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古谷石(和歌山県産)左右13㌢高14㌢奥行13㌢元々"座り"の良い石ですが、入手から半世紀を経て初めてこの石の台座を誂えました。床間飾り軸墨書色紙大西香酔氏揮毫「知足」紫檀無垢平卓出口史朗師作入手以降、現在までの半世紀間は底面が安定した石のため、また常に身近に置き手に取って撫でたり・摩ったりと愛玩して居りますが、最近は特にこの様な単純で純真無垢な形姿の石に殊の外魅力を感じるようになり、思い付いたら即にと昨年師走に旧知の山本寛師に台座製作を依頼し、正月12日に
紫檀の台座を新調しました瀬田川石(通称・虎石)左右11㌢.高19㌢.奥行9㌢厚く思える台座ですが、石の向かって左側底面と左側面に突起部分が有り、石を台座に据えた場合のバランスを考慮しますと、匠の技に只々"感謝"しています。背面右側面左側面随分前に石友と蔵石の交換で得た虎石ですが、旧・台座の材質と造作に違和感も有り、この度旧知の彫師にお願いしました。これで、この虎石もやっと安住の座を得られ、蔵石の仲間入りが出来たようです。ありがとうございました。次回もご笑覧賜れば幸いです。🙇
月刊‥愛石2024年3月号(2月1日発行)。『温故知新』愛蔵石との縁(えにし)を語る。その❽◆佐治川石(鳥取県)※佐治川石十種の1つで希少種の霰石(あられいし)。左右16.高20.奥行10㎝銘「仙壇」佐治川石は、愛石趣味者の間で京・加茂川石、滋賀県・瀬田川石と並び、水石界での日本三名石の1つとして名高い石種です。昭和30年代の愛石趣味最盛況の頃、佐治川石の乱獲により山や川が荒れて地元で問題となり、昭和40年には佐治川での採石禁止条例が鳥取県から発布されるに至り、以降は佐治
◆瀬田川石(滋賀県)銘「三笠山」※別称・若草山(通年、1月第4土曜日に開催される古都・奈良の冬の風物詩"山焼"で知られています。)また、山の頂には5世紀頃に造られた「鶯塚」と称される小さな古墳が在ります。◆w30・h12・d25㎝自然無垢の石(うぶ石)で"鷹揚"とした景状と坐り(底面の安定)の良さ、それにこの虎石と称される石種には、石の節理と申しましょうか、採取時に欠け・亀裂などの疵が有る石が大多数ですが、この石には全く見受けられない。これらの条件が加味し、自分の愛石信条を支えて
『温故知新』蔵石との縁(えにし)を語るその❼旧・紀州藩お止め石古谷石(ふるやいし)和歌山県産銘「福袋」左右13・高14・奥行13cm月刊・愛石2024年2月号(2024年1月1日発行)古谷石"福袋"丁度40年前の昭和57年3月に、親世代のお2人の先輩愛石趣味家にお誘いを受け、和歌山県紀伊田辺市に在る古谷石の販売店を訪ねました。車の提供と長躯運転は自分が担い、時間が許せば古谷石の産地探訪と梅林見学を兼ねての予定でした。しかし、お店で古谷石を贖うお2人は吟味に
趣味の月刊誌「愛石」9月号(8月1日発売)に【温故知新・愛蔵石との縁(えにし)を語る】と題して、愛蔵する石達を基に人や石との縁を振り返り、それらを糧により以上愛石趣味を楽しみたいとの思いから、気儘な私見も織り交ぜて述べさせていただいています。連載寄稿その2灰屋川石(はいやがわいし)W27・H20・D15cm志茄埜庵緑釉切立長方水盤鞍馬砂灰屋川へは今からおよそ半世紀前の自分がまだ学生時代のこと、親世代の愛石趣味家の3氏に誘われ、初めて探石に同行した川で、当時は車で長時間掛けてやっ
讃岐石(サヌカイト)w18・H7・D9㎝香川県坂出市産讃岐石(さぬきいし、サヌカイト)は、名称のもとである香川県坂出市国府台周辺や大阪府と奈良県の境にある二上山周辺で採取される非常に緻密な古銅輝石安山岩で、硬いもので叩くと高く澄んだ音がするのでカンカン石とも呼ばれています。サヌカイトという名称は、明治政府に招かれ、日本各地の地質を調査したオランダ人地質学者ハインリッヒ・エドムント・ナウマンが、讃岐石を本国に持ち帰り、知人のバインシェンクが研究して命名しました。2007年、日本の地質
大和丹生川石(やまとにゅうがわいし)銘「二上山」※ふたかみやまW15・H7・D8㎝大和(奈良県)側から眺める二上山⬇️奈良県と大阪府の府県境に在る二上山、大和(奈良県)側から眺める山姿は万葉集にも多く詠まれています。大和(奈良県)側からの画像⬇️この石は昨日、「愛石クラブ」の元会員で趣味会の先達とも言える大先輩の東実氏を訪ねた際に氏から賜った石で、氏が自作された石の台座には「昭和55年11月3日大和丹生川(城戸)にて採取」と記されています。今から43年前に自採された
ここに観賞用水石の名産地として愛石趣味界にも馴染みの有る瀬田川石(滋賀県瀬田川産)が在ります。左右21・高17・奥行8㎝の通称"瀬田川真黒石"と称されている石種です。⬇️2020年夏に石友数人で減水した瀬田川右岸・白州浜の河原へ探石(たんせき)に行き、採取した自然無垢の石です。石の底面の安定に些か難が有りましたが、写真のように水盤(志茄埜庵水盤)に鞍馬砂を敷き詰め、そこに据えますと石の安定感も増し、霧吹きで石を湿らしたりして眺め楽しめます。拡大⬇️初夏から初秋の頃にかけての荘には丁
"自然無垢の観賞石蒐集"を楽しむ好事家が集う「愛石クラブ」の令和5年度観賞石展示会も大過なく今年も無事終了しました。ご来観の皆様には厚くお礼申し上げます。佐治川石(鳥取県)W23・H13・D10㎝ドンドン爺出品⬇️※採取から40余年、お気に入りの一石です。添配「丹頂草」⬇️※石には清楚な白花の山野草が良く似合います。愛石クラブが発足して以来、初めてコロナ禍により令和2年度の展示会は中止を余儀なくされ、また続くコロナ禍で令和3年度・令和4年度には細心の注意を計らい開催しまし
通年4月の第2(土)(日)曜日に観賞石展示会を開催しますが、節分を迎える頃になりますと早くも展示会に出品する"石"の選択や使用する道具類を合わせたりと思案する日々が暫く続いています。出品予定の1つ佐治川石(鳥取県)W23・H13・D10㎝ウコン布に直に置いて観る、"坐り"佳し。自然無垢の石です。観る角度を変えて⬇️"佐治川十石"と言われる佐治川産10種類の石の内の一種で佐治川真黒石(※さじがわまぐろいし)と称される佐治川を代表する石種です。寿悦作濃瑠璃釉楕円水盤に据えてみました
趣味で"自然無垢の観賞石"を蒐集していますが、長年に亘り蒐集した蔵石の中には唐木製の台座を誂え観賞したいが為に、石の底面に突起部分が在り、台座製作には障害になるその一部分を躊躇なくヤスリで削り取った過去の苦い経験もあります。その唯一の例を挙げてみました。古道石(ふるみちいし)京都市左京区・花背峠旧街道辺りの産※私有地のため入山には許可が必要です。W30・H19・D10㎝紫檀の台座に据えていますが、下部に背景が見える隙間が数箇所在り、石から安定感も見られず、陳腐で下品な石と感じます。
大過なく日常が送れた今年に感謝して、凡そ半世紀の間に蒐集した多くの自然無垢の蔵石の中から、形や姿が何かに似た"形象石"と趣味家の間で言われるジャンルの石で特にお気に入りの石達・五選をご紹介して今年最終の投稿とさせていただきます。❶大和川石(大阪府)銘「聖観音菩薩」高9㎝❷鞍馬石(京都市)銘「俊寛」高19㎝❸瀬田川石(滋賀県)銘「呼子鳥」左右13㎝❹宇治川石(京都府)銘「観自在」高17㎝❺瀬田川石(滋賀県)銘「歌仙」高25㎝今年も当ブログをお訪ねいただきあ
古来、愛石趣味人の間で"石は立てて観るのは最後の手段"と暗黙の決まりが有ったようで、これは山水景状の遠山形(とおやまがた)を観賞石の理想の形として伝播された為と考えますが、蔵する石の中には"立てて観る"しか観賞石として見られない石も数石在ります。その1石が今回投稿の音部石です。銘「萬里一條鐡」W10・H26・D6㎝長らく仮の台座に据えて飾っていましたが、最近この石を眺めていると「早く安住の台座に据えて❗️」と訴えて来ましたので、先月始めに台座の製作を依頼し昨日出来上がってまいりました
玄関内の荘は時節に合わせて趣を変える工夫を心掛けてはいますが、近頃は特に趣味で蒐集している"石"を主役として、取っ替え引っ替え飾るようになりました。愚妻からは来客のお迎えには如何なものか?と小言も有りますが、お構いなく強情な爺に徹しています。色紙「白雲自去来」前玉龍寺住職戸上明道師墨書古道真黒石(ふるみちまぐろいし)左右39・高19・奥行10㎝この古道真黒石は若い頃に"夜討ち朝駆け"で山深い産地へ出掛け、運良く土中から特徴ある石肌のほんの一部分が覗いているのを見つけ、掘り出
水石(すいせき)蒐集家を自認する私には、まだまだ多く採取したい石種が有ります。それは、昔から趣味家の間で「水石の王者」とも称される京都市の加茂川石(※正式な河川名ではないが、何故か水石の呼称として使用されている)です。加茂川石(鴨川石)W6・H14・D4㎝台座は紫檀製で自作です。⬇️北山地域から多くの支流を集め、その流域により賀茂川、出町柳で高野川と合流して鴨川とその正式呼称が変わります。上部拡大真に"カラスの濡れ羽色"です。⬇️その出町柳より下流・宇治川に合流する迄の間で、
"戻り梅雨"で不順な天候が続き、気分までスカッとしませんから、ついつい愛蔵石を出して来ては、その石を採取した時の事など、不思議と鮮明に残る記憶にふと"ほくそ笑む"目出度い人間です。😁加茂川石(京都市)W18・H19・D10㎝2013年9月、京都地域に甚大な被害をもたらした台風18号一過の一月ほど後に会員有志で探石に行き、まだ無数の流木などで無惨な痕跡が残る賀茂川中流・柊野運動公園前の流れの中から採取しました。賀茂川中流の"柊野堰堤"この堰堤上の左岸(向かって右側)が柊野運動公園この石
瀬田川石(滋賀県)通称「虎石」と称される石種。W18・H6・D8㎝※瀬田川減水時に、川原の彼方此方に現れるポットホール(甌穴)の中から掘り出した石です。⬇️ポットホールの中で、急流と硬砂礫によって自然に研磨され無駄な箇所が取れ、一際緻密硬質な石芯の素晴らしい石肌と優美な形姿の石が産まれます。このポットホール内から採取された石は特に珍重されています。瀬田川右岸「蛙岩バス停」下の減水時の川原。大小のポットホールが砂礫に隠れて点在する。⬇️30余年前に鹿跳橋(ししとびばし)下流の左岸・
今回は、四国・高知県の太平洋に突出した室戸岬海岸の岩礁一帯で産出する面白い石をご紹介しましょう。室戸鉄丸石※むろとてつがんせきW7・H8・D5,5㎝磁鉄鉱を含んだ茶褐色の石肌で、石の内部には上下を貫く芯があり、それがまるで「ヘソ」のように石面に現れています。その「ヘソ」については学者の説がいろいろありますが、それぞれに確証はないようです。観賞石の中でも最も骨董的でおもしろい石種でしょう。上から「ヘソ」をご覧ください。⬇️この石は、半世紀前のまだ学生時代に、お2人の先輩愛石家に同行し
造作を依頼していた愛蔵石の台座が出来上がり過日届いた。連休中の来客にご笑覧いただこうと、早速台座に据えた石を床荘にしてみました。佐治川石(鳥取県)銘「仙境」W16・H20・D10㎝佐治川とそこへ流入する大小10余りの谷からは、地元で俗に「佐治川十石」と称される10種類の石種が産出します。この石は、その中でも特に稀少種の"佐治川霰石(あられいし)"と称される石種で、梅花の蕾のような突起が無数石面に現れていて、粒の大きさによって、豆石とも米点石とも称されています。色紙掛け軸滝墨
所属する「愛石クラブ」の本年度・観賞石展示会も無事終了した。翌日の4月11日は、過去2回の手術後の経過観察の為の採血と採尿で病院へ。その翌週には内視鏡による定期検診と血液・尿の検査結果を聴く為にまた通院と慌ただしく時が過ぎた。幸い再発の兆候も無く一安心し、翌日は久し振りに京都北山方面に独り探石(たんせき)に出掛けた。静原川上流支流の西股川に入る聴こえるのは、せせらぎの音と小鳥の鳴き声だけ。更に奥へと遡上近頃の探石は、行く場所を好みの石の産出箇所に極々絞り、もっぱら独りで出掛けることに
川や山、或いは海岸で採取してきた自然無垢の石を、さてどうやって観賞するか?。板の上に置く。布を敷いて、その上に置く。水盤に据える。等々工夫次第で多様な観賞方法があります。宇治川蓬石(京都府)左右17・高5・奥行11㎝自然無垢の石で、且つ石の坐り(底面の安定)が良いので、板の上に置いてみました。しかし、直に置くと硬い紫檀製の板でも疵の付く恐れがあります。そこで、この石に合う水盤に天神川産の砂を敷き、そこに石を据えると見違えるほど観賞価値が高まりました。瀬田川金梨地石(滋賀県)銘「重ね山」
W23・H13・D17㎝この石は、葛飾北斎の富岳三十六景の中でも特に人気のある「神奈川沖浪裏」を彷彿させる形姿を持った自然無垢の観賞石です。富岳三十六景「神奈川沖浪裏」1984年(昭和59年)3月、大阪城築城400年記念に併せ大阪市・国際見本市会館で開催された"全国愛石連合会大阪展"(※出展総数431石)に出品された石で、多くの来観者から好評を博しました。今夏の猛暑と後半には長雨と続く天候異変。通年2回は適期を見計らい、収納している愛蔵石を"虫干し"と称して外気に晒し、石の清掃とチェ
W12・H22・D5㎝瀬田川減水時、白洲浜・不動岩上流の急流の中より揚げる。急流に磨かれ幾星霜、漆黒の肌色と堅牢で痩せた石芯が醸し出す味わいに、厳しさと力強さを感じるのです。減水時の瀬田川白洲浜、画像右側には巨大な不動岩の一部が見えます。この石を揚げた時、ノルウェーの画家・ムンクが描いた題「叫び」を想い浮かべました。画家・ムンクの「叫び」画の人物が何か訴えるように叫んでいる不気味だが力強い姿が、瀬田川石銘「風濤」と似ているように思えてならない。ご笑覧ありがとうございました。🙇♂️
賀茂川・柊野堰堤この堰堤上流の左岸に柊野運動公園が在り、前を流れる賀茂川の川原は絶好の探石地になります。加茂川石W19・H19・D11㎝2013年(平成25年)9月の台風一過の後、石友と探石行き。大きく荒れ、様相が一変した賀茂川・柊野堰堤上流の川原で採取しました。緻密硬質な石芯が現れた形姿が魅力です。手に取り同サイズの他産地の石と比べると、その質感は他を圧倒します。勿論、自然無垢の石で底面の坐りも安定しています。決して満足と迄は言えないこの石ですが、人気度の高い割に産出量の少ない
愛石クラブ会員のT氏・K氏の2人が、現況調査を兼ね久し振りに鴨川の支流の一つ"静原川"へ探石に行ってこられた。静原川中流から上流の"金毘羅山"方面を眺める。※T氏提供の画像都会の喧騒を離れ、清流を遡上する。上流で川を横断する堰堤道路から、東・西股川合流地点を眺める。※T氏提供の画像静原川上流の右岸から、左岸の東股川に沿う林道へと渡河する為の堰堤道路は、普段は流れの深さが10㎝程度であるが、ひとたび上流の天ヶ岳辺りで雨が降ると一気に水量が増えて、戻れなくなる場合も有り得る。当日、
佐治川石(鳥取県)W21・H8・D17㎝松園会員出品石貴船糸掛石(京都府)W24・H13・D9㎝一谷会員出品石佐治川石(鳥取県)W19・H18・D11㎝東会員出品石私ども「愛石クラブ」会員の標榜する観賞石とは、削ったり・切ったりなど一切人工の入っていない、あくまで自然無垢の石を蒐集し観賞を楽しむことです。見栄え良くする為、何らかの人工を加えた観賞石は、「工芸品」と理解しています。ありがとうございました。次回もご笑覧賜れば幸いです。
瀬田川の減水状態が、珍しく一月程続いていた昨年11月末に、白州浜で採取した一石です。当初は硬質緻密で形姿に多様性を持つ蓬石と診ていました。しかし、本年4月頃になり台座の製作を依頼するため改めてこの石を精査しますと、硬質緻密な蒼黒色の石肌に一段と落ち着きが出てきました。正面W10・H25・D5㎝この石肌の特徴から、通称「青巖石」※セイガンセキ※と称される石であると判断しました。右側面背面素晴らしい台座の出来栄えです。安住の住い(台座)に鎮座しますと、この石に魂が宿ったようです。
瀬田川石銘「白雨」W20・H13・D7㎝鍵岡会員出品石銘「白雨」は、歌川広重の木版画・東海道五十三次の内の【庄野白雨】から戴きました。「白雨」とは、昼間の激しい夕立のことで、斜め下方へと大地に叩きつける雨の激しさが現れています。瀬田川石W25・H6・D18㎝竹内会員出品石硬質緻密な真黒石に通称「吹雪」と称される班の紋様が全面に現れています。また、瀬田川石の特徴である石面と輪郭線の優美さが強調された貴重な逸品です。出品者は、昨夏の猛暑日にも瀬田川が大巾に減水したと知