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デボラとヤエル(ヤイル)という女性。聞いたことないですよね。時はまだ約束の地に入植して数十年。イスラエルを指導していたヨシュアの死後、求心力のある指導者が不在となります。国内で生じるもめ事や、外敵からの防御に「裁き人」と呼ばれる強健な男子の頭領が立てられます。イスラエルの中部にデボラ、という聡明な女預言者がいました。裁き人であったバラクは、国境北部からの外敵の侵入に悩んでいました。デボラにイスラエルの神のお告げを聞きに行きます。将軍シセラは、地中海沿岸を拠点として北か
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今日の箇所(申命記17:1-13)には、神の共同体は、人の思いや考えではなく、神のみことばに基づいて裁きを下す必要があることが示されています。契約の民にとって、背教は致命的かつ最大の罪です。イスラエルが約束の地に入った後、神様を捨てて他の神々に仕え、太陽、月、星などの天の万象を拝んでいる人がいるという噂を耳にした場合、一人の証言だけで即断することなく、少なくとも2,3人の証言を聞いて、よく調査しなければなりません。人の先入観や悪意によって無実の人が罪に定められるようなことが起こらないよ
ガザに連れて行かれたサムソンは、獄の中に座り込んでいた。力を失い、しかも目も潰されたサムソンは動こうともせず、ただ座っているだけだった。毎日、長時間大きな臼石を一人で回す粉挽き作業をさせられた。手の平の皮ははがれ、容赦のない鞭打ちが全身を血まみれにし、ぼろきれのようになっていた。今ここにこんな状態でいるには、デリラの裏切りによるものだとわかっていたが、デリラを恨む気にはなれなかった。……怪力サムソンと言われてフィリスティアに恐れられ、オレ自身が良い気になっていたんだ。士師としてしっ
「……間違いないのだな?」枢軸領主たちはデリラの使いと名乗る女に問い質した。「……はい」使いの女はおどおどしながらも、デリラの口上を伝えた。「『今度こそ上って来てください。あの人は自分の心のすべてをわたしに明かしたからです』と、デリラは申しております……」枢軸領主たちは顔を寄せ合って小声で検討し始めた。「はたして信頼がおけるだろうか?」」「まあ、これが失敗なら、デリラの命が無いだけの事だ」「デリラもそれくらいの事はわかっているだろう。取りあえず金を持って行ってみよう」話は決ま
「サムソン!」デリラが叫ぶ。「朝のあれは、一体どう言う事なのよ!」その日の夜、サムソンは大きな杯を一気に空にして、やや赤くなった顔をデリラに向けた。「何のことだ?」「あなたの力の源の話よ!」「はあ?」「とぼけないで!」「だから言っただろう?」サムソンは空の盃をデリラに差しだす。しかし、デリラは動かない。「……力が無くなったら、お前を守れないって」「そかもしれないけど」デリラは手酌をするサムソンを忌々しそうに睨む。「わたしを愛していないのね……」「馬鹿を言うなよ。愛していればこそ
「ねえ、サムソン……」デリラは悲しそうな顔をサムソンに向けた。「どうして、この前、嘘をついたのよ……」「この前?」酒に酔い、上機嫌なサムソンは、デリラを不思議そうに見る。「何の話だい?」「まあ、忘れたの!」「……ごめん、本当に覚えていないんだけど……ちゃんと謝るから、教えてくれ」サムソンはぽりぽりと頭を掻いた。……この人、本当に覚えていないのかしら?それともわざと知らを切っているのかしら……サムソンの様子を見ながらデリラは思った。「……じゃあ、言うけど、あなたの力がどこから来る
「ねえ、あなた……」ある夜、デリラはサムソンの肩をもみながら言った。二人の前には酒杯が二つ。空になった酒の皮袋が幾つも転がっている。様々な食べ物を盛った皿が幾つもあった。「なんだい?愛しのデリラよ」酒が程良く回ったサムソンは上機嫌で答えた。デリラはサムソンの首に両腕を絡ませる。サムソンの鼻腔にデリラの甘やかな香りが流れる。背中に密着するデリラの肌のぬくもりがサムソンをさらに酔わせる。「聞きたいことがあるの……」「言ってみなさい」「でも、きっと話しては下さらないわ……」デリラ
サムソンの話が広まるにつれ、フィリスティアのイスラエルに対する物言いが少なくなってきた。下手な事をしようものならサムソンがやって来るからだ。それならば、懐柔しながら支配をしておいた方が良かった。無理のない範囲で税を集め、無理のない範囲でフィリスティアの文化を浸透させ、無理のない範囲でイスラエルに譲歩した。フィリスティアの支配をあまり感じさせない環境になって行った。そのせいか、イスラエルは悔い改め、徐々に真の神へと戻りつつあった。フィリスティア側からすれば、そのような状況を苦々しく思っていた
「おい、聞いたか?サムソンがここに居るらしいぞ」フィリスティアの都市、ガザの人々は互いにささやき合った。「あの家らしいぞ」指さされた家は、遊女のものだった。「よりによって遊女の家とはな……」「まあ、まともな宿じゃ、誰もサムソンを泊めやしないがな」「それにしても、イスラエルの士師様が、つらっとしてここへ着やがったもんだ!」「怖いもの知らずなんだろうさ」「話だと、怪力サムソンと言われているらしいぞ……」「ユダのレヒで、オレたちの兵を千人倒したそうだ」「そうそう、それもろばの
サムソンは三百匹のキツネを捕まえた。それらの尾と尾を向き合わせて、その間にたいまつを結びつけた。その後たいまつに火を付け、キツネをフィリスティア人の刈ってない穀物畑の中に放った。こうしてサムソンは、穀物の束から刈り取っていない穀物まですべての物、またぶどう園とオリーブ畑も火で焼いた。焼き払われた畑を見て、フィリスティアたちは「誰がこんな事をしたんだ!」と口々に言い合った。すると、一人が言った。「あのティムナ人の娘婿サムソンだ。父親が、舅がその妻を取って、花婿付き添い人に与えたからだ」
サムソンのなぞなぞの答えを考えを考えていた付添い人たちだったが、三日経っても答えが出なかった。その間中、サムソンが「答えは出たか?」と聞いて来るのが煩わしかった。また、思いつく限りの答えを出すものの「はずれ~!」と小馬鹿にしたように言われるのも癪だった。婚宴が四日目になった時、彼らはサムソンの妻をこっそり呼び出して言った。「このままでは婚宴の一週間の間に答えが出せない」「あのイスラエルの若僧に、ひと泡吹かせたいものだ」「お前はオレたちの持ち物を奪うつもりでオレたちをここに招いたっ
サムソンはフィリスティアの娘を連れて来ようと思いティムナへ出掛けた。イスラエル人はそれ以外の者との婚姻は許されてはいない、異教の者との結婚はもっての外だ、全く今の若者たちと来たら真の神をないがしろにして、など色々と言われた。「そんなに言うんなら、フィリスティアの支配から離れればいいだろう!負け犬の遠吠えみたいなことを言ったって、事態は変わらないぞ!」サムソンはそう答え、ぐっと力こぶを作ってみせた。その大きさと力強さに文句を言う者は皆黙ってしまった。……ふん、どうせ力には負け
「父さん!母さん!」サムソンは上機嫌で両親のところにやってきた。サムソンはすでに立派な逞しい若者に成長していた。「どうしたんだい、サムソン?」上機嫌な息子の様子に母が尋ねる。「良い話でもあるのかい?」「そうなんだよ、母さん」サムソンは満面に笑みを浮かべる。「ティムナにさ、フィリスティア人の良い娘がいてさ……」「ほう、その娘さんがどうしたの?」「その娘をさ、オレの嫁さんにもらってほしいんだ」その言葉に両親は顔を見合わせた。それから大きな溜め息をついた。それから父はサムソンの前
士師アブドンが死に、人々が再び真の神から離れた。真の神はイスラエルをフィリステア人の手に渡された。イスラエルはその支配を受け入れざるを得なかった。「おい、サムソンはどこにいる?」マノアが妻に問いかけた。「また、近所の子たちと遊んでいるのでしょう」妻は答えた。「またガキ大将になって騒いでいるのか……」マノアはうんざりしたように言う。「わしらが見たのは、実は幻だったんじゃないか、そう思うよ……」「まあまあ、そうおっしゃらずに」妻はマノアに笑顔を向けた。「サムソンは大丈夫ですよ」
「エロンが死んだか……」アブドンは自宅で打ち沈んでいた。座り込み、目を閉じたままだ。アブドンは「アマレク人の山中」と呼ばれた地にある町ピルアトンに住む、富と地位のある者だった。「平和を楽しむ喜びを知った我々は、このまま歩むつもりではいるが、はたしてどうなる事か……」アブドンを心配した妻たちが、口々に慰める。「ご心配なさらずに、ずっと平穏のままですわ」「士師エロンの十年間で平和の尊さを学びましたわ」「きっと、真の神が新たな士師をお立てになりますわ」アブドンはすっと立ち上が
「……なぜ、このオレが……」ゼブルン人のエロンは、一人、郊外の野原に座り込み、頭を抱えていた。そして、もう何度目となったろうか、大きな溜め息をつきながら、そうつぶやいた。裁き人、士師イブツァンが死に、イスラエルは悲しみに包まれた。エロンはイブツァンと同郷だったし、施しを受けることもあった。とは言え、多くの者たちがそうであるように、口をきいたこともないし、会ったこともない。弔いの儀にも参列出来るものではなかったが、遠くからそれを見、哀悼の意を表すことはした。「これでまた、騒乱
ゼブルンにあるベツレヘムに、イブツァンと言う裕福な者がいた。イブツァンは一人郊外の野に立ち、裁き人、士師エフタの死を深く悲しんでいた。エフタはアンモン人を討ち、難癖をつけてきたエフライムを懲らしめ、イスラエルを神と共に平穏なものにしてくれた。イブツァンはエフタを敬愛していた。「エフタはまさに、知恵と勇気を持ち、神と共に歩んだ立派な士師だった……しかし、亡くなってしまった。またイスラエルは乱れてしまうのか……どうして民は同じ過ちを犯してしまうのか……」イブツァンは深く嘆いた。じっと
「エフタ!ちょっと来てくれないか……」君の一人がエフタに言った。アンモンとの戦いも終わり、人々の中にも穏やかな空気が流れ始めていた。「どうした?深刻な顔をしているようだが……」エフタは声をかけてきた君の顔を不思議そうに見る。「もうアンモンは攻めちゃ来ねえよ」「わかっている。しかし、面倒な事が起こりそうなんだよ」「まだ悔い改めてないヤツらがいるってのか?」「そうじゃない、そうじゃないんだが……」「何だ、はっきりしねえなあ」「……エフライム族の事なんだよ」「エフライム?」
「……と言う訳だ……」アンモンから戻った君が、王の言付けをエフタに伝え、大きな溜め息をついた。「な~に、気にすることはないさ。思惑通りに事は進んでいるんだよ」エフタは愉快そうに言う。「ちょっと挑発しすぎたかなとは思うけどな」「ちょっとだって?効き目が有り過ぎだ!向こうは兵たちがいきり立って、殺されるかと思ったんだぞ!」「そりゃ、悪かった。あれでもずいぶん優しく書いたんだぜ」「……とにかく、これで戦さになる。準備などを確認してくるよ」君は出て行った。エフタはこれからの事に思いを
「……と言う訳だ……」アンモンから戻った君が、王の言付けをエフタに伝え、大きな溜め息をついた。「ほう、アンモンの王も言ってくれるじゃねえか」エフタは笑った。「だが、ヤツは歴史ってものを全く学んで無え。あんなんで王が務まってんだから、アンモンも先が知れてるな」「どうするつもりなんだ?」エフタとは対照的に、君は蒼ざめている。「そんなに心配するなって」エフタはおどけた口調になる。「……アンモンの王はオレの返事を待っているんだろう?だったら、返事をしてやろうじゃないか。悪いが、また使いに
「エフタ、すべての準備ができた」君たちはエフタに言った。「今我々ができる精いっぱいだ。不備があったら言ってほしい。その都度対応するから……」それを聞くとエフタは立ち上がった。手下たちも立ち上がった。エフタは手下たちに顔を向けた。「聞いたか、野郎ども!これでオレたちはミツパの住人だ!新参者として、ご近所様の迷惑になら無えようにするんだぞ!」手下たちは「おう!」と応えた。「それと、戦さに関しちゃ、ここの住人は新参者だ。みっちりと鍛えてやってくれ」エフタはおどけた口調になる。「ただし、
ミツパの郊外に男が数人たたずんでいた。心配そうに四方を見回している。昨日「では、これからふさわしき者と会ってくる。しばし待つがよい……」と言い置いて出掛けた君たちが戻ってこなかったからだ。「……やはり、アンモンのヤツらに捕えられたのだ……」一人が嘆息しながら言った。「では、もはや我々はおしまいだ……」別の者が頭を抱え、その場にうずくまる。「まだ答えを出すのは早い!神のご加護があるはずだ!君たちは必ず戻って来る!」別の一人が意気消沈する仲間を叱責する。叱責された連中は
「あのなぁ……」ひとしきり笑った後、エフタは君たちを睨み付けた。その目は殺気を帯びている。「お前たちの方で勝手にオレを憎んで、追い出したんじゃねえのか?それが何だって?指揮官になれだ?共に戦ってほしいだ?」君たちは下を向いた。エフタの殺気が消え、いつものおどけた様子に戻った。「下向いてちゃ、話が進まねえなあ……」エフタは君の一人の肩を叩いた。「話すときは相手を見てって、お前らの母親に教わらなかったのか?」周りから笑いが漏れる。「頭ぁ、こいつら、アンモンの神に舌を引っこ抜か
君たちは天幕の前の広場に立たされた。「……いいか、変な真似しやがったら、命は無えぞ……」一人が凶悪な顔を君たちに近づけて低い声で脅す。「いや、ここへ来たってことは、もう命は無えってことだぜ」別の男が言った。皆が大笑いをした。君たちは恐ろしさに腰を抜かし、座り込んでしまった。「……またかよ。まったくお上品なヤツらってのは……」「おいおい、漏らすんじゃ無えぞ!」何人かが君たちの真似をしておたおたと座り込んで見せた。さらに笑い声が大きくなった。「うるせえぞ!」怒鳴り声がして
「やれやれ……」「何を言われる事やら……」呟いては溜め息をつき、溜め息をついては立ち止まる。それを繰り返しながら歩く君たちの足取りは相変わらず重い。君たちが向かったのはトブと呼ばれたイスラエルの境界の外の地で、アンモン人の地だった。しかし、ここ一帯にはアンモン人の姿はなかった。君たちはトブに入り、さらに先へと進んだ。日が暮れかかってきた。「ここだ……」小高い丘から見下ろしながら、君の一人が大きな溜め息をついた。少し開けた平地に、幾つもの天幕が張られていた。天幕は不格好な形
裁き人、士師ヤイルが死んだ後、ヤイルが危惧していた通り、イスラエルの民は真の神を離れ、再び他の神々に仕え始めた。真の神は怒り、イスラエルの民を、フィリステア人およびアンモン人に渡された。民はひどく虐げられ、ヨルダン東岸のギレアデは十八年に渡ってそれが続いた。また、アンモン人はヨルダンを渡り、ユダやベニヤミンまたエフライムとさえ戦った。民は悔い改め、真の神に助けを呼び求めた。しかし、神は「自分たちが選んだ神々に助けを呼び求めよ。あなた方の苦しみの時に彼らにその救い手とならせよ」と民を突
ヨルダン川の流れを見下ろす丘陵に一人の老人が立っていた。白い髪と髭が川を渡る風になびく。老人は川の流れよりも対岸を見つめていた。憂いに沈んだ顔をしている。老人の名はヤイルと言い、ヨルダン川東岸に住むギレアデ人だった。そして、今、裁き人、士師だったトラの死を聞いたところだった。「また、騒乱の時代となるのか……」ヤイルは溜め息交じりにつぶやいた。「騒乱は西岸で起こっておるからな。だがしかし……」ヤイルは振り返った。そして、また深いため息をついた。「今は、わしの子ら三十人が、それぞれ
トラは追ってくる者たちの奇声が大きくなってくるのを聞いた。振り返るとさらに人数が増していた。「あそこよ!」「捕まえて殺せ!」煌々とした月明かりがトラの姿を晒している。葦や灌木がトラの走りを妨げる。……駄目だ!このままでは追いつかれてしまう!トラは、手にしているエフォドを放り投げた。エフォドはハロドの井戸からの流れが作った川に水音も高く落ちた。「エフォドが川に落ちたぞ!」「おのれ!罰当たりな奴!」追っ手たちは、エフォドを拾いに向かう者と、トラを追う者とに分かれた。
翌朝早く、トラは旅支度をして外に出た。先に出ていた父プアが驚いた顔で言った。「どうしたんだ、旅支度などして?」「オフラに行ってくる」「オフラだと……お前はそこに何があるのか知っていて、言っているのか?」「知っている。ギデオンのエフォドだ」「民に嫌悪感を示していたお前が、どう言う風の吹き回しだ?」「民の愚行を止めるんだ!」「おい、どう言う事だ?おい、トラ!」父の声を背で聞いて、トラは出立した。丘陵地を抜け、平野部に着いた。東にはギデオンが兵士を三百人にまで絞ったとさ