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10日朝の東京は、恐れていたほどシビアな天気にはなりませんでした……。関東地方にとっては、寒冷前線よりも閉塞前線がヤバいのは事実だと思う。ただ閉塞前線にも個性があり、閉塞しつつあるものから、閉塞してだいぶ経つものまでいろいろあります。「閉塞しつつあるもの」の前線上には活発な積乱雲が屹立し、恰も寒冷前線のような様相です⚡☔今回は「閉塞してだいぶ経つもの」であったため、前線上に生じたのが積雲や層状雲メインだったと思われます。東日本や西日本を閉塞前線が通過することは多くないため、
※A、Bの絵を上下反対にすればよかった、と思いつつ……。気象庁の予想天気図に、閉塞前線を加筆してみました。10日はまた閉塞前線的なものが関東付近を通過しそうです。そう、この前2日と似た状況です。関東地方では、寒冷前線よりも閉塞前線のほうがヤバいことが多いです。関東平野が西や北を高い山脈で囲まれているため、北西から降りてくる寒冷前線は、山越えの際に弱まってしまうことが多いからです。閉塞前線(特に閉塞点付近)に向かって、梅雨時のような湿った暖かな空気が流れ込み、上昇気流が重な
こんばんは。前回の問題、正解できましたでしょうか?この問題を間違えてしまいますと、後の問題も正解できないところが、気象予報士試験の怖いところでもあります。さて今回の問題は、前回の続きで、初期時刻に東シナ海にある地上低気圧の24時間後から36時間後にかけての移動方向と速さ及び中心気圧の変化量を求めよ、ということで次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問2(6)問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。29日分の考察編は次回更
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問2まず、850hPa面の気温と風、700hPa面の鉛直流の分布から前線解析をする基本的な留意点について述べておきたいと思います。着目する要素として、850hPa面では等温線の集中帯の南縁(暖気側の縁)と風のシアー、700hPa面では上昇流域を参考にしながら、上昇流域が途切れるところを前線の端して850hPa面の前線を解析します。このように解析した850hPa面の前線から地上前線を解析する際の留意
ちょっと得する?、お天気知識(130):秋雨前線*秋雨前線の種類は次のどれか?*選択肢:青:寒冷前線赤:温暖前線緑:停滞前線******解答:緑**そもそも前線とは、暖かい空気と冷たい空気の境目を表し、種類は4つあります。・寒冷前線は、暖かい空気と冷たい空気の境目で、寒気団が暖気団の下に潜り込んで押し上げる前線です。雨雲が発達しやすく、短い時間で強い雨が降るのが特徴です。・温暖前線は、暖かい気団が冷たい気団の上に乗り上がるように進み、その境界と地表との間
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1・問2今回は、図7および図8(下)を参考に24時間後に日本の東に予想されている低気圧に伴う地上の前線を解答図の枠線まで延びているものとし、前線記号を付して記入せよ、という内容で考えてみます。まず、図8の850hPa面の気温と風、700hPa面の鉛直流の分布から前線解析で着目する要素として、等温線の集中帯の南縁(暖気側の縁)と風のシアー、および上昇流域を参考にします。次に、地上低気圧が閉塞している段階
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問3今回は、前問の問3(2)および図6(下)に着目して、図5(下)の日本の東の低気圧の伴う前線、および低気圧に伴う寒冷前線とつながって西に延びる停滞前線を記号を付して解答図に作図せよ、ということで考えてみます。まず、前問の(2)より、名瀬の状態曲線(エマグラム)から読み取れることをおさらいしますと、下の前線性逆転層の上端の高度は900hPaの高度にあることがわかっています。つまり、これから解析しよう
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問2今回は、図6、図8および図1、図5を用い、「」図6(下)の枠を抜き出した解答用紙に前線を記号を付して記入せよ、という内容の作図問題を考えていきます。まず、「図1、図5を用い」というところで、初期時刻の17日21時で図5の850hPa面の気温分布に図1の地上低気圧の中心とその低気圧に伴う前線を重ねたものが上図になります。これによりますと、地上低気圧の中心から延びる寒冷前線は、6℃~12℃
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第26回試験・実技1今回は寒冷型閉塞前線の解析ということで、まず寒冷型閉塞前線は前回の温暖型閉塞前線との違いについて模式図を使触れてみたいと思います。寒冷型閉塞前線の場合も寒気Aが暖気及び寒気Bよりも移動の速度が速く両者に追いつくことで閉塞前線が形成されていくのは温暖型閉塞前線と同じなのですが、閉塞前線を挟んで寒気Aが相対的に寒気Bよりも温度が低いため、寒気Bに潜り込んで押し上げる形となるのが特徴になります。
こんばんは。前回は「温暖型閉塞前線」について解析をしてみましたが、今回は、「寒冷型閉塞前線」を例に解析してみたいと思います。少し古いですが第26回試験・実技1から採り上げました。確か2006年8月の第26回試験が唯一受験者数が5000人を超えた試験だったと思います。僕もその中の一人でしたが。温暖型閉塞前線とどの点で異なるのか改めて触れながら次回一緒に考えてみたいと思います。第26回試験・実技1(解答用紙)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第32回試験・実技1・問2今回は、前回と同じ問題で、36時間後に予想される前線の解析をしてみたいと思います。温暖型閉塞前線を解析するというのが今回の主題ですが、まず、与えられた資料から低気圧が閉塞しているのをどうやって見分けるかについて触れておきたいと思います。図6(左下)の図を見てみますと、図5(下)において地上に予想されている北緯43°東経141°付近にある低気圧中心付近ではその南側に相当温位の低い空気が回り込んでい
こんばんは。今回は、前回と同じ問題で、36時間後において予想される温暖型閉塞前線について着目すべき要点を押さえながら解析します。次回は別の問題を例にして寒冷型閉塞前線を採り上げる予定ですが、どこが違うのかも含めて次回一緒に考えてみたいと思います。第32回試験・実技1・問2(解答用紙)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。17日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3問3(2)の前線解析の設問で、求めた閉塞点が図6(上)の500hPaにおいて何mの高度に対応しているかという設問です。そこで、前線(実線)を図6(上)に重ねてみますと、等高度線は60mごとに引かれていますので、5460mと5580mの間で5520mに対応していると読み取ることができます。したがって、5520mということになります。では。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3以前、前線解析の設問は問2(2)②で触れましたが、今回の設問では、すでに地上の温暖前線と閉塞前線がすでに実線で記入されています。そこで初めに以前で触れなかった閉塞点の解析について考えてみますと、図8では低気圧に伴う等相当温位線の集中帯が2つに分かれているところで、実線と交わるところと考えられます。この閉塞点から低気圧の中心に向かって閉塞前線が延びているということになります。次に南縁850hPaの等相当
こんばんは。今回は、図6~図8及び、問3(1)の考察に基づいて、前線を作図するという問題です。設問では、解答用紙にはすでに、温暖前線と閉塞前線が実線で描かれています。したがって、残りの寒冷前線と、各前線の記号も記入して完成させる形になっています。記入のポイントについて次回一緒に考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3解答用紙はこちら。→気象業務支援センターHP「過去の試験問題」※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用し
雨降って、冷え込むなー。暖かい日が続いて、雨が降り、寒くなる。何という前線が通過したのでしょう。前線になんていう前線があった?寒冷、温暖、閉塞、停滞。それで、そのうちの?寒冷前線。ピンポーン。そういうことか!寒冷前線って、線の上に▲がならんでいるやつね。週末はもっと寒くなるな。塾に行くのも大変だな。5年ぶりぐらいに、灯油を買った。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。問1まず、前線解析の際に着目する特に重要な要素として850hPaの等温線集中帯と850hPaの等相当温位集中帯がどうなのか見てみます。図4(左下)の850hPaの等温線集中帯の南縁の気温は0℃、図5の等相当温位線の南縁は294Kとなっています。また、850hPaの等温線集中帯、850hPaの等相当温位集中帯とも、青の×印で示しました地上低気圧の中心に向かって暖気・高相当温位の空気が突っ込んでいる様子が見られます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。問3(1)まず、文の最初、「この事例では,寒冷前線の転移層を示す気温の逆転層が明瞭にみられることから,逆転層の上端が寒冷前線の転移層の上面に対応する。」とありますので、これに従って図9を見てみますと、3℃の等温線が示す逆転層の上端は下の枠内から選んで①(900)hPa付近、また6℃の等温線が示す逆転層の上端は同じく下の枠内から選んで②(925)hPa付近ということになります。この2点から、気温の逆転層の上端が示す寒冷
平日毎日更新の【気象専門STREAM.】水曜日は「拝啓、予報官X様」今回は2015年11月24日の事例です。201511231200UTCの天気図を揃えてご覧ください。三陸沖で発生した低気圧が、短い時間のうちに閉塞過程に入って気圧を下げ、千島近海に進みます。一般的な閉塞過程ではなく、短時間であたかも閉塞したようになることを表す「インスタントオクル―ジョン」という言葉が短期予報解説資料の文中に登場します。その仕組みを掘り下げるのは難しいので、閉塞や気圧低下を起こす場所(コース)によって