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【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第95回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『名(な)を求むるに心あるは、固(もと)より非(ひ)なり。名を避(さ)くるに心あるも亦(また)非(ひ)なり。』《言志録25》【訳文】「名声を得るのに、それを求める心があるのはよくない。また名声を避ける心もよくない。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》********文庫本の解説によれば、身分不相応な名誉を求める心はよくなく、
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第94回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『臨時(りんじ)の信(しん)は、功(こう)を平日(へいじつ)に累(かさ)ね、平日(へいじつ)の信(しん)は、效(こう)を臨時(りんじ)に収(おさ)む。』《言志録149》【訳文】「突発的に起きた出来事をうまく対処して信用をかちとり、それが土台となって、日頃の信用がある。また、日頃の信用があれば、急に事が起きてもうまく処理でき功績となる。」参考文献:講談社学
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第93回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『立志(りっし)の功(こう)は、恥を知るを以(もつ)て要(よう)と為(な)す。』《言志録7》【語義】『功(こう)』…わざ、しごと、しごとの分量。【訳文】「志を立てて功績をあげるには、恥を知ることが肝要である。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》********功績をあげるうえで、恥を知るとはどういう意味なのでしょうか。
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第92回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『人は最(もっと)も当(まさ)に口(くち)を慎(つつし)むべし。口の職(しょく)は二用(によう)を兼(か)ぬ。言語を出(いだ)し、飲食を納(い)るる、是(これ)なり。言語を慎まざれば、以(もつ)て禍(か)を速(まね)くに足り、飲食を慎まざれば、以(もつ)て病(やまい)を致(いた)すに足る。諺(ことわざ)に云(い)う、禍(わざわい)は口より出(い)で、病は口より入(い)る
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第91回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『古往(こおう)の歴史は、是(こ)れ現(げん)世界にして、今来(こんらい)の世界は、是(こ)れ活(かつ)歴史なり。』《言志録143》【語義】『今来(こんらい)』…現在と未来。【訳文】「現代社会は過去の歴史から成り立っており、これからの社会は我々が創る活きた歴史である。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》********
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第90回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『今人(こんじん)率(おおむ)ね口に多忙(たぼう)を説(と)く。其(そ)の為(な)す所(ところ)を視(み)るに、実事(じつじ)を整頓(せいとん)するもの十(じゅう)に一二(いちに)。閑事(かんじ)を料理(りょうり)するもの十(じゅう)に八九(はちく)、また閑事(かんじ)を認めて以(もつ)て実事(じつじ)と為(な)す。宜(うべ)なり其(そ)の多忙なるや。志(こころざし)有
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第89回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『鍋内(かない)の湯(ゆ)、蒸(じょう)して烟気(えんき)を成(な)す。気(き)、外(そと)に漏(も)るれば則(すなわ)ち湯(ゆ)減(げん)ず。蓋(ふた)を以(もつ)て之(これ)を塞(ふさ)げば、則(すなわ)ち気(き)漏(も)るること能(あた)わず。露(つゆ)に化(か)して滴下(てきか)し、湯(ゆ)乃(すなわ)ち減(げん)ぜず。人(ひと)能(よ)く欲(よく)を窒(ふ
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第88回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『愛悪(あいお)の念頭(ねんとう)、最(もっと)も藻鑑(そうかん)を累(わずら)わす。』《言志録40》【語義】『愛悪(あいお)』…好き嫌い。『藻鑑(そうかん)』…品藻鑑識。品定め。【訳文】「好き嫌いの考えが頭にあると、これが最も人物の鑑定に間違いを起こすことになる。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》********
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第87回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『其(そ)の言(げん)を儒(じゅ)にして、其(そ)の行(こう)を儒(じゅ)にせざれば、則(すなわ)ち其(そ)の言(げん)や秖(まさ)に躬(み)自(みずか)ら謗(そし)るなり。』《言志録168》【訳文】「話す言葉は儒教の教えのように立派でも、その行いが儒教のとおりでないならば、まさに自分を謗っているようなものである。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第86回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『人の月を看(み)るは、皆(みな)徒(いたずら)に看(み)るなり。須(すべか)らく此(ここ)に於(おい)て宇宙(うちゅう)窮(きわま)り無(な)きの概(がい)を想(おも)うべし。』《言志録91》【訳文】「世間の人が月を見るのは、ただぼんやり見ているだけだ。しかし、この月を見る時、宇宙にはきわまりない真理が存在することを想い至るべきである。」参考文献:講談社
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第85回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『志(こころざし)有(あ)るの士(し)は利刃(りじん)の如(ごと)し。百邪(ひゃくじゃ)辟易(へきえき)す。志(こころざし)無(な)きの人は鈍刀(どんとう)の如(ごと)し。童蒙(どうもう)も侮翫(ぶかん)す。』《言志録33》【語義】『利刃(りじん)』…切れ味の良い刀。『百邪(ひゃくじゃ)』…いろいろな魔物。【訳文】「志のある人は、鋭利な刀のような
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第84回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『栽(う)うる者は之(これ)を培(つちか)う。雨露(うろ)固(もと)より生生(せいせい)なり。傾(かたむ)く者は之(これ)を覆(くつがえ)す。霜雪(そうせつ)も亦(また)生生(せいせい)なり。』《言志録16》【訳文】「植えた植物は、これを養うため、雨や露はいきいきとしてその生長を助ける。傾いている植物は、霜や雪がこれを倒してしまうが、その霜や雪もいきいき
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第83回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『分(ぶん)を知り、然(しか)る後(のち)に足(た)るを知る。』《言志録42》【語義】『分(ぶん)』…自分と他人とを分かつ身分であり、分限。【訳文】「自分の身分を知れば、その望外のことは望めず、また自分の天分を自覚すれば、現状で満足することを知る。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》********足るを知ることについ
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第82回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『言(げん)を慎(つつし)む処(ところ)、即(すなわ)ち行(おこな)いを慎(つつし)む処(ところ)なり。』《言志録186》【訳文】「言葉を慎んでみだりに言わないことは、すなわち行いを慎むことである。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》********参考文献の文庫の解説によれば、言葉を慎むことは徳の響きともいうべきものであり
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第81回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『信(しん)を人に取ること難(かた)し。人は口を信(しん)ぜずして躬(み)を信じ、躬(み)を信ぜずして心を信ず。是(これ)を以(もつ)て難(かた)し。』《言志録148》【訳文】「人から信用を得ることは難しい。いくら口でうまいことを言っても、人は言葉を信用しないで、その人の行いを信用する。いや、行いを信用せずに、心を信ずるものだ。その心を人に示すことは難しい
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第80回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『己(おの)れを喪(うしな)えば、斯(ここ)に人を喪(うしな)う。人を喪(うしな)えば、斯(ここ)に物を喪(うしな)う。』《言志録120》【訳文】「自分を失うと友人を失う。人を失うと、何もなくなってしまう。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》********参考文献の文庫の解釈によれば、自分を失うとは自信がなくなることであり
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第79回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『凡(およ)そ事(こと)吾(わ)が分(ぶん)の已(や)むを得(え)ざる者に於(おい)ては、当(まさ)に之(これ)を為(な)して避けざるべし。已(や)むを得(う)べくして已(や)めずば、これ則(すなわ)ち我(われ)より事(こと)を生(しょう)ぜん。』《言志録63》【訳文】「何事でも自分の本分としてしなければならないことは、これを避けてはいけない。しなくてもよい
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第78回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『己(おの)れを治(おさ)むると人を治(おさ)むると、只(た)だ是(こ)れ一(いち)套事(とうじ)のみ。自(みずか)ら欺(あざむ)くと人を欺(あざむ)くと、亦(また)只(だ)是(こ)れ一(いち)套事(とうじ)のみ。』《言志録69》【語義】『套事(とうじ)』…『套(とう)』はすべての物の重なること。同じ事。【訳文】「自分を治めることと他人を治めることと
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第77回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『学(がく)は立志(りっし)より要(よう)なるは莫(な)し。而(しこう)して立志も亦(また)之(これ)を強(し)うるに非(あら)ず。只(ただ)本心(ほんしん)の好(この)む所(ところ)に従(したが)うのみ。』《言志録6》【語義】『立志(りっし)』…目標を決めて心をふるい立たせる。【訳文】「学問をするには目標を立てて心をふるい立たせることがなにより肝要で
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第76回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『権(けん)は能(よ)く物(もの)を軽重(けいちょう)すれども、而(しか)も自(みずか)ら其(そ)の軽重(けいちょう)を定(さだ)むること能(あた)わず。度(ど)は能(よ)く物(もの)を長短(ちょうたん)すれども、而(しか)も自(みずか)ら其(そ)の長短(ちょうたん)を度(はか)ること能(あた)わず。心(こころ)は則(すなわ)ち能(よ)く物(もの)を是非(ぜひ)して
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第75回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『人は須(すべか)らく自(みずか)ら省察(せいさつ)すべし。「天(てん)何(なん)の故(ゆえ)にか我が身を生出(うみいだ)し、我をして果(は)たして何の用(よう)にか供(きょう)せしむる。我(われ)既(すで)に天の物(もの)なれば、必ず天の役(やく)あり。天の役(やく)共(きょう)せずんば、天の咎(とが)必ず至(いた)らむ。」省察(せいさつ)して此(ここ)に到(いた
(全1133条)一覧はこちら『言志四録~はじめに~』Ⅳ言志耋録(全340条)佐藤一斎80歳~82歳(1851~1853年)◆◇◆今日のことば◆◇◆【言志耋録66条より】人心の霊『言志耋録』【言志耋録】はしがき【言志耋録1条より】学は一、等に三【言志耋録2条より】教に三あり【言志耋録3条より】経書を読むは我が心を読むなり【言志耋録4条より】漢唐の註と宋賢の註【言志耋録5条より】宋学の宗【言志耋録6条より】周程の書を環読【言志耋録7条より
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第74回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『纔(わずか)に誇伐(こばつ)の念頭(ねんとう)あらば、便(すなわ)ち天地(てんち)と相(あい)似(に)ず。』《言志録28》【語義】『誇伐(こばつ)』…『誇』は大言する意味、『伐』は自ら功績をたたえる意味。【訳文】「少しでも自らを誇り高ぶる気持ちがあれば、それは天地の道理と相離れることである。」参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》**
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第73回です。佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。【書き下し文】『真(しん)に大志(だいし)ある者は、克(よ)く小物(しょうぶつ)を勤(つと)め、真に遠慮(えんりょ)ある者は、細事(さいじ)を忽(ゆるが)せにせず。』《言志録27》【語義】『遠慮(えんりょ)』…遠大な思慮。【訳文】「真に大志ある者は、小さな事柄をも粗末にしないで勤めはげみ、真に遠大な考えを持っている者は、些細な事もゆるがせにしない。」参考文献:講談
【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第72回です。これまで佐藤一斎の《言志四録》の《言志晩録》から詠み解いてきましたが、今回から《言志録》をご紹介していきたいと思います。この《言志録》は佐藤一斎が初期に執筆し始めたものであり、意気込みのようなものを感じながら詠んでいきたいと思います。〜言志四録とは〜江戸時代幕末の儒学者である佐藤一斎が生涯をかけて執筆した人生訓ともいえる語録集です。●言志録…全246条:42歳から約11年かけて執筆●言志後(こう)録…全255条:57
言語を慎むということは、それがすなわち行動を慎むということである。座右版言志四録Amazon(アマゾン)2,400〜10,164円
世の中には、徳のある立派な君子がいるかと思うと、つまらない小人もいる。彼らが互いに栄えたり衰えたりするのは運命なのである。運命がそのようにならざるを得ないわけは理である。この理には、予測できる理と予測できない理とがある。要するに、皆一つの理である。それで、人は予測でき得る理に安んじて、予測でき得ない理を俟(ま)つようにすべきである。これが人の取るべき道であり、とりもなおさず天命なのである。座右版言志四録Amazon(アマゾン)2,400〜10,164円
天が定めた運命-天運-というものは、人の力でこれを変えたり動かしたりすることはできない。それで、人の一生が時折り期待し願望していたこととは正反対に、予期もしない望んでもいない方向に行ってしまうことがある。我れ我れは、試みに自分の過去の経歴を振り返って、その事を知ることができる。座右版言志四録Amazon(アマゾン)2,400〜10,164円
(万物には活きた道理が存在しているから)万物は初めから活きた物である。だから世事も総て活物である。(この道理からすると)生は勿論のこと死も活物といえる。座右版言志四録Amazon(アマゾン)2,400〜10,164円