(前回より続く)初めて興浜北線を訪れた翌年の1983年。前年の雪辱を果たすべく津軽海峡を渡った僕はすぐには興浜北線に向かわず、情報収集に万全を期した。昨今のような流氷情報などという気の利いたものなどない時代。ユースホステルや夜行列車などで出会った旅人に流氷の状況を聞いた。そして、ようやく流氷がぎっしりと海を埋め尽くしているとの生の情報を得て、先日来の大雪でダイヤが乱れている中4時間遅れの急行宗谷に札幌から乗り込んだ。例によって音威子府で天北線始発の721Dに乗り興浜北線に乗り入れると……霧と列車