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先日このブログで触れた須賀しのぶの「芙蓉千里」シリーズ、完結編の「永遠の曠野」まで読み終わりました。以下、少しでもネタバレを避けたい方は読まないでください。文庫本の第2巻「北の舞姫」で辛い恋の選択をしつつ、芸妓として成長していく主人公(フミ=芙蓉)は耐え難い経験とぶち当たった壁を乗り越え、ウラジオストック(浦塩)の舞台でボロボロにされた身体で神仏が宿ったと絶賛された踊りを披露します。その舞台で芸妓として最高潮を迎えた直後に本当に自分が求めるものを追うために姿を消します。後半の「暁の
いよいよ新年度。営業推進・企画系の仕事なのですが、4月1日付でこれまで繋ぎでやっていた仕事を新たに来た上席の人に引き継ぎ、自分は別の特命事項を担うことになりました。結果として引継ぎは後任の方が(偉いので)困らないよう、ほぼやり切るくらいまで仕上げておく必要があり、一方で新しい仕事は難度が高くて手を付けていなかった仕事で一から組み立てなければならず、しばらくは二人分の仕事をこなさないといなけい感じになっています。ここ数年で一番忙しい年度初めになっています。こんなときに限って面白い本に出会
芙蓉千里(角川文庫)885円Amazonあらすじ「大陸一の売れっ子女郎になる」夢を抱いて哈爾濱にやってきた少女フミ。妓楼・酔芙蓉の下働きとなった彼女は、天性の愛嬌と舞の才能を買われ、芸妓の道を歩むことになった。夢を共有する美少女タエ、妖艶な千代や薄幸の蘭花ら各々の業を抱えた姉女郎達、そして運命の男・大陸浪人の山村と華族出身の実業家黒谷…煌めく星々のような出会いは、彼女を何処へ導くのか!?…女が惚れ、男は眩む、大河女子道小説ここに開幕。お気に入り度★★★★※感想
初恋の人、山村・・・楊建明が頭領として率いる胡子(馬賊)の一員となったフミ。建明の妻として、そして胡子の一員として仲間から認められ、共に戦いに身を投じて日々生きるのですが、建明は、モンゴル独立に対する熱い思いを抱えていました。その時、黒谷は、自分はただただ芙蓉に居心地のいい場所を提供してやればいいのだと思っていたが、それではダメだのだと気づき、もっと違うやり方で、芙蓉がなにものにも利用されず、無心で舞える世界を調えてやりたいと、政治の世界で奮闘していました。
前作、『北の舞姫』のラストで、今まで旦那さんとして支えてきてくれた黒谷も、友人も、みな捨ててしまって、満州へと山村を追いかけていったフミ。危ない目に遭いながらも、命懸けで山村を探し出して再会した二人。山村は楊建明という名で、胡子・・・馬賊の頭領となっていました。フミは、黒谷の『夢の女』でいることが辛くなって、生身の人間として、自分の力で人生を切り開いて生きていきたいと、舞姫としての名声を捨てて、建明を追いかけて満州までやってきたのです。胡子の一員として認められよ
前作のラスト、初恋の人か、旦那さんである黒谷かを選択しなくてはならなかったフミ。初恋の人についていくことを諦め、黒谷のもとで舞を極めようと決意したのですが、露西亜で革命が起き、大量の亡命者が哈爾濱に流れ込んできて、いままであった無言の了解の上にあった秩序は大きく狂いはじめました。フミが、タエが、少女時代を過ごし、それぞれ芸妓に、女郎になった『酔芙蓉』も立ち退きの通達を受け、店は閉まってしまいました。大量の亡命者の中にはすぐれた芸術家もたくさんおり、今や哈爾濱の劇場には
男の子にしか見えないフミは十二歳。大陸一の女郎になってみせると露西亜へ・・・明治四十年。初めて哈爾濱の駅にフミがついた時、リラの薄紫の小さな花がフミを迎えてくれました。フミと共に人買いと一緒に哈爾濱にやってきたのは、フミよりひとつ年上のタエ。親に売られて女郎になるべく、フミと共にはるばる哈爾濱の地へやって来ました。しかし、フミは誰に売られたわけでもなく・・・そもそもフミには親もいない。育ての親である父は辻芸人。母は吉原の大夫だったと聞かされて育ったフミ。育ての親
永遠の曠野芙蓉千里IV(角川文庫)Amazon第1次世界大戦の余波がつづく激動の時代。大陸はいまだ揺れに揺れていた。舞姫の地位を捨て胡子(馬賊)となったフミは、一味の頭領である楊建明のモンゴル独立にかける思いを知り、改めて、どこまでも彼についてゆく覚悟を決める。しかし建明の決意の奥底に、彼の亡き妻サラントヤの影を見てしまい…。しなやかにそして強かに、ひとつの時代を駆け抜けたフミが、最後にその手を掴んだものとは?万感胸に迫る、堂々の完結巻!予想外の終わり方だったなー
北の舞姫芙蓉千里II<芙蓉千里>(角川文庫)0円Amazon哈爾濱の妓楼に入った少女フミは、天性の舞踊の才を開花させ、大陸一の芸妓を目指す。―それから9年の時が過ぎた。古巣の妓楼も今はなく、ロシア革命の嵐が吹き荒れ、時代が大きく動く狭間で、少女は大人の女になり、名妓・芙蓉の名も不動のものとなっていた。初恋のひと山村と別れ、パトロンの黒谷と家族のような愛を育んでいたフミだったが、おのれの舞を極めようとする強い心は、幸せを崩す奔流となって彼女を襲う。激動の第2巻。このシリーズ
2016年8月の読書メーター読んだ本の数:5冊読んだページ数:1843ページナイス数:30ナイスラスト・レース―1986冬物語(文春文庫)の感想誰が味方で誰が敵なんて本当にわかんないよなー。結末が結局どっちなのかわからないけど。私は自分で想像してください、より、きっちり書いてくれるほうがいいから少し残念だった読了日:8月26日著者:柴田よしき芙蓉千里(角川文庫)の感想苦手な時代ものだったけど、主人公が魅力的だったから、面白かった読了日:8月20日著者:須賀しのぶ幻想交