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ヒトツメ百騎が、ササラの猪軍団に合流した。ヒトツメは、まさかの輝々星神であったが、ササラにはこれ以上の味方はいなかった。宇都志族の生きのこりである輝々星神とヒカネの君が、浅間の大蛇神(おおかかかみ)の守護隊となったのである。だが、そのことを知った浅間のカカナ神は、決して心から喜ぶことはなかった。ササラは、輝々星神の命に従って、敵陣を探ったが、すでに、千曲川の向こう岸には、ウノの兵が迫り、緊急を要していた。浅間の里は、穏やかならざる複雑な空気に包まれた。いよいよ、戦いの場は、千曲川を挟ん
縄文物語42もう一人の剣守(つるぎもり)ササラ率いる猪軍団が、浅間山の山麓を駆け抜ける。あめつちに命を懸けたササラの目には、見えるはずもないタマツミ屋形がはっきりと見えていた。右に浅間山の白い煙、左は千曲川のさざ波の光まで、全てが透き通って見えた。高台では、ヒトツメ百騎が、その様をジッと見ている。ヒトツメが狙う敵は、ウノである。いよいよ、浅間の守護神、猪頭ササラとの合流を決めたようである。ヒトツメは、ヒサグジが緋の剣の、もう一人の剣守(つるぎももり)であり、「いろかね」を操(あやつ
縄文物語39鬼神の生贄(いけにえ)ササラの屋形では、「緋の剣」が盗まれ、二人目の世継ぎ、弟若姫(おとわかひめ)もまた、命を奪われた。「緋の剣」を狙った闇の一味の襲撃は、ササラ屋形だけでなく、浅間の山里全体を恐怖に落とし入れた。肝心のササラとヒカネは、自らの不甲斐なさに、なすすべもなく、呆然として、自分をなくしつつあった。そんな時、全滅したはずの大力隊(おおちからたい)の生きのこりが、命からがらに、船戸(ふなど)を訪ねてやってきた。生首を捧げるクロ族の儀式、鬼神の生贄の様を知らせる為
縄文物語37タマツミの裏切りヒカネとアツミ一族が懸命に探し求めていたた輝々星神(かがほしのかみ)は、山賊ヒトツメであった。輝々星神(かがほしのかみ)は、山賊の名を騙り、秘かに浅間の蛇神の里を守ってきたのである。ヒトツメは、まず、浅間の里を狙うウノに立ち向かった。さらには、科の川を支配し、浅間の里を狙う高志のタマツミとも戦っていた。しかも、科の川の流域では、火の神を祀る火焔の神壺を巡り、千年の時を超えて、新たな戦いが始まろうとしていた。[本編]四.守りの者たち(一
縄文物語36山賊ヒトツメか、ヒトツメの君か第三の剣、蒼色根之剣(あおいろねのつるぎ)を背に負うて、ハヤニタは、ひかねとめの最後の言葉と剣を渡すために、是非にも、ヒトツメの君に会わねばならない。ヒトツメの君が何者であるかは、問題ではなかった。背中の剣は、ヒカネトメとその一族の魂であり、生きざまそのものであった。ハヤニタは、ひかねとめ一族の魂を背負っていたのである。ハヤニタの涙カネハバキとハヤニタは、茅場の里に向かう途中、いきなり背後から襲われ意識を失った。連れてこられたのは、
縄文物語35神剣の威力新しい「いろかねの剣」は、ヒカネトメ衆の命と引き換えにこの世にあらわれた。しかし、頭のヒカネトメは、新しい剣をヒトツメに届けよとハヤニタに託した。ヒトツメとは、今や、浅間では、ウノよりも残忍な山賊として恐れられるヒトツメのことであろうか。ハヤニタにも迷い心はあった。この数日間、緊迫した日々を共に過ごしたことで、ヒカネトメ衆の魂を無駄にしてはならないとの思いは強かった。その思いに後押しされるようにして、ハヤニタは外に出た。[本編]ハヤニタの奇跡
縄文物語34ひかねとめの最後謎の「ひかねとめ」が、遂に、その姿を現した。ヒサグジが夢にまでみた「ひかねとめ」である。天翔ける石「いろかね」を各地から集める集団、その「ひかねとめ」の拠点は浅間山の山麓にあった。信州長野に「氷銫斗売神社(ひがねとめじんじゃ)」という古い社(やしろ)が今もあるが、その元は、浅間山麓にある「ひかねとめ」の隠れ里にあったのではなかろうか。隠れ里の近くの地下洞窟には、いろかねを、イロカネの剣に変える天然の炉があり、そばの磐座(いわくら)には、今も、天翔ける石
縄文物語33千年の剣不老不死、常若神(とこわかのかみ)は、鬼姫山(おにひめやま)に封印され、その原始の森に隠れてしまった。一方、「緋の剣」を手にしたヒサグジは、満面の笑みを浮かべて、千年の陶酔に浸っていた。これで、火の神クロオシを蘇らせることができる。自信に満ちた表情で、すぐに、ウノの屋形に語り部を送った。だが、浅間の山では、もう一つの剣が、この世に姿を現わそうと、その時を待っていた。[本編]至福のヒサグジヒサグジは、久々に背筋(せすじ)が走った。呼吸を整えたが、身
縄文物語32鬼姫山かつて、天之尾羽張剣(おわはりのつるぎ)と呼ばれた「緋の剣」。緋緋いろかねを原石とする「緋の剣」。千年の約束のしるしとして浅間に守られる「緋の剣」。このササラが守る「緋の剣」は奪われ、屋形は、上よ下への大混乱となった。猪頭(ししがしら)一族、千年の城は、砂の城となるのか。風が吹くたびに、その形は消えている。ササラの親衛隊長は、賊を逃すまいと、外の守り兵をすべて屋形の内に入れて探した。外では、石津見(いしつみ)率いるアツミ隊が、蟻一匹通してはならじと、探索に当たっている。
縄文物語31不老不死、常若(とこわか)の神飛騨の山中に、宇麻志の原始神(げんしのかみ)が現われた。地震と噴火と洪水で命の原始(げんし)と言われる隠れ里が消えた。「千年(ちとせ)の結び」を守るために、命の原始が黄泉の国から現れたのであろうか。女ハバキのユウは、その原始の里からやってきたらしい。原始の命とは、不老不死で、常若(とこわか)の神とも伝えられ、女神(めがみ)であり、男神(おがみ)であるという。ハバキの勾玉は、原始の命とどのような関係にあるのであろうか。ユウは、弟ヤマト
縄文物語30「いろかね」の代償天翔ける石「緋緋いろかね」の取引が成立した。思いもかけぬハバキの勾玉に、女ハバキ、ユウは心を奪われた。「いろかね」は、「緋の剣」の原石である。ヒサグジは、ササラが守る「緋の剣」も欲しいが、剣の原石である「いろかね」は、のどから手が出るほどに欲しかった。トリノケは、ユウがもつ「いろかね」を是非にも手に入れなければならなかった。ころがユウは、急に干し肉や鹿の角ではなく、ハバキの首に掛かる勾玉と交換したいと言い出したのである。女ハバキユウが、こだわるハバキの
女ハバキのユウが持っていた「いろかね」は、かなり洗練されたものであった。鳥の毛(トリノケ)は、あの「天翔ける石」が、無造作にも麻袋の中に放り込まれてることに驚いた。やはり、山賊たちの目から注意を眩ますための気づかいがあったのでろう。鳥の毛(トリノケ)は、「いろかね」の取り引きと同時に、「ひかねとめ」の正体を探らねばならなかった。だが、ユウの関心は、連れて来た手下の首に掛けられた勾玉に心を奪われてしまった。[本編]女ハバキのユウ「お前さん、この前は、大事なところで気
縄文物語28隠し「いろかね」「いろかね」の噂は、浅間の里々に広まっていたが、大っぴらに口を開くものはいなかった。なにしろ、その莫大な報酬を狙う輩が、そこら中にうろついているのである。それを考えると、先日の鳥の毛(トリノケ)の芝居は、余りにも大胆であった。それにしても、大量の隠し「いろかね」が出てきた。やはり、姫神たちの間では、手持ちの「いろかね」を処分しないと、いつ襲われるかもしれないとの不安が迫っていたのであろう。鳥の毛(トリノケ)は、感がいい。「まだ、ある。」と確信があった。
縄文物語27姫神の宴(うたげ)浅間の大蛇神(おおかかかみ)カカナは、浅間九神の総元締(そうもとじ)めである。屋形の中には、カカナ神を守るための様々な役割がある。カカナ神が直接かかわる神祀りには、九つの蛇神(かかかみ)の里から、巫女姫神(みこひめかみ)がつき添うしきたりである。また、山々からは、珍しき薬草が奉納される。直属の薬師が何人もいて、生き死にの境にある人々を看病している。カカナ神に捧げられた、鳥、ケモノや粟、稗、木の実などの収穫物を分配するのは、若き姫神達の役目である。姫神たちは
縄文物語26いろかねの報酬天空から流れ落ちた、伝説の「緋緋いろかね」。鳥の毛(トリノケ)は、今度こそは取り逃がすまいと一芝居を打ったのだ。感のいいハバキである。ヒサグジが秘かに、いろかねを集めていることを知っての事であった。だが、その時までは、自分が「いろかね」と後々、深いかかわりを持つことになろうとは、考えてもいなかった。[本編]「いろかね」の感触ヒサグジと鳥の毛(トリノケ)、鳶飼い(トビカイ)の三人となったところで、鳥の毛(トリノケ)が、声を落して話を始めた。
千年のイロカネの噂は、浅間の山々で、秘かに広がっていた。千年に一度、天上から天落(あまお)ちる星のカケラを探す者たちがいるという。はぐれハバキを唆(そそのか)して、天翔ける石、「緋緋いろかね」を探しているらしい。ケタはずれの報酬に群がる山賊たちは多いが、その所在は謎である。ウノもイロカネを求める張本人であるのだが、思い通りの成果が上がらないままに、苛立ちを隠せないでいた。その様な時、浅間の山麓で大物のイロカネが発見されたとの知らせがあった。ウノは早速に、ことの真相を確かめるべく動き出した。
縄文物語24わが国には、太古の昔から、緋々色金(ひひいろかね)の伝説が残っている。石よりも固く、永遠に錆(さ)びない幻(まぼろし)の金属のことである。その一つに、天空の星屑(ほしくず)が地上に落下した「いろかね伝説」がある。千年に一度、箒星(ほうきぼし)のカケラが地上に降り注いだというものである。輝々星神(かがほしのかみ)が、すべてを投げうち、追うことになったのが、この箒星の「いろかね」であった。そもそも、天之尾羽張剣(あめのおわはりのつるぎ)と伊都之尾羽張剣(いつのおわはりのつるぎ)は
現実世界では、オリハルコンと、緋緋色金(ヒヒイロカネ)と、賢者の石が同じ物です。酸化アルミニウム(コランダム)が、聖書に「ガラスのような金(金属)」と称されて、どんな鉄よりも硬く、如何なる金属より熱に強く、内に火を閉じ込めた様な「賢者の石」と呼ばれる「サファイア」です。東急ハンズに20mmサイズの石が数千円で売っている。ボクは「アサオ工芸」で買っています。賢者の石は、見ていると「気」を練らせる。「気」とは「幽体」霊力を使う際の「幽体(魂が使う体)」を創る。
ルビーは普段こんな感じで所持しています。しまっといたら、ダメなんです。見ることで、緋緋色金は、賢者の石に成る。霊力を育てる宇宙の神秘の石です。サファイヤの色は何でも構いません。火を閉じ込めたような透明な金属です。それがThefire(サファイヤ)どんな金属よりも堅く火に強い緋緋色金です。オリハルコンとも言います。