中將は、「このことわりを聞(き)きはてん」と、心に入(れ)てあへしらひ居(ゐ)給(たま)へり。「よろづの事(こと)によそへておぼせ。木の道(みち)の工匠(たくみ)の、萬(よろづ)の物を心に任(まか)せて作(つく)り出(い)だすも、臨時(りんじ)のもて遊(あそ)びものゝ、その物と、跡(あと)も定(さだ)まらぬは、そばつきざればみたるも、「げに、かうもしつべかりけり」と、時につけつつ、さまをかへて、今(いま)めかしきに、目移(めうつ)りてをかしきもあり。大事として、まことに、うるはしき、人の調度(て