鎌倉時代の随筆『徒然草』を著したのは、隠者として静かに生きた知性の人、兼好法師こと吉田兼好です。彼は華やかな権力の中枢に身を置いたのち、世を離れ、草庵で己と向き合いながら、人間という存在の本質を見つめ続けました。そのまなざしは、七百年を超えた今もなお、私たちの胸にまっすぐ届きます。「言葉は少なく、行いは誠実であれ。」この一文は、声高に叫ばれることはありません。静かで、簡潔で、まるで余白のようです。しかし、その余白の中にこそ、人生を支える強い柱が立っています。現代は、言葉があふれる時代です。SNS