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2021年になりました。去年は、コロナウイルスによる混乱とともに、個人的なことでも、いろいろなことがあった1年でした。さて、今年最初に読んだのは、劇評家として新聞批評も書いている犬丸治による新書です。平成30年間の歌舞伎を平成歌舞伎として区切り、この時代に歌舞伎を支えた俳優達の芸談をもとに、歌舞伎の本質をさぐろうという試みによってまとめられた本です。平成歌舞伎は、私が見てきた歌舞伎と重なります。自分の見てきたものを思い出しながら読みました。平成の歌舞伎は、重鎮としては6代目歌右衛門
犬丸治氏の「平成の藝談」のなかに、六代目尾上梅幸の藝談の引用がたくさんあったので、きちんと読んでみたいと思った。こちらは、項目ごとに、簡潔にまとめられていて、迚読みやすい。編者の秋山勝彦氏の手柄であろう。表紙のピンク地に赤い「よきこときく」模様から、女形の本らしい。どれも、なるほどと思うことがおおかったけれど、わたしは、「手先の白粉」というのが面白かった。むさし野女形は、手先しか見せないから、白粉も手先にしかぬらなかった。いま、ぼんぼりをもって歩く腰元(千本桜四の切)などが腕を出