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歌川広重・東海道五十三次「蒲原」の版画は、実は原画が2パターンあるのです。当時の版元の違いにより発行されたものです。いずれもしんしんと降り続く雪の中を、旅人が黙々と歩く場面ですが、暗闇の程度を変えているのです。空を漆黒の闇にしたものと、幾分明るく夕闇にしているものです。箔飾画制作では、基本的に空を純金箔で示し、降り積もった雪を純銀箔で表現しました。そして、家の周辺の暗闇を濃紺の箔と箔粉で描いたのです。降り続ける雪や足跡は、銀粉を使っています。また、旅人がさしている唐傘、杖、
・箔粉箔分とは文字通り箔を粉末状にしたものです。銀箔に着色して細かく粉砕して作ります。箔分は箔では表現できないぼかしなどに用います。家紋などには使いませんが、浮世絵の絵柄には必ず使うものです。使い方はいろいろありますが、接着剤を塗布したガラス面に指で押しつけて塗布していきます。ぼかし程度により箔分の量が異なります。
シェットランド・シープ・ドッグの女の子と浮世絵額を撮影しました‼浮世絵額は葛飾北斎の版画「富嶽三十六景」のうち、【山下白雨】です。幽玄な富士の裾野と雪の山頂、中間に雲を配した構図に、鮮烈な稲光が走った北斎の図はすごいですね‼空と稲光を純金箔で、雲を銀箔で、その他の箇所は色箔や箔紛を用いた箔飾画で再現してみました。
個人の趣味での材料入手が難しかった頃浮世絵や家紋に箔を用いて作品に仕上げるという手法を学んだおかげでいろいろなものに挑戦しました。浮世絵は葛飾北斎の絵が好きだったこともあり「富嶽三十六景」の中から題材を選んだのです。そのほかには、喜多川歌麿の美人画、や歌川広重の東海道五十三次などです。その昔、集英社が刊行した「浮世絵大系」全17巻を購入して座右に置いて浮世絵の原画としました。しかし、ここで困難な事態に遭遇したのです。それは何かと言いますと材料入手が難しい