烈風は零戦の後継機として昭和17年に海軍から三菱重工に試作が指示された艦上戦闘機、つまり海軍戦闘機の正統派の機体であった。零戦は12試艦上戦闘機でその後5年が過ぎているが、16試艦上戦闘機として艦上戦闘機を試作できないか海軍から内示があった。しかし当時は小型高出力のエンジンが実用化されていなかったことや三菱の設計陣が零戦の改良や局地戦闘機雷電の試作で多忙を極めていたことから一旦中止となり昭和17年になって17試艦上戦闘機として試作が内示された。要求された性能は高度6000メートルで345ノット(