ぼくが自閉的なのは確かだろう。だからといって、おまえは自閉的だからいかん、と言われても、これは自分ではどうしようもない。ぼくもかつては、自閉的である自分が、誰か他の人とコミュニケーションを取ろうとするのは、相手にとっても迷惑だろうと考えていた。つまり矛盾しているからだ。けれども、完全に自分だとか他人に対する関心を失っているわけではない、ということを信じている。ドストエフスキーの『悪霊』という小説にスタヴローギンという人が出てくるけど、この人も自閉的といえるように思う。この人も自分の自閉性に安住し