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緊急事態宣言です。個人的な意見ですが、緊張感がなくなり無意味になっている一方で、どうにか守らせようと、同調圧力で嫌がらせや誹謗中傷を拡散する流れも増えているような気がします。太平洋戦争中、隣組っていう曲がありました。「この世界の片隅で」で知った人も多いでしょう。曲自体は「ドリフ大爆笑」でおなじみです。いってみれば【難局を乗り切るための相互扶助】の曲なんですが、この隣組制度が不当な赤狩り(共産主義者狩り)の温床になっていました。なんだか最近のこのネットを使った匿名同士の
【架空のお話#2】#オリンピック反対これはどこかの世界の架空の物語。とある小国に一人のアスリートがいた。彼の才能は世界で通用できるほどに長けていた。しかし彼の国は貧しく、満足な練習もできなかったが、様々な人に支えられ、彼は力をつけていった。国民の後押しもあって彼は唯一のオリンピック選手になった。彼は国の英雄だった。国民は彼に自分を投影し、政府は全面的に彼を支援し応援した。彼の国にとって「参加することに意義がある」という言葉は、そのままの意味で実感されるものだった。パンデミック
【架空のお話#1】#オリンピック反対これはどこかの世界の架空の物語。とある小国に一人のアスリートがいた。彼の才能は世界で通用できるほどに長けていた。しかし彼の国は貧しく、満足な練習もできなかったが、様々な人に支えられ、彼は力をつけていった。国民の後押しもあって彼は唯一のオリンピック選手になった。彼は国の英雄だった。国民は彼に自分を投影し、政府は全面的に彼を支援し応援した。彼の国にとって「参加することに意義がある」という言葉は、そのままの意味で実感されるものだっ
オリンピックが始まる・・・。2013年に開催地が東京に決まった時、街頭で配っていた号外新聞を最近まで大事に持っていた。『これは盛り上がるぞ!景気も良くなるに違いない!明るい未来がここから加速するだろうな!』世の中は2011年3.11の傷跡もまだ残っていて、大勢の人が希望と期待を胸に概ね歓迎ムードだった気がする。当然、その当初から反対の声をあげたいた人も多くいた。その後、五輪開催地としての盛り上がりは、企業の販売促進活用に向けられ、そこで私はオリンピック関連の使用制約について
「調査隊が着くのはまだ先よ」怪訝そうな顔でクラウスが振り返る。「どういうことだ?」「問題が生じているとされた座標軸を違うところに設定したからね。それに終息の報告もまだ転送していない」彼はルーシーに向き直ると声を上げた。「何を勝手なことをしている。そんなことをしたらどうなるか分かっているのか?」パワードスーツの上からでは、ルーシーの表情は窺い知れない。激しい狼狽がクラウスを襲った。今まで吹いていた砂嵐も今は止み、砂丘の稜線に沈もうとしている太陽の斜光がゆっくり
「簡単に言えばそういうことね」危機状況下での自己防衛機能が個体ごとにに強化されるのならば、それは戦場において部隊の損害を最小限に食い止めることができる。そしてそれは大いにありがたいことである。しかしそのことと、今回の暴走とどう関係があるのか?「今、世界で感情学習機能を備えたアンドロイド達が、人のパートナーとして認められてきているわね。人の持つ感情の機微を学び、より繊細な心の結びつきを表現できる優れた人工知能のおかげだわ」たしかにそうともいえるだろう。実際、時折ル
[G確認」D-13から連絡が入る。クラウスも砂塵が舞う視界不良の中で、微かにそのパワードスーツのシルエットを確認した。クラウスは距離を保ち視認できる位置から彼の追尾を続けた。その先に難民キャンプのテントがぼんやりと見える。不意にその時ヘッドフォンから何やら声が聞こえた。(ママ…)呟くようなノイズまじりの声がクラウスの耳に届く。何か心をかき乱すような嫌な予感が彼を襲う。Georgeがキャンプから少し離れた所に止まると、クラウスとDavidもその距離を保ったままその場で止まった。Gをリ
忌々しくも甘美で、陰鬱で淫靡な記憶。そんな記憶が鍵をかけた記憶の扉から滲み出ようとしている。あの壊れたトレーラーハウスを、指示を無視して破壊したエドを見た時、自分はどこか晴れやかな気分になりはしなかったか?トレーラーハウスは自堕落な父の象徴だった。そんな父を自分の中から消し去り、今までの暗い記憶を精算できた気がしたのではないか?これで自分の過去を知る者は誰もいなくなった。ローティーンまでの沈鬱で何もできない男の記憶は全て消去された。クラウスの過去の暗い記憶は人工
彼は飛び起きて時計を見た。ついウトウトして浅い眠りについていたのか、ほんの十数分しか経っていない。何とも言えない淡い恍惚感が彼を包んでいる。夢精するまでではないが、久しぶりに痛いくらいの勃起感を感じる。そして何故かブルッと悪寒が走り、意識の奥底に眠る恐怖心も湧き出て来る。おかしな夢でも見たのだろうか?まだ30分も経っていない。彼は装備を脱ぎ、改めてシャワーを浴びに行った。まだ待機の解除は出ていない。そんな昔日の思いに囚われている時ではない。クラウスはシャワーから上がると
今日の行動履歴と指示記録を抜き出し、本日待機の部隊にそのデータチェックを任せる。そのための二部隊制だ。不具合が見つかれば互いに検査し合い、修正を施す。検査報告書を検閲しながら、考察必要な箇所を暗号化し本部の情報部隊へ転送する。今日の部隊は本部からの連絡が入るまで待機することになる。クラウスはすべてのチェックと転送を終えると、冷め切ったコーヒーを飲み干した。大きくため息をついて身を沈めたレザーソファーの表面には、どこから入り込んだのか、細かい砂がうっすらと積もっている。そのザ
頽廃した街並みを探索する。2ヶ月前にテロリストの攻撃を受け壊滅した街。その後拠点となり、いくつもの戦闘が行われた場所。多くの人が死に、この街から離れて行った。道には薬莢が転がり、不発弾が転がっている。それを集め、処分してまた人がこの街に戻れるように作業をしている。不発弾や地雷の爆破、トラップの排除など人の手ではいくら時間と人を投入しても元に戻るまで100年はかかるだろう。しかしAI搭載のパワードスーツを揃えた装甲騎兵隊であるクラウスの部隊ならば、その作業時間を大幅に短縮できる。AI
「何事もなければ、ようやく朝まで自分の時間が取れそうだな」クラウスがそう呟くと、「少佐は、作戦が決行されてから今日まで十分な睡眠が取れていません」とルーシーは咎めるような口ぶりで返した。「わかってる」「不十分な睡眠は判断能力の低下につながります。それはひいては…」「わかった、わかった。お袋のようなことを言うな」彼は椅子にもたれかかり、大きくため息をつくと、腕を組んで呆れた顔で発信機の明滅するシグナルを見つめた。「これ以降、特に特別秘匿事項など重要な案件以外はお前たちで処理を任
ある国で内乱が起きた。一党独裁による権力集中、利権の独占。富の偏り、民衆の不満。反政府ゲリラの横行。軍部の叛乱による議会の占拠時代に逆行するその内乱は、国際社会に懸念を与えた。円滑な通商の妨害。軍部の暴走。他国への揺さぶり。国際平和に重大な問題があると判断した安全保障理事会は国連軍による軍事介入を容認した。速やかに作戦は決行され、軍部の議会占拠から4日後に内乱が平定されると、体制が整うまでその国は国連の監視下に置かれた。しかし、一度ついた火種はすぐに消えるはずもなく、
パパ、ママ僕を置いて行かないで僕からパパとママを奪わないで…舞い上がった砂塵は、一帯を深く包み込み昼なのにライトをつけなければ相手の場所もわからない。目視できる範囲はおそらく半径1mもないだろう。「少佐、M-16地区に生命反応を確認しました」「わかった。エドとクリスは引き続き偵察を続けてくれ、俺とデイビットはそちらに向かう」「ラジャ」クラウスは自身の装甲を高速移動モードに切り替え、目的の場所へと急いだテロリストの潜伏先。巧みにカモフラージュされたその建造物の破壊。ピン
【伝奇小説】Psy-borg〜楠木正成異聞〜⑩「事を構えるなと言っておいたはずだ」赤城城より北東の位置にある山城の屋敷。すっかりと夜も更けて、闇夜が周りを取り囲んでいるが、その部屋には明かりの一つもない。灯り窓が一つもないその部屋は、漆黒の闇に包まれている。台座の上から報告をしにきた男達を見下ろし、足元の板の間が震えるような低い声で叱責した。「十分に注意をしておいたのですが、幾分知恵足らずゆえ、しばらく目を離した隙に…」「言い訳はいらん」暗闇の中ただ声のみが鼓膜に響く。日頃目に見
文観は小さく頷くと、また言葉を続けた。「己の仏業修行を続けるべく師と別れたのは、15年も前の事。それからの事は私もよくわからぬ。師が亡くなり、そこに集いし者たちも四散してしまったと聞く。とはいえ不具者の集まり。巷間に紛れて何事もなく生きていけるわけではない。そのまま乞食になるか、見世物として慰み者になる他ない。故に何人かは早々に徒党を組み寺を出て、野盗へと成り下がったと聞く」「それが、金剛山に巣食う異形の者たちだというのか?」「わしはそう睨んでおる。播磨国では異形の面を被った者
「七郎。そんなに慌てて、何があった」正季は声をかけるより先に戸を開け、中に入ってきたが、文観の姿をみるとばつが悪そうに居ずまいを正して正成の前に座った。しばらく客人の前で話すのを逡巡していた様子だったが、正成が「構わぬ申せ」と言うと文観に一礼して話し始めた。「客人の前で失礼致す。先程探りを入れさせていた者が、北東の七代口の滝で面を被った不審者を見つけ、同行を迫りましたところ、いきなり切りつけられましてございます」正季は文観が気になるのか、その先を続けようとしない。正成は文観に向かい
御輿から降ろされ、役にも立たない手足や仮面をつけられて飾り付けられる。祭壇にあげられ、祀られる。崇め奉られて、供物が捧げられている。生きているのに私は意識の水底から一旦水面に上がってきた。一体奴らは何をやっているんだろう。頭領らしき男が何やら皆に向けて話している。「ここにおわす唐童子様は、この世の全ての因をご存知だ。童子様の言に従えば、我ら傀儡衆が世に出ることが叶うのだ」意識の波長を合わせれば、頭の中に彼が見ている情景が浮かんでくる。腕を持たぬ者、足を持たぬ者、目が見えぬ者。
鎌倉末期、二度の元寇により幕府は酷く疲弊していた。恩賞の望めぬその戦に駆り出された御家人たちにも同じことが言えた。多くは貧窮し、高利貸しが横行して没落するものが後を絶たず、幕府が出した弘安、永仁の二度の徳政令も結局は彼らの救済とはならなかった。回収の目処も立たない高利貸しも次第に武士たちに資金を貸さなくなり、御家人たちはさらに困窮していった。時の執権、北条高時は政にまるで興味がないように遊興にのめり込み、幕府自体がその求心力を失い、機能していない状態だった。そんな状況の中、独自の経
突然ポチャんと音を立てて何かが落ちてきた。ごく稀に私のいる場所まで潜ってくるものがいる。私にはそれが見えるが、相手は私を見ることも、感じることもできない。人は誰でもこの深層に入ってこれる。ただ、誰もそこに留まって水面を見ようとしない。(仕方ないのだよ、まだ誰もこの集団無意識によって互いが繋がっていることを知らないのだから)ルシファーがそう言った。(魂が一つに繋がっていると意識できれば、人はこんなにも互いに傷つけ合うことなど、なかった)そう言って彼は悲しげな目をした。ここ河内から
その瞬間、体が一気に降下し始め、強い衝撃とともに自分の体に戻ってきた。小さく祝詞が聴こえてくる。規則正しく鈴の音が鳴り響いている。それに合わせてゆっくりと呼吸を整える。視界が元に戻り、祭壇の前でひたすらに鈴を鳴らし神楽を踊っている久女が見えた。正成の魂が、その不可思議な現世と幽世との狭間の旅路から戻ってきたのに合わせるように、久女はゆっくりと祭壇の前に立つと祝詞をあげ始めた。「ひふみよいむなやこともちろらねしきるゆゐつわぬそをたはめくかうおえにさりへてのますあせゑほれけ
白装束に身を包み、不動の滝で身を清めて禊を済ました正成は、正遠と観心寺住職、浄信とともに神域の奥の大楠へと向かった。すでに儀式の準備が済み、篝火と幕間が用意されていた。立会人は叔父、大叔父と父正遠、そして浄信の4名のみ。正成は一旦幕間の前で大きく深呼吸をすると、中へと入った。その後に正遠らが続く。煌々と篝火に照らし出された大楠の元に一人の巫女が佇んでいた。よく見ればまだ幼さの残る子供のように見える。しかしその様子は落ち着いており、篝火の具合によっては随分と大人びて見えた。「飛鳥伽婆
匣の中に入れられ何もできずに運ばれるできぬのではない何もしたくないのだ私は水底から、水面に浮かぶ泡が生まれては消え、消えては浮かぶ肉体の時の呪縛の中で起こる喧騒を眺めている誰一人ここまで潜ってくる者はいない深淵より問いかける者は誰もいない全ては同じ海でつながっているのに何故にそれを感じる事ができないのか孤独。孤独が無力を私に与えいつしか私はこの世に広がる意識の海洋の深淵でただ運ばれている。葛城山の稜線を、龍が空を泳ぐように光が波打ちながら広がってゆく。多聞丸は
【SF小説】Psy-Borg~静寂18~―PROLOGUE―一体のウォーロイドが横たわっている。活動を止めた彼等はいつも直立した姿で運び込まれる。しかし、いまアイの前に置かれている彼は、膝を曲げ、腕を前に出し、手は何かをつかもうと指を曲げている。本来飾りであるはずの口は大きく開かれ、両目は見開かれている。回収班によると、どうしてもこの体勢を解くことができず、そのまま持ってきたという。彼女はボディからブラックボックスを取り出し、PCにつなげる。
【SF小説】Psy-Borg~静寂⑰~私という現象。複数の個体を有した一つの集合意識。今の地球人から見れば、その時の私は複数の人の集まりに見えただろう。個体という制限された範囲の中で経験し、習得した事柄を一つの意識で共有していく。それを繰り返しながら他者意識との融合を行いう。そして、その星の寿命の中で、その星系全ての意識としてアカシアに溶け込んでいくのだ。それがこの宇宙全体の摂理だ。だが、惑星と衛星、お互いの重力の影響で、共に自転周期を狂わせた
【SF小説】Psy-Borg~静寂⑯~地球が持つ唯一の衛星。月地球が産まれた遥か昔から宇宙に漂っていたこの衛星は、おそらくは我々と同じ運命を辿った種族の遺産であろうことは既に調査で分かっていた。月自体は、その種族が住んでいた惑星の人工衛星や宇宙ステーションだったのか、それとも外宇宙に出るための船だったのか、それを知ることはできない。そこに彼らの残留思念はすでになかった。我々が推測できることは、我々がうけた母星の運命のように、この衛星を利用していた惑星は、あの宇宙
【SF小説】Psy-Borg~静寂⑮~―OVERLOAD―遠い昔、私たちはこの星に降り立った。宇宙を二分する闇と光の秩序。光は聖ではなく、闇も邪ではない。宇宙そのものがその二つで成り立っている。私たちはその胎動に抗うことはできない。私たちの恒星系はその流れの中で闇に飲まれ、新たなる住処を探し、放浪している。先発隊である我々がこの星を見つけた時、その過剰すぎる命の数にいい知れぬ興味を覚えた。そして、ここを我々の次の住処の候補として選んだ。しかし、我々はここの命達
【SF小説】Psy-Borg~静寂⑭~ケイはその場で崩れ落ちる。ああ、何もかも動かない、このまま死んでいく死んでいく。死んだら俺はどこにいく神の国か地獄か?誰かそこまで導いてくれるのか?俺の魂は救済されるのか?薄れゆく意識の中で、彼は相手のウォーロイドの上に飛翔する天使を見た。意識の最後に、言いようのない怒りが彼を包む。くそったれ!神はただの戦闘人形に祝福を与えるというのか!呪ってやるこの神が支配するこの世界すべてを!天使、この世の全
【SF小説】Psy-Borg~静寂⑬~ケイは岩影に隠れ、弾を避ける。(なんだあいつは。仲間はもう中枢センターを制圧できたのか?そんな連絡は来ていない。それとも失敗して別プログラムが発動したのか?本体自体のバグなのか?)こちらはショットガンだけだ、連写はできない。銃弾を止むのを待つしかない。(本体のバグならば倒すことは簡単か。いや、行動パターンが読めない分慎重にいかなければ)連射が止む、敵は焦ったように大きく体を揺らしながらあちこち動き回る。立ったり、しゃがんだ
【SF小説】Psy-Borg~静寂⑫~転ケイは息を飲んで、静かに草叢に身を潜める。きっと裏手から回ってくるやつがいるはずだ。風にそよぐ葉が肌に触れるたびにむず痒さが走る。視界に集中しなければ一瞬でやられる。五感を研ぎ澄ます頭脳―ウォーロイドを制御する中央コントロールシステム―を制圧するまでの時間稼ぎ、制圧が出来なければ殲滅させられる。村人に退避を勧告していない。カモフラージュを解くことは制圧されるリスクも大きくなるからだ。狂っている。人すらも、戦闘を優位に運ぶ為のピー