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その声に理沙の部屋にいた栞奈も、「へっ…???とうさん…???」すぐさまリビングに。リビングのメンバー、いきなりおどおどして、「お邪魔してま~~す。」メンバー、理沙の父にお辞儀をしながら…。蒼介、そんなメンバーを見て頭を撫でながら、「あ~~、そのまま、そのまま、続けて続けて。」蒼介、理沙に、「作成中の書類のデーター、取りに来ただけだから。」そして蒼介、メンバーに右手を上げて振り向き2階に。麻理絵、「わ~~。びっくりした~~。」理沙、「かかかか。おとうさんがこんな時間
その声に将輝も馨も、「へっ…???」顔を見合わせて…。「そんな…つもりじゃ、ないんだけど…。」ほぼ2人同時に。杏美、思わず手を叩いて、「かかかか。な~んで、ふたりでおんなじ事言ってるかな~~きゃっはははは。」その数時間前に武蔵野市検察庁、刑事部の蒼介のスマホに一本の電話。「はい、瑞樹です。ご苦労様です。」電話の相手は久我である。話を聞いて蒼介、「そうですか~~。」理沙の事故の件である。吉武に示談の話。その事を聞かされた優也、いきなり机に上半身をパタリと。「ありがと
理沙、栞奈を見て、「お姉ぇ…。」栞奈、「解決するって事。」その声に理沙、「えっ…???じゃあ…。」蒼介、「あぁ、そうだ。理沙のその考え方で、事故は解決するって事だ。」和奏も頷いて、「うん。そういう事。」理沙、「えっ…???…ほんと…???」けれども理沙、「あっ、でも、おとうさんとおかあさん。私が事故にあって…、いろいろと…。私、何か間違った事、いけない事したって事。」瞬間、蒼介、「な~~んにもない。大丈夫だ、安心しろ。」和奏もニッコリと、「うん。」栞奈、「
そして理沙、「このままじゃ、おかあさんも子供達も可哀想過ぎる。」その声に蒼介、「理沙〜〜。」和奏も、「理沙〜〜。」語尾を上げて。栞奈も、「理沙…。」理沙、「おとうさん。」蒼介、数秒、理沙の顔を見て。…そして、新聞を四つ折りに畳んで傍に置いて、「理沙は…。それで、いいんだな。」理沙、何も言わずに頭をコクリと。蒼介、コーヒーカップも横にずらして、「法律的には、加害者が何らかの状況で、責任能力がなくとも…。まぁ。今回の場合は、うつ状態になって、事故の事すら記憶にない。そ
整形外科のナースステーションでも同じような話を…。そして帰ってきた言葉が、凡そ駒田の言葉と同じ。整形外科棟のエレベーターに乗って和奏、理沙に、「理沙~~。大丈夫~~???」そんな母に理沙、「へっ…???大丈夫って…、何が…???」そんな理沙を見下ろして和奏、クスリと、「ううん…。なんでもない。」そして和奏、「さて…と、部活…、行きますか~~。」いつものように体育館のドアを開けて入ってくる和奏と理沙に手を振る涼香と恵美。そして弓狩の下に理沙、「こんにちは。今日もよろしくお
蒼介、神妙な顔のままで…。そして腕組んで、「母親が、子供たちを分からない。そして、その子供たちは、今度はそんな母親を怖がる。…けど、怖がる前に子供たち。物凄いショックだよ。泣き喚いただろうな~~。母親が、母親でなくなってしまったんだから。」いきなり栞奈、「とうさん…。」理沙は車椅子の中で頭を下にしたままで…、泣きながら…。そんな理沙の背中をさする栞奈。和奏、「理沙~~。ごめんね~~。あなたが悲しい思い、するの、おとうさんもおかあさんも分かってた。…分かってたけど、理沙とお姉ぇには
理沙、自分の部屋から出て、「な~~に~~???」栞奈も階段をトントンと。リビングでは蒼介が自分の指定席の椅子に。栞奈、「えっ…???…どしたの、とうさんもかあさんも。珍しい、椅子じゃん。」理沙もテーブルの自分の指定席に、「何…???」蒼介も和奏も神妙な面持ちで…。栞奈、椅子に座る。和奏、ふたりを見て両肘をテーブルに、両手を合わせて、「あのね。実は、おとうさんから大事な話がある。」瞬間、栞奈、父親を見て、「うん…???」理沙も、「……。」蒼介、テーブルの下、両太も
その後、蒼介は検察庁へと。そして和奏は法律事務所へ。そこでふたりともに、同僚の事務官、そして検察官。同じパラリーガル、弁護士から…。「現実的には…、うん。分かる。けれども、一番は理沙さんの意見。大人には理解できるが、それが子供も同じ。…と、言う事は必ずしも、ない。」瑞樹家のリビング、最初は将輝に理沙。馨に麻理絵が教えていたが、教科毎に交代して将輝には麻理絵、馨には理沙。そして次第に将輝も馨も、顔が湿り気味に…。麻理絵、「はい次~~。これ。」理沙も、「はい、英語、ここから…。」
蒼介、和奏の腰に手を…。そして和奏を見て。和奏も蒼介を見て、ふたり共に頷いて。部屋の中で久我、椅子から立ち上がり和奏にお辞儀を…。和奏も久我にお辞儀を…。そして久我の目の前の男性、隣の妻の左腕を…。その時蒼介、「あっ、そのままで…。はい。」和奏、女性の顔を見て、目を凝視する。頭の中で、「…この人が…。」髪は肩に掛けてのロングヘア。端正な顔立ち。しかも、スーツを着れば、多分和奏とも張り合えるような…。姿勢はキリッとしている。崩れている仕草は全く見受けられない。ただ、その表情
和奏、左手で髪を掻き上げて、「理沙~~~。」そして、1、2分の沈黙。和奏、「蒼介~~。」「ん~~。」「私も…、その人に会っちゃ駄目…???」蒼介、その状態のままで顔を和奏に、「いや…。駄目って事は…ないけど…。最初っから、代理人は立てずに俺と和奏さんとでって事で。」「うん。お願い。私、駄目だわ。その人、この目で見てみないと、これからの事なんて、全く考えられない。」和奏の声に蒼介、「分かった。明日、久我さんに話しておく。」「お願い。」翌朝、何気に元気のない和奏。栞奈、
ビールを飲んでいきなり丈師、「ぶっ。ぶほっ。かっ。かっ。かっ。ごほっ。ごほっ。」隣で流美、口に箸を付けたまま目をパチクリ。丈師、「うぇ~~。やべぇ~~。」麗亜、「お兄ちゃん、凄~~い。羨ましい~~。」丈師、口を左手で拭いながら、「将輝、おま、今、何てった…???」流美はまだ将輝を見つめたままで…。将輝、「…だから…。その…。」流美、「理沙さんちで、家庭教師…。」丈師、「おま。中間試験、どぅなってんだ~???」麗亜、「かかかか。お父さん、期末しか、成績、気にしな
「えぇ…。鹿児島の販売会社を徹底的に調べました。…で、辿り着いたのが、ある中古車センター。…そして、購入した人物も特定。けれども…、その人物から話を訊くと…。」久我、目の前の吉武を見て、「本人には全く心当たりはないという。…なんだが…、話をするにつれて…。事故当時の事を…。自分は運転していないんだが、妻が…、と言う話になり。しかも、車を板金塗装に依頼したという。」蒼介、頭を下げながらも腕組みをして…、「…けれども、その事を…、こちらの奥さんに聞いても…。」久我、「えぇ…。何も言葉は
久我、用意されてある椅子に蒼介を、「瑞樹さん、どうぞ。」蒼介、会釈をして。「本来であれば、事故の加害者に被害者家族が会うと言う事は…。けれども瑞樹さんの場合は、瑞樹さん自身が検察事務官、そして奥様が元パラリーガルと言う事で…。事件当初から…。」理沙の事故が起こったその日から、武蔵野区検察庁、及び、貫地谷法律事務所の方でも、交通事故の一事案として蒼介と和奏に一任していた。及びバックアップとしても。久我、「それで…。我々もあれから…。そして、ようやく…。そして…。」久我、蒼介の方を
杏美、「おじさんの…、その気持ちだけ…、お受け取り、致します。」そして、「理沙に、追い着く訳ないじゃん、私の頭で~~。それに、マリ~~になんて、雲泥の差だよ~~。」蒼介、「えっ…???そうなの、麻理絵ちゃん…???」いきなり振られて麻理絵、「あははははは。おじさん、それ…、私に聞く…???」理沙、ジュースを飲みながら、「おとうさん、デリカシーなし。」和奏、「くくくくく。そっか~~。そういう事だったんだ~~。んもぅ~~。心配したよ~~。」キッチンから。その声に理沙、「
理沙、「ようやく、ここまで、来れた~~。」両手を高く。杏美も麻理絵も、「イェ~~~イ。」けれども将輝はまだ表情、優れず…。そんな将輝に杏美、「た~~くぅ~~。しょうがねぇなぁ~~。」すると杏美、「理沙~~。理沙の中間…どぅだった~~???理沙、私たちより2か月遅れてたはずだけど…。」その声に理沙、「あん。まぁ…、何とか…平均点よりは…クリア。」将輝、一瞬、「凄ぇ。」杏美、そんな将輝に、「凄ぇって…、理沙、両親、検察事務官と元パラリーガルの娘だよ~~。何、小学から頭
スポーツセンターの帰りに、また以前のファミリーレストランに寄って。そこでも麗亜と理沙はニコニコとお喋り。蒼介は将輝とビデオで動画を。あれこれと話ししながら…。そして菅田家。丁度ガレージに車が…。車から降りてきたのが男性。家の前に止まった車を見て、車にかけ寄り車の中を見ていきなり運転席に。そして男性頭を下げて…。麗亜、「はは、お父さん。」蒼介、窓を開け…。いきなり丈師、何度も頭を下げて、「いつも、いつも、ありがとうございます。将輝と麗亜の父親の菅田丈師と申します。」将輝、
次の土曜日はスポーツセンターに麗亜も連れて…。始終麗亜、後部席の真ん中で理沙とペチャクチャ。運転は蒼介。そして助手席には和奏。後部席の右には将輝、ず〜〜っと、窓の外を眺めながら…。そしてスポーツセンターでは蒼介、ビデオを手に。和奏、小野倉に、「この前は理沙が怪我を…。診てもらいありがとうございました。」小野倉、そんな和奏に、懸命に右手を振って、「いえいえいえ、とんでもないです。」「救護室の…、横峯さんと言う方…。」その声に小野倉、「えぇ…。」「娘から聞きました。」「そ
将輝を自宅の前で下ろして和奏、「じゃね、またお願い。」将輝、「ありがとうございました。いつもごちそうになって。」「ううん。…あっ、それと…、今度は麗亜ちゃんも連れてこっか。いっつも麗亜ちゃん、家でお留守番なんて…。今日、流美さんは…???」ガレージの方を見て…。2台分のガレージ。車はない。将輝、「もしか…して、買い物…???」そして和奏を見て、「はい。分かりました。麗亜には言っておきます。」「うん。ありがと。じゃね。」夕方、蒼介が理沙の怪我を、「おっと~~。」理沙、
車椅子に乗っている理沙を見て全く普通の客と同様に扱う女性、「えっと~~。はい、ヤブさん。あんた、向かいの方、行っとくれ。」言われた男性、「おっ、おぅ~~。」男性、立ち上がり向かいの席に。女性、今度は、「ほれ、あんた。」将輝に、「車椅子、こっちに。」将輝、「あ、あ~~。はい。」理沙は、キョトンとして。女性、椅子をできるだけテーブルの下、奥に入れて車椅子のスペースを作って将輝に指示する。そして将輝の両脇を両手で、「はい、あんたはここ。」理沙の隣、壁側に。将輝、「
「ふぅ〜〜。やっと着いた〜〜。」理沙。「だ〜〜ね〜〜。」将輝。「かかかか。まさか、おかあさんもおとうさんも来れなくなるなんて…。」「そういう…事も…、あり…だ〜〜ねぇ〜〜。」蒼介も和奏も、急遽、仕事上の都合で急ぎの要件が入っていた。致し方なく、和奏の車で理沙も将輝も最寄り駅まで。そこから電車で障害者スポーツセンターの最寄り駅まで。そこからは徒歩である。スマホで現在地から障害者スポーツセンターまで。理沙と将輝、「えっ…???」そして顔を見合わせて、「意外と、近〜〜い。」
杏美、「かかかか。馨君、や~~っぱり、目立つよね~~。」その声に馨、「えっ…???…そっかな…???」「いやいやいや。だ~~って、ウチの学校には180…なんて生徒、いないも~~ん。ねぇ…。」麻理絵も雅美も芙美も、「うんうんうん。」そして、やがて階段。蒼介、「どぅ…???」将輝、馨を見て、「おし。」いきなり将輝と馨、右左、車椅子のタイヤをロックしてハンドリムを。それと同時に理沙、いきなり浮いた車椅子に、「わぁ。」麻理絵たち、「わ~~お。」和奏、いきなり、「かか
バッシュの音が体育館に響く。週明けの月曜日の放課後、鴻上高校の男子バスケ部。涼香、弓狩に、「理沙さん、スポーツセンター、OKだったみたいですよ。」その声に弓狩も、椅子に座ったままで、「えぇ、そうですね~~。私のところにも、センター長から連絡が…。かかかかか。これから、楽しみになってきます…と。」涼香、「あらあら。」そして涼香、「ねぇ~~。事故を起こして、下半身不随。普通だったら、何もかもが嫌になっちゃうのに…。それでも理沙さん、あそこまで…。凄いファイトだわ。」「スポーツの
一樹、和奏に、「すみません、突然訪れて。」和奏、そんな一樹に首を振り、「いえいえ。とんでもないです。」「しかも、こんな格好で…。」照れながらの一樹。そんな一樹を見て和奏、「先生、部活の帰り…???」「あっ、えぇ…。生徒たちに、せがまれまして。…で、彼女たちと一緒に。」和奏、「ふふ、どうぞ。」庭では既に理沙と一緒に、杏美、そして麻理絵と雅美、そして芙美、賑やかに。一樹、リビングに通されて…。「あっ、瑞樹さん、お仕事…???」テーブルの、伏せてあるパソコンを見て。和奏
店員、椅子をひとつ片付けて…。3人に笑顔で、「ごゆっくりとどうぞ。」和奏、店員に、「ありがとうございます。」そして店の中を見回して、「凄い、広いよね~~。しかも…スペースも十分。」理沙、「うんうん。ドアに、車椅子もOKってシールあったからラッキーって。」「うんうん。将輝君、何にする…???」何故か、違和感なく、理沙の隣に将輝。…と、言うか、椅子を外した時点で、そこが理沙の席になってしまったのだった。将輝、「僕は…。ん~~。」メニューを取り出して…。理沙、「おかあさ
それぞれが、「はい。」「いらっしゃい。」将輝、「おぅ。」馨、「ども。」そして馨、「おばさん。」その瞬間、和奏、口に右人差し指を立てて。馨、目を真ん丸に、「あっ。」そして苦笑いで右手で頭を撫でて…。弓狩、「将輝君。」将輝を見て弓狩、「理沙君の事、お願いしますよ。」将輝、「あ、はい。」弓狩、「恵君。」恵、「あっ、はい。」すると恵、テーブルの上に置いてあるクーラーボックスやらなにやらを一旦床に。そしてテーブルを部員たちの前に。「ヨイショ。」そして、
「何、ボ――ッとしちゃって~~。」栞奈。その声に理沙、「へっ…???私…、そんな…。」蒼介、「かかかかか。まぁな、いろいろあるさ。」栞奈、「あ~~。もしかして理沙~~。将輝君が椎名の彼氏って…、ひょっとして、妬いてた…???」「へっ…???」いきなり理沙、首を左右に振り、「いやいやいやいや。そんな事は…、うん。全然ないけど…。ただ…。」蒼介、「ん~~???…ただ…???」理沙の顔を見て…。「…どうした…???」「あ~~、うん。…目の前で、あんなに凄いバスケ…、見せ
瑞樹家の帰り道。将輝、杏美に、「へぇ~~。そうなんだ~~。モニターで~~。」杏美、「うん。やっとだよ~~。今まではもぅ~~、スポ根的な練習しかやってこなかったから~~。」馨、「んじゃ、これからは少し、角度を変えての練習、出来るってねぇ~~。」将輝と馨、それぞれ自転車を押しながら。杏美はそんなふたりの間に挟まって歩くように。そして杏美、「あ、ここ、ここ、椎名の家。」馨、「へぇ~~。あっ、そっか。確かに、ここ、来るとき、通った。うんうん。」将輝、じっと家を見て。そんな将
杏美と栞奈、そんな馨にキョトンとした顔で、「えっ…???」馨、また右手を振って、「いやいやいや。そういうことって、こいつ、何にも言わないから。土台が…照れ屋だから…。…なんつぅの、シャイなんだよ。」その声に将輝、「うるせぇ。」杏美と栞奈、口をへの字にして、「へぇ~~~。」そして将輝を意地悪な目で、「そうなんだ~~。」いきなり蒼介、「かかかかか。はいはい、そこまで。将輝君困ってるよ。女子に攻撃されて…。なぁ~~。」将輝、「あ、いえ…。そんな…。」左手で頭の後ろを撫でて
「ウチから300メートル先…。…双葉さん…???…うん、確かに…。…けど、隣町で、僕はあんまり付き合いないけど…。」馨を見て、それから杏美や理沙、栞奈、和奏を見て蒼介。その声に和奏、「うん、まぁね〜。でも、理沙やアズちゃん、中学の時は仲良しだったよね〜〜。」「うん。中学、1年の時から3年まで、私たち同じクラスで…。」理沙、ジュースの入ったグラスを両手で握りながら…。その声に将輝、「えっ…???」「椎名、突然、学校休んで…。どうしたのかな…???…って思って電話したんだけど、全
ものの30分で用意した食材が殆ど消化。将輝、「ふぇ~~~。食べた~~。」馨も、「うんうんうん。俺なんて、珍しいや、こんなに肉食べたの。」「それを言うんなら、俺だって~~。」和奏、そんなふたりにニッコリと、「うんうん。ありがと、やった甲斐があった。」蒼介、「だ~~ね。」そして腕組みして笑顔で、「さすがに男子、嬉しいほどの食欲だ~~。かかかかか。」そんな蒼介と和奏に、将輝と馨、両膝に両手を着いて、頭を下げて、「ありがとうございます。ごちそうさまでした。」和奏、胸を張って