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坂道に差し掛かると、さすがに無理、と感じるのか、裕太とジュンペイは自転車を押して歩く。「ね、この島って…子供がどのくらいいるの?」前にも同じようなことを、聞いたかもしれない。その時何と言っていたのか、正直忘れていた。何かしゃべらないと間が持たない、と思うけれど、他には何も思いつかなかったのが事実だ。「ボクたちの学年は…2人だけだよ」ジュンペイは、荷台を押しながら、軽い調子で言う。「えっ」やっぱりそうなのかぁ~やけに毎日、よくも知らない自分の所へ、通ってくるなぁ…と思
ジュンペイの小柄な体には、少し大きな自転車なのだが、本人は乗り慣れているのか、立ちこぎをする要領で、上手に乗りこなしている。「ちょっとぉ~いきなり行くなよぉ!」裕太の側に近寄ると、ジュンペイは思い切り渋い顔をする。「もしかして…誰か、急用が出来て、借りて行ったのかも」裕太がぼやくのを、「おまえ、本気かぁ?」と笑うと「バカだなぁ~鍵を壊してまで、普通持って行くかぁ?」お人好しだなぁと、ジュンペイはまたも大きな声で、呆れた顔をして言う。なんだよぉ~裕太は少しブスッとして
「どうしてそれを?」すると仙人は、声をつまらせるようにして聞いた。裕太と颯太は、その顔を見るとひどく驚く。なぜなら、その顔はひどく青ざめていたからだ。まさか自分たちは、まずいことでも言ったのか…と思い、「だから~じいちゃんが、写真を見せてくれたんだ」再びそう言うと、「写真?」こわばった表情のまま、仙人は聞く。「写真って、どんなのだ?」険しい顔をして、さらに聞いて来るので…さすがに裕太は体を引く。「だから…小学校の卒業アルバムの…集合写真」口ごもりつつも、何か責められてい
瀬戸内海に浮かぶ離島百島(ももしま)ではひそかに“かかし”が増殖しています。かかしとは…これ!ももパン前広場のかかしです↑近所のおばちゃんが雨で畑仕事をできないときに「創作意欲を満たすため」「ちょいちょいちょいっと」(↑おばちゃん弁)家にあるもので作ってみたとのこと!年末年始はこれでした↑お正月バージョンとのことで着物を着てます☺️ちゃんと草履を履いてますね。そしてその前のVer.↑首の角度といい着てる服といい今にも動き出しそうにリアルでしたよ。なにしろ
「友達は、宝だ。大切にするんだぞ」じいちゃんは、自分を見上げている裕太に、ふと言った。突然そんなことを言うので、裕太は面食らってしまう。驚いたように、じいちゃんの顏を見て、「じいちゃんにも、友達はいるの?」と聞いた。「いるさ、それはもちろん!」じいちゃんは、大きくうなづく。「子供の頃の友達は?」ふいをつかれたように、じいちゃんはふと考える。「そうだなぁ~めっきり会わなくなったなぁ」かろうじて付き合いのあるのは、近所の者と、ごくごく親しい間柄の者ばかり。気の知れた仲
何でもそうですが、少数派だったものに多数がなびいて多数派になってから乗り遅れまいと追いかけても手遅れであることが多い。上がってから株を買っても大抵損をするわけです。僕も何度も痛い目に遭ってきました。大衆とは流されやすい存在と言い換えていいのでしょうね日本に詐欺事件が多いのも、付和雷同の人や自分で決められず多数に従えばいいという横並びが多いからと言われています。孤独に打ち勝とうとするより、集団に属して騙されてる方が楽だということか。ニュージーランドに日本人が移住する、という観点でも、