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「滅ぼす」Anéantirミシェル・ウエルベック著野崎歓、齋藤可能津子、木内尭訳河出書房新社、2023年7月初版発行(オリジナルは2022年)たまに、自分でもよく分からない理由で、読みたくなる本があります。今回は、そんな本です。書店に行くと、何か気になってしまい、図書館で借りることにしました。どんな話だろ。長いし、読めるかな〜。フランスを舞台にした近未来小説。2026年の末あたりから物語が始まります。主人公はポールという男性で、上司は経済大臣のブリュノ。ポールの父
最近読んだ本です。「マリーについての本当の話」ジャン=フィリップ・トゥーサン野崎歓訳講談社トゥーサン、日本でも人気のフランス文学作家ですが、トゥーサンらしさが随所に見られる面白い作品でした。舞台の一つに東京競馬場なども出てきます。翻訳はトゥーサンを一手に訳している野崎歓で、この人の翻訳は好きです。マリーについての本当の話Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}
ミシェル・ウエルベック『滅ぼす下』野崎歓/齋藤可津子/木内尭訳、河出書房新社)を読みました。最初からこんな事を書いてしまい誠に恐縮ですが、僕個人としては“漸く”読み終えたといった感じがしてなりません。この小説の主人公であるポール・レゾンが大臣執務室のスタッフである以上、(上巻から続く)2027年のフランス大統領選挙の行方に関する描写が中心になるのは当然だとは思いましたが、小説も終盤に差し掛かった時点でポール・レゾンが喉頭癌を患う展開が待っているとは思いもせず驚きました。ああ、あの
ミシェル・ウエルベック『滅ぼす上』野崎歓/齋藤可津子/木内尭訳、河出書房新社)を読みました。序盤からネット上に現れた陰惨な画像や事件の描写が登場し、途中でこの小説の主人公が登場したり等の若干戸惑う部分もありましたが、いざ読み出すと(数日読書を中断していたとしても)一息つくのが難しいなと思う事が多かったです。また、読み進めるにつれて、2027年のフランス大統領選挙の行方や信仰に関する問題よりも、物語の主人公的立場であり大臣執務室のスタッフであるポール・レゾンと彼の妻プリュダンスとの関係
スタンダールの「赤と黒」初めて読んだのは小学生の時でした。読む本が手元になくって、父の本棚の中の「世界名作全集」的な本の中から、なんとなく選んだ1冊。「赤と黒」というタイトルのみ見るとなんとなくとっつきやすそうとでも思ったんでしょうかね?読んではみたものの、さっぱり頭に入ってこない・・・それでも字面を追って最後まで読み切りました。当時でも黄ばんでいて、年代物の本。漢字は旧字体。まぁ、よく、読んだものだと我ながら感心します。私メモ魔でして、読んだあとの一行のメモが残ってるんですよ
A乗車拒否や行列の横入りなど様々な障害にあい、なかなかバスに乗れないアマディス・デュデュが、やっと乗り込んだ九七五番のバスが着いたのは、エグゾポタミー。到着するなり運転手は、ポケットナイフで自分の片目を抉りだした。Bクロード・レオンは、上司の命で平等銃を調達し届ける途中、ぶつかってきた自転車男を怒りにまかせて撃ち殺し刑務所へ。独房で自殺に失敗した彼は、プチジャン神父の薦めで、隠者としてエグゾポタミーへ。C親友:アンヌの彼女:ロシェルに惹かれるアンジェルは、アンヌの運転す
文学の勉強ってしたことがないし、たぶん難しくて無理だなぁと思っていました。それが魔が差してか、放送大学の授業を受けてみることに。理由は1科目でも履修していたら他の授業もネットで全回見ることができると聞いたから。モグリができるのか!とうれしくなったのです。そして履修したのはなぜか3科目。欲ばってますね😅履修したのは・ドイツ語・世界文学への招待あと一つは仕事に関する科目でした。ドイツ語はまぁさておき笑この世界文学への招待がすごく良かった!なんせ講師が、野崎歓先生に、阿部公彦
注文していた本がこれ以上ないタイミングで届いた。一冊は昨日紹介した"フランス文学と愛"他の二冊は、なんだか50万部も売れているという知念実希人氏の優しい死神と天使のお話し。表紙から滲む気配がとても美しくなにか儚さも漂う。ファンタジーなのかな。そういうものは殆ど持っていないので勉強はしておきたい。5月に3話目も出版されたようだが、8月迄我慢しよう。今月はこれでおしまい。ラ・ベル・オテロは先月フランスに頼んでおいたものが先日届いたし。他にも、読めずに積んである本が3冊ほどある。チャッチ
放送大学の「世界文学への招待」第2回では、「危機に挑む文学」というタイトルで、まずウェルベックが取り上げられましたウェルベックは全部読んでいるだけに、個人的には既知のことばかりでしたが、一番の傑作「服従」について復習できたのはよかったです『ミシェル・ウェルベック/ある島の可能性』ミシェル・ウェルベックの「ある島の可能性」を読みました本作は、「素粒子」のラストで炸裂させた奇想の発展形が描かれています具体的には、クローン技術や記憶のデータ…ameblo.jp今回の講義では、現代において同時代の
先週の金曜日からスタートした放送大学の「世界文学への招待」がすごく面白い第1回はカミュの「異邦人」を取り上げて、サイードからの批判や最近のカウンター小説を紹介していきました「異邦人」が「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の影響を受けていたというのは初めて知りましたが、なるほど感が強いですねカミュの生い立ちを考えるともともとサイードの批判には的外れなところがありますし(もちろんわかった上でなのでしょうが)、アラブ人について名前がないことが「郵便配達」の影響から来るものであったなら、カウ
こんにちは(^^)ブログにご訪問いただきありがとうございますm(__)m久しぶりに大学生気分のamourmillefeuilleです。放送大学のオンライン特別講演会にて、野崎歓先生の「文学と危機-フランス文学の教えてくれること」の特別授業を受けさせていただきました♪この数年フランスが見舞われた、テロ、ノートルダム大聖堂、そして現状のコロナウイルス蔓延のお話から始まり。ユゴーの『ノートルダム・ドゥ・パリ』、モンテーニュの『エセ』そして、カミュの『ペスト』。この
昨夜『アナザースカイ』という番組で、モデルの富永愛を取り上げていて、パリの風景が映っていた。私は卒業旅行で行ったきりなのに懐かしいと感じた😊。パリは居心地のいい都市で、東京にいる時とほぼ変わらない精神状態でいられた。目に入るのはヨーロッパ特有の歴史ある街並みで、東京の風景とは明らかに違う異国なのだけれど。もしかしたら文字が読めて、意味がわかるだけでも違うのかもしれない、と思ったのは、スペインに入った時だった。書いてある言葉がわからないと、看板が読めず、何の店なのか、トイレがどこにあるかさえわか
∂異邦の香り野崎歓異邦の香りネルヴァル『東方紀行』論/野崎歓【合計3000円以上で送料無料】2,640円楽天∂読者レビューから引用・加筆どの時代に於いても、文学、あるいは、現代のどの分野にあっても、人生の中に新しいモノを取り込む方法としての「旅」というものは、いろんなことを考えさせる。この本は実に興味深い挿話が織り込まれており、その一つひとつを取り出して、拾い上げて読むだけでも、とても楽しい。けれども、ネルヴァルの「人生」という視点から、その時代と
∂異邦の香野崎歓異邦の香りネルヴァル『東方紀行』論(講談社文芸文庫)[野崎歓]2,640円楽天∂内容紹介ウィーン、カイロ、シリアを経てコンスタンチノープルへ。『東方紀行』は異国への憧憬と幻想に彩られながら、オリエンタリズムの批判者サイードにさえ愛された、遊歩者(フラヌール)ネルヴァルの面目躍如たる旅行記であった。四十代で縊死、時を経てプルースト、ブルトンらにより再評価された十九世紀ロマン派詩人ネルヴァルの魅力をみずみずしい筆致で描く傑作評論。読
翻訳物にマイブームがあり、少し前まではドイツの作家さんのをよく読んでいたのですが、最近フランスに移行してしてきていますトゥーサンは、初めて読んだのですが、わたしが無知なだけで結構注目の作家さんだった…たくさんの翻訳本が出ていました。(映画監督までされているんですね)先に発行された『愛しあう』『逃げる』とつながる物語だそうで、『愛しあう』が「冬」、『逃げる』が「夏」、そしてこの『マリーについての本当の話』は「春―夏」いずれも、主人公「ぼく」とマリーとの物語だそうで、すでにフランスでは「秋―冬
少し前にクリスチャン・ガイイ『さいごの恋』を読み、最後に登場したジャズピアニスト・シモンと、その妻でボーカリストのデボラが、先に書かれた『ある夜、クラブで』の主人公だというのを訳者のあとがきで知り、時系列としては逆になるのですが、今回はその『ある夜、クラブで』(野崎歓・訳/集英社)を読んでみましたちょっぴりしょっぱい大人のロマンス。主人公シモンの友人である画家が語り部となり、『さいごの恋』に登場した二人のミュージシャン夫妻の出会いからの物語が、BGMにジャスの名曲が流れる中で語られていき
他に読んでいる本があるときでも、つまみ食い程度に他の本を読むことが多々あります。程よいボリューム感や、読みやすい文章であれば手に取ってみます。この『さいごの恋』(クリスチャン・ガイイ/野崎歓訳)も、そんな感覚で手に取ってみた1冊。ところが、これが個人的には大アタリだったのです「…、かくしてあっという間に人は、もはや決して何もなしえない状態に陥る。」―サミュエル・ベケット海、つまり大海原の音がいま、聞こえてきている。力強い響きを立てて。満潮時の波
「星の王子さま」はあまりにも有名で読んだことのない人はいないでしょう。幼い頃、金色のシールが貼ってありましたものね。児童文学として推奨されていた証し、そのファンタジックなタイトルから期待を込めてページをめくるたび目の前の難問テキストにえっ…、これは?と戸惑ってしまったこともあるんではないでしょうか。実際、ウワバミが飲み込んでしまったゾウの末路に思い及んで恐ろしい印象が強かった読後感が5、6才の頃。むしろ大人になってから、肝心なことは目に見えないを痛感してこの本に戻って来ることも多かったと思い
ひさびさにあまい夕暮れの代官山へ。蔦屋書店「フランス文学柔夜話(やわやわ)」にうかがってきました。これは、野崎歓先生の「フランス文学夜話」と堀江敏幸先生の「文学柔夜話(やわやわ)」の合体版だそうです。なので、登壇されたのはもちろん!東京大学教授で、フランス文学者の野崎歓先生と早稲田大学文学学術院教授で、フランス文学者の堀江敏幸先生。思い起こせば、去年の9月は群像70周年のイベントで小川洋子先生と堀江先生の対談があり、お二人で日本文学のお話をされたあの時の堀江先生もいい顔してたな〜と
映画『キミサラズ』チラシ制作。福田真一デザイナー担当。フランス文学者の野崎歓先生から素敵なコメントを頂けた。5/20(土)~6/2(金)、下北沢トリウッドにて2週間限定上映(火曜定休)。よろしくお願い致します。
20世紀を象徴する写真家ロベール・ドアノー、初のドキュメンタリー映画公開決定!MSN.com20世紀を象徴するフランスの国民的写真家ロベール・ドアノーの人生と創作のすべてに迫る、初のドキュメンタリー映画『パリが愛した写真家ロベール・ドアノー<..湯川豊・評『夢の共有-文学と翻訳と映画のはざまで』=野崎歓・著毎日新聞本書『夢の共有』は、十九世紀ロマン派の奇才ジェラール・ド・ネルヴァルを核心に置いた、専門的な文学論考である。また同時に、刺戟(しげき)的な発想にみちた...