綴方教室を観た。本作を見て高峰秀子を好きにならない観客は居ないだろう。『馬』の三百倍面白い。戦前の暮らしや生活習慣、当時の人の考え方なんかをじっくり見せてくれる。貧乏で毎日の米にも事欠く暮らしをしながら、文才に恵まれ、その日常を"綴り方"に書く主人公と、それを温かく見守る教師。懸命に生きようとするローティーンの高峰。実年齢14歳ではさすがに小6には見えないが、弟との喧嘩も自然だ。山本嘉次郎の演出力と言うよりは天才高峰秀子のお陰だろう。同監督の代表的な戦争映画はいずれも大味だ。実に80年以上前のフ