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29話:想いと未来と…二人は腹ごしらえをすませ、家に帰る事にした。二人はいつも通り、星の話題で盛り上がる。あっという間に家の前に着く。『今日はホンマにありがとう!!』と美優紀がペコリと頭を下げた。『おぅ、じゃあまた夜に…』と俺が家に入ろうとすると、美優紀が『今日、赤坂さん居るん…??』と聞いてくる。『多分、どこにも行ってないと思うけど…?』と答えた。『赤坂さん呼んでくれへんかな…ちょっと話したいねん…』と美優紀は言った。『うん…わかった』と言って、家に入り、リビング
第28話:心に秘めた想い『陽ちゃん…うちな…あの日から、ずっとずっと好きやったんやで…』僕は返す言葉が見つからず美優紀を見つめた。『好きというか憧れの人やった、私の…せやな…心のヒーローみたいな?そんな憧れの人がくれたこのお守りは私を支え続けてくれたん…なにか、辛い事とか悲しい事に出くわしたら、このしおりを見てがんばれたんよ…』美優紀の瞳がうっすらと潤んでいた。『せやけど、もうええねん…』と言って美優紀は俺の隣に座った。『えっ…?』俺は美優紀の方を見た。『もうええねや…陽ちゃん
第27話:10年越しの…『この言葉は、カラナンド流星群の童話の一節やった。その日は10年に一度のカラナンド流星群の日やった、その男の子は一緒にうちの親を探してくれたん…ようやく親に会えて、帰り際にしおりを見つめながら、【ありがとう、あの…また会えますか】って聞いたら、しおりを指さして、【それに書いてあるだろ、会えるよきっと、星降る夜に…なんてね】と言ってすぐにいなくなってしまいそうになったから、【お名前…教えて下さい】って言うたんや…』俺は『その男の子って…』美優紀は『まあまあ、焦らん
第26話:美優紀の気遣い『実はな…私……地底人やねん…』美優紀が真面目な顔で言う。『はぁ~??なんだそれ!!』俺はつい、吹き出してしまった。すると美優紀は『陽ちゃん、ようやく笑ってくれたやん』とニコッと笑った俺は『おい‼️からかうなー!!』と美優紀のおでこにデコピンを一発。美優紀は『痛ーい』と笑った。すると美優紀は俺に背中を向けて、語り始めた。『ちゃんと話するね…』俺は唾をゴクリと飲んだ。『実はな、この町に来たのは2回目やねん…』俺は小さく頷いた『初めて来た
第25話:美優紀の想い『今日、ここに来るのは最後になるかもしれへん…』俺は美優紀の方を見た。『急な話なんやけど、お父さんの仕事の都合でドイツに行くことになってしもたん…』俺はかける言葉が見つからなかった。美優紀は話を続けた『ホントはな、この町にいたいねんけど、家族みんなで行くからって話になって…』俺は『いつ…行くの…?』と聞いた。美優紀は『うん…ホントに急なんやけど、火曜日、来週の…だからあと数日しか、ここにおれへん…』俺は寂しいような、切ないような何とも言い難い気持ちに
24話:美優紀の洞察力二人は電車に乗り、天女橋へ向かっている。そんな電車内で美優紀が急に『陽ちゃんが何に悩んでるか当ててもえぇ?』と聞いてくる。俺は『悩み…??』と聞き返した。すると、美優紀は『陽ちゃん…恋してるやろ??』と微笑みながら言った。俺は『こ、恋…ち、ちげーし、そんなんじゃないし…』と言った。美優紀は『嘘つくの下手やなー、せや、相手は…』と言いかけたので俺は『美優紀、それ以上そんな話したらチョップするぞ…』と言った。すると美優紀は『わかったぁ~
第23話:いつも通りの道…いつの間にか、時間は過ぎて12時45分。俺は着替えて、玄関に向かった。階段を降りると、そこには結がいて『陽ちゃん…どっか出かけるの…?』と聞いてくる。俺は『あぁ…ちょっと古川とな…なんか話があるらしくてな…』と返事をして、そのまま玄関に向かう。『えっ…古川…さん……うん…気をつけてね…』と言って足早に階段を上り、部屋に戻る結。俺は玄関のドアを開ける。朝よりも眩しい太陽に照らされる。そんな太陽を睨みつけていると、美優紀が家から出てきた。『ごめん
第22話:告げる朝特に結とは何の進展の無いまま土曜日を迎えた。朝起きると、携帯に着信があった。美優紀だった。美優紀に電話をかけ直す。美優紀は『おはようさん…今日の約束覚えとる?』俺は『あぁ、そういえば、今日だったなー』と返事をした。美優紀は『昼の1時出発でええ??』と言ってきた。俺は『了解~』と言って電話を切った。時計をみると、ちょうど10時になったところだった。今日は痛い位に晴れ上がった空…美優紀は一体、何を言いたいのだろう…眠たい体を起こし、下に向かう。
第21話:やっと伝わった想い。少し時間が経った。もうすぐ飯の時間だ。下に降りる。今日うちの家族は誰もいない。冷蔵庫に入っている惣菜をレンジで温めていると、結が下に下りてきた。二人での食事、特に会話は無かった。テレビの音がリビングに響く。見ている訳でもないが、ただその場の空気をどうにかしたくて…無言の食事は早々と終わった。結が洗い物を始める。俺はソファーに座り、黙ってテレビを見ていた。内容なんて頭に入ってこない。この雰囲気に耐えられず、リビングを出ようとした時、結に呼び止
第20話:伝える勇気。二人は家に着いた。階段を上がり、それぞれの部屋に入ろうとした時に結が『陽ちゃん…今日はありがとう…好きだよ…』と言って部屋に入った。俺も無言のままで部屋に入った。ベッドにこしかけ、ふとさっきの結の言葉を思い出す。『好きだよ…』思いがけない言葉だった。ベッドに倒れ込み、天井を見上げるさっきの結の言葉が頭を巡る。きっと、友達として好きなんだろう。そんな風に自己完結。しかし、落ち着かない気持ち。考えてみれば、最近の結の言動がおかしい。急にキスしたり、
第19話:わがままお嬢様俺は結を追いかけなかった。言ってしまった事に反省はしている。俺はしばし、その場に立ち尽くした。俺は少し歩いて駅に向かい、ひとり天女橋に行く事にした。人気の少ない天女橋に着く。川辺を歩いていると、橋から少し離れたベンチに座るひとりの女の子を見つけた。『結…』俺は声をかけた。そこにいたのは結だった。『陽ちゃん…なんでここに…』結は泣いている様だった。『結…さっきは…』ここは素直に謝ろうとした。しかし結は『ごめんね…陽ちゃん』と言った。俺は『
第18話:散歩道俺は、我にかえって、とりあえず落ち着くために、一人で街をぶらつく事にした。適当な服に着替え、部屋を出た。すると結もちょうど部屋から出てきたところだった。『陽ちゃんお出かけ?私も一緒に行ってもいい??』と結が聞いてきたので『別に…いいけど…』と返事をした。結は『じゃあ着替えてくるね、ちょっと待ってて』と部屋に入った。なかなか一人で考える余地を与えてくれない様だ…二人で駅前に行った。特に会話はない。無言で街をあるく二人。行きつけの本屋に着く。俺はいつも
第17話:伝えたい気持ち。いつの間にか、眠りについていた。一瞬目をつぶっただけに思えたが、結構寝たのだろう。ベッドから体を起こすと、ベッドの縁に何かが…『おい、結‼️なんでそこに寝てんだよ‼️』そこには、ベッドにもたれかかり寝ている結がいた。『うーん?あっ、陽ちゃん…おはよー』と寝ぼけ眼の結。俺は『なんで、ここで寝てんだよって』と再度聞き直した。結は『あぁ…あのね、昨日の事…謝ろうと思って来たんだけど、陽ちゃん爆睡してたから、私も寝ちゃった…』と目を擦りながら答えた。俺は
第16話:素直な思い。ドアをノックする結。『陽ちゃん、入っていい??』『いいよー』と俺は本を読みながら、返事をした。結が部屋に入ってくる。『陽ちゃん、今日はありがとう…』と結は急に俺の背中に抱き着いた。俺は驚き『なんなんだよ急に…』と言うと結は抱き着いたまま『だって…今日の昼間、陽ちゃん抱きしめてくれたもん…お返し‼️』と耳元で言う。結は続けて『ただいまって言っていいって言ってくれたのも、嬉しかったんだよ…』と言う。俺は、結を振り払う事も出来たが、しなかった。すると
第15話:恋する夜空部屋に戻り、電気を付ける。外は暗くなりはじめていた。窓を開けると、怪しい雲行き。あまり、星は見えないため、窓を閉めた。ふと、携帯をみると、美優紀からLINEが【昨日は、ごめんなさい…今日はあいにくのお天気で残念です】今日も先に空を見ていた様だ。【今日は星見えないね…残念】と返信した。美優紀からすぐに返信が来た【ちょっとお話できる?】俺は【いいよ】と返信し、窓を開けた。同じタイミングで美優紀も窓を開けた。『こんばんは‼️今日は星見れんくて残念やね
第14話:真実駅に着く。息切れする俺。一度、深い深呼吸をした。空港まで行くくらいのお金ならある。しかし空港に行ってどうにかなるものなのか…そんな事を考えながら下を向いている…どうすればいいのか、どうするべきなのだろうか…ただ結が心配だった。色々な事が頭の中を駆け巡る。今日じゃなかったら…行くなと言っていたら…そんな事を考えていた…自分の無力さに嫌気がさす。そんな時だった…『陽ちゃん…どうしたの?大丈夫??』顔を上げると、そこには結が立っていた。『ゆ、結…お前…』
第13話:さよならは突然に…結を見送った後、俺は駅前の本屋で立ち読みしていた。かれこれ1時間くらい本屋さんにいたのではないだろうか。そのあとは、近くの電気屋さんにいって、色んなものをみている。良さそうなデジカメや新しいパソコンのディスプレイなど電気屋を出て、時計を見ると、もう12時を少し過ぎていた。腹が減ったので、近くの喫茶店に入った。ナポリタンを注文をして、何気なくテレビを見てると…ニュースキャスターが…『緊急ニュースです。11時に天竜国際空港を出発したフロリダ行きの飛行機が消
第12話:告げる夜部屋に帰り、ベッドに倒れ込む。今日は久しぶりに楽しかった。時間もちょうどいいので、星を見るため窓を開けた。そこには美優紀の姿があった。俺は『よぅ🖐️』と声をかけた、すると美優紀は無言で窓を閉めようとする。とっさに俺は『ちょっと待て、なんなんだよ最近‼️』と少し強め口調で言った。美優紀は小さな声で『嘘つきは…嫌い』と言った。『嘘つき…??』俺は意味が分からず聞き返す。すると美優紀は『だってそうやんか‼️赤坂さんと付き合ってないってゆーてたのに、
第11話:空回りする想い。結局、美優紀からの返信は無かった。そんな日曜の朝。約束の時間は11時。時計はもうすぐ10時半。思いのほか寝た。まあーいつもの事であるが…そんな時、部屋をノックする音。昨日は、ノックしなかったのに…きっと結だ。いや、間違いなく結だ。きっと『陽ちゃん‼️‼️おはー‼️もう朝だよ朝‼️』と言ってくる。返事もしていないのにドアが開く『陽ちゃん‼️おはー‼️もう朝だよ朝‼️‼️』予想的中。当たりすぎて怖いサイトより当たる。『はいはいおはようさん…』
第10話:平凡なはずなのに…結はそのまま、俺の部屋いた。すると結は『ねえ、明日暇??』と尋ねてきた。俺は『なんで?』の一言。『久しぶりに天竜川の近く行こう‼️昔よく行ってたじゃん‼️ねー行こう‼️』と俺のシャツを掴みながら言う結。俺は『しゃーないな。わかった。』との一言。結はようやくシャツから手を離し『やったー‼️‼️』と大喜び。結とあの場所に行くのはいつぶりだろうか…そのあとも、くだらない話を続けた。結が一度、自分の部屋に戻った。俺は、大きなため息をひとつ。ベッドに倒れ込
第9話:腐れ縁土曜日の朝を迎える。朝と言うよりももう完全に昼は過ぎている。こんな平和な休日。実に清々しい。この勢いでもう一眠りしてやろう…なんて事を考えてると、下から誰かの声が聞こえる。確実に俺の…母親だ。多分、俺を呼んでいる。『陽平‼️陽平‼️いつまで寝てるの‼️荷物重たいんだから手伝ってー』荷物…?何か注文しただろうか??だるい体を起こし、下に向かう。すると玄関には、大きなボストンバッグを2個持った結が立っている。不思議そうな顔で、その様子を見ていると、うちの母が
第8話:呼び捨てファンタジー時はあっという間に過ぎて、金曜日。明日からはまた休みだ。午後の授業ももうすぐ終わる。最後の時間は、古川と話して終わった気がするが…家に帰る道の途中にある本屋さんに寄り、新しい天体系の本を見たが、あまり良いものもなく、そのまま家に帰った。部屋に入る手前、俺の部屋の隣の部屋のドアが空いていた。この部屋は、じいちゃんが使っていたが、今は老人ホームにいるため空き部屋。今は物置として使っていた。その部屋を除き込むと、中は何も無い状態だった。不思議に思いながら
第6話:突然に…約束の時間に窓を開けると古川は先に空を見上げていた。『時間ピッタリやん‼️今日はホントにありがとう‼️』とニコニコする古川。『おう』と返事する。古川は『今日はどの星座の話??』と当たり前の様に、聞いてくる。『今日は、ふりなし座かなー』と俺も当たり前の様に話始める。時間はあっという間に過ぎる。今日は朝が早かったから少し眠い。なので、ちょっと早く解散して、すぐに眠った。次の日、ゆっくり寝た。寝すぎた。時計は、14時だった。さすがに体が痛い。今日は、何のやる気
「おはよう〜、彩」「おはよう」「で、昨日はどうだった?」「別に」「おいおい、そこまでヘタレじゃないやろ?」「シたんやろ?」「ご想像にお任せします」「なんやねん」「ちょっとぐらい教えてくれたってええんやん」「嫌やわ」「早く、仕事しろ」「彩のケチ」(///、、、、、)「で、みるきー昨日どうだった?」「え///いや、特に何も、、、、」「嘘下手くそか」「まぁ、大変やったんやな」「まぁ。」「気持ちよかった?」「ちょっ///菜々ちゃん?!」「まぁ、ええやん。これぐらい
私は最近携帯ゲームにはまっていた。今も1人携帯ゲームをしている「っしゃ‼︎スターゲット。このゲームはほんま楽しいなぁ〜」なんて、独り言を呟いていた。「みーゆき、ここでなにやってるん??」「っ..いや、特に…」「ほんまに?」ここは携帯使用が禁止の学校。休み時間に教卓に隠れて携帯をいじっていたら、生徒会長の彩ちゃんに見つかった。これが、相当面倒なやつ。「じゃあ、なんでこんなとこにおるん?」「あっ..えっーと..」「しかも、携帯禁止なのに携帯持ってるんはなんでかなぁ?」「..
「あ、また彩ちゃん。夢莉ちゃんとイチャついてる」美優紀は、Twitterで流れてくるタイムラインを見ていた。「ほんま私がいないからってイチャつきすぎや」実は...私と彩ちゃんは極秘で付き合ってる。付き合ってることがバレてはいけないから、彩ちゃんとの写真をTwitterなどのSNSにあげることはできない。この間、彩ちゃんが出演してるラジオで遊びを誘う連絡してるって言うのは半分本当で、半分は嘘。本当は、連絡も毎日とってるし定期的に彩ちゃんと会っている。嘘ついてごめんな、
初めまして、さようなら...この2つは人生の中で必ず体験しなければならない義務。出会いがあるから別れがある。え?だったら出会わなきゃいいって?それができたらどれだけ幸せやろうなそれは人間には無理や。人間は、一人では生きていけない。「うち、卒業するねん」この言葉を聞いた2年前、私はなにも美優紀に言ってやることができなかった。それは、美優紀が一人前になったから。私が、みるきーの卒業前に作曲した「今ならば」二人の関係性がうまく描かれていた。[今ならば
「おい、美優紀」「な~に~?」「なにが「「な~に~?」」やねん。文化祭でバンドやんねんからしっかり練習せえへんと」「せやな~。でも息抜きも必要やで」「アホか!あんたの場合は息抜きしすぎや!」「てへぺろ」私と美優紀は、文化祭で2人でバンドをやることになった。もともと音楽をやっていた私たちは先生に勧められてバンド組むことになった。私は嫌だったんだけど、美優紀が案外乗り気で「いいでぇ~💗」みたいな感じで引き受けたみたい。「あんたが、引き受けたんやろ。やることしっかりせえや」