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待ちに待った大(ここ大事)2弾!←ここからが、スタートだと思ってるそう!やっと、番組表に出てきました!じゃジャーン、全部『虹色の硝子』のお知らせだけどね!20日ちゃんと予約しないと!(*≧∀≦*)
始業式が月曜に行われるため、俺達二年生は日曜に入寮した。クラス編成はすでに貼りだされており、それを見た瞬間に心が跳ねた。更には…「おい、章三!俺の寮の相手知ってるか?」風紀員をさせられることが決まっていた俺の相棒の章三は早々と寮に着いていて荷解きをしているところだった。「なんだ、藪から棒に…。ギイのルームメイトはあの葉山だろ…まぁ、精々睨まれないように頑張るんだな」一年の時のタクミを知っている章三。しかも、俺と一緒にトラブル解決に翻弄した一人でもある。だから、こんな言い方をす
「…おい、…ィ…ギイ…ギイ!」体を揺らされ耳元に大きな声を聞く。なんだ…誰だよ…一体何時なんだよ!「声が大きいぞ、章三!」章三?不意に出た名前に自分で驚く。章三って…相棒のか?なんでここに?「いい加減起きろよ、ギイ!」「章三…なんでニューヨークにいるんだ?」俺の返しに「はぁ?寝ぼけてるのか?お前、ここは祠堂だろーよ」どういうことだ?今は一体いつなんだ?「なぁ、章三…ここが祠堂だとして…今俺は何年生だ?」はぁ…と盛大な溜め息と共に「なんだ…葉山に振られて気が触れた
いやー、健志のvoiceletterでこんなに引っ張ってしまってごめんなさい!でもね、止まらなかったの…どんな目線でも書ける内容、そして、その人たちの気持ちも書いてみたくなった…最後は健志の声まで…ほんと、たったひとつのMDで時間を使ってごめんなさい!(TДT)でもね、ここに登場させたかったの!だって、みんなが揃ってるんだもん!だから、一緒に10年を迎えさせてあげたかったのです!健志の気持ちが読んでるみんなにも届いたならいいなぁ…と会えて読み手が必要な手紙ではなく機械
突然聴こえてきた、鈴木健志の声。ギイに渡したいものがあるから時間をくれと…そう申告してきた森田。その渡したいものが、まさかのvoiceletterだったとは…その声が聞こえた途端会場は水を打ったように静まり返った。勿論僕も、それに洩れず…。内容は『謝罪と感謝』立ち竦んだまま、微動だにしないメンバー。一番必要とする聴覚のみを研ぎ澄まし一言一句逃さないように…そうしているようだった。その中で動いた人間…それは葉山だった。三洲の横に居たはずの葉山が足音を立てないように、静
「森田くん、例のものは…」そう言われた森田は何かを確認して「はい…ですが…その前に一つ、ぼくから崎先輩へ渡すものがあるんです。いいですか?」その言葉に「あぁ、構わないよ」章三はそう言って、森田に『どうぞ』と手のひらを向けた。「実は総帥から預かったものがあるんです」親父から?島岡に渡さず、わざわざ森田に持たせるものとはなんだ?そして、森田がそれをジャケットのうちポケットから取り出した。それはどこにでもある…いや、少し変色しかかったもの。元の色はきっと鮮やかだったんだろう…
好物はぼく…そう言われたけど、今はスルーだ。そこに食いついてたら、話が進まない。「わかったよ。じゃ好き嫌いはないってことで」ーーーーーそして、その場所に辿り着いた。さすが、簑巖くん!想像以上に品揃えがいい!そして、店先に立ったギイがぼくに質問してきた。「タクミ…なんでここなんだ?」そうだよね…。だいたいこんなところに高校生が来ること自体不思議だと思う。それが証拠に、お店の人も「なんで、高校生が?」見たいな顔をしてるのがわかる。「それはね、ギイが好きだって赤池くんに聞い
「あぁ、確かに今月だな…」あっさりと答えに行き着く赤池くん。でも、ぼくはその理由を知りたいんだよ…。「ねぇ、何が今月なの?何かあるの?」ぼくの言葉に苦虫を潰したような顔をする。「葉山…お前…同室者のことをもう少し知ろうとしろ。ギイはお前のことをかなり熟知してるぞ。まぁ、あれは病的だがな…同室という括りでは理解できん範疇だ。だが、その1/10くらいは興味をもってやれよ。さすがにギイが可哀想だ…」なんだか、すごい言われようだ…。決して興味がない訳じゃない…。だから、こうやって聞
今日は日曜日…久々に麓に下りることにしていた。その理由…「章三くん…私日曜日にそこの麓に行くの…時間が合うなら会いたいなぁ…」「特に用事はないから、時間がわかるなら合わせるよ」そうやって、奈美子と会う時間を決めて一人麓にやって来た。「待たせた…」「ううん?私も来たとこ」それは、間違いなく嘘…。奈美子の優しい嘘。出掛けに「章三!奈美子ちゃんに会うならコレ持ってけよ!」そう言われて部屋に呼ばれ持たされたもの…「悪いな…出掛けにギイに捕まってな…バスに乗り遅れたんだ…。で、こ
オレに粗塩を塗り込みながら、次はどれだ?と顔を向ける。「これはニューイヤーコンサートの写真か?」オレが指差したのは、着物を着た客が多く写っているアンサンブルらしき舞台のもの。「これは年越しコンサートだ。まぁニューイヤーコンサートとも言うのかな。ミニコンサートと言っていたが結構な大きさだったぞ」章三が予想より大きいコンサートだったと言う。「ここに幾つか写真があるが、タクミはどのくらい演奏したんだ?」「葉山の演奏は写真にないものを含めて7曲だったかな。僕の記憶も定かじゃないがな。ただ、
「でもな、そこからの葉山は凄かったよ。全ての謎からもストレスからも解き放たれ、井上佐智という師匠に師事を受け、葉山は自分を取り戻し…更に羽化した。そのスピードには驚くばかりだったよ。あっという間に頂きに登り詰め、リサイタルを開くほどに…。なぁ、崎…。葉山はな、自分の力で海を渡ったんだ。俺たちが手を貸した訳じゃない。全ては葉山の努力の賜物だ。その努力はお前がいなくなる前から続けられていたものだろ?だからな…俺たちは、葉山がしたいということを叶えたかった。それが、たとえ傷害未遂をなかったこと
「そういえば…さっきの月詠と朝比奈の話だがなんの事だ?」途中になっていた事を思い出し、話題にする。「タクミ、もう用は済んだか?こっちに来いよ!」片倉が良いタイミングで声をかけてくれた。おかげで、嫌な記憶を辿らせないで済む。と小声で章三が呟く。「タクミ、もうわかったから片倉のところに行ってこいよ」オレが納得したと言うと、ホッとして向こうの輪に戻った。行ったか?そう確認して章三が話をし始める。「お前のあの文化祭の出来事だが、実はな…月詠が一枚噛んでいたんだよ。バイオリンを隠した朝
そうだったんだ…と納得するタクミ。callを許してもらえるまで10年かかった…。mailから、約1年。タクミは留学でニューヨークに一年だけ在籍し、日本に戻った。ニューヨークに居たとだけ親父に聞いていた。それが留学だったとは…。それに一年も同じ空の下にいて…同じ空気を吸っていた。「さっきから聞いてたら…葉山とmailのやり取りをしてたみたいだが、いつからしてたんだ?」章三がオレに聞いてきた。タクミは言ってなかったのか?「mailが出来るようになったのはあの秋から9年目だな」「
「三洲、これは何だ?」その写真はどうみても二人が同じ部屋から出てきたものに見える。しかも、ニコニコとこの三洲が笑ってる…。どういう経緯でこうなる?「葉山からホントになにも聞いてないのか?」「聞いてるなら、確認なんかしないだろ」タクミが隠している訳じゃなさそうだ。多分、話さなくてもいいと思っていること。「そうか…。なら話してやる。俺達は同居してたんだ」何て言った?同居?あの、一緒に同じ家に住むっていうあれか?それともオレが知らない日本語か?「確認だが、同居というのは同じ屋根の
「こいつは何だ?」その嫉妬に染まった声を吐き訊ねた。「あぁ、こいつは入学して直ぐに葉山についたストーカーだな。野沢のお陰で気付いて、赤池が時々覗いてくれてな…それで撃退。あ…ついでに言うなら、俺が葉山の唇を撫でてるのはそいつを牽制するためだ。その時に軽く恋人宣言してやったら、あっさり泣いて消えたがな」最初の方は『そうかそうか、ありがとう』という気持ちで聞いていたが、最後の恋人宣言に立ち上がった。「おい、恋人ってどう言うことだ!」三洲に詰め寄るオレを章三が止める。「ギイ!三洲が機転を利
「…三洲、いつからタクミの父親になったんだ?」そんなことあり得ないのは判ってはいるが、章三がこんなことを言うのが信じられず、思わず聞いてしまった。「そうだな…大学四年の頃だったかな、母さん」お母さんと言った先にいるのは勿論、章三だ。「お前ら夫婦になったのか?」そのやり取りにツッコミを入れたオレに、章三のスリッパが飛んできた。《パコン!》「いってぇ!なにするんだよ、章三!」苦情を言うが、オレより苦情を言いたげな章三がスリッパ片手に正面に立つ。「お前がバカなことを言うからだ。三洲を
「で、どうだったんだ?感想を聞いてやるよ。それと聞きたいことがあるなら、分かる範囲で答えてやる。多分僕より三洲の方が詳しいだろうがな。もし、僕でわからないことなら三洲に聞けばいいさ。答えてくれるかわからんが…な」やはり、思った通り章三より三洲の方が近かったのか。ラインの繋がりも章三より多いとは思ったんだ。なら感謝は三洲にも伝えないと。「三洲、こっちに来れるか?」タクミの傍に居た三洲に声をかける。無表情のまま振り返りオレを見た。「何か用か?お前といるよりここに居たいんだが…」そのク
「章三、全部見たぞ」少し離れた所に座る章三に見終わったことを伝える。それを合図に立ち上がりオレの横に座った。「10年分だと思ってないだろうな」どう言うことだ?「これ以外にもあるのか?」まるで一冊じゃないぞ…そういう言い方だ。「あぁ、ある。あることはあるが、とりあえず今日はその一冊で腹一杯だろ?それ以上見ると食あたりを起こすからな」遠回しに『これ以上見るとお前の精神上よろしくないぞ』そう言われている。「そうか…わかった。肝に命じておくよ。それとありがとうな…。ずっと知りたかっ
そして、最後のページ…。日付からみてニューヨークにタクミが留学する前のコイツら。集合写真が何枚か…開始早々に写したものなのか、タクミの顔に緊張が出てるもの。同級生のみで写しているもの。最後は酒も入り、みんなの自然な笑顔が溢れているもの。それぞれにポーズを変えながら。そして、空港…。…三洲と抱き合い、二人して涙を流しているもの…。タクミ…三洲との繋がりが一番強かったのか。お前の人を惹き付けるものは、あの三洲ですら効くんだな。島岡にしろ、親父にしろ、お前は普通じゃ人間関係を築けそ
それはだんだんクライマックスに近づく。そこにはオープンカーに乗り笑顔で沿道に手を振るタクミがいた。そしてレッドカーペットを歩く姿や、登壇して挨拶をしているもの。イベントの終わりを迎える演奏。その顔は…今まで見たことのない晴れ晴れと、そして自信に満ち溢れたものだった。タクミはsubrosaをレンタル(俺はプレゼントしたつもりだったが)したとき…いやオレが退学するまでは、まだ自分に自信がなかった。それがどうだ…。こんなにも生き生きとバイオリンを弾き、沿道にまで観客を増やしている。写
オレに『全部を見てから話を聞いてやる』と章三が言う。それなら見る他ない…。ほんとうに燃え尽きそうな嫉妬が燃え広がる。三洲と一緒にアパートの一室の前に立つタクミ。その一枚だけでも十分な威力だ。それなのに…佐智まで写真に収まっていた。それは大学の教授室なのか、それとも食堂なのか。何しろアップになっていて場所の特定は出来ない。だが、佐智がしっかりとタクミの手を握っているのは分かる。「佐智までかよ…」その呟きに「お前、葉山を甘く見てただろ…。そんなもんじゃないからな、葉山のモテ具
大学の食堂なのか、野沢と顔を近づけてのツーショット…。タクミを後ろから見つめている男。間違いなくタクミに好意を持っているだろう視線。三洲がタクミの唇を指で辿っているもの。知らないヤツが見れば恋人同士のベストショット…。ナンパされているタクミ。そしてそれを護るように胸に隠し抱きしめている章三…。そして、三洲と一緒にある一室から出てくるタクミ…。花見以降から見続けていた写真で嫉妬の炎が燃え広がる。「…章三…この写真ってさっきのジェスチャーの答えのやつだろ?色々説明が欲しいんだが…
章三から一冊のフォトアルバムを受け取った。そこには10年分のタクミが収まっていた。それはさっきのジェスチャーゲームで見たものも。最初にあったものは、ハロウィンだった。ハロウィンの最後の記憶、それは…オレがやろうといったあの日で健志と最後にしたイベント。一緒に簡単な衣装を着けて楽しもう…そう思っていた。だがタクミは…オレが森田を気に入ってると勘違いし、終始辛かったと後で告白した。まさかそんな風に傷付いていたなんて、あの日のオレはこれっぽっちも気付いていなかった。それもそのはず、
愛の挨拶はギイへのラブレターだと言う三洲。「義一くんの為にも、託生くんをコンクールに出さないと。もう残された時間はないんだ。バイオリンで海外コンクールにある年齢制限…それは25歳。それを越えてしまうと託生くんは単身で海外に赴くしかない。幸いにも中郷音響がついているから、もしもの時はどうにかなるけど…それでも正攻法で行くにはギリギリ。だからこそ…今、数をこなして最優秀賞、優秀賞、奨励費を獲得してもらいたいんだ」数打つ理由をしっかりと僕たちに説明する。バイオリンに年齢制限があったとは…。それ
「わかったよ、守ろう。それなら文句はない?」井上さんが、月二回の通院と僕たちと会うことを条件としてのむという。「はい、そうしていただけるなら…。俺達も葉山がバイオリンに没頭できることは良いことだと思っているので。ただ世界に入り込むと飲食を止める傾向があるので、気をつけてください」そうだ、葉山は食事より睡眠を選ぶ。それは三洲と同じ…。結局感性が似ているのか…。まぁ、三洲も真行寺の推しに負けたように見えるしな。そんな葉山もギイの推しに負けたと言える。どちらも芯では惹かれてたんだろう
聞いていたのでは?バイオリンを弾けたのは支えがあったからだと…最後は井上さんの顔を見ながら問いかけた。ずっと三洲の話を静かに井上さんは聞いていた。思うところもあったんだろう…時折拳を握るのが見えた。「…確かに言っていたよ。君たちが居たから最後の決意が固まったと。それは単に後押しをしてくれたからだと、僕は思っていたんだ。何度も壊れかかっていたなんて、僕は指導をしていたけど気づかなかった…」「葉山はそこを上手に隠すんです。隠すことで万事が上手く行くと、刷り込んでいる。幼い頃にインプリンテ
ーーーー「単刀直入に結論を言わせていただければ、同居解消はやむなく…です」それを聞いた井上さんは明るい表情になり「そう!ありがとう!三洲くんは託生くんの善き理解者だもんね!」そう言われた三洲は畳み掛けるよう話し始めた。「善き理解者…そう思っていただけてるなら話は早い。そう…俺はこの4年、葉山のことを一番近くで見てきた。それは何度も壊れるように沈む時も。あなたは知らないんだ…外から見る葉山はとても強い。きっと祠堂のメンバーの何人かはそう思ってるだろう。崎がいなくなっても動じることなく日々
教授室に着いたところで三洲が僕たちに一言…。「俺は交換条件をのんで貰えると思ってる、いや思いたい。だが、葉山と距離を取ることになったら…その時は…」その時はすまない…と先に謝罪をする。だが、それは仕方のないことだ。後生会えない訳じゃない。ギイに会う切符を手にするまで…そう思えばいい。「気にするな。どう転ぼうが、葉山との絆が切れるわけじゃない」「そうだよ、俺は卒業するけど葉山くんは院に残るんだ。ここに情報があるのは間違いない。僕はそのために後輩とやり取りを続けるよ」僕たちの言葉に
三洲から旅行中にメールがきた。『楽しんでるところ申し訳ない。とりあえず交換条件なるものを決めた。内容と井上佐智との契約を見届けてほしいので、明日の帰宅時間を教えてほしい』正月休みもとうとう残すところ3日。半分、葉山に使ったと言うのが正解だろう。しかし、あれから交換条件を考え出したのか…。さすが三洲だな。井上佐智に譲歩させる内容を考えたということだろう。じゃないと、僕たちを呼び出すなんてことはしない。勝てない試合はしないはずだ。「明日の13時には動ける」そう返信した。『了解。野沢
「三洲、どうする?」倣うと言ったが、任せっぱなしと言うのも申し訳ない…。だから、何かできるならと確認をしてみた。「参ったな…。正月を楽しんで帰って来て、感動の演奏を聴いた途端…天国から地獄だ」そうだよな…。まさか…突然同居解約の話が出てくるとは…。「だがな、ちょっと安心したのも事実だ」「安心?」どういうことだろう。「あぁ、前回の月詠のことから完全復活してるのが見てとれたからな」そうか…。あれは大変だったからな。実際あそこまで音を壊して良く持ち直したもんだと思う。「そうだな…