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羽州ぼろ鷹組シリーズの第8弾となるこちらの作品。この作品の感想を書くタイミングで久しぶりに、作者である今村さんのWikiを見ましたが、とても見やすくなっておりました。作品リストがしっかりと表組されて、とても見やすくスタイリッシュなページに生まれ変わってました。編集していただいた皆様、ありがとうございます。といった感じで始めさせていただくこちらの作品、このシリーズをここまで読まれた方であれば誰もが、とても苦しい非常に苦しい感じの始まりではないでしょうか。そんな苦しい展開で始まったものの、
今度の作品はあの「鬼の平蔵」が登場するようなきな臭い始まり。「火付盗賊改方」という今の我々にとってもとても分かりやすい役職で有名な「鬼平」その方であります。そしてこの名称、火付が頭についているところがその時代を反映していると申しましょうか、決して窃盗火付ではなく、火付盗賊であると。そんな火付けから始まる今回の作品の感想を残しておこうと思います。物語は過去に亡くなったと思っていた事件の犯人がもしかしたら、まだ生きていて今回の事件を巻き起こしているのではないかと躍起になって事件解決を求めるメ
今度の舞台はあの「吉原」。あの吉原、とても有名な場所だと思います。関東近県に住んでいて聞いたことがないという人は殆どいないのではないでしょうか。ただし実際に行ったことがあるだとか、そもそもその前段で場所がどこにあるだとかだとどうなんでしょうか、その知名度と同様な感じになるのでしょうか。私個人でいえば行ったことはないですし、どこにあるのかもこれを読むまで知りませんでした。別に聖人君主ぶるつもりはありませんが、「吉原」でどうこうしよう思ったことないですし、誘われもしたことないなと改めて思い
シリーズ第五弾。今回はとても心苦しい、心痛い話から始まるこの羽州ぼろ鳶組シリーズ。少しだけ書くと、とある藩の火消し部隊に対していわゆるリストラの声があがり、その実施を防ぐためにある決断をくだすという、世界中の中間管理職の方々に刺さる、刺さりまくる内容となっておりました。この手の話でまず思うのは、自分一人で抱えずに誰でも良いので情報を共有できないものかなと。私もこの抱え込んでしまうタイプなので自分でも良く言うなと我ながら思いますが、書籍を読んでいる限りまずこれを思います。そもそも
シリーズ第四弾。今回の場所は江戸から遠く離れた京都。現在京の地で町奉行として活躍している長谷川平蔵より依頼を受けて江戸を離れて京都の地へ。今でいうところの京都出張に繰り出した源吾、星十郎、武蔵の選ばれし3名の羽州ぼろ鳶組という話なのですが、こちらを読む過程で色々と教わったことを感想に残しておこうと思います。先ず一つ目は「火車」について。こちら今回初めて「かしゃ」と読むことを知りました。知りましたといいますか、「かしゃ」で良かったのかと。もともと宮部さんの「火車」を読んだことあり、こ
これはハマりました。まだ3作しか読んでませんがシリーズ最高傑作なんじゃないでしょうか。久しぶりに乗り換えをしなければならない赤羽駅を乗り過ごしました。覚えておりますよそのシーン、ちょうど新之助と呼ばれて「ワン」と答えるところでした。気づけば「次は東十条、東十条」のアナウンスが耳に入ってきました。この駅で何度かやったことあるのですが、気づいてから赤羽~東十条間の外の景色を見た時に感じる高さにいつも驚きます。そんな「ワン」とした返事をしたシーンも含めて見どころならぬ、読みどころ満載のこち
【黄金雛羽州ぼろ鳶組零】/今村翔吾<あらすじ>英雄たちの若かりし日々を描く、はじまりの物語•••。十六歳の新人火消松永源吾は、逸る心を抑えられずにいた。同世代には才気溢れる火消の雛たちが台頭しつつあった。そんな折、毒を吐く戦慄の火炎が発生。熟練の火消すら生還叶わぬ毒煙に、若輩は出動を禁じられる。反発する源吾は、加賀鳶の御曹司、最年少の火消頭取、町火消の新星などくせ者揃いの面々と共に命を救うため立ち上がる!感想羽州ぼろ鳶組シリーズスピンオフ。新庄藩定火消頭領の松永源吾の
【双風神羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾<あらすじ>京の淀藩常火消・野条弾馬は、己が目を疑った。大火の折に生まれ激甚な災禍をもたらす炎の旋風“緋鼬”が大坂の町を蹂躙していた。続発する緋鼬に、それを操る何者かの影を見た弾馬は、新庄藩火消頭取・松永源吾に協力を頼む。源吾は、天文学者でもある風読みの加持星十郎らを連れ大坂へ。しかし、ぼろ鳶組は、炎の怪物を眼前にすると大きな挫折を味わうことに…。感想羽州ぼろ鳶組シリーズ第9作目。今回は、舞台を大阪に移して、源吾、星十郎、武蔵が京で共に戦った野条弾
(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)このシーリズは既に6作品を読み終えていて好きなのですがやっとその原点とも言える1作目を読みました前半の仲間が一人一人と増えていく部分は古くは水滸伝、最近では漫画のワンピースと共通するワクワク感がありました後半の明和の大火でそれぞれが奮闘する場面では読んでいて興奮しましたしところどころで私の琴線に触れてきて泣きそうにもなりました・苦笑これが今村翔吾氏のデビュー作ですが本当に見事な作品でしたこの
今村祥吾「羽州ぼろ鳶組・鬼煙管」を読みました。これまで今村さんの小説は、(てらこや青義塾)、(蹴れ、彦五郎)などを読んでいました。今回は友人のYさんの紹介です。ぼろ鳶シリーズ第4弾。「人も同じ、身分は違えども煙草の銘柄ほどのもの」煙管の吸い口を見つめ、平蔵は人の儚き生を思い、正義と悪との境を憂えていた――。京都西町奉行長谷川平蔵は、火を用いた奇っ怪な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消、松永源吾を京に呼ぶ。源吾は平蔵の息子・銕三郎と真相に迫るが、やがて銕三郎が暴走し――。勇壮な男た
(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)羽州ぼろ鳶組シリーズの9作目です今回は舞台を大坂に移しての物語でしたこの作品で江戸の火消し組織の複雑さを初めて知ったのですが大坂(江戸時代の表記)の火消しの組織も独特だったようです読むまでは知らなかった江戸時代の火消し等のシステムを知ることもこのシリーズを読むことの楽しみの一つになってきました大坂で描かれる主だった町は北は梅田から南は道頓堀・千日前東が大坂城で西は西船場で地名は現代とほぼ同じだっ
羽州ぼろ鳶組シリーズ第二作目となる「夜哭烏」。私は「夜哭」いや「夜泣」と聞くと、大宮の大平公園の近くにあるラーメン屋を思い出します。今もネット上で確認する限りでは営業しているようですが、私がまだ新人社会人であったころの25年ぐらい前から既に今の古風な、ぱっと見やっているのかどうかすら分からない佇まいで存在しておりました。私がその独特なネーミングと佇まいで気なるそのお店は、車社会ど真ん中に位置する埼玉県大宮でバイバスとなっている17号と通常の17号のちょうど間に位置する道路沿いにあり、混んで
(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)羽州ぼろ鳶組シリーズの7作目今回もスピード感のある展開で読ませます火という存在に魅せられる者火という存在を活用する者火いう存在を憎む者火という存在を恐れる者それぞれの立場の者のありようが時に美しく時に禍々しく時に悲しく描かれていました火事と火消しを通して様々な人の物語を面白く読ませてくれる作品でした例によって今作も火事場と戦闘シーンの描写は秀逸でワクワクします次はシリーズ9
(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)羽州ぼろ鳶組シリーズの5作目他のものに気を取られ読み終えるのに十日以上かかりました決して面白くなかったわけではなくてただただ他の事で時間を取られ読書の時間が取れなかっただけです内容はミステリの要素が色濃くて面白かったですね火事場のシーンは相変わらず迫力や臨場感もあり読みどころの一つでした今作も例によって新しい脇役が登場するのですがこちらはいまいちな感じで印象に残る人物はいませんでした次
(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)羽州ぼろ鳶組シリーズの4作目です今回初めて江戸を離れて京都が主要な舞台となっていました江戸の火付盗賊改方頭から京都西町奉行となった長谷川宣雄(通称平蔵・実在の人物なんですね)から京都で起こるまるで妖が関わったかのような奇妙な事件の解決に協力要請された羽州ぼろ鳶組の三人が京都まで出張って奔走する物語でした事件の真相を追う過程もスリリングで面白いかったのですが中でもその火付けの方法と目的が凝って
(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)羽州ぼろ鳶組シリーズの2作目です去年初めて読んだ玉麒麟羽州ぼろ鳶組⑧が面白かったのでその後古書店の100円棚で見かける度に購入して集めていたのですがそうは都合良く1作目から買い揃えることができなかったので取り敢えず手に入れたものから読んでいくことにしました江戸時代の火消し言っても実は様々な種類があることを本書で初めて知りましたこれを読むまではい組とかは組とかのいろは48文字からなる火消しだけ
とても良い感じの始まり方です。始まりはといいますか、主人公とその奥方の掛け合いが何とも良い。あの渋沢公の大河ドラマでの平岡ご夫婦を思い出してしまいました。あの二人のやり取りもとても良かった。といった感じで書き始めてみましたが、こちら江戸時代の火消し達を取り扱った物語。江戸時代の火消しと聞くと、暴れん坊将軍の北島三郎さんを思い出してしまう世代であります。たしかあれは「め組」と言っていたように思います。(ちょっと調べてみたらめ組で良かったようです。調べついでに「暴れん坊将軍とめ組の頭
今年もほぼコロナ禍だったので、だいたい引きこもって本を読んでいた。けっこうな量になった。なので各ジャンルごとに読んで良かった本をまとめていきます。今日は小説・詩編です。①ミトンとふびん大好きな吉本ばななさんの短編集。今まで読んだ吉本さんの本のなかでもぶっちぎりに好き。で、その中でもいちばん好きなのは『情け嶋』。吉本さん、次のステージに行かれたな…と思う。ミトンとふびんAmazon(アマゾン)1,584円Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で詳細を見る②ゴクドー
今村翔吾氏の【羽州ぼろ鳶組】シリーズのうち【火喰鳥】と【夜哭烏】を読了。実は先に同じ今村氏の【塞王の楯】を読んでいたのだけどどうも大作過ぎて、根気が続かなくなり・・・ちょいと気分転換に【羽州ぼろ鳶組】を読み始めたらついつい止まらなくなってしまって(^-^;江戸中期に起きた目黒行人坂火事(1772)などの大火を題材に、江戸の町を守る火消達の命がけの活躍を描いた作品。物語の筋の中に江戸の火消の制度などが分かりやすく、そしてまた感動的にも描き込まれていて、もう一気に読んでしまいま
今村翔吾さんの羽州ぼろ鳶組4巻「鬼煙管」を読みました。今村さんのぼろ鳶シリーズの第4巻。義理人情、親子愛、安定の面白さ!テレビ局は何故ドラマ化しないのか?ヒット間違いないと思うんだけどなぁ。お話は、、「人も同じ、身分は違えども煙草の銘柄ほどのもの」煙管の吸い口を見つめ、平蔵は人の儚き生を思い、正義と悪との境を憂えていた―。京都西町奉行長谷川平蔵は、火を用いた奇っ怪な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消、松永源吾を京に呼ぶ。源吾は平蔵の息子・銕三郎と真相に迫るが、や
(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)初見の作家さんです「塞王の楯」で第166回直木賞を受賞された頃から今村氏がSNS等で発信されている活動に興味を持っていましたさて本作は文庫書き下ろしの羽州ぼろ鳶組シリーズの8作目です私はシリーズものは本来1作目から読みたいのですが近所の古書店のワゴンにあった本作を説明も読まずに買ったので仕方なしです・笑結論から書きますとやはり1作目から読んだ方がより楽しめると思いました登場人物たちの過去の関
鬼煙管羽州ぼろ鳶組(祥伝社文庫)Amazon(アマゾン)176〜2,332円〈ぼろ鳶〉シリーズ4作目。京都西町奉行の長谷川平蔵に請われて京都へ向かった源吾、武蔵、星十郎達。源吾たちは、京都で起きている人体から発火するなどの怪異に取り組む事に。そこに平蔵の息子である銕三郎、京の火消し野条弾馬といった新たな個性的な登場人物も加わり、京の町を揺るがす事件の真相に迫ります。今回は裏の主人公と言いたくなる深雪は手紙での出番ばかりですが、その助言はやはり源吾を助
10月17日(月)〜10月28日(金)21:15〜21:30NHK-FM青春アドベンチャーNHKラジオドラマ『羽州ぼろ鳶組夢胡蝶』の放送があります。私は「花菊」という花魁の役をやらせて頂きました。この役に出会った時、演じれる喜びがいつもに増してありました。苦界で生きる苦しみ。絶望。空虚。そんな花菊の前に、突然現れた一筋の優しい光。儚く、淡い恋。いろんな感情が渦巻く中、声だけで伝える難しさにぶつかりながらも、心情、情景をお届けできるよう、心を込めて演らせて頂きま
【玉麒麟羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾<あらすじ>侍火消にして府下十傑に数えられる鳥越新之助。新庄の麒麟児と謳われた“ぼろ鳶組”頭取並は、闇に堕ちたのか?豪商一家惨殺及び火付けの下手人として手配された新之助は、一家の娘を人質に逃走を続け、火盗改、江戸の全火消の包囲を次々と打ち破っていく。一方、幕府の命で動きを封じられたぼろ鳶組頭取松永源吾は、仲間のため、己のため、決意を胸に立ち上がる!感想羽州ぼろ鳶組シリーズ第8弾。今回のお話は、新庄藩定火消頭取並の“鳥越新之助”にかかる物語。
【狐花火羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾<あらすじ>天才花火師と謳われるも、愛娘を花火の事故で喪い、妻も世を儚み命を絶つ――。明和の大火下手人秀助は、事故の原因たる怠惰な火消に復讐を誓い、江戸を焼いた。二年前、新庄藩火消頭松永源吾と対決の末捕えられ、火刑となったはずだが、朱土竜、瓦斯と、秀助と思しき火付けが今再び起きる!秀助は生きているのか?江戸の火消が再び結集し、猛り狂う炎に挑む。感想今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第7弾。第1作の「火喰鳥」に登場した天才花火師“狐火の
【夢胡蝶羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾<あらすじ>花魁・花菊は死を願った。吉原の大見世で最高位の花魁となるも、やはりここは苦界でしかない。父母と彼岸での再会を望み、燃える妓楼に身を置いた。だが紅蓮の炎に飛び込んできた男がいた。花菊は業火の中、ぼろ鳶組纏番・彦弥と運命の出会いをする――。吉原で連続する火付け、下手人と思しき者の殺害、黒幕が?新庄藩火消頭・松永源吾が情念渦巻く吉原で謎に挑む。★感想今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第6弾。今回は、吉原を舞台に町娘にモテモテの纏師
【菩薩花羽州ぼろ鳶組】/今村翔吾<あらすじ>番付のためか―。火消番付への関心は高く、お家の評判にも繋がる。その噂が人々の口に上りだす頃、ぼろ鳶組松永源吾は、無謀にも他の火消から手柄を奪おうと闘う仁正寺藩火消柊与市の姿を目にする。そんな折、火消による付け火を疑う読売書きが姿を消し…。真相を追う源吾らの前に現れたのは、火難の遺児を救い育て、「菩薩」と崇められる定火消進藤内記だった。感想今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第5弾。時代劇も火消の物語は、今井翔吾さんが最高と思ってい
【鬼煙管羽州ぼろ鳶組】/今村翔吾<あらすじ>「人も同じ、身分は違えども煙草の銘柄ほどのもの」煙管の吸い口を見つめ、平蔵は人の儚き生を思い、正義と悪との境を憂えていた――。京都西町奉行・長谷川平蔵は、火を用いた奇っ怪な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消、松永源吾を京に呼ぶ。源吾は平蔵の息子・銕三郎と真相に迫るが、やがて銕三郎が暴走し――。勇壮な男たちが京の街を駆け抜ける!感想今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第4弾。舞台を京に移し、今回は“源吾”、“星十郎”、“武
【九紋龍羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾<あらすじ>火事を起こし、その隙に皆殺しの押し込みを働く盗賊千羽一家が江戸に入った。その報を受け、新庄藩火消通称“ぼろ鳶”組頭・松永源吾は火付けを止めるべく奔走する。だが藩主の親戚・戸沢正親が現れ、火消の削減を宣言。一方現場では九頭の龍を躰に刻み、町火消最強と恐れられる「に組」頭“九紋龍”が乱入、大混乱に陥っていた。絶対的な危機に、ぼろ鳶組の命運は!?啓文堂書店時代小説文庫大賞第1位シリーズ続刊。感想今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第3弾。
今村翔吾『恋大蛇~羽州ぼろ鳶組幕間~』です。私の好きさレベル5段階評価の『5』です!!!恋と火事は、江戸の華。咲かせたくもあり、咲かせたくもなし。流人となった男、酒呑み火消、次代を担う若頭。三人の脇役たちが織りなす、心ゆさぶる物語。救えなかった命――猛火に包まれた幼子の悲鳴が聞こえる。炎への恐怖に萎む心と躰を麻痺させるため、今日も〝蟒蛇〞野条弾馬は、酒を呷って火事場に臨む。京都常火消、淀藩火消組頭取に己を取り立ててくれた心優しき主君が逝った