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今日のキーワード:【線を引く】ルールには例外が付き物だが、例外は際限なく膨張する特質を有する。特に、法務が、個別案件について例外対応を認めたことが、例外を認める根拠として一人歩きすることがあるから、例外を認める場合には、その例外が膨張しないように線を引く必要がある。【解説】特別の対応をしてあげたら、そればかり増えてしまいました。断ろうとすると、何で俺のは駄目なわけ?と聞かれそうで。最初に、「今回だけ」と言ったのに。こうならないように、「今回だけ」の他
今日のキーワード:【意見書】所定の事実関係のもと、法的リスクの内容や程度、対応策などについて、専門家に検証してもらった成果物。会社の活動の正当性を裏付ける資料となることを期待するが、この面では限界があり、検証過程のデュープロセス効果も考慮するのがポイント。【解説】弁護士の意見書なんて、見たことないし、そんなものの存在、初めて聞いた。法務に関係のない仕事を担当している方も、少しだけお勉強しましょう。意見書は、会社の決定や状況を検証してもらうものです。不祥
今日のキーワード:【社外弁護士】主に専門性の高い分野について、専門的な分析や助言を得るために使う場合が多く、適切なデュープロセスにも資する。さらに、関係部門も一緒に参加させて相談に行き、一緒に議論に参加させることで、関係部門の意識向上にもつながる。【解説】弁護士なんて、テレビでしか見たことないし、会ったことすらない。法務に関係のない仕事を担当している方も、少しだけお勉強しましょう。社外弁護士にわざわざ相談に行くのは、それなりに理由があります。「適法」と言
今日のキーワード:【説明責任】マスコミへの謝罪会見や監督官庁への事故報告などで、決まって説明を求められる2つのポイント。トラブルを認めようとしない部門に対し主体的な対応をさせるツールとなる。対外的には、「無罪」狙いではなく「執行猶予」狙いのツールとなる。【解説】社長が頭を下げるシーンだけ見て終わりにせず、実際の会見内容も見てみましょう。記者が、何が原因か?今後の対策は?と聞きました。原因は不明です、今後の対策は何も決まっていません、と言ったらどうなるで
今日のキーワード:【説明責任】意見を言う場合にその意見の合理性を自ら説明しなければならない、というルール。意見が対立する場合には、自分の意見の方が優れていることを納得させなければならないのはどちらか、という責任分配の問題になる。【解説】一緒に取り組む立場なのに、人の仕事に文句だけ言って、自分から何も提案しない人、居ますね。社内評論家、上から目線、色々な言い方があります。悪口を言っても仕方ないので、仕事をしてもらいましょう。そんなときのツールの1つが、「
今日のキーワード:【憲法判例】通常の訴訟は、ルールを所与のものとして事案を解決するため、ルール自体を検証しないが、憲法訴訟は、ルールのあり方自体も検証する。そのため、憲法判例は、ルール自体を検証し、そのあるべき姿を定める点に特色があり、その手法は、社内ルールを検討する際、参考になる。【解説】憲法判例なんて言葉、初めて聴いたと思う。法務に関係のない仕事を担当している方も、少しだけお勉強しましょう。憲法は最高位に位置し、これに違反するものは、たと
今日のキーワード:【三段論法】法律の基本的な論証法であり、ルール(大前提)、事実(小前提)、結論から構成される。文章を書く場合だけでなく、話をする場合にも、この三段論法を意識することで、議論が整理され、わかりやすくなる。【解説】法律に関係ない場面でも使えます。こじつけっぽいですが、①普通、あの場面で演歌入れないよね?(一般論=大前提)②けど、課長、演歌入れるのよ。(現実=小前提)③だから、課長って変なの。(普通じゃない=評価=結論)
今日のキーワード:【どうしたいか】依頼部門や担当者の意向を聞く質問。自ら決めようとしない担当者に対していきなり決断を迫るのではなく、まずは自分の気持ちを聞かせてくれ、という敷居を下げたニュアンスとなり、主体的に事案に取り組ませる誘導ツールとして活用できる。【解説】自分で決めるべきなのに、どうするのかはっきりしないまま仕事を振る人がいます。何かを隠しているのかもしれません。こっちに決めさせようとしているのかもしれません。けれども、それではやりにくい。方向性だけで
今日のキーワード:【背中】後輩を育てる際、自分の背中を意識させ、後輩の背中を意識することによって、過剰な干渉をせず、主体性を尊重しつつ、適度な緊張感と安心感を与えることができる。自分自身の矜持にもなる。【解説】新しく配属された新人君の教育係になりました。私の方が教育されたいくらいなのにどうしよう。ポイントは、過干渉でなく、放任主義でもない距離のとり方です。まず、自分の背中を見せましょう。仕事に取り組む姿勢などを伝えるのです。それだけでなく、新人君の背
今日のキーワード:【人事部】会社の人事業務を担当する部門。社員のさまざまな情報を有しているだけでなく、会社が有する人事権という広範で強力な武器を扱う部門であるため、リスクコントロールの際には欠かせないパートナーである。【解説】人事マフィアという言葉もあり、人事部が強力なことは、誰でも知っています。法的にも、そのことには理由があるのです。ハラスメントやメンタルに関する裁判の実務がどうなっているか知っていますか?個別のトラブルについての裁判例、かつては個別事案に関
<講演予定!>今日のキーワード:【ノーサプライズ】聞いてないよ、と言わせないように、早めに関係者に予告しておくこと。仕事を任せてもらうには、安心できなければならないが、細かいことまで報告されるとわずらわしくなるし、何も報告されないと、不安になる。ちょうど良い頭出しを心がける。【解説】自分のミスを先に頭出ししなかったらどうなるでしょうか?部長が、相手と折衝中に、その相手からミスのことを聞かされると、部長は自分の敵になります。相手の言うことをそのまま受け止める
今日のキーワード:【衆議独裁】一部の会社経営者の間で、経営の理念として採用されている考え方。議論は皆で行うが、決断は一人が行い、反対意見の者も従わなければならない、というもの。多くの意見を検討し、責任の所在を明確にするから、リスクコントロールにつながる。【解説】リーダーにも様々なタイプがあります。何でも自分で決めてしまい、あまり人の意見に耳を傾けないタイプ。逆に、調整ばかりで自分の考えを見せないタイプ。この「衆議独裁」は、両者の良いとこ取りです。皆の
今日のキーワード:【顔を立てる】トラブルの解決だけでなく、複数部門で仕事を行う場合にも、他部門の言い分をよく聞くことが大切。自部門の主張がすべて否定された案件について、業務分担させられるとやる気がなくなるが、参加した手応えがあると、やる気が出てくる。【解説】あの課長、会議に呼ばないと駄目ですか?どうせ反対するだけなんですけど。それでも、部長は会議に呼ぶように指示しました。何故でしょう?理由の1つ目は、呼ばないと後が大変だからです。聞いてない、と言われ
今日のキーワード:【マッチポンプ】放火犯が火を消して回るという、悪いイメージの言葉だが、リスクを指摘し、アイディアを出す、という法務の業務は、構造的にマッチポンプになりやすい。リスクに気づく点も、リスクを克服する点も、現場の部門が責任を持って対応するように導くこと。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、法務の側から見ています。ビジネスの側から見ると、法務のやり方が気になりますね。けれども、本当のマッチポンプは、会社の利益ではなく自部門・自分個人のた
今日のキーワード:【自分の土俵】議論の際、相手の得意な分野や相手のロジックの上で議論すると、不利である。そのため、議論の本質は自分の得意な分野や自分のロジックの上にあるとして、議論の主導権を取るために、自分の土俵での相撲を心がける。【解説】明らかにやくざ風の男がやってきました。社員の車が追突したせいで、車が傷ついた、首がおかしくなった、などと騒いでいます。さらに、この日は大事なデートだったのに行けなくなって、振られてしまった、とも言っています。ここで
今日のキーワード:【上司と社内政治】社内政治のない会社はない。その中でも、現場は業務を継続しなければならない。現場の業務を社内政治が妨害しないようにしたり、現場の環境を良くしたりするのが上司の仕事であり、逆に言うと、上司を社内政治の場で上手に使うのが、現場の仕事である。【解説】組織は人間の集まりなので、とてもデリケートです。ちょっとしたことで崩壊します。部内のトラブル、スキャンダル、人事異動、予算、などなど。そんな様々な要因によって崩壊しないように、逆
今日のキーワード:【やまびこ作戦】やまびこによって、色々な方向から同じ声が聞こえてくることにちなんだ作戦。色々な人が同じ意見を言うと、それはもはや少数意見ではない、無視できない、と思わせることが期待できるから、色々な人に同じ意見を敢えて発言してもらう。【解説】要は、根回しです。それも、単に同意してもらうだけでなく、積極的に発言してもらうように依頼します。コツは、同じ立場の人ばかりでなく、違う立場の人にも発言してもらうのです。広報の立場から見ても、人事の立
今日のキーワード:【赤鬼青鬼作戦】『泣いた赤鬼』(浜田廣助、偕成社、1965)で、村で大暴れする青鬼を赤鬼が懲らしめたことから、赤鬼は、その望みどおり村人と仲良くなった。厳しいことを言う役割と、取り成す役割を分担し、論点を明確にして、理解と信頼を得る、という作戦。【解説】ヤクザもののドラマで、若い組員が暴れ、親分が黙らせる、という場面を見ますね?英語にも、良い警官と悪い警官、良い弁護士と悪い弁護士、という例えがあります。ただし、会社の中で恐喝めいた
今日のキーワード:【つぶらな瞳】約束を守ってくれない部門に対し、非難するのではなく、無理な約束をお願いしたかもしれない、どうしたら約束を守ってくれるだろうか、と、殉教者のように問いかける方法。甘いといえば甘いのだが、約束を守る意識を持ってもらえる場合がある。【解説】「ぶりっ子」のようなものですが、嫌味にならないようにしましょう。仕事の仕方が良くわからないのだったら、実際に仕事をやってみせます。俺だって好きでやってるんじゃないんだ、という反感を和らげるつもりで。
今日のキーワード:【手柄を与える】自分と同じ嗅覚と感性を持った後輩を育てるためのツールでもあるが、現場の各部門に法的リスク対応の自覚とやる気を与えるツールにもなる。手柄を与えたことを当然と思われるのではなく、感謝されるように持っていくことがポイント。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、法務の手の内を明かした表現です。けれど、基本的な考え方は、普通のビジネスでこそ活用できるはずです。私が法律事務所に入所したとき、何でも仕事を押し付けてくる先輩がいました。け
今日のキーワード:【分身の術】自分と同じ嗅覚と感性を持った後輩を育て、自分の仕事を分け与え、カバーできる領域を広げること。簡単には育たないので、手間がかかるが、任せられる後輩がいると、自分はより上位の領域や新しい領域に取り掛かることができる。【解説】この人についていこう、と思う先輩はいませんでしたか?仕事を任せてくれて、教えてくれて、守ってくれた先輩です。自分が後輩を育てるなんて、と思わないで。後輩を育てること自体が、自分自身の勉強になります。後輩に
今日のキーワード:【サステナビリティ】組織の能力を永く維持できること。人が変わっても組織の能力が維持されることがポイントであり、そのためには知識やノウハウが組織内で共有されていることや、モチベーションが維持されることが必要。属人的な傾向の強い法務部の大問題。【解説】著者が社内弁護士でしたので法務部を取り上げていますが、どの部も大問題です。管理職が考える問題でしょうが、そうでなくても、ツールとして活用しましょう。自分の業務を、自分が抜けても引き継げるように、引
今日のキーワード:【SLA】私が、ビジネス側の担当者から学んだ中で、このSLAはとても印象的でした。その理由の1つ目は、「飴と鞭」そのものだからです。どうしても、相手を「縛る」という発想が強い中で、インセンティブを与える、という発想は印象的でした。2つ目の理由は、ビジネス側が工夫して発展させてきたルールだからです。当初、これは付属書類で、契約じゃない、という理解をITの人たちがしていました。けれど、これも立派に契約の一部です。それを、自分たちのリスクコ
今日のキーワード:【遊軍】戦場で、軍の指揮系統から離れ、独自の判断で行動することが許された部隊。高い視野から戦況を見極め、戦線の弱点の防衛に加わったり、突破口を開くために攻撃に加わったりする。法務も、社内で遊軍的な機能を果たす能力があるはずである。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、法務の側から見ています。ビジネスの側から見ると、法務がそんなにかっこよく活躍しているのか、という気になりますね。ところで、遊軍が必要なのはどのような場合でしょうか。
今日のキーワード:【定期便】法律相談が多い部門に対し、毎週火曜日の午後など、時間を決めて定期的に訪問し、法律相談の場を設定すること。コミュニケーションを円滑にし、現場自身によるリスク対応を促すことになる。ただの便利屋に終わらない工夫がポイント。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、法務の側から見ています。ビジネスの側から見ると、法務がそんなにコミュニケーションを取ろうとしているのか、気になりますね。ビジネスでも、たとえば営業は、得意先に定期的に訪問で
今日のキーワード:【議事録】せっかくの会議で何も決まらずうやむやのうちに終わることを防ぐために、役立つ。会社の意思決定プロセスの強化と証拠化にもなる。議事録を意識して、会議の活力が失われたり、責任の押し付け合いになったりしないよう、会議運営の工夫が必要。【解説】議事録を作れと言われました。どこまで詳しく書くのでしょうか?議事録の書き方には、会社や職場の流儀があります。まずは、それぞれの流儀に従いましょう。けれども、会議の種類や目的に応じて、詳細な方がい
法務の技法(第2版)3,456円Amazon今日のキーワード:【マニュアル】全社的な業務レベルの底や平均を上げることにつながる。マニュアルさえ守れば良い、という、現場の言い訳や責任逃れにならないようにすることがコツ。マニュアル作成側にも、マニュアルによって現場の感度を下げるのではなく上げる意識が必要。【解説】マニュアルの弊害は、誰でもイメージできます。けれども、人に仕事を任せる以上、マニュアルは不可欠です。問題は、その中身と使い方です。一番のポイント
法務の技法〈第2版〉3,456円Amazon<1月23日発売>今日のキーワード:【社内ルール】一定の行為を禁ずるなどの方法でリスクを押さえつけるだけでなく、プロセスや社内の権限分配を定め、会社の活動を正当化する方向でも使える。社内ルールが存在するだけでなく、その社内ルールが想定どおりに機能することが重要。【解説】謝罪の記者会見で、会社はいったいどういう体制だったのか、必ず聞かれます。社内体制や事前のプロセスが不十分であれば、非難の声はとても大きくなるの
法務の技法(第2版)3,456円Amazon今日のキーワード:【社内営業】余計な仕事を掘り起こしてしまうという危惧から敬遠されるが、独善的な思い込みで対応が難しくなる前に問題を発見し、法務の負担を減らすだけでなく、法務への感謝も広げることができ、仕事をしやすくするツールになる。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、法務の手の内を明かした表現です。けれども、コミュニケーションはビジネスの基本ですので、参考にしてください。これは、「待ち」の姿勢になりが
法務の技法(第2版)3,456円Amazon今日のキーワード:【認識合わせ】具体的な検討に先立ち、関係者の現状認識を合わせておく、という作業。たとえばトラブル対応の場合、部門間の責任の押し付け合いを防ぎ、対応に向けた部門間の協力体制の強化に役立つツールとなる。【解説】多くの会社の人事で、目標設定や考課の際、上司と部下の間で認識あわせが行われます。会社が組織として大きくなるにつれ、このような一見無駄な作業が必要になります。部門間でも認識あわせが必要です。