ブログ記事125件
国立文楽劇場での、開場40周年記念の文楽公演。いよいよ、第三部のキリで「増補大江山」です。人気の「酒呑童子」ものをベースにした、常磐津舞踊「戻橋」を、黙阿弥が文楽にうつした作。「去んゆる頃より洛中へ、悪鬼現れ人を取り、夜は行き来の人もなし」災いをなす悪鬼を退治しようと、一条戻り橋にやってたのは、渡辺綱。お供は、右源太と左源太。いかにも怪しげな雰囲気ですが、コンパクトな文楽の劇場では、少し迫力不足かも。そこは、綱を遣う玉助が、存在感たっぷりに見せる。右源太と左源太は、玉誉と
2月10日(土)、日本青年館ホールで、文楽の二月公演、その第一部を見ました。12時開演。最初の演目は、『二人三番叟』。もともとは、猿楽の『式三番』。現在の、能の『翁』。翁と、千歳が登場し、3番目に現れるので、『三番叟』。そのうちの、翁と、千歳を省いての演目。天下泰平、五穀豊穣を祈願し。で、二人の三番叟が、激しい動きのなかで、疲れ、サボり。片方が、それをとがめ。という、やり取りのおもしろさ。やがて、「治まる御代こそめでたけれ」と、舞いおさめ。祝典の演目。三番叟を、睦太夫
第一三七回=開場三十周年記念文楽公演平成二十七年一月十九日国立文楽劇場『彦山権現誓助剣』六助豊竹松香太夫弾正竹本津國太夫中豊竹咲甫太夫鶴澤清介切豊竹咲太夫鶴澤燕三毛谷村六助吉田玉女お園吉田和生弾正実は京極内匠吉田玉輝弥三松吉田簑次お幸吉田和生☆初代豊竹咲甫太夫→六代目竹本織太夫吉田玉女→二代目吉田玉男☆六助は、弾正の孝
1月17日(水)、国立文楽劇場の文楽公演。その第三部。17時30分の開演。最初の演目は、『平家女護島(へいけにょごのしま)』。近松門左衛門の作。享保4(1719)年、竹本座初演。五段の時代物。「権勢を誇る平家に苦しめられた人々の姿、暴虐の限りを尽くす清盛の末路などが描かれます。」(プログラムの『鑑賞ガイド』)で、今回上演の『鬼界が島の段』は、二段目の切。「『平家物語』や謡曲『俊寛』に描かれた、平家への反逆の罪に問われ、配流されたまま許されなかった俊寛僧都の悲劇に、千鳥というか島の
平家女護島(へいけにょごのしま)鬼界が島の段竹本織太夫鶴澤燕三歌舞伎の『俊寛』は昨年7月松竹座で見た仁左衛門の俊寛が記憶に新しい能がかりの織太夫の重厚な語りから始まる舞台は浜辺歌舞伎のような俊寛の庵はない下手の奥に崖があり下手の小幕の前に芦が10本ほど生えている背景は海上手から杖をついて俊寛(玉男)が出てくる体力が落ちてやつれた感じ下手の崖の上から蔦を握りながらズリズリ危なっかしく降りてくる平判官康頼下手小幕から出てくる丹波少将成経3人は舞台中央で手に手を取
土曜日は今年初の大阪遠征。しかし決めたのは一週間前。年末に迷っていたんだけど、『やりたいことは、やる!』『会いたい人には、会う』コレが今年のモットー(の一つ)。なので、聴きたい三味線・鶴澤燕三さんの出演する演目を、ごく間近で聴く!というのが今回のメインテーマ。いつもの生玉さん(生國魂神社)にお詣りした後、いざ!国立文楽劇場へ!さすが新年あちらこちらが寿いておりますザ・お正月どこもかしこもウキウキ気分第三部の席。この金屏風向こう側から、太夫さんと三味線さんがくるりっ、と
国立文楽劇場の11月文楽公演は、第2部に続いて第3部の「冥途の飛脚」です。近松門左衛門作でも。歌舞伎でお馴染みの「恋飛脚大和往来」や、「傾城恋飛脚」とは違った筋。敵役が登場しない。八右衛門は、忠兵衛を罠にはめず、友だち思いのいい奴(結果は同じですが)。忠兵衛を気遣う治右衛門や、おえんさんも出てこないので、忠兵衛と梅川の切羽詰まった様子が際立つ。天井裏のねずみも、ちゅーさんちゅーさんと大好きな忠兵衛は、いらちで粗忽な性格が目立つ。その分、運命に逆らわずに、恋の行く末の死を選ぶ梅
11月文楽公演第3部『冥土の飛脚』淡路町の段の聞きどころはやはり「おいてくれう」「いて退けう」のところ今回は織太夫さん(前回は師匠の咲太夫さんでした)床本では「おいてくれう」「いて退けう」ですが太夫さんの発音は「おいてくりょ」「いてのきょう」おいてくりょおいてくりょおいてくりょうか?いてのきょいてのきょいてのきょうか?忠兵衛を遣うのは勘十郎さんか?のところで足遣いさんがそっと足を出す(国立文楽劇場のXより引用)「いてのきょうお
今年も日本経済新聞社の文楽イベントが開催されることが発表されました。公式ホームページを引用させていただきます。<近松門左衛門の魅力に迫る>今年は、文楽の礎を築いた江戸時代の浄瑠璃作者、近松門左衛門の生誕370年及び300回忌に当たります。第一部では、「文楽のいろは」と題して、太夫・三味線・人形の解説と実演。第二部では、元宝塚歌劇団トップスターの壮一帆さんをお招きし、文楽人形遣いの人間国宝桐竹勘十郎さんとの対談をお楽しみいただきます。開催日時2023/11/30(木)
夢枕版『怪談牡丹灯籠』白石加代子×神田伯山+邦楽コラボレーション開催のお知らせ/ニュース/六代目神田伯山オフィシャルサイト-講談師/かんだはくざんwww.kandahakuzan.jp怪談牡丹灯籠講談の神田伯山、百物語の白石加代子、文楽義太夫織太夫、清元、常磐津の異種格闘技のようなラインナップなのに、不思議な一体感織太夫さんの語りに圧倒されたので北千住に文楽公演観に行くぞ!栄寿太夫で美声を尾上右近の人形振りで身体表現を堪能伯山先生の締めの迫力よ😆
今日は舞浜に来ています年に2回ある全日本アマプロ選手権。4時起きです。眠い。今日も一日頑張ろー。最近、浪曲師の真山隼人さんのファンになり、寝る時にも“大黒屋光太夫”を聴いています。生徒さんは浪曲に馴染みのある世代なので、昔の浪曲師の名前を言われたりしますが、全然分からない。私にとって浪曲師といえば真山隼人さん。真山さんを聴ける公演を探しまくっています。そもそも関西の人だし、伝統芸能は高齢者がメイン客層なので平日の昼間とかの公演が多いし、なかなか行けませんが、頑張って年内にあと4
『曾根崎心中』作近松門左衛門徳兵衛は望まない縁談の結納金二貫を受け取って借金を頼んで来た友九平次に貸した。返済期日を三日過ぎても油屋の九平次は返さない。生玉社前で恋人の天満屋お初に銀(かね)を返済させると約束し、縁談は断り、お初だけが恋人と確約する。偶然にも九平次が現れ、徳兵衛は証文を見せて二貫目の銀(かね)を返してくれと請求する。「儂の印は落としたものであり、この証文の印は落としたことの届の後に押されたものだ」と語り、徳兵衛は借金証文を
8月19日土曜日は13:00から国立文楽劇場で素浄瑠璃の会仕事が13:00までなので端から行くつまりはなかったのだけれど織太夫さんの旧Twitterからやはり行きたくなって1日前にネットで検索・予約しました(1日前の時点で2割ほど席が空いていました)仕事を終えて車を飛ばして文楽劇場に着いたのが丁度14:10頃最初の織太夫さんの浄瑠璃が終わって錣太夫さんと藤蔵さんの浄瑠璃から聞きました『ひらかな盛衰記』松右衛門内より逆櫓の段まで銀の屏風の前に雛壇錣太夫さん
国立文楽劇場での、文楽公演第3部。『夏祭浪花鑑』。延享2(1745)年7月の竹本座が初演。並木千柳、三好松洛、竹田小出雲。全9段の、長い作品。「初演の前年冬に堺の魚売りが起こした殺人事件を下敷きに、元禄期の歌舞伎『宿無団七』や先行作の趣向を取り入れて成立しました。」(『パンフレット』の『鑑賞ガイド』)5月の東京、国立劇場小劇場での文楽公演も、この『夏祭』。その時には、『内本町道具屋の段』も演じたのですが、今回は、なし。大阪の『夏休み文楽特別公演』。第3部は、『サマーレイトショー
国立文楽劇場での、夏休み文楽特別公演の続きは、「妹背山婦女庭訓」です。4月は、初段から三段目までを、通しで拝見しました。帝位を狙う蝦夷子と入鹿親子、天智帝を護る鎌足と淡海親子の対立。そこに、漁師芝六一家の悲劇。更に、大判事清澄と後室定家の敵対、そこに巻き込まれた久我之助と雛鳥の悲恋。他にも色々な人物が、個性豊かに登場し、人形遣い、太夫と三味線の技で、古代の雄大な物語を堪能しました。今回は四段目。鎌足と淡海が入鹿を誅伐してキリですが、その前にある淡海、橘姫、お三輪の物語が見ど
国立文楽劇場の夏休み文楽特別公演、第三部の「夏祭浪花鑑」の続きです。お辰どんが磯之丞を預かって、ひとまず安心しているところに、またまた来た権と八。二人の性格を捉えた、紋吉と簑太郎の遣いがたのしい。花くれやい、何ぢや蝗ぢや、サア斬りさらせ。二人をきゃん言わしたあと、佐賀右衛門宅に殴り込む、三婦の侠客ぶりが見もの。玉也の遣いが強い。ここで出ました、義平次。扇子をせわしなくパタパタさせながら、ちらちらと虎王のワルそうな顔を見せる。主遣いの和生の柔和な顔と好対照ですが、これがまた
29日土曜日の18:30からのレイトショー行ってきました『夏祭浪花鑑』住吉鳥居前の段釣船三婦内の段長町裏の段この演目は歌舞伎でも数回見たような鴈治郎はんの三婦さんが大好きです文楽では恐らく2回目か?前見た時は確か一寸徳兵衛の女房お辰は簑助さん今回のお辰は勘彌この演目で登場する釣船の三婦や達引の後に義兄弟の契りを交わした団七九郎兵衛と一寸徳兵衛の3人は任侠の世界で生きる男達恩を感じて義理を立て自己犠牲をしても筋を通し強きをくじき弱きを助けるそんな男
『通し狂言菅原伝授手習鑑』第二百二十四回文楽公演令和五年(2023年)五月十四日国立劇場小劇場初段大内の段豊竹薫太夫竹本聖太夫竹本碩太夫豊竹亘太夫竹本小住太夫鶴澤清方鶴澤清允鶴澤燕二郎野澤錦吾加茂堤の段桜丸豊竹希太夫松王丸竹本津國太夫三善清實竹本津國太夫梅王丸竹本南都太夫斎世親王竹本南都太夫八重豊竹咲寿太夫苅屋姫豊竹咲寿太夫竹澤團吾筆法伝授の段口豊竹亘太夫鶴澤清公奥竹本織太夫鶴澤燕三
国立劇場小劇場2023/05/28日曜日あらすじは↓で。https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc26/sakuhin/sewa3.html*歌舞伎では見た事のない「内本町道具屋(うちほんまちどうぐや)の段」がおもしろい。後に続く、普段よく見る「釣船三婦内(つりぶねさぶうち)の段」の冒頭で磯之丞(いそのじょう)と琴浦(ことうら)が痴話喧嘩をしている内容がよくわかる。「内本町~」で身分を隠し道具屋の手代として働いている磯之
国立劇場小劇場での、第224回文楽公演。1部、2部を見ました。延享3(1746)年8月、竹本座での初演。竹田出雲、三好松洛、並木千柳、竹田小出雲による合作。大評判となり。その彼らによって、『義経千本桜』(1747)、『仮名手本忠臣蔵』(1748)が次々と上演されて。で、『菅原伝授手習鑑』です。藤原時平との政治的対立。それに敗れて、太宰府へ配流となった菅原道真。その史実を背景に、道真に関する伝説や巷説、そこに天神信仰を加えて。さらに、三つ子兄弟の物語をない交ぜにして。大きな、豊
国立劇場小劇場の、第224回文楽公演を見ました。5月11日(木)初日。5月30日(火)千穐楽。5月16日(火)に、第3部。『夏祭浪花鑑』。9段の世話物。長い長い物語です。そのため、上演される段も限られて。作者は、並木千柳、三好松洛、竹田小出雲。延享2(1745)年7月、竹本座での初演。「本外題には、『団七九郎兵衛/釣船三婦/一寸徳兵衛』の三行の角書きが冠せられており、これら三人の侠客が活躍し、また、それぞれの女房(お梶、おつぎ、お辰)も見事な達引を披露します。」(『パンフレット』の
本日5月3日(水・祝)午前11時からのNHK-FM『邦楽百番』は義太夫です。【出演】(敬称略)(浄瑠璃)竹本織太夫(三味線)鶴澤燕三(三味線(ツレ))鶴澤燕二郎【司会】大山武人義太夫「義経千本桜」河連法眼館の段作詞:二代目竹田出雲・三好松洛・並木千柳の合作(40分55秒)~NHK大阪放送局R-1スタジオ~アプリらじるらじるで聞くこともできます。聞き逃し配信もあります。詳細は公式ホームページを、ご覧ください。邦楽百番**************
4月29日はなんの日なのか?以前は天皇誕生日だったけど緑の日とか?スマホのカレンダーでは〝昭和の日〟ナルホドなんの休日かも知らずに朝から文楽を見ていた昭和生まれの人って大きく2つに分かれると思います昭和20年の第二次世界大戦の終戦前に生まれたか?終戦後に生まれたか?終戦前に生まれた人は概して日本人の性根というか根性というかそんなものが戦後生まれの人と違う気がする気骨がある人が多い(多かった)というか私は戦争が終わって生まれた世代(雛鳥と記念撮影)
国立文楽劇場の通し狂言、「妹背山婦女庭訓」の第一部に続いて、第二部です。ここでは、三段目の大宰館の段と、妹山背山の段が演じられます。歌舞伎では、「吉野川」ですね。太宰館では、入鹿をはさんで、主の定高とやって来た大判事が、丁々発止とやり取りする。どちらも譲らないこの緊張感を、声も枯れがれに睦太夫が語る。入鹿は「口あき文七」で、玉志の遣いがすごい。「古の神代の昔山跡の国は都の始めにて妹背の始め山々の中を流るる吉野川」おお、名調子。桜が満開の吉野川をはさんで、妹山には定高
国立文楽劇場の通し狂言、「妹背山婦女庭訓」の続きは、二段目です。乙巳の変を題材に、大和各地の名所を舞台にして、色々な伝説を取り入れているのが特徴の大作。猿沢池の段では、寵愛する采女が自殺したと聞いて、訪れた盲目の天智帝と、鎌足の息子、淡海が和解する。突然に、場面は葛籠山。殺せば死罪となる、爪黒の牝鹿を射止めた、漁師の芝六と息子の三作。あっさりすぎるほど淡々と、二人が獲物を担いで、家に帰ってから、あまりにも濃厚な悲劇が待っています。芝六と女房のお雉が住むあばら家には、天智帝、大
昼夜通しで観劇。昼は近松メインでほぼ満席でしたが、夜は寺子屋メインで後方はほぼ空席。通しで買ったので、昼の部終演後、技芸員さんのレクチャーにも参加。三重の人はどんどん質問されます(笑)。今回は、三味線弾きさんに私の好みの方が多かったのですが、中でも久しぶりに一段聞けた清丈さんが相変わらず裂帛の気合ながら柔らかさも出てこられて、とても嬉しく拝聴しました。太夫さんではやはり藤太夫さん。声も語りも今一番ではないかと。さすがは住太夫さん最晩年のお弟子さん。床が回らないのは
久しぶりに文楽を観に行きました。近松名作集「心中天網島」紙屋治兵衛って、かなりのダメンズですよねぇ。でもきっと可愛い人なんでしょうねぇ。わからんけど。「にほんごであそぼ」に出演されている方がご出演されていると、ちょっとうれしい😆五月の「菅原伝授手習鑑」も全通しで観に行けたらと思います。
2月10日(金)、国立劇場小劇場で、第223回文楽公演。近松名作集です。この『近松名作集』、これまでに、繰り返し国立劇場小劇場で、上演され。で、今回が、初代国立劇場での、最後となります。その第1部は、『心中天網島』。近松門左衛門(1653~1724)の作品のなかでも、屈指の名作。享保5(1720)年、竹本座初演。近松門左衛門、68歳。大坂・網島の大長寺での心中事件。それを、舞台に。紀の国屋の小春と、紙屋治兵衛。「大坂天満宮のほど近くで紙屋を営む治兵衛は、妻子がありながら、曽根崎
『サンジェルマン』に入りました。で、チョコブラウニーデニッシュ。疲れていたので、チョコレートの『甘さ』が、あたらしいエネルギーとして、体内にも、脳内にも、注入されて。たっぷりと、チョコレートが。サクサクの生地。今日は、半蔵門。国立劇場小劇場で、文楽公演を見ました。『心中天網島』。今月は、近松名作集。その第1部が、『心中天網島』。その物語、その構成、そこに生きる人物のリアルさ。見事な作品です。何回見ても、おさんさんに、同情してしまうのです。作品の感想は、別に。夢中にな
1/20の来阪の時に久しぶりに国立文楽劇場に行った。大好きだった太夫の豊竹嶋太夫が引退してから足が遠のいていたのだ。SNSで能評家や顔見知りでリスペクトしている人が絶賛しており、何故か行こうかと思った。行かなければ文楽から更に縁遠くなると思えたからだ。文楽劇場で第三部の壇浦兜軍記〜阿古屋琴責の段を幕見席で購入。通なら幕見席は劇場左側の席を選ぶのだろう。何故か右側で床に近い方が昔から好みなのだ。文楽から足が遠のいていたので竹本織太夫は咲甫太夫から時間が止まっている。桐竹勘十郎は人間国宝になっ