ブログ記事130件
4月16日(火)、国立文楽劇場で、第174回=開場40周年記念公演を見ました。第1部が『絵本太功記』。寛政11(1799)年7月、豊竹座で初演。作者は、近松柳、近松湖水軒、近松千葉軒。武智光秀(史実では、明智光秀)が、尾田春長(織田信長)を倒すという謀反を決意した天正10年6月1日から、真柴久吉(豊臣秀吉)との戦いに敗れ、小栗栖の竹藪で落命する13日までを、一日一段で描いています。で、全13段。それに『発端』がついて。長い長い作品なのですが、現在、歌舞伎では、『夕顔棚の段』『尼ヶ崎の
2022年正月も見た演目ですが今回は二条城配膳の段と夕顔棚の段・尼崎の段の間に千本通光秀館の段があるさてどんなお話でしょうか?二条城配膳の段二条城で勅使の饗応役の武智光秀と森の蘭丸尾田春長の命令で蘭丸はお膳を持って来た光秀の一子十次郎にお膳の内容を聞き「光秀の独断でするな」といちゃもんをつけるそこへ光秀が来て光秀と蘭丸と言い争いになるが陰で隠れて経緯を見ていた春長が2人を止めに入る「蘭丸の言うことは私の言うことだ」と蘭丸に光秀を鉄扇で打つように指示蘭丸に
国立文楽劇場での「絵本太功記」の続きは、お馴染みの「尼ケ崎」と、時々演じられる「夕顔棚」です。主殺しの息子が許せないながら、孫を気遣う老母さつき。義母と夫との板挟みに苦悩する、妻の操。ひたすら十次郎を想う、許婚の初菊。この女三人に愛されながら、非業の死を遂げる十次郎。そこに、主君殺しの十字架を背負って、自分を曲げずに、最後に愛情を爆発させる光秀。悲劇に向かう人物が揃ったところで、初夏の風物が涼し気な「夕顔棚」の段から。太夫のメリヤスによる、ツメ人形の何無妙法蓮華経が賑や
国立文楽劇場での、開場40周年記念公演。第一部と第三部に行ってきました。第一部は、秀吉の一代記の読本、「絵本太功記」です。秀吉が主役ながら、武智光秀の謀反を13日に凝縮し、1日1冊に割り当てたのが特徴。今回は、その中から4題。まずは、「二条城配膳」の段から。とーざい、とーう、とーざーい、で動き出したのが、蘭丸、尾田春永、浪花中納言、光秀。勅使饗応役の光秀の逆心を疑い、蘭丸に言いがかりを付けさせる春永。腹に据えかねて蘭丸に詰め寄る光秀を、こっそり見ていた春永が責め立てる
春は文楽。4月の国立文楽劇場は、呂太夫改め若太夫の襲名披露です。時は鎌倉時代。「和田合戦女舞鶴」の忠義心と母心を、どう語ってくれるのか。他にも、「絵本太功記」、「御所桜堀川夜討」などが揃いました。えっ、また、「釣女」。舞踊も、春ならではの彩りです。舞踊公演は、次々と演目が入れ替わり、いっぱい楽しめるのがうれしい。次世代の育成が、なんといっても大切です。6月は文楽鑑賞教室。その前の5月は、浪曲練声会です。浪曲は文楽劇場だけじゃな
今回は4月に続き5月の歌舞伎座の筋書を紹介したいと思います。大正8年5月歌舞伎座六代目中村傳九郎襲名披露演目:一、承久軍絵巻二、丹前朝比奈三、絵本太功記四、勧善懲悪孝子誉五、積恋雪関扉今回はタイトルにも書いた様に2ヶ月連続での襲名披露となり、初代中村芝鶴が中村勘三郎家に伝わる名跡である六代目中村傳九郎を、彼の実子である三代目中村歌之助が二代目中村芝鶴をそれぞれ襲名しました。傳九郎については下記のリンク先でほんの少し触れましたが改めて紹介したいと思います。傳
12月11日(日)、国立劇場小劇場、文楽鑑賞教室に行きました。12月19日(日)まで。第54回、です。日曜日とあって、ほぼ満席の活況。まずは、『解説文楽の魅力』。Aプロ、Bプロとあり、今日は、Bプロの日。吉田簑太郎による『人形』の解説。Aプロでは、『太夫』、『三味線』となります。吉田簑太郎をはじめとして、観客を引き込む解説の出来る人が増えました。歌舞伎でも、そうでしたが、正面からの解説を、ベテランの俳優がおこない、客席は、おしゃべりしたり、漫画を読んだり。しまいに、怒った俳
絵本太功記うちの師匠はしっぽがない(1)Amebaマンガ夕顔棚の段尼ヶ崎の片田舎にひとりの老母が住んでいました。京都の街では武智光秀が尾田春長の命を奪ったで大騒動になっています。真柴久吉が戻ってきて、武智光秀とひと合戦しないことには決着がつかないだろうと人々は噂をしていました。そんな老母が夕顔の手入れをしていると、二人の女性が訪ねてきました。武智光秀の妻、操みさおの前と、光秀の息子十次郎の嫁、初菊はつぎくでした。そんな二人を前にして、老母は「息子の光秀が主君を殺し、同じ館にい
玉の緒会課外活動のご案内長唄以外の趣味をみんなで楽しもうという【課外活動】今回は【文楽鑑賞】12月国立小劇場の文楽鑑賞教室「絵本太功記」を観に行きますまだ文楽を観たことのない方も、この機会にご一緒しませんか?解説:文楽の魅力絵本太功記:夕顔棚の段/尼ヶ崎の段★玉の緒会鑑賞の日★12月10日(土)14時開演~12月11日(日)11時開演〜◼️夕顔棚の段碩太夫・錦吾◼️尼ヶ崎の段(前)小住太夫・錦糸(後)芳穂太夫・清丈さつき/清十郎操/清五郎初菊/玉誉真柴久
日曜日は良い天気でしたな。山に登りたかったけど、いろいろ予定があったので行けず。代わりにワカテラスで銀河高原ビールです〜青が合ってる。さて、若手の研修発表会なるものに行って来ました。国立劇場文楽既成者研修発表会文楽若手会です〜年に4回しか東京公演のない文楽。こんなチャンスがあったとは。しかも安いし。そんなわけで国立劇場かなりお客が入ってる。私は1列目の端っこという、観にくい席で、開演国立劇場文楽既成者研修発表会第10回文楽若手会◆絵本太功記(えほんたいこう
6月の恒例、国立文楽劇場での、文楽若手会に行ってきました。次世代を担う若手技芸員が、大役に挑むのが特徴です。まずは、「絵本太功記」から、「夕顔棚」と「尼ヶ崎」の段。「夕顔棚」では、夕顔の実が生った棚と、花が咲いた鉢植えが、舞台に映えます。ここでの主役は、女たち。シャンと背筋が伸びた、光秀の母、さつきが場を仕切ります。操と初菊を諭す、光秀と旅の僧侶を捌く、十次郎と初菊の祝言を指揮する。同じ顔のかしらなのに、人形が段々と、表情豊かに役を演じているように見えてくる。準・
昨日2022年(令和4年)6月18日(土)大阪・国立文楽劇場で開催された「文楽若手会」に行ってきました。プログラムがいただけます。1時開演絵本太功記(えほんたいこうき) 夕顔棚 の段 尼 ヶ 崎の段摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ) 合邦住家の段二人禿(ににんかむろ)5時1分ごろ終演【雑感】大曲、あるいは難曲に定期公演では若手は主要な役にキャスティングされませ
若手の浪曲練成会を味わったあと、上方での次の楽しみは、文楽若手会です。文楽のホープが、「絵本太功記」と「摂州合邦辻」の、大曲に挑みます。夏休みには、ほっと肩の力を抜いて、親子劇場。「鈴の音」と「瓜子姫とあまんじゃく」で、文楽が好きになってくれたらいいですね。同じ時期に、名作劇場と題して、「心中天網島」。大人の時間を、たっぷりと味わいたい。6月に戻ると、五段目と六段目での、文楽鑑賞教室。定九郎と勘平の魅力をどうぞ。上方演芸特選会は、まさに上方ならでは。落語より
来月の4月文楽公演の第2部のチケットはすでに購入していたのですが…先週、各公演数席のみの半額チケットが販売されたので、欲張って第3部も買ってしまいました~前方の席ではないけれど、半額なので本当にありがたい~でもその前に…初春文楽公演(2022)の記録を残しておかないと…初春公演ならではのにらみ鯛芝居絵左から2つめが観劇した第2部の…絵本太功記二条城配膳の段/夕顔棚の段/尼ヶ崎の段幕があいた時には舞台上にはまだ誰
先月26日(水)に千穐楽を迎えた大阪・国立文楽劇場で開催された初春文楽公演をオンラインで鑑賞することができます。視聴期間を区切っての配信です。第1期は終わりまして、昨日から第2期が始まっています。好きな作品を選んで、お手頃価格で鑑賞できるのが、嬉しいところ。名作揃いの初春文楽公演、平成17年(2005年)1月以来の上演となった『戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)』は陽気な演目となっています。是非、ご自宅で、ご鑑賞ください。国立文楽劇場公式サイト【初
大阪日本橋「国立文楽劇場」にて、初春文楽公演、第一部、第二部、第三部を通しで鑑賞しました。普段は一人で観に行きますが、数年前の私同様、三浦しをんさんの『仏果を得ず』を読んで、生の文楽にどうしても触れてみたい!と切望する友人を伴っての大阪遠征。せっかくなので丸一日、どっぷり文楽漬けになろうじゃないかとの意気込みで劇場に到着すると、26日の千秋楽目前ながら、初春の名残を留める睨み鯛や紅白の花餅が、華やかに出迎えてくれました。第一部11時〜13時30分【寿式三番叟】新年を寿ぐお目出度い舞踊
お正月の香り漂う初春文楽公演へこの日は第二部◆絵本太功記歌舞伎でも観たことのない「二条城配膳の段」「尼ケ崎閑居」で光秀が額に傷がありますが、まさにその傷を受ける場面でしたそうなんや!蘭丸に切りつけられたんですね次の場面は間を飛ばして、春長を討ったあと歌舞伎でもよく上演される「夕顔棚の段」と「尼ケ崎の段」歌舞伎でいう「尼ケ崎閑居の場」歌舞伎では、さらに短いバージョンが多いので操と初菊が訪ねてくる場面。久吉が訪ねてくる場面も観ることができて、貴重でした!出陣
令和4年初春文楽公演に行きました。第2部です。ーーー公演期間2022年1月3日(月)~2022年1月26日(水)開演時間第1部午前11時(午後1時30分終演予定)第2部午後2時15分(午後4時40分終演予定)第3部午後5時30分(午後7時55分終演予定)休演日1月14日(金)令和4年初春文楽公演文楽座命名一五〇年第1部午前11時開演寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)寺入りの段寺子屋の段第2部
15日土曜は晴れて寒さも少し和らぎ、過ごしやすい一日だった。お正月も関西では今日まで。お飾りなどを片付けなくては。16日日曜は、和歌美先生の「文楽を観に行こう」会。一月は三部とも拝見する予定で、一部は4日に来ている。二部は絵本太功記で、二条城配膳、夕顔棚、尼ヶ崎。夕顔棚は懐かしい。30年ほど前、東京の義太夫協会の初心者講習会で、語りの部で習ったのだ。ちなみに三味線の方は野崎で、発表会ではぐだぐだになり、リベンジしなくてはと思っている。長唄でも野崎があるので(いつになることやら)。
『絵本太功記』尼ヶ崎の段でこんな場面があります。真柴久吉が、武智光秀に、こう言います。「時日を移さず山崎にて勝負の雌雄を決すべし。ガいかにいかに。」そして武智光秀は、こう返答します。「さすがの久吉よく言ったり。」現在、大阪・国立文楽劇場で上演中の『絵本太功記』尼ヶ崎の段にご出演中の豊竹呂太夫さんと鶴澤清介さんに1日だけの義太夫講座で、別々に習ったことがあります。その時教えていただいたのは「さすがの久吉よく言ったり。」のフレーズなのです
色々、制約もある状況の中、変異株による感染者数が一気に増えてきて悩むところですが、、、今年も例年通り、初観劇は、文楽でというか、この2年、文楽と加藤健一事務所の舞台だけがメインの観劇になっている。昨年は、野田地図「フェイクスピア」と劇団☆新感線「狐晴明九尾狩」は、なんとか観れたけれど。今年は気軽に自由に観たいものです・・・初春文楽公演。第二部『絵本太功記』、「二条城配膳の段~夕顔棚の段~尼ヶ崎の段」。普段、夕顔棚の段~尼ヶ崎の段が数多く上
2022年1月3日、初春文楽公演「絵本太功記/染模様妹背門松/戻駕色相肩」を観てきました第一部は寿式三番叟と菅原伝授手習鑑、第二部は絵本太功記、第三部は染模様妹背門松と戻駕色相肩で、公演期間は1月26日までとなっています。「絵本太功記」は前に淡路人形浄瑠璃で観て、エゲツない話だなと思ったのに、その時に上演してない段があったので、つい…二条城配膳の段を見て、織田信長は相手が本当に自分を裏切らないか、どこまで自分を受け入れるのか、試してしまうタイプだなと。そして、最終的に自滅しちゃった…。
現在、令和4年初春文楽公演第二部で『絵本太功記(えほんたいこうき』が上演中です。兵庫県尼崎市には豊臣秀吉ゆかりの土地・廣徳寺(広徳寺)があります。2018年5月14日(月)絵本太功記の舞台を歩く『尼崎で文楽散歩』を開催した時のブログをリンクしておきます。秀吉の「すり鉢とすりこぎ」(尼崎で文楽散歩その1-1)こちらの写真は再度、2021年9月5日、私が撮影したものです。**************アプリ「ヒマラヤ」でラジオを始め
正月3日は文楽初日11時からの第1部と14:15からの第2部に行ってきました昨日に続き晴天でしたコロナ禍で10時からの鏡開きも無し和服姿の男女が多かったです近くのコンビニで昼ごはんを買って同年代のご夫婦に玄関で写真を撮って貰いました久しぶりに入場するのに行列が出来ていて並びましたよ開演時間に間に合うか心配になるくらいでしたロビーの鏡餅舞台の上方の睨み鯛と寅の習字正月だけの飾りです2022年初日第1部満席始まる時の拍手の大きさが最近になく大きかった満席の
新年明けましておめでとうございます。人形浄瑠璃文楽の豊竹咲寿太夫でございます。新年明けましておめでとうございます。コロナの中の公演を2年過ごし、試行錯誤の中で体勢も整えながら公演を続けてまいりました。本年も探り探りになるかとは思いますが、皆様のご後援をどうぞお願いいたします。初春公演は毎年大阪で上演いたしております。今回、私は明智光秀の隠された物語「絵本太功記」の「二条城配膳の段」におきまして、キーキャラクターとなる森蘭丸をつとめさせていただきます。こちらのお芝居は人形浄瑠璃文楽が
今更雑感シリーズもうすぐ年末なのに、4月のこと(笑)実はあんまり好きじゃない演目。梅玉さんと康雄ちゃんの【団子売】とセットだから、仕方ないなぁと思いつつチケットをポチッと。←失礼。最近芝翫さんがどうも苦手になってきていて、その他の方はとっても好きなのに……と。。←失礼②別に実生活とかをどうこう言うつもりは更々無いし(←そんな事言ってたら康雄ちゃんのファンなんて出来ません(爆))単純に、なんかぐわーーーっと大袈裟な感じが上手く自分に馴染まないのかもしれない。芝翫さんを襲名するくらいから、
9月18日(土)に早くも令和4年初春文楽公演の演目が発表になりました。来年のお正月は、こちらの演目です。おめでたい『寿式三番叟』で幕開け。第3部の『戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)』は、平成17年(2005年)以来の上演となる珍しい演目です。どうぞ、来年のご予定に入れておいてください。初春文楽公演第1部午前11時開演寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)寺入りの段寺子屋の
大人気展覧会あやしい絵展が開催中の大阪歴史博物館ですが、私は「あやしい絵展+常設展示券のセット券」をオススメします。まずお値段的にもお得です。通常あやしい絵展当日券1,500円常設展示チケット700円合計2,200円になるところを1,950円になるのです。そして、展示品に関しても、見ごたえがあります。2点紹介させていただきます。1つめ、特別展の「あやしい絵展」に合わせて常設展示の展示替えがあったと思われます。私が前に来た時には展示していませんでしたし、「
この錦絵を見ると文楽の舞台がパーッと頭の中に浮かびます。〽月漏る片庇(かたびさし)ここに刈り取る真柴垣(ましばがき)、夕顔棚のこなたより、現れ出でたる武智光秀文楽、歌舞伎の『絵本太功記(たいこうき)』では、明智光秀が武智光秀、羽柴秀吉が真柴久吉として登場します。キャプションを、そのまま引用させていただきます。国周(くにちか)絵本太功記十段目一面明治期の役者絵の第一人者豊原国周が描き、明治4(1871)年に刊行さ
24日(土)に四月大歌舞伎第二部第三部観て参りました。突然の千穐楽ですよ。***第二部絵本太功記梅枝さんの初菊見たくて楽しみにしていました。十次郎に、鎧櫃をもってこいと言われても、ひとつひとつの部品(?)を持ち上げるのだってやっとなのに鎧櫃ごと運べ、と言われたらそりゃ躊躇っちゃいますよねとか、心の中で茶々入れつつ鑑賞手弱女感は無いけど、武家のおひーさんとしての耐える姿に泣かされました。光秀と久吉