ブログ記事97件
【著作者人格権の一身専属性】関係する条文を解説します。2/2▶第60条の解説上述したように、著作者人格権は、著作者の死亡によってそれと同時に消滅し、相続の対象となることはありません。そのため、著作者の人格権(人格的利益の保護)はそこで完全にストップするのかという問題があります。この点、ベルヌ条約で、「著作者の死後」においてその人格権(人格的利益)を保護する国においては、「(そのような保護は)少なくともその(著作者の)財産的[経済的]権利(著作権のこと)が消滅するまでは存続する」ものと
【著作者人格権の一身専属性】関係する条文を解説します。1/2著作権法「第二章著作者の権利」中「第五節著作者人格権の一身専属性等」に次の2つの規定が置かれています:著作権法第59条(著作者人格権の一身専属性):「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」著作権法第60条(著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護):「著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばそ
関ヶ原検定に関連して制作された物品を無断で使用することが著作権侵害(著作者人格権侵害も含む)にあたるとして、損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が知的財産高等裁判所であった。(知財高裁令和6.3.18)判決は、一審判決と同様に著作権侵害などを否定した。判決内容は以下のようになっている。原告は著作権法115条に基づく名誉回復等の措置として、当審において控訴の趣旨第5項の請求を追加したが、同措置の前提となる著作者人格権に関する主張をしていない。したがって、「原告の請求する名誉回復
【著作者の権利】著作者には「著作者人格権」と「著作権」の2種類の権利が与えられます。4/4▶無方式主語著作権及び著作者人格権を享有するためには、いかなる方式の履行も必要ありません(第2項)。このような考え方を「無方式主義」といいます。特許権に代表される「産業財産権(工業所有権)」は、特許庁(国の機関)へ「出願」して「登録」されてはじめて権利が発生するのに対し(特許法66条1項等)、著作権は、どこかの公的機関(文化庁等)へ出願(申請)したり、そこで登録されなくても、著作物を創作したとい
よく読まれています【著作者の権利】著作者には「著作者人格権」と「著作権」の2種類の権利が与えられます。2/4▶人格権(著作者人格権)と財産権(著作権)「著作権」は、著作権法上の正確な用語の意味としては、著作者の「財産的利益を保護する権利」すなわち「著作財産権」のみを意味します。これに対し、「著作者人格権」は、文字通り、著作者が自己の著作物に対して有する「人格的・精神的利益を保護する権利」を意味しています。そして、この「著作者人格権」には、「公表権」(18条1項)・「氏名表示権」
【著作者の権利】著作者には「著作者人格権」と「著作権」の2種類の権利が与えられます。1/4著作権法第17条は、「著作者の権利」という見出しのもとで、次のように規定しています:「1著作者は、次条第1項、第19条第1項及び第20条第1項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第21条から第28条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。2著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。」本条は、著作者が、その創作した著作物について、「著
Lesdroitsmorauxdesauteursdanslecadredelarévisioncontractuellesontdesdroitsquisontprotégéslorsquelesauteursexercentleursdroitsconcernantleursœuvressurlabasedelaloisurledroitd'auteuretdesloisetréglementationsco
著作権の制限規定と著作者人格権との関係▶令和5年2月7日知的財産高等裁判所[令和4(ネ)10090等]被控訴人新潮社は、本件記事の掲載は時事の事件(本件映画の公開中止)の報道に該当するところ、本件脚本は、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られる著作物であり、被控訴人新潮社は報道の目的上正当な範囲内において本件脚本を引用しているのであるから、本件記事の掲載による本件脚本の引用(公表)は著作権法41条に基づいて許されると主張する。しかしながら、著作権法41条は、著作権の制限に関
【セクシー田中さん:著作者人格権】「セクシー田中さん」に関する「著作者人格権(同一性保持権)」について、Web上で確認してみた。1.2024/2/8小学館お知らせ「芦原妃名子先生のご逝去に際して」https://www.shogakukan.co.jp/news/476200以下は、一部抜粋。「『セクシー田中さん』の映像化については、芦原先生のご要望を担当グループがドラマ制作サイドに、誠実、忠実に伝え、制作されました。しかしながら、今回のような事態となったこと
漫画家の芦原妃名子さん(あしはら・ひなこ=本名・松本律子)が1月29日に亡くなった、というニュースを私が目にしたのは、その翌日のことだったと思う。この人は、小学館の漫画雑誌に好評連載中だった『セクシー田中さん』という作品の原作者であった。芦原さんの死去により、同作は未完のまま連載を終了したが、穏やかでないことに、芦原さんが亡くなっていた現場の状況から、警視庁は自殺の可能性が高いとみているとのことである。ちなみに、その『セクシー田中さん』とは、こんな物語である。とある会社に勤めている地
ちょくちょく話題になる著作者人格権の侵害。カメラマンとモデルの関係をテーマに、noteにアップしました!「カメラマンとモデルの権利(著作権と肖像権)」カメラマンとモデルの権利(著作権と肖像権)|鶴八の怪くれいんえいと著作権アドバイザー、妖怪闇のブローカーたびたび目にするカメラマンとモデルのトラブル。トラブルの内容は主に撮影した写真(画像データ)を勝手に使ったというもの。個人で活動されているとしても契約書を事前に交わしたうえで撮影を行うのがベストですが、そもそも法的
以前、創作活動をされている方から聞かれた時に答えた内容をnoteにアップしました!「購入した作品の展示と処分(所有権と著作権)」https://note.com/crane8/n/na2103c1c926f?sub_rt=share_h著作権の基礎を学びたい方にお勧め!「著作権のお話し第五弾~創作活動をしている方が知っておくべき著作権の基礎」オンラインショップで販売中!https://craneeight.thebase.in/株式会社クレ
私も著作物に関わる仕事をしていて、今の会社で最初に指示を受けたのは著作に関わる契約内容の把握。その中でも「著作者人格権」は最重要事項として叩き込まれた。小説、音楽、美術、アニメ等あらゆる著作物に対して契約書として明文化しなくても発生して、差止請求や損害賠償請求などの民事上の請求だけでなく、5年以下の懲役もしくは500万以下の罰金または両方の刑事罰まで科せられる可能性のあるとても強い権利。そのため商業利用を目的として著作物を依頼・発注する際は「著作者人格権を行使しない」とゆう一文を契約書に盛
2024年2月15日「早急に調査・検証」という話だが…24時間テレビの寄付金横領の件でも6ヶ月掛かってあの程度…。今回の原作者自殺の件もいつまで掛かるのか…。日テレとしては、沈黙を続けていても春ドラマの番宣が出来ないから、仕方無しに声明を出したように聞こえる。少なくとも、原作漫画が未完結の状態での実写ドラマ化は辞めざるを得ないかと思う。見切り発進してまで視聴率を優先するから問題が続出する。それと、調査の公平性を期するなら、第三者機関による実態調査が必要ではないのか…。
「著作者人格権不行使」のある契約は「書き換えてもらう」のが【常識】~「出す側も『ダメ元』のつもり」/カクヨムも注意?参考になれば。togetter.com詳細はリンク先でどうぞ。様々な人(漫画家も多い)が発言しているのでお時間があれば、ぜひご一読を。*■これはおかしくない?リンク先でちょっと気になった弁護士さんの発言。著作権は「譲渡する」、著作者人格権は「行使してはならない」とされていることが一般的です。…—弁護士浦川祐輔/YusukeUrakawa
2024年2月10日少なくとも、原作者の自殺によって脚本家も仕事が出来る精神状態ではないはず。一方で、会社としての建前上の追悼コメントを発表したものの、「セクシー田中さん」のドラマ制作プロデューサーの誠意ある謝罪コメントが無いまま、次のドラマ制作をするという神経は如何なものなのか…。連載中で未完結の漫画を、他社よりもいち早くドラマ化して視聴率を取りたい日本テレビ。未完結漫画だから、ドラマに合わせるための改変も自由だと思っているのか…。最近はSDGSをニュースに採り上げるテレビ局も増
続きです。俺は万愛とバディだからわかりますが。脳の作りが違うから。絵描きと文字書きでは脳内処理過程が違います。万愛の処理している過程と表現と、俺のは違うんですよ。俺は万愛に合わせて書くから、かなり漫画的な書き方をする方ですが。彼女は多くのことを絵で処してるんです。書いてるのを見てるとわかる。脳内で映像が流れて、それを絵にそのままやってて、言葉には変換していない。解ります?俺等小説書きは、ここで必ず文字に起こすという変換をしてます。絵を文字に変えてる。慣れないことをしてまで
本記事のアーカイブ。これはこれで独立で扱うのも良いと思います。しばらくしたらあちらは元記事のみに戻しますね?芦原妃名子さんの件は万愛もサブ垢で声を上げていましたね?魔亞の記事。芦原妃名子さんのことだけではなく漫画世界の闇について触れてます『芦原妃名子さんの訃報。昔からあるんだよなこの問題。』体調イマイチのためにコメ欄閉じてるだよ。垂れ流し魔亞ちゃんだよ。芦原妃名子さんが亡くなった。心より御冥福をお祈りいたします。クリエイターというのは薄氷の上で…ameblo.jp皆さん?覚えて
おはようございます。本日のブログの記事の更新は、ありません。本日も、ご安全に、過ごしましょう。今日も一日宜しくお願い致します。
最後の一文含めて、お涙頂戴というか「正しい文章」ではある。けど、ここにきて一切「謝罪」はないんだよね。最後の一文、寂しいです、先生。って何?最後まで芦原先生に責任もってきちゃってませんか?そりゃ、死を選んだのはダメです、死んだら負けです、でも、そうしないといられないほどに悔しかったんですよ先生は。先生の死はムダにしません!くらい言えないのかしら編集部の人たちは。28日には同投稿を削除し、「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と記した。同内容を掲載していたブログ
Q「著作者人格権の一身専属性」は何ですか?A「著作者人格権の一身専属性」とは、著作者人格権が「著作者の一身に専属し、譲渡することができない」という性質のことです。著作権法59条に、「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」との規定があります。これが「著作者人格権の一身専属性」を規定した条文です。少々難しい表現を使うと、著作者人格権というのは、その性質上、一身専属権であること、及び不可譲渡性の権利であることを定めています。上の規定からもわかるように、著作者
日本テレビ系で昨年放送された連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが急死したことを受けある問題が浮上した。ドラマ化するにあたって、原作者は漫画の内容を忠実に再現することなどを許諾条件としていたにも関わらず、制作されたドラマは原作とはかけ離れたものになっていた。そこで、著作者には、著作権のみならず、著作者人格権も保障されている。著作者人格権の1つに「同一性保持権」がある。同一性保持権について著作権法は以下のように規定している。第20条(同一性保持権)
よく読まれていますQ著作権人格権侵害罪(119条2項1号)の時効期間はどのくらいですか?A著作者人格権侵害罪の公訴時効は、犯罪行為が終わった時から起算して5年です。著作者人格権を侵害した者は、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定されています(119条2項1号)。「10年未満の懲役に当たる罪」についての公訴時効は「5年」で(刑事訴訟法250条2項5号)、この5年は、「犯罪行為が終った時」から進行します(同法253条1項)。なお、著作
https://drive.google.comdrive/folders/1BjAhqR97hYJjixH1n_yQen7e2U1aiI5Y上記のリンク先(↑)にある研究論文は論文完成当時に弁理士であった國生泰広が自分一人の自力だけで構想し創作し執筆した研究論文を國生泰広のLinkedinタイムラインにSNS投稿して海外で有名になった。この研究論文の著作権だが、文化庁に著作権登録と著作権存在事実証明に係る一切の行政手続きをする予定である。これらの行政手続きを成功裏に完遂すると原著者である
今回は法律の方からアプローチしてみる。世の中には、著作者の権利を守る法律がある。それは「著作権」である。そして著作権の一部に「著作者人格権」というのがある。これは著作者が作品に対してもつ名誉権等の人格的利益を保護する権利のこと。・公表権・氏名表示権・同一性保持権・名誉声望を害する方法での利用を禁止する権利の4つだ。作品の財産的な価値についての権利である「著作権」とは別の権利で、著作権とは異なり他人に譲渡できない。「著作者人格権」は著作者にあると、著作
「著作者人格権」初めて聞く言葉ですが?芦原妃名子さんはこれを主張していたようです!一言でいうと著作者(原作者)が嫌だといったものは製作できない!という権利政治が平安時代から変わらないように!?テレビ局も創世記からのごう慢さが変わらない?アメリカでプロデューサーの性加害が起きても!ジャニの性加害を知っていても?コンプライアンス問題に取り組むつもりがないのか??ニュースでは芸能事務所のコンプラ違反や企業や他局のコンプラ違反は声を大にして取り上げますけどね?
Q他人の著作者人格権を侵害した場合、刑事罰に問われるのですか?A著作者人格権等の侵害には「罰則」(著作権法119条以下)が設けられていて、一定の要件の下で、刑事罰が科せられます。著作権法上の罰則規定によれば、著作者人格権を侵害した者は、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定されています(119条2項1号)。著作者人格権侵害罪も「犯罪」ですので、犯罪の一般的な成立要件として、行為者(侵害者)の「故意」(罪を犯す意思)が必要になります(刑法3
プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求訴状をツイッター上に公開することが著作者人格権侵害などにあたるとして、慰謝料の支払いを求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和4.8.30)判決は、著作者人格権(公表権)侵害などを否定した。判決内容は以下のようになっている。まず、原告は、本件開示請求書及び本件開示請求訴状が著作物にあたり、被告の行為により、著作者人格権(公表権)が侵害されたとして慰謝料を請求する。このうち、本件開示請求書は、所定の条項に基づき開示請
昨日、渋谷ヒカリエに展示中の、赤と白を基調としたネコのオブジェを見てきました。作者に無断で黒い姿に変更されたオブジェで、作者が所有権を取り戻し、修復したものです。オブジェには作者の吉田朗氏の署名も入っています。偶然ですが、自分と同じ名前、朗です。お声がけしませんでしたが、会場には吉田氏もおられました。『作者に無断で黒い姿にネコのオブジェが復活渋谷で再披露』この話は知りませんでしたが、驚くべきニュースです。作者に無断で黒い姿に変更されたネコのオブジェが、制作した現代美術作家
この話は知りませんでしたが、驚くべきニュースです。作者に無断で黒い姿に変更されたネコのオブジェが、制作した現代美術作家の手で元の赤と白を基調としたデザインに戻り、東京・渋谷で再びお披露目されたとのこと。設置から2年たったおととし夏ごろ、施設側がレストランの内装を変更した際(実際には経営母体が変更になり)、作者に無断で黒い姿に改変されたそうです。このレストランはホテルの最上階にあり、渋谷の絶景を眺めながらオリジナルカクテルを飲める場所とのことで、経営母体が変わった際に、暗い店内に合わ