物語とは似ても似つかぬ幕末活劇とはまったくち
先日反省したので金曜の仕事帰りに親の所に行ってきました。それで疲れが出たのか土曜日は動けなくて家でゴロゴロ…やっぱり自分の時間と体力は限られていて欲張らずにバランスをとってやっていかないとなぁ😊(昨冬のベニマシコいつかまた会いたいな)作品紹介・あらすじよりどの藩の経済も傾いてきた宝暦八年、奥脇抄一郎は江戸で表向きは万年青売りの浪人、実は藩札の万指南である。戦のないこの時代、最大の敵は貧しさ。飢饉になると人が死ぬ。各藩の問題解決に手を貸し、経験を積み重ねるうちに
遅ればせながら、2025年の読書記録のまとめです。順位はつけられないので心に残った作品を上げていきます。まずは、はじめましてのお二人小前亮さん(知らなかった中国の歴史を楽しく知ることができました)「朱元璋皇帝の貌」小前亮著講談社文庫|パープルのひとりごと「賢帝と逆臣と」小前亮著講談社文庫|パープルのひとりごと杉本章子さん(端正な文章と、斬新な視点の歴史小説・時代小説が楽しい)「東京新大橋雨中図」杉本章子著文春文庫|パープルのひとりごと「写楽ま
文春文庫2013年12月第1刷解説・島内景二268頁青山文平名義での再デビュー作&第18回松本清張賞受賞作幕府開闢から180年余りが過ぎた天明の時代江戸では、賄賂まみれだった田沼意次の時代から、清廉潔白な松平定信の時代に移り始めた頃二本差しが大手を振って歩けたのも今は昔貧乏御家人の村上登は、小普請組の幼馴染とともに、竹刀剣法花盛りのご時勢柄に反し、いまだに木刀を使う古風な道場に通っています他道場の助っ人で小金を稼いだり、道場仲間と希望のない鬱屈した無為の日々を過ごして
BOOKデータベースより「ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説!東京美術学校の発足に携わり、帝室博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める
10月に読んだ本本を売る日々青山文平・文藝春秋(春秋文庫)書店で気になっていた本が偶然図書館の新刊コーナーにあったのでジャケ借り◯本売る日々◯鬼に喰われた女◯淇一先生(単行本では"初めての開版")3編の短編で構成されている江戸時代の(出張する)本屋の話※現代的に解釈すると…本屋から出版社に事業展開したい主人公・私が焦ったあまり出版社詐欺に遭い被害額を工面すべくひとまず出張本屋に精を出すその出張本屋で出会う客との噂話(謎)を発端に色々な客との本談義の中で真
BY青山文平文藝春秋です。つまをめとらば青山文平Amazon(アマゾン)つまをめとらば(文春文庫)Amazon(アマゾン)出版社WEBでは,祝・直木賞受賞!最旬作家の傑作短篇集女が映し出す男の無様、そして、真価――。太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか――。時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。「ひともうらやむ」「つゆかせぎ」「乳付」「ひと夏」「逢対」「つまをめとらば」男の心に巣
小説「底惚れ」青山文平徳間書店柴田錬三郎賞と中央公論文芸賞のW受賞作。ということよりも、帯に浅田次郎が「読みながらしばしば膝を打った」と絶賛したことの方が重要。短編「江戸染まぬ」を長編にし直したという珍しい作品。でもそういう作り方は村上春樹もやっていることなので。短編としても良かったですが、長編にしてさらに魅力が増しました。特に最初のくだりは、まるで落語を聞いているようで、誰か新作落語として落語化してほしいと切に願います。90点
細谷正充さんによる時代小説アンソロジー。青山文平三筋界隈永井紗耶子つはものの女泉ゆたかいくばくも志川節子ひと夏坂井希久子ほおずき長屋のお豪浅田次郎五郎治殿御始末の6編。江戸の市井に生きる人々の悲喜こもごも。浅田次郎さんはいつも読んでるので五郎治、、、も既読。その他の5編は初めましての作家さんです。大奥ご舞台のすとー、つはものの女の主人公が好きだなあ。その時代に生きた人が感じたであろう心の機微が描かれていて読んでいると切ない気持ちになりました。いくつに
6月18日(水)生協の宅配を頼むようになってから、毎週届けられる注文用のカタログの量がすごい。今必要なものではなくて、来週必要になるであろうものを予想して買うのは難しいので、重たいもの以外はあまり買わなくてもよいと10さんと取り決めた。毎日のように買い物に出かけるので、必要なものはその都度買えばよいのだから。とはいえ、そこにあるカタログの山を右から左に捨ててしまうのも心苦しいので、一応すべてに目を通す。一時間は軽くかかる。買わなくてもよいものを眺めているはずなのに、なんだ
簡明ながら味わい深い文章、ストーリー展開の面白さ、その中に見えてくる武士の生き様。青山文平さんの時代小説は、どれも素晴らしくて欠かさず読んでいます。本作はタイトルが時代小説らしくなくて、あれ?と思いましたが・・・近代美術のすごみが横たわる圧巻の時代小説!東京美術学校発足初期から教授を務め、帝室博物館の要職にも就いた下垣内邦雄。だが、多摩近郷の豪農の家に生まれ、兄から家を継いだその半生は凄絶なものだった。「武州世直し一揆」に遭遇した兄の愁苦。それを超えようとした狂気の旅。
BOOKデータベースより「武士が護るべきは、主君か、家族か。胸に迫る医療時代小説!目付の永井重彰は、父で小納戸頭取の元重から御藩主の病状を告げられる。居並ぶ漢方の藩医の面々を差し置いて、手術を依頼されたのは在村医の向坂清庵。向坂は麻沸湯による全身麻酔を使った華岡流外科の名医で、重彰にとっては、生後間もない息子・拡の命を救ってくれた恩人でもあった。御藩主の手術に万が一のことが起これば、向坂の立場は危うくなる。そこで、元重は執刀する医師の名前を伏せ、手術を秘密裡に行う計画を立てるが…
BY青山文平文藝春秋です。本売る日々Amazon(アマゾン)出版社WEBでは,柴田錬三郎賞&中央公論文芸賞受賞の著者、最新刊!時は文政5(1822)年。本屋の“私”は月に1回、城下の店から在へ行商に出て、20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る。上得意のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は近ごろ孫ほどの年齢の少女を後添えにもらったという。妻に何か見せてやってほしいと言われたので画譜――絵画の教本で、絵画を多数収録している――を披露するが、目を離したすきに2冊の
文春文庫2022年1月第1刷解説・川出正樹少年は舞う―自らの存在意義と国の命運を賭けて台地の上にあるため田畑を広げることが出来ず墓さえも作れない藤戸藩で、道具役(能役者)の長男として生まれた屋島剛幼くして母を亡くし、後添えに入った女性に男子が生まれたことから嫡子としての居場所も失います心の支えは幼い頃からの友であり能の師でもある3歳年上の岩船保保は俊傑と評され、藤戸藩をちゃんと墓参りができる国にしたいと願っていましたが、人情沙汰を起こし切腹を命じられてしまいますさら
下垣内教授の江戸青山文平「下垣内教授の江戸」青山文平講談社2025年1月に読了江戸時代から明治、大正、昭和と時代の大きな転換期を生き抜いた日本美術の目利きと称された下垣内邦雄が1931年に亡くなったその死の4年前に新聞記者の単独取材の中で思いがけない発言をする「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」幕末の武州を舞台に、時代は米からお金を中心としての経済へと変貌する世の中で、終焉を迎える武家社会豪農の次男であった邦雄が青年へと成長して行く過程で人を三人斬った事があると言う下
週に何回洗濯する?▼本日限定!ブログスタンプあなたもスタンプをGETしよう今日は【衣類乾燥機の日】だそうです。週に何回洗濯する?5〜6回です。本来なら公休日なのですが勤務変更で出勤日になりました。遅めの出勤時間に救われました。風が強くて珍しく白波が立って道路にもざっぱーんっっと届いておりました。波を被らないように車を走らせました。今年7冊目読了。今年の読書目標は・年間60冊読む。(コミック、コミックエッセイ含む)・今まで読んだことのない名前が“あ”から始まる
青山文平さんは、1948年生まれで横浜市出身の時代小説家。早稲田の政経学部出身で、経済関係の出版社に18年勤務。その後、1992年にフリーライターとなり、2011年に『白樫の樹の下で』が松本清張賞を受賞してデビューしました。62歳のデビューはかなり遅い方ですが、2014年『鬼はもとより』で大藪春彦賞、2015年『つまをめとらば』で直木賞、2016年『半席』で日本推理作家協会賞、2022年『底惚れ』で柴田錬三郎賞。時代小説の第一人者となり、年に1~2作のペースで現在も作品を発表
青山文平さんの時代小説は、しばしばミステリ小説のような謎解きが含まれていて、青山作品を読む楽しみの一つになっています。本作も、冒頭にまず不可解な謎が提示され、さらにその後提示されるメインの謎が最後まで物語を引っ張っていきます。青山作品の中でもミステリ風味の濃い一作でしょう。橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年
今年1冊目に読んだ本は青山文平の「江戸染まぬ」表題作他全部で7作の短編集~去年は76冊しか読めなかったので今年は100冊を目標に~🤗
文藝春秋2023年3月第1刷発行237頁江戸時代後期、文政年間書肆「松月堂」を営む平助は、本(学術書)を売るだけでなく、いつの日か自らの力で書を出版することを夢見ています本を行商して歩く平助が見たものは、本を愛し、知識を欲し、人生を謳歌する人々でした「本売る日々」上得意の小曾根村の名主は近頃孫ほどの年齢の少女を後添えにもらったといいます妻の何かみせてやって欲しいと言われたので画譜を披露しますが目を話した隙に2冊の画譜が亡くなっていました当惑する平助に名主は法外
文平さんはもしかして同年代かもしれない。デビューが遅かったみたいなのだがその後は順調に人気作家の地位を固めているので、いわゆる遅咲きの花、なのかも。No.1262022.10.1(土)やっと訪れた春に/青山文平/祥伝社/2022.7.20第1刷1600+10%主人公2人の年齢とふたりが交わす会話の内容に思わず我が身を写し深く頷いて読む。若い武士達の生きざまを読むのも熱情に浮かされたような武家魂に触れるのも楽しいのだが、年を経ると次第に同年代の隠居ジジイがこの世の名残にと身を焦が
「底惚れ」青山文平(徳間文庫)短編「江戸染まぬ」の後日譚とある小藩の前藩主の子どもを産んで里に送り返される芳と芳を送り届ける役目の一季奉公の男男が"芳のために"と考えたことと芳の"自分のことより前藩主を守りたい"という思いが交錯した結果芳は男を刺して姿を消したーーという物語の続き芳に刺された男は実は生き延びていてその後、男は芳に対する一途な思いに突き動かされるままにびっくり仰天な人生に踏み出します世の中の底辺で生きてきたらしい男ですがその芯の
小説「鬼はもとより」青山文平徳間書店直木賞候補作。大藪春彦賞受賞作。江戸時代、貧乏藩を藩札を使って建て直す話なのですが、それは物語の筋の話で、本筋は「武士とは何か」だと思いました。つぶれかけの藩を紙っぺらで再建するなんて人間離れした技、それを成しうるためには「鬼」になるしかなく、常人離れした人間が鬼になることはできるが、一度、鬼になってしまったら人間には戻れない、そんなお話しだったのかなと推察しました。それを誇大表現することなく静謐な筆致で描いたからこそ、多くの評価
ウドちゃんでもわかるマネー芸人・天野っちのBY天野ひろゆきKKロングセラーズです。ウドちゃんでもわかるマネー芸人・天野っちの「アマノミクス」的蓄財術Amazon(アマゾン)AmazonWEBより、●資産10億円とはホントなのか!?「キャイ~ン天野ひろゆきは推定資産10億円!?」という話題。ソースとなった週刊誌には、「ウドをはじめとする芸人仲間から『ロケ中も携帯で株の売買をしている』『外貨預金で豪ドルを買っている』『品川駅と田町駅の間に新駅ができる計
コミュニケーション能力って大切人間関係をスムーズに運ばせるのには重要なポイントけれどなかなか難しいしつこく聞いたり理解を求めるのもウザいしでもでもあまりにも言葉少なだと誤解されるし結果辛い関係にも陥るし、、、今日の本はそんな人間関係のいろいろが登場する主人公は三十路前の青年侍(舞台は江戸末期)上司に当たる先輩との関係は良好(この2人相性がよいのかも)今で言う警察の刑事みたいな仕事を担ってる青山文平は理屈っぽいかな(笑けれど背景や因果関係を見事に描く
徳間書店2021年1月第1刷266頁根岸にある小藩の屋敷で一季奉公中の男ご老公のお手付き女中・芳の宿下がりの同行を命じられます旅の途中、訳あって持っていた匕首で芳に刺されますが一命を取り留め、自分を殺したと思い込んで行方の知れない芳を探すために彼女が来る可能性のある江戸の場末・入江町で女郎屋を営むことにします同じ屋敷の下女だった信を雇い入れたのが功を奏し、商売は成功し、はぐれ者として生きてきた男が7軒の楼主に数年が経ち、芳はここには来ないだろうと思い始め次第にやる気を
「つまをめとらば」青山文平(文春文庫)江戸時代の武家を描いた短編集太平の世戦乱の時代は遠くなりそつなく大過なく自分の家の存続を図ることが最優先の武士の世界で身分に縛られる窮屈さや経済的な制約の中でそこに生きる武士やその妻が思いがけないほどに自分らしく生きているそんな姿がどことなくユーモラスにほんのりとあたたかく描かれていて読み終えた後の手触りみたいなものがなんともいえず心地いいのです以下、各話の感想をいくつか「乳付」出産後、なかなかお