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皆さんこんばんは。恒例の夜中の本紹介。「日傘のお兄さん」豊島ミホR-18文学賞でデビューした豊島さん。二作程しか読めてない作家さん。さて今作はどうでしょうか?5編からなる短編集ですが、表題作は中編で、他の四編はかなり短めです。となると表題作がメインというのは間違いない。簡単にストーリーを言うと、主人公の女性が引っ越す前の子供の頃遊んでいたお兄さんが、突如として尋ねてくるんです。そして(匿って欲しい)と。何やら犯罪めいた事をしてきた
豊島ミホ「檸檬のころ」高校入試対策の模擬試験に出題された作品です。田舎の普通の高校生の日常を描いた連作短編集です。裏書に連作短編集という説明が無く、独立した短編かと思いながら読んだら、登場人物がリンクしていき次々に主人公が入れ替わっていました。田舎の普通の高校の、普通の青春の風景が切り取られた切ない作品で、自分の高校時代を思い出しながら読めました。高校の校舎や、遊んだ場所の温度や匂いを思い出しました。部活、恋愛、進学、別れ、就職、友人関係など、よくある内容ですが、描写が綺麗で模
保健室登校の女友達とのぎこちない友情。同級生と馴染めない、音楽ライター志望の偏屈な女子に突然訪れた恋。大好きな彼とさよならすることになっても、どうしても行きたかった、東京――。山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を切ないまでに瑞々しく綴る、傑作青春小説。
毎年恒例。今年の読書記録まとめです。今年読んだ本は60冊!結構読めました。子供が大きくなって、自分の時間を持てるようになって読書の時間も持てるようになってきたんだなーと思います。読んだ本リストはこちら(順不同感想はリストの下に。⇩もうあかんわ日記/岸田奈美家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった/岸田奈美アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記/渡辺雅史ナナメの夕暮れ/若林正恭夜が暗いとはかぎらない/寺地はるなできない相談/森絵都月とコーヒー/吉田篤弘冷たい
読書ノートの179回めは、豊島ミホさんの『神田川デイズ』(2007年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。豊島さんは大学在学中に学生作家としてデビューされた方で、同年代の若者を生き生きと描き出す腕前に定評があります。青春小説の第一人者かもしれません。『檸檬のころ』『夏が僕を抱く』『エバーグリーン』などの作品を書かれています。ただ、2008年に休筆宣言をされ、長い間執筆活動が途絶えていました。現在は執筆を再開されているようですが、近作はまだチェックしていません。神田川デイズ(
大学時代のころを思い出すなあ。あの頃は携帯電話なんてなかったけど。自由を満喫してこれまでの自分とは違うものになろうとして。この小説の中にあるのは、夢を達成したい、いやそもそも夢をもたなきゃいけないという脅迫感。そのためにがむしゃらになる?ならない。生ぬるい生活に安住しちゃってそこから抜け出せない不安感。どっちもすごいリアルだし、だからこそ懐かしいんだ。大学の夜間に怠惰に在籍する男3人。夜間って今もあるのかな。先輩さんにあこがれてサークル入ったら左翼的な政治サークルだった女の子。これはびっくり。や
実業之日本社文庫2010年12月初版第1刷発行349頁行き止まりに見えたその場所は自分次第で新たな出発点になる再生の物語が7編宮下奈都「よろこびの歌」高校一年生の御木元玲世界的なヴァイオリニストの娘で声楽家を目指し音大付属高校を受験するも失敗、私立女子高の普通科に進学します挫折感や母親へのコンプレックス、音楽を諦めきれない思い鬱屈した日々を送る中、苦手なマラソン大会でクラスメートから思わぬ応援を受け大切なものがそこにあることに気づくのでした福田栄一「
今日の読書感想ですかなり偏った勢いでの感想になっていますのでご不快な気持ちにさせるかもですネタバレ的なものもあるかもですご容赦ください日傘のお兄さん(新潮文庫)Amazon(アマゾン)484円【可愛いだけじゃない。女の子のむきだしの想いが胸をしめつける、まぶしくも切ない四つの物語。】とあらすじにあったので切なくなりたいと思いw手に取りまし
こちらの作家さんは、2冊目かな?幼なじみが題材の短編集変身少女らくだとモノレールあさなぎ遠回りもまだ途中夏が僕を抱くミーちゃんに再会したのは夕立に降られて駆け込んだ、渋谷のレコ屋の入口だった昔一緒に田舎で虫を捕ったり木に登ったりしていたミーちゃんは、俄然大人になっていて俺は彼女に夢中になった・・・ストロベリー・ホープせつない感じが、良くすんなり、読み切ってしまいましたわが家のヒトリシズカさんたちきょうも、皆
2017年に「スーパー中学生、現る!!」とのアオリとともにデビューした当時14歳の鈴木るりかの第一作「さよなら、田中さん」が面白かったので読んでみたのがこれ、第二作の「14歳、明日の時間割」。まず簡単に「さよなら、田中さん」の印象から書くと、この作品はるりかさんが小学4年生時~6年生時の作品の大幅な改稿と書き下ろしで構成されている。母子家庭で暮らす田中花実とその母親の生活を描くストーリーだ。改稿されているとはいえ、やはり多少の「青臭さ」があるのは否めないが、それでも「小中学生でこんな小説が書ける
晴れ畑に出るじゃがいも植えますよオハヨウゴザイマスアナウンサーの語りと音響効果で構成する。聞く短編小説「NHKラジオ文芸館」「ラジオ深夜便」R1&FM月曜午前1時台(日曜深夜)2020年4月6日(4月5日深夜)(聴き逃しは、4月13日月曜・夕方6時配信停止)「雪の降る町、春に散る花」豊島ミホ:著<あらすじ・NHK・ラジオ文芸館より引用>雪の降る町に住む高校3年の加代子は、春から東京の大学に進学する。田舎を離れ、付き合っている佐々木くんとも離ればなれになるこ
夏が僕を抱く(祥伝社文庫)Amazon内容(「BOOK」データベースより)ミーちゃんに再会したのは、夕立に降られて駆け込んだ渋谷のレコ屋の入口だった。昔一緒に田舎で虫を補ったり木に登ったりしていたミーちゃんは俄然大人になっていて、俺は彼女に夢中になった。しかし…。あんなに近くにいたのに、いつの間にか離れてしまった幼なじみ。それぞれの思い出の中にある、大事な時間と相手。せつない記憶を描く傑作短編集。新型コロナウィルスで商売柄バタバタしていてしんどい。読書は心が落ち着いて
リテイク・シックスティーン/幻冬舎¥1,760Amazon.co.jp高校に入学したばかりの沙織は、クラスメイトの孝子に「未来から来た」と告白される。未来の世界で27歳・無職の孝子だが、イケてなかった高校生活をやり直せば未来も変えられるはずだ、と。学祭、球技大会、海でのダブルデート…青春を積極的に楽しもうとする孝子に引きずられ、地味で堅実な沙織の日々も少しずつ変わっていく。ひっさしぶり(「神田川デイズ」以来)の豊島ミホさんです。こんなあらすじ読むと、沙織もイケてなくて
恋のかけら唯川恵・山崎ナオコーラ・朝倉かすみ山崎マキコ・南綾子・小手鞠るい豊島ミホ・井上荒野2019/11/18★ひとことまとめ★恋の苦さを思い出します…↓以下ネタバレ含みます↓作品読みたい方は見ないほうがいいかも【Amazon内容紹介】ずっとひとりで生きてゆくしかないのだろうか(『ラテを飲みながら』)。失恋すると、胃が痛くなる。腕がしびれる。苦しい(『電車を乗り継いで大人になりました』)。まさか男を囲うとは思わなかった(『アンセクシー』)。同期の
【クラスメイトは六年間一緒。刺激のない田舎に住む小学生のセンリだが、気になることは山積みだ。身体の弱い妹への戸惑い。いじめられっ子への苛立ちと後ろめたさ。好きな男の子の話題で盛り上がる女子の輪に入れない自分。そして悔しさの中、初めて自覚した恋心―。子どもだって単純じゃない。思春期の入り口に至る少女の成長過程を繊細にすくいあげた、懐かしく、胸の痛みを誘う物語。(「BOOK」データベースより)】初めて読む作家さんで2006年の作品です。7編の連作短編集で主人公のセンリの小学1年生から6年生の
ようやく春🌸がきたなという感じの日差しが暖かい☀️気持ちいい天気の今日の2/23のメリッサ読書会📖ですが、固定メンバーのマスターS川先生とA沢さんがそろい、楽しいS沢さんと八郎潟からYさんが参加してくれて、ワタシの娘と、メリッサママのお母さまと、メリッサママにもオブザーバーに加わっていただき、総勢8名で、秋田市広面のカフェメリッサにて開催された。めいめい好きなようにゆるい感じで本の紹介をしていく感じで、今回は、マスターS川先生の紹介してくれたソクラテスの法
こんにちは。二十四節気の小雪を迎えました。少し前までは小春日和。木枯し一号もなくて、このまま暖かな冬なのかと思いきや雪の便り。季節は正直で嘘をつきません。なんだかホッとしました。つい2週間前、ブログの下書きをしましたが、更新しませんでした。体調が悪く落ち込んでいたのを書いていました。医者の年内に治すという言葉を信じ、週二で鍼に通っていましたが、兆しがなく、私の人生どうなっちゃうの?くらいの勢いで落ち込んでいたからです。この2ヶ月、驚くくらい安静にしていました。仕事以外は出かけ
大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル/豊島ミホ/岩波書店岩波ジュニア新書には岩波ジュニア新書の見た目さえしていなければもっとYAに読まれそうな作品が入ってる時があるよね。これとか。「岩波ジュニア新書」というのは、岩波書店が出しているYA向けの新書レーベルで、政治、歴史、最新科学、生き方、文学etc.バラエティに富んだ分野を網羅しています。ただデザインしてる人には申し訳ないけど、岩波ジュニア新書って本当につまらなそうなんだよね。見た目が。この世に実在しない、おとなの空想の
Re-bornはじまりの一歩宮下奈都・福田栄一・平山瑞穂・中島京子豊島ミホ・瀬尾まいこ・伊坂幸太郎2018/01/14読了【感想】ちょっと気分が憂鬱気味だったので、元気が出るような本、明日からまた頑張れる本がよみたくなって、手に取った本。・よろこびの歌(宮下奈都)有名ヴァイオリニストを母にもつ玲。自分もきっと音楽の道に進むと信じて疑わなかったが、志望の音大附属高校に落ち、名前も知らなかった女子高校に進むことに。音楽を諦め、面白みのない毎日。高校生活にも何も求め
081豊島ミホ/著「エバーグリーン」を読了!(12/21)★★★★☆エバーグリーン(双葉文庫)5年くらい前に一度読んでた…
森見登美彦さんの本をひさしぶりに読んだら、タッチが変わっていて怖かったという話に続きまして、豊島ミホさん(代表作:檸檬のころ)のエッセイを読んで、いまこの人何書いてんのかなあと検索したら、作家やめて漫画家になってた(゚∀゚)もともと漫画家志望だそうです。一般人も普通に転職する時代だからいいんだけど、ショック(T_T)でした。ファンでもないのにね。もうこの方が書いた新しいものはよめないことが悲しい。最近「別れ」「終わり」にダメージを受けやすい気がする。リテイクシックスティーンという作品が好
前回の「読書だより①」の最後に書いた「瀬尾まいこ」さん。大阪出身、うちの娘の中学・高校の卒業生、中学校の国語教師をしていたこと、など身近な存在で、今までにも何冊か読んでいました。中学生や高校生の物語が多く、特にあまり目立たない、パッとしない主人公の心の揺れをうまく描いているのが好きで、また瀬尾まいこさん自身が何度も教員採用試験に落ちて「講師」をしながらも正規の教員を目指す姿が投影されていて、気になる作家さんでした。この3ヵ月ほどで「強運の持ち主」「見えない誰かと」「図書館の神様」「僕らのご
「こち亀」が終わったいま、何を読もうか途方に暮れているところだが(ちょっとウソ)、続刊の作品では「からかい上手の高木さん」「K2」「MIX」「蝶のみちゆき」あたりに注目している。新刊を買うということは蔵書がふえていくということで、うちにある本の殆どは漫画だが、保存状態に問題があって、「こち亀」の古いものなど、素手でさわるのがためらわれるほどになっている。「こち亀」の論文を書いていたときに体調を崩した原因は、おそらくそれだと思う。まぁ、本は読まれてナンボだと思っているの
保健室登校の女友達とのぎこちない友情。同級生と馴染めない、音楽ライター志望の偏屈な女子に突然訪れた恋。大好きな彼とさよならすることになっても、どうしても行きたかった、東京―――。山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を切ないまでに瑞々しく綴る、傑作青春小説。(裏表紙より)檸檬のころ(幻冬舎文庫)576円Amazonなぜこの本を予約したのか忘れてしまったのですが…。面白かった…。凄く、凄く
皆さんこんばんは。只今帰宅です。今日は朝一魚市場から長かった!間違いなく爆睡するので、その前に恒例の夜中の本紹介。「ぽろぽろドール」豊島ミホ豊島作品二作目です。今回は6話からなる短編集ですが、ひとつテーマが決まっています。それは総ての話に人形が出てくる事。祖母の遺品の叩くと泣く人形・自分に瓜二つのラブドール・昔付き合っていた彼女に似た人形などなど。どの話もヒト癖ある物語。この手の話だと、人形を擬人化して愛する系の話が殆どだけど、こ
9月の読書は⑤冊夏が僕を抱く豊島ミホ祥伝社文庫男女の幼なじみのお話…相手がどう思ってるかは分からないけど私にも思いあたる人がいます。この本みたいなキュン♪は、残念ながら、なかったかな(笑)ふくわらい西加奈子朝日新聞出版…???。でも、人気がある本らしいです。プロレスラーの廃尊サンにはちょっと感情移入出来たかな。晴天の迷いクジラ窪美澄新潮社「なーんにも我慢することはなか。やりたいことすればよか。そんために生まれてきたとよ」シンプルなおばあさんの言葉に、ヤラレました窪さん、や
今年の7月は試合キャンプの準備とキャンプ会議や講習会飲み会…とにかくビックリするくらい忙しかったそんな中読書が出来た自分よ、エライ(笑)今月の読書⑤冊心屋仁之助のあなたは「このため」に生まれてきた!心屋仁之助王様文庫「そうなんだ」と素直に受け入れてみよう!「テンションが上がること」だけやろう!…を心がけてみようと思います。ぼくたちの家族早見和真幻冬舎文庫幸せな人生だった…と言って私は旅立つ事が出来るのか。私の家族に固い絆はあるのか…。ふがいない
中学校のあるクラス。2年2組の生徒(クラス全員ではなく35人中20人だが)一人一人に焦点を当てた連作短編。20人それぞれ色々な人がいて、いろいろな考え方、悩みがある。かわいかったり、明るかったりで目立つ人もいれば地味で目立たない人もいる。この著者は目立つ人たちの書き方も、目立たない人たちの書き方もどちらもうまく、妙に引き込まれる。僕はどちらかというと、なんとなく目立たない人たちの話に惹かれてしまうけれど。出席番号5番猪俣厚志。太目のいい人。小6にして