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こんばんは。前回は最も下層にある逆転層の下端の高度を読み取りました。今回はその逆転層の下端から970hPaまでの気層の状態を答えて、そのように判断した理由を述べよ、という問題です。35字程度で理由を述べよ、ということですが、難しく考える必要はなく、一般知識の「大気の熱力学」で学んどことを落とし込めば良いだけです。わからなかった方は、一般知識の合否関係なく、大気の熱力学をしっかり復習しておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問2※記事中の問題文
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1「一般気象学」p71の図3.13、「湿潤大気の静的安定性」の図を見ながら逆転層とは何かを考えます。気温減率が湿潤断熱線よりも小さい場合は安定であるということができ、このような部分が見られる気層のことを「安定層」とよんでいるわけですが、中でも特に高度が上がるにつれて気温が高くなる気温の逆転が見られるケースがあり、このような気層を「逆転層」とよんでいます。これを踏まえて、図4の名瀬の状態曲線(エマグラム)から、
こんばんは。今回からは、図4の8日21時の名瀬の状態曲線(エマグラム)についての問題です。この図を⽤いて、名瀬の上空の⼤気状態に関する問いに答えよ、ということで、最初は状態曲線より最も下層にある逆転層の下端の⾼度を10hPa刻みで読み取ってみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。13日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・専門知識(a)まず、本文では、「高気圧周辺で空気が沈降し、断熱的に昇温したことで生じる沈降性の逆転層であると推定される。」とあります。ここで下図の左側、気温の鉛直分布の800hPa付近に見られる逆転層が空気の沈降によるものなのか、逆転層には大きく3種類ありますので、それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。《接地逆転層》夜間の放射冷却によって地表に接する空気が冷やされて、その上にある空気より気温が下がる場合に、形
このブログに掲載する気象予報士試験問題は、事前に(財)気象業務支援センターにブログへの掲載を確認し、ホームページで公開されている試験問題、または本試験の試験問題を使用しています。問題の答え・解答方法については(財)気象業務支援センターとは全く無関係で私個人の責任により掲載しています。今日は問2(3)(4)(5)を考えていきます。(3)について図8(C)を見ていきます。図1の九州付近の低気圧に対応する前線面の高度を答える問題です。前線面は気温の逆転層の上端で、風向が上層に向か
このブログに掲載する気象予報士試験問題は、事前に(財)気象業務支援センターにブログへの掲載を確認し、ホームページで公開されている試験問題、または本試験の試験問題を使用しています。問題の答え・解答方法については(財)気象業務支援センターとは全く無関係で私個人の責任により掲載しています。今日は問2(2)を考えていきます。図8(A),(B),(C)をならべて見ていきます。真ん中の(B)の湿数と風向の鉛直方向の変化が他の2地点と異なる特徴を答える問題です。湿数については(A),(
こんばんは。新年あけましておめでとうございます。2025年も当ブログ「てるてる風雲録」を宜しくお願いします。いよいよ第63回気象予報士試験も今月ということで、早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、850hPa面での前線について、初期時刻の29日21時では問1(2)①、24時間後の30日21時では問1(5)の考察より、ともに6℃の等温線に対応してることがわかりましたので、12時間後の30日9時においても6℃の等温線に対応しているものと考えます
冬の景色を振り返り。逆転層なのか、もやが地上から数メートルのところで漂っていました。澄んで冴えた空気も良い感じです。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問3今回は、図11の名瀬における状態曲線と風の鉛直分布を用いて、①では、図に見られる2つの前線性逆転層のそれぞれについて、逆転層の上端の高度およびその高度の上層50hPaから下層50hPaの範囲における温度移流の種類を、②では、750hPa〜550hPa、および550hPa〜450hPaにおける温度移流の状況について、温度移流が明確な場合はその方向を示して簡潔に答えよ、という内容の問題を2問まとめて考えてみま
こんばんは。今回は、図11の名瀬における状態曲線と風の鉛直分布を用いて、①では、図に見られる2つの前線性逆転層のそれぞれについて、逆転層の上端の高度およびその高度の上層50hPaから下層50hPaの範囲における温度移流の種類を、②では、750hPa〜550hPa、および550hPa〜450hPaにおける温度移流の状況について、温度移流が明確な場合はその方向を示して簡潔に答えよ、という内容の問題を2問まとめて次回、一緒に考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問3問題文
今朝もグッと冷えたクィーンズタウン天気もここ最近ずっと良いし逆転層が発生して街中より山の上の気温のほうが高い道路も山の麓に近い標高の低いところが凍ってガッシガシ6kmの地点でぐるっと時計回りに動画を撮ってみました。最初は少し南へ向いてジャックスポイントのある方角↓クィーンズタウン空港、フランクトン↓ショットオーバー川↓ヘイズ湖↓リマーカブル山脈↓ぐるっと1周今週末にスキー場はオープン予定ですがご覧の通り雪がありません
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問1今回は、図6の潮岬における状態曲線(エマグラム)を使って複数見られる逆転層のうち、下層から1番目と2番目の逆転層の上端の高度を答えよ、という内容です。「一般気象学」p71の図3.13、「湿潤大気の静的安定性」の図を見ながら逆転層とは何かを考えますと、気温減率が湿潤断熱線よりも小さい場合は安定であるということができ、このような部分が見られる気層のことを「安定層」とよんでいるわけですが、中でも特に高度が
お疲れ様です!6月、二泊三日の旅へ道中、初めて見る景色、、、畑の中に、扇風機?色々、調べて行くと、日本の茶園の風景を変えた農学者『横山俊祐』茶園の霜害を防ぐ「防霜ファン」その仕組みは、茶畑の地上6メートル程上には、地面より数℃高い空気の逆転層が出来る。その暖気を、ファンで茶畑へ送る。茶農家さんのお茶の葉の晩霜被害を解決したそうです。旅は、思いがけない出会いと発見があります。つづく
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問3今回は、図12の状態曲線(エマグラム)において、この図に見られる逆転層は前線の転移層であることに関連し、28日21時における館野の転移層の上端の気圧と厚さを求めよ、という内容です。問題文だけを読みますと、ややこしいですが、解答欄を見ますと、上端の気圧(hPa)、上端の高度(m)、転移層の厚さ(hPa)、転移層の厚さ(m)をそれぞれ答えよ、という内容になっていることがわかります。まず、上端の気圧(hPa)
こんばんは。今回は28日21時には前線が関東の南にまで南下する、という状況で、図12の館野の状態曲線(エマグラム)と風の鉛直分布の図を使って、この図に見られる逆転層は前線の転移層であるとし、その上端の気圧(hPa)と高度(m)、厚さ(hPaおよびm)を求めよ、という内容の問題になります。問題の終盤に細かい指示があるので厄介ではありますが、落ち着いて取り組んでみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問3問題文及び図表は一般財団法人気象業務
旅先の朝の冬の空。^_^氷点下の朝というのが、もう驚きではなくなってきています^_^💦今朝も、放射冷却で、雪は降っていませんが氷点下に冷え込みました。☃️遠くの、お山の裾野のリンゴ畑では、剪定した小枝を焼却している煙が上がっているのが見えます。普通の大気の状態ですと、煙は、上へ上へと登るのですが、放射冷却により、高度と気温の変化に逆転を生じる逆転層が出来る所で、煙は、そこで止まったままになります。(大気の温度は、高度が上がるほど低くなるのですが、放射冷却の朝などは、
おはようございます。筑波山の麓は接地逆転層。雲が昇らず横に伸びていく。昨日は凄い雨だった。今日の昼間は穏やかに暖かいかな。😊
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(4)今回は、これまでの考察で見てきましたオサン(韓国)における8日9時(図5)の逆転層上端の高度が3039mであることがわかっており、この時刻に対馬海峡にある低気圧(図14)に伴う前線について地上低気圧の中心~オサン間の平均の勾配の大きさを1/Fで表すときの分母Fにあたる数値を答えよ、という問題です。すなわち、底辺の長さが地上低気圧の中心~オサンまでの距離、高さが逆転層上端の高度の3039
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(4)まず、高度700hPa付近にみられる逆転層の上端の温位から読み取ってみます。逆転層の上端は具体的にはおよそ690hPaのところにあり、ここの温位を乾燥断熱線に沿って読み取りますと、290Kと295Kの間、1K刻みで293K付近であることがわかります。次に、前線面は等温位面であると仮定して850hPa面におけるこの前線上の気温ですが、「等温位面であると仮定」とありますので、乾燥断熱線に沿
こんばんは。今回は、前回に続き、図5のエマグラムについて、高度700hPa付近にみられる逆転層の上端の温位および、この前線面が等温位面であると仮定して850hPa面上における気温を解答せよ、という読み取りの問題です。どのように読み取るのか、次回一緒に考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問(4)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。26日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1今回は、図5の高度700hPa付近にみられる逆転層の下方と上方それぞれ厚さ100hPa程度の気層内の平均的な風を比較し、風向と風の強さに関する相違点を40字程度で述べる記述問題です。僕が初めて実技試験の勉強を始めたとき、記述問題に対してどのような切り口から書けばいいのかというところで大きな壁に阻まれたのですが、このような問題では、大きく2種類のタイプに分けられると考えています。一つは図に示さ
こんばんは。今回の問題は、対馬海峡の低気圧近傍のオサン(韓国)における図5のエマグラムについて、高度700hPa付近の逆転層の下方と上方それぞれ厚さ100hPa程度の気層内の平均的な風を比較し、風向と風の強さに関する違いを40字程度で述べよ、という問題です。図に着目しながら、相違点を40字程度にどうまとめればいいのか、次回一緒に考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問4(1)今回は図5(下)の29日9時および、その12時間後の図10の21日21時における館野のエマグラムを用いて、前問の①で解答した逆転層の上端付近の気温および850hPaから地上にかけての気温を比較して、それぞれの時間変化の特徴を述べよ、という問題です。問題文は短いですが、本文から2つの論点について解答に盛り込む必要があります。それは、①逆転層の上端付近の気温について、この12時間の時間変
こんばんは。今回は、前回の①で解答した逆転層について、図5(下)の初期時刻と比較して、上端付近の気温および850hPaから地上にかけての気温の時間変化の特徴を45字程度で述べよ、という問題です。やや字数は多いですが、この問いの論点は何かをしっかり押さえておけば、字数を気にしすぎなくても45字程度に自ずと収まるかと思います。次回一緒に考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問4(1)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1今回は、館野における29日21時のエマグラムを用いて、最も高い高度にある逆転層の上端の高度とその気温、またこれよりも下層において気温が最も低い高度とその気温をそれぞれ高度は50m刻み、気温は1℃刻みで解答せよ、という読み取りの問題です。最も高い高度にある逆転層の上端の高度とその気温を赤で、気温が最も低い高度とその気温は青で読み取った結果を示しています。まず、最も高い高度にある逆転層の上端
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2今回は図5(下)の館野の状態曲線について、地上から700hPaまでの高度にみられる2つの逆転層のうち、高度の高い方にある逆転層の上端の高度とその逆転層の種類について、問題文の下枠の中から解答せよ、という問題です。まず、「高度の高い方の逆転層」とは、下端が830hPaで上端が800hPaのことを指していますので、解答はその上端の高度、800hPaとなります。なお、気象業務支援センター解答例では790h
こんばんは。今回は、図5(下)の館野の状態曲線についての問題です。問題では、地上から700hPaの高度の間に2つの逆転層があり、このうちの高度が高いところにある方の逆転層の上端の高度と、逆転層の種類を問題の下枠から選択する、という内容です。前問が「沈降性逆転層」だったのでそれとの比較ではないか。また「図3を参考にして」とあるのが大きなヒントになりそうですが、今回はどうでしょうか、次回一緒に考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2※記事中の問題文及び図表は一般財
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2(1)まず、逆転層の種類として、問題文の下枠の「接地逆転層」、「沈降性逆転層」、「前線性逆転層」について、一般知識のおさらいとして簡単に振り返ってみたいと思います。《接地逆転層》夜間の放射冷却によって地表に接する空気が冷やされて、その上にある空気より気温が下がる場合に、形成される逆転層です。特に冷気が溜まりやすい山地に囲まれた盆地で発達しやすいのが特徴です。《沈降性逆転層》高気
こんばんは。今回も名瀬の状態曲線についての問題です。最後の④は①~③の考察から、①の逆転層の種類は何か、という問いです。問題文の下枠には、接地逆転層・沈降性逆転層・前線性逆転層の3種類の選択肢があり、この中から選ぶ形です。この3種類の逆転層はそれぞれどんな成因で形成されるのかも含めて、次回一緒に考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。18日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1気象予報士試験の勉強のはじめの方で「大気の鉛直構造」を学習したときのことを思い出しますと、対流圏では高度が高くなるほど気温が低くなっていると学習します。一般的にはそうなんですが、実は、対流圏において、ある要因によって高度とともに気温が高くなっていく気層が現れることがあります。このような気層のことを「逆転層」とよんでいます。なお、この「ある要因」につきましては、後日、問2(1)④のところで考えてみたいと思いま