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続報です。新井達矢先生ご出演の番組から先生の出演部分がYouTubeにアップされたとのこと。番組を見そびれた方もYouTubeなら見ようかしらという方もご覧ください。もう一人の能面の先生・宇髙景子先生もテレビ番組にご出演されたとのこと。関西テレビよ〜いどん!2月2日(金)|よ~いドン!|関西テレビ放送カンテレ関西テレビ放送「よ~いドン!」毎週月~金曜午前9:50~放送。www.ktv.jp能面が注目されていて嬉しいことです。能面打ちを習いたい方お二方とも、
1月20日にBS日テレで放送された番組。民法局で歌舞伎以外の伝統芸能の特番というのは珍しいですね。内容には様々ご意見あるかと思いますが、企画を実現されたスタッフの方々に敬意を表します。https://m.youtube.com/watch?si=oByVoJhcVtT8HZP6&v=mCzEJxC64oU&feature=youtu.beその中で私のコーナーのみ全編YouTubeにアップされました。何という大盤振る舞いでしょうか。謳い文句は様々な場面でメディアの方々が付けてくださいます
前回も書きましたが、改めて。番組のホームページをスクショしたものを上げさせて頂きます。能狂言と文楽を特集するテレビ番組は少ないので貴重かもしれません。十六の制作工程を追って頂いたわけですが、今まで来て下さった取材で多くの工程を撮影したいと仰っても、その日数は4日くらいが普通でした。(完全密着の映画「面打」三宅流監督は別です)しかし今回は6日来られました。年末の忙しい時期にも関わらず毛描きなどの繊細な工程も撮影されたいとのことで熱心に来て下さったのは良かったです。しかし何分くらい使って
不動明王の面。通常の口を開けた、小獅子に髪を生やしたような面ではなく、仏像に近い表情のものを。それも成田山新勝寺さんのご本尊に似せて欲しいとのご依頼で制作しました。これは図面というか原寸大のデッサンです。創作面のため当然お手本はありませんので、型紙も無いのです。その場合は上記のような絵を描いてから進めます。この次に塑像を作る方も多いですが、図面から簡単な輪郭型を起こして木に向かいます。参考にした古い本の写真。口を閉じた仏像に近い珍しい型の不動面。蔵王権現にも使えるように口が開い
昨年もお世話になった東京都あきる野市にある「クラフトサロン縁」さんでの個展が今年もあります。目玉といいますか新作の女面を3面出します。SNSでは画像を出していますが、実物は印象が異なると思いますので、ご覧頂きジャッジを下して頂けたらと思います。29日には当地在住の観世流シテ方の中所宜夫先生による能楽ライブが催されます。先生とのお付き合いは20年近くなります。どのような内容かまったく伺っていませんが…きっと面白いと思います。特に西多摩では珍しい催しですね。個展なので全日在廊(縁)予定
節木増の特徴の一つに強い横刷毛目があります。今回は腐れ胡粉を穂先を荒くした平筆で塗っていきました。何回も塗り重ねる度に刷毛目が同じ軌跡を辿っていくというのは至難の技。本面のような刷毛目を目指しますが、刷毛がスーと引かれながらもモリモリぽってりとした塗り肌は出せません。江戸期の写しに面相筆で一本一本描いて盛り上げたものもありますが自然に見せるのは難しいでしょう。鬘は荒い打肌、梨子地。鬘、毛筋と肌の境目の古色が特に大切なようで、一見何気ない斑も含めた古色、陰影を写していくと全体から受け
北山駅で降りて、京都学・歴彩館にやって来ました。開催中の、「あやしい・・京都」との、展覧会に行ってみます(展示物は撮影禁止)。時は、古墳時代から現代まで。場所は、丹後から山城まで。須恵器、人面土器、土馬、蘇民将来の呪符木簡、追儺面、鬼瓦などが、異界とこの世の畏怖がある。かつて漁に使われた、アユモチオケやデンチ網。今でもある鐘馗像や、向日町の祭礼の「ゴーサン」に、歴史がある。こちらは、夏休みのワークショップの作品。これは、あやしくなーい。「ワクワクを求
以前にも打った形の面で「辰右衛門」作の孫写です。前回とは違い少し細身に仕上がりました。彩色の仕方も少し工夫しています。下地の途中、左は逆髪。有名な古元休(近江?)打の十六リスペクトの梨子地?柚肌?(この違いが今ひとつわかりません)の上塗肌に程々の古色を施した段階。墨を塗り込める冠と髪は古色をのせず白く残しています。目と歯に墨。唇は良質の朱墨を用い、薄墨で落ち着かせています。髪と眉、どちらを先に描くか…女面でも迷うところです。寸法や型では測れないバランスの取り方に関わるような気が
五十女こけ(いそめこけ)@映画、読書、古典、評論@isoisodo名人と謳われる能面師の河内大掾家重は元は鞍作りの職人で興味を引かれた太閤が転身の動機を尋ねます。河内に浮かぶのはその太閤が能を舞い終わった後に楽屋で外した面に一礼した姿、それを見て天下の太閤をお辞儀させられる!まあそうとは口にでき…https://t.co/rpSQh535gr2022年07月06日07:58五十女こけ(いそめこけ)@映画、読書、古典、評論@isoisodo戦国時代、村は自治によって戦乱に蹂躙
何の面かおわかりでしょうか。増女でも若女でもなく、名称から想像するような増髪とも異なる雰囲気。子供の頃から写真集を見ながら何となく魅かれてきた面ですが、ここ数年の巡り合わせにより制作を始める気になったというか、条件が揃ったので勢いで先ず一面。彩色することで印象を変えることは可能ですが、似ていくか離れていくか、作者の腕というより厳しい目が結果に現れるのでしょう。左右の非対称は強い部類に入りますが、一見そう見せない、不自然さを感じさせないのが名品たる由縁でしょう。本面の裏は鉋目を消した平滑
何度もお知らせ失礼します。能面を特集するというきわめて稀なテレビ番組。8Kよりは見やすい環境での放映日が決まったということなのでお知らせします。↑はNHKの方から頂いたメールをスクショしたものです。間違えないないようにそのまま貼りました。寝付いてくれない娘を膝に乗せて…初めて見た能面を特集したテレビ番組といえばテレビ東京で放送されていた「極める日本の美と心」現代の夜叉王・能の心を打つ。昭和63年の放送です。この時に長澤氏春先生知り、色々あって面打ちに携るご縁を下さった掛け替えの無
先月、お呼ばれしたNHK短歌が放送されました。ご覧の通り、素朴な感想の羅列ではありましたが、拙作をきれいに撮影していただけたことは何よりでした。撮影山口宏子氏(制作途中の痩女・スタジオにお待ちした面)以下は大森さんが拙作の痩女をイメージして作られた歌です。【まなざしは嗚咽(ルビ:おえつ)しており死ののちも影きしきしとひとりを追って】大森静佳痩女という能面は明らかに死相が現れていますが、目は生きていなければ舞台で使うことができないと云われます。死んでいても嗚咽しているような
三年前も参拝しに行きました。今年も山口にいるから~参拝しにー。
今年手がけた小面はこれで4面目。井関河内打の孫写し(写しの写し)ですが…孫ですから、そうそう似るものではありません。この型で打つのは2面目です。こうして撮影したものを見ると客観性が生まれて直に見ただけでは気づかなかった甘い箇所を幾つも見つけるとこができます。目頭、鼻の下の面、下唇の甘さに伴う開口の様さなど…小面沼は深すぎるのです。仕上がったつもりでしたが直せずにはいられません。彩色の様子が特殊な?撮影をされることになったので、ちょっと急ぎました。今月下旬には宮崎県延岡市の内藤記念
更新が滞ってしまいましたが、急に寒くなってきた為か気持ちが変わりました。新作の小飛出です。修復にお預かりした古面の写しの許可を頂き、少なめの型紙を取りました。それなりの彫刻でしたが、鼻と口の表現が優しかったので、鼻の穴とその周辺の彫刻を大きくし、口は深く幅も少し広くしています。好みの表情に変化させましたので、正確な写しではありません。目は箔鍍金の金具。銅板に漆などで金箔を貼り付けた方が赤味のある金色になりますが、やはり金属的な強さが抑えられる傾向があります。古面の金具を見ると、むし
おはようございます。ホントなら個展の開期中に宣伝すべきですが…私も最終日にしか伺えず行ってまいりました報告です。新井達矢先生の個展に行って来ました〜東秋留駅前のサロンにて絵本作家の奥さまきよはらえみこさんの展示も^_^絵を描く方ならではの彩色の作品もまた楽しく見せていただきました。しつらえの枝に何度も刺さる私(笑)ごめんなさい。…なんとも壁の質感がいい雰囲気で面が映える展示でした。BGMのギター演奏もなかなか雰囲気に合っていました。あの空間には少し多目の展示
5年ぶりに個展を開催させて頂きます。こじんまりした会場ですが、真っ新なギャラリーとは異なり木造の凝った建物です。その分近くでじっくり見て頂けるかもしれません。出品数は小品を含め10点余りですが、彩色をごく身近な人に任せたものを含むのは初めてのことで、以前との違いです。DMの画像です。東京の西の果てですが、駅の目の前なので是非お出かけください。最近は修復が多いため、アップできる拙作がないのですが、大々的な整形手術をした増女の画像です。彩色を洗い落とし、右から左へ大きく彫り直しています。
こんにちは。良観です。良観のご紹介はコチラから。龍神越州良観Dragongodpaintersiteryokanryu.comずっと気になってた能面打ち師是川定男さんの個展にお邪魔しました!凄い迫力!!!場所は、コチラ。カフェ&ギャラリーうみ音さん海を見晴らす丘の上に立つ「カフェ&ギャラリーうみ音」へ|ことりっぷ八戸の「カフェ&ギャラリーうみ音」は、太平洋を一望する絶好のロケーションに立つカフェ
珍しい部類に入る面。癖が強く使われる曲も少ないため、鼻瘤悪尉や鷲鼻悪尉に比べて江戸期に作られた写しは少ないように思われます。この型で有名な古作は観世宗家や大聖寺前田家旧蔵(文化庁保管)などでしょうか。今回の直接の手本は無銘ですが江戸中期の洞水打と思われる面。技術の高さは現代作家と比較になりません。。その時代の美意識が反映されたのか、上記の古作より皺を少なくし、瞳脇の朱を胡粉の白に変えるなど、異様な雰囲気を和らげようとした工夫がみられました。しかし異様怪異な相貌こそ持ち味と考え、能面調
1月の記事でアップした小面が完成しました。今まで掛かりきりなわけではなく、合間に手を入れていたものです。彫刻の本面は昨年11月の記事に載せた江戸中期?に作られた小面で、その面から採取した型紙を使っています。ちなみに武蔵野市の教室で最初に打って頂く手本はこの小面です。彩色は金春本面の小面、いわゆる雪の小面を写した河内や近江、洞白など江戸期の名工の作品を参考にしています。わたしにとっては龍右衛門などといっても現実味がありません。(申楽談義に龍右衛門は尉や男面の作者と書かれており、女面の作者
先日新井達矢先生がなんというかてれんみのない福々しい小面の画像をSNSに上げていて思わず羽生光善先生の本を古書屋さんで探しました。すぐ来た^_^ラッキーなことに探していた長澤氏春先生の本も同時にゲット。また財産が増えてしまった(笑)ウキウキ〜
これは観世流シテ方の清水義也先生ご所蔵の天下一近江作の曲見。修復のためお預かりしたのですが、わけあって全面塗り替えすることになりました。江戸時代以前などの古い彩色が残っている面の場合は保存修復、使用に耐え一部の補彩程度の復元修復が通例で…本来全面塗り替えはご法度。そのため今回は特殊な例です。前回の修復者は剥落止めや補彩が思うようにできなかったのか、古い彩色の上から剥離の進んだ彩色を塗り固めるように膠を特に強くした胡粉で新たな彩色がなされていました。これは最も不適切な方法で、古い彩色の
ナガサワソウシュンさん(1942年生まれ)能面師の大御所長澤氏春氏の三兄弟は全員能面師になった二人目の子どもとして生まれたナガサワ氏は商業デザイナーから能面師に転職した能面作りには難度があり・ひょっとこ・般若・翁などは初心でも作ることができる一方・小面(小ぶりの若い女・幼女)・若女は難しい師である父親は女面を完成させるのに十年かかるさらに能面は「彫り半分塗り半分」と言われていてどちらも手が抜けない能舞台で使われてる
月一回の更新を目標にしていましたが、二ヶ月空いてしまいました…完成した「小面」天下一是閑在印の写し。直に写す機会を頂き印象に残ったのは、彫刻彩色ともに江戸時代から現代まで最も多く写されてきた「雪の小面」の系譜を持つ面とは大きく異なっていたということです。下膨れが強めであることは一見して気づくのですが、下瞼の作りは直線的で雪系?の面のような技巧的な表現はされておらず(1月の記事のあり)一種古様な印象。曇らせたらときにその違いは顕著です。鼻幅は特に大きいわけではないのですが、小鼻の縦の長さが
ほぼ彫刻の仕上がった是閑の小面の写し。同じもの作って何が楽しいのかと問われると、答えに窮しますが、面白いことばかりです無いのは事実です。どんな名人が打った写しでも必ず個性は出てしまうので、経験の浅い拙作は当然同じ顔にはなりせん。それを承知で挑戦することに面白さと怖さを感じるのがこの仕事を続ける動機です。色の感覚が弱い自覚があるので、写真や記憶で色を写すことには自信がありません。是閑独特の白く研ぎ上げられ古色が殆どない肌は、河内のように刷毛目や古色に工夫を凝らしたそれとは対照的な表現。
「能の基本」最近、お能にご縁があり、とうとう素晴らしい能面まで頂戴する事態にまでなっています。(写真参照)そして能楽関連の本を読んだり、能面師の方から手紙を頂いたりすると、とんでもない事が普通に書かれていて非常に驚くのであります。そこでお能についての驚くような基本を書いてみたいと思います。私的には元々中学時代に金春流の謡を少し習っていた経緯があり、能にはかなり親しみを持っておりましたが、せいぜい鎌倉で薪能を一度鑑賞したきりでおりました。ここへ来て疾風
相変わらず外出が憚られる昨今ですが、能面教室の説明会と体験会を実施しました。会場は東京都武蔵野市。地元羽村市よりは都心から便利が良い立地の個人宅一階。元画家さんのアトリエなので天井が高く、採光も良し。仮面をモチーフにした油絵が掲げられています。男性1人お休みの女性4名がご参加。皆様椅子に座って頂き、プリントをお配りして先ずは簡単な説明から。他には上の画像のような制作工程の見本をお見せしながら、実物を手に取りつつ段階ごとの作業内容や要点など交えつつお話ししました。途中積極的にご質問
最も手掛け易いが、突き詰めればキリがないといわれる小面。お手本はネットオークションで格安で落札してから10年以上経過の古面。彩色が塗り替えなのか、印象がわるかったのですが、彫刻を写してキチンとした形の毛描きや目の墨を書き直したところ、標準的な雪型?金春型?の小面であることが目に見えてわかりました。女面の鬘や毛筋をキレイに描くことは大前提ですが、バランスを欠くと額の大きさや顔幅に違和感を覚えたりと、彫刻まで狂っているように見えてしまいます。目の長さや開きもそうで、長さは墨を含んで43mm、
「三日月」というと武将の怨霊を品位ある姿で表現するに相応しい面という認識ですが、この面を打っていて、神の顔として生まれた理由がわかったような気がしました。恨みというより威容というか。面幅が広くエラが張って見えますが、顎先は細く尖っているので、端正な印象もあります。大きな目は包容力と力強さを表すためでしょうか。生反りで仕上げた裏。江戸期の並の作程度の雰囲気にはなったでしょうか…彩色の工程です。上は胡粉下地が完了した段階に目の金具を仮置きした状態。ここまでは頑張れば何方でもできる普
11月8日に開催予定のイベントの準備が整ってきました。詳しくは書けませんが、彫刻と彩色を少し。このご時世、また時間が限られている中で何ができるか考えました。以下、静嘉堂文庫美術館さんのホームページにアップされたお知らせを転載させて頂きます。『4.新井達矢(あらいたつや)氏による面打ち実演会のご案内7歳より面を彫りはじめ、多くの能楽師に高く評価される面打・新井達矢氏による「面打」の解説と実演の会です。美しい面の生まれる過程をお楽しみください。講師:新井達矢氏日時:11月8日(日)A