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双葉文庫で出版された藤原さんの書き下ろし時代小説「藍染袴お匙帖」シリーズは2021年で累計100万部を超えたので大人気作品かと思います。この作品は、同シリーズの中でも比較的長い短編で、中編と言ってもよさげかもしれません。その分、展開が多く、だからこそ味わいも濃いかと思います。今回のアイテムは「笛」「遠島(流刑罪)」などでしょうか。理由あって藩から追われる身となって身をやつした上に行方不明となった父、そして母も亡くなり、大店の養女とは名ばかりに体のいい召使として酷使されなかが
これまで読んだ藤原緋沙子さんの短編時代小説の中では、なにかもっとも「いきいき」とした情景が描かれていて、「おや?テイストが少し変化したかな」と思いましたが、それは違いました。あくまで情景において「静」に加えて「動」が描かれたシーンがあっただけでした。藤原先生が少年を描くとこんなにいきいきと愛情をもって人物像に迫って描けるのだなと新たな魅力も見えました。しかし・・・。今回の主役が百舌鳥という綽名の悪さを重ねる男の子その相棒がアンコウ。さらにはドジョウなんて仲間も出てくるから、なんか
読み終わってふと表紙を眺めました。この双葉文庫の表紙の絵がいつもながら好きだからです。ああ、この絵はこの作品の情景じゃないな、他の作品だな、と次の収録作品への期待をさらに高めつつ、なにげに腰巻を読んで、驚きました。そこには「江戸に人生を救う女医あり」というキャッチフレーズがあったのです。まさに、正鵠を得ているフレーズ。ほんとそうです!一瞬感動しました。読み終えた直後だったので、まさにこの言葉におおいに共感できたからです。すごい☆彡物語について■相変
藤原緋沙子先生の『夜明けの雨聖坂春』を読みました。~人情江戸彩時記~というタイトルをもった4部作のひとつで、出版は新潮社より「月凍てる』という表題でまとめられています。藤原先生の江戸後期の市井の女医・千鶴子を主人公にした一連の傑作時代小説『藍染袴御匙帖』のうち手元にある文庫を読み終えてしまったので、先生の他の小説も、ということで、地元の「不便な本屋」で見つけてきた古本。一冊100円ということで即購入しました。さて、結論から申しますと、上述した『藍染袴御匙帖』よりはやや硬質な
第一巻『風光る」の最後に掲載されている『走り雨』。藤原先生の作風の特徴は前回の『第三話春落葉』で記しましたが、もうひとつ特徴があることをこの第四話『走り雨』を読んで確信しました。それは、藩名もフィクションではなるのですが、実は、それぞれ実在の藩での出来事をモデルにして作っているということです。ですから、その藩(作品上ではエリアとして記されていますが)の精神土壌などをそこから参考にすることも楽しいということです。この『走り雨』のモデルは、出羽の上山藩かと思います。作中では出羽の本山藩
またまた唸ってしまいました。文章、あらすじ、テーマ、すべてが素敵な時代小説です。藤原さんの小説を読んで気づいたのですが、彼女の創作動機のひとつには、「絵になる情景をイメージしておく」ということかなと推察しています。以下ネタばれがあるので、ご注意ください。この「春落葉」での「絵になる情景」は、今回の主人公がまだ郷里の藩の鳥刺し役(藩主の鷹の餌である鳥を集めて供する職業)だった頃の忌まわしくも悲しい事件の様子でしょう。これは彼女の作品を最初に読んで唸った「雪婆」の回想シーンにも匹敵するく
書き下ろし時代小説『藍染袴お匙帖』シリーズの第一巻の第二話なのだが、見事過ぎる。第一話ではじまったこのシリーズの二作目なのだが、もうすでに、第一話で登場した登場人物のそれぞれの人柄がくっきりイメージでき、すでに安定した世界観が確立しているのに驚いた。藤原緋沙子さんは、「先生」とつい呼びたくなるような、しっかりとした良識に裏打ちされた江戸下町の庶民の人情ドラマを描かれている。ここでも今後藤原先生とお呼びしたい。先生の物語には美点がたくさんある。情景描写が丁寧で、たぶん江戸の古
コミュニティ型の古本屋「不便な本屋」に立ち寄って、陽が差したテラス席でアイスコーヒーをいただきながら何気に手に取った文庫分でしたが、おもいがけずぐいぐい物語に吸い込まれ、購入し、家に帰って夢中になって読んでしまいました。時代小説でここまで心地よい没入感をもちながら、そして、気持ちいい読後感が得られる作品はそうないのではないでしょうか?藍染袴お匙帳というシリーズらしいので、二冊目を見つけて、年末年始に読みたいと思います。『再会』置き屋で弟の学費のために身を売って働く女が結核の兆しが見え
こんにちは*金曜日です。GW明けを満喫しています^^笑連休中のあれこれで次の受診までに薬が足りなくなりそう…予約外で受診、処方してもらいました。これでひと安心^^帰路でホット一息です。*そうそう先日髪も切ってきました。**だいぶ伸びてセミロングになっていたので肩まで切りボブヘア再び♪さっぱり軽くなりました。*美容室の時間って大切ですね。癒されました(*´∀`)髪を切ったら後は寄り道したい気分になるのはいつものこと。スタバでラテを飲み手帳を書いたり読
おはようございます*連休最終日の月曜日です。きょうは二十四節気の七節気立夏です。新緑が青々と萌え、夏めいてくる時季。気持ちのよい五月晴れが続き爽やかな風が薫る季節です。初夏に新緑の間を抜けてくる心地よい風を「薫風」といいます。五月五日は端午の節句。もともと旧暦五月は梅雨の湿気で伝染病や害虫などに悩まされる時季でした。そこで奈良時代、五月の最初の午の日に菖蒲を飾って邪気を祓うようになり、鎌倉時代には「菖蒲」に「尚武」(武道を重んじること)をかけて男の子の成
こんにちは*雨の火曜日です。きょうは貴重な休み。少しでも身体を休めないと。まだ始まったばかりですがGWなかなかキツいですね…たくさんの皆さんが休まず働いている中弱音は吐けないし吐きたくないしがんばりたい気持ちは充分にあるのですが、身体が着いてきていない状態。苦笑*朝コーヒーは朝コーヒーとして楽しんでそれからハーブティーと一緒に読書。*カモミールなど数種類のハーブが入ったSleepytimeという名前のお茶です。*リラックスできます^^*……*……*……*……
こんにちはきょうもお越しいただき*ありがとうございます*朝からお日さまにっこりなのに薄ぼんやりの青空はPM2.5の影響のようです予想最高気温は23℃暖かくなりそうです♪(◍´ꇴ`◍)いつもお邪魔するブログで初めて知った作家さん先日図書館で借りて読んでみました藤原緋沙子さんの「風光る」です時代物で主人公の女医が活躍する藍染袴お匙帖シリーズの一作目でした病気やケガの手当てをしながら謎をといていく短編4話でしたが
貝紅-藍染袴お匙帖(9)(双葉文庫)著者:藤原緋沙子双葉社発売日:2012-09-13ブクログでレビューを見る»作品紹介・あらすじ新大橋近くで旅の侍が何者かに襲われた。偶然行き合わせた女医桂千鶴は旗本の菊池求馬と共に助け出すが、手当の甲斐なく侍は息を引き取る。遺されたのは高価な熊胆と、おふみという女の居場所を告げる謎の文。死の直前、侍から熊胆を託された千鶴は、その無念を晴らすべく真相に迫っていく。父の遺志を継いで女医となった千鶴の活躍を描く好評シリーズ、新展開の第九弾。平