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まっくらな道にはもう春のやわらかい風が流れている。その流れに乗ってべつの世界にすべり出る。だれもいない駅にひとり腰かけ光をあび闇をみすえている者。それは女でもなく男でもない。主婦でも教師でも医師でもない。ただの人間ただの求道者たえず別の世界にすべり出て人間を、人生を、世界をもう一度みつめ直そうとする一個の人間にすぎないのだ。出典:『人間を見つめて』(神谷美恵子、みすず書房、p226)・・・・・・瞑想を続けてしばらくすると穏やかな海に朝日が昇り始めま
「時々、人間の世界から脱出して知識・思索・美超自然の世界に心を遊ばせることは心にゆとりを生み他人に関係ない生きがいを与えてくれる」と語る神谷美恵子さん。それは神谷さんの至高体験に裏付けられています。・・・・・・お天気であればほとんど毎日夕方になると自転車に乗ってひとり山道を降りて行く。坂の途中に曲がり角がありそこまで行くと急に広いレマン湖が眼下にひらける。その角で自転車を止めじっと夕陽に光る水面を眺める。ちょうどその頃後ろの山の峯々から牛たちが
「すごいですね」熱心に作品を制作する職人さんに心打たれるKさん。「それはきっと職人さんが自分の命を交換しているからでしょう」「命を交換?」「はい。サン=テグジュペリの遺稿となった『城砦』に出てくる言葉で自分のすべてを献げることによって命を交換するという意味です」「交換するのは職人さんだけですか?」「いいえ。そうとは限りません。我を忘れて努力を重ねるうち永続的な価値あるものが生まれ死ぬときその人の両手は『星でいっぱいになる』と記されています」「
💜2023-03-26『風人*とみかぜ*拾参風』たんぽぽの花には花の風生うまれ中村汀女(『花影』より)たんぽぽの花のまわりにはほのぼのとした風がただよっているような気がしますたとえ冷たい風が吹いていてもた…ameblo.jp🩵✨2022-12-27『風人*とにかぜ*拾弐風』人生はまわり持ち誰からか受けた好意を私はいま別のかたちでお返ししているのかもしれません。高田敏子(『女の喜びと悲しみ』より)恩送り🌿という言葉があります恩返し…ameblo.jp💚20
❤️✨2023-01-28『鳥人*とみどり*拾参鳥』🕊私はただ私として生きて行きたいと思うのです松井須磨子(『牡丹刷毛』より)ヘルマン・ヘッセは小説『デミアン』の中で人間の一生というものは自分自身へ到達するため…ameblo.jp🧡✨2022-12-10『鳥人*とにどり*拾弐鳥』🕊目に見える仕事かたちに現われた仕事その仕事の量の多さといったことだけに人間の本当の仕事の価値や人間の本当の生活を見出そうとしない平塚らいてう(『元始、女性は…ameblo.jp💛✨
こんばんは。急に寒くなりましたね。身体も心も冷えには弱いもの。しっかりとケアして守ってあげたいですね。さて、今日も一冊の本のご紹介です。若松英輔さんの「悲しみの秘義」。若松さんの文章はとても整然としていて美しく、説得力があり、ああほんとうにそうだなあ…と感じ入ります。悲しみに問いかけるような26編のエッセイ。そこに綴られる人たちと本と深い考察。V・E・フランクル、宮沢賢治、リルケ、小林
『神谷美恵子島の診療記録から』を読了。ヴィレッジヴァンガードで出会った。「スタンダードブックス」という平凡社より出版されている随筆シリーズ。中谷宇吉郎、寺田寅彦、ほかにも朝ドラで一躍有名になった牧野富太郎など、ちょっと好奇心をそそられるラインナップが揃う。そういうところ、さすが平凡社だなと思う。現在、第3期まで発行されている。(1期につき8冊なので全24冊)。24人がピックアップされている中、唯一の女性が「神谷美恵子」。この方が翻訳した「自省録」を読んだことがあるので
しあわせごはんは、ココロが、ホッとするごはんしあわせごはんは、ありそうでない、野菜たっぷりのごはんココロとカラダへの信頼を育むためのごはんカフェ『しあわせごはん』のオーナー谷口千里のブログです昨夜、開催された『「まめ」に読んでる?ヤンデルと豆塚エリ読書会LIVE』第2回今回のテーマ本は「生きがいについて」神谷美恵子豆塚さんの詩の朗読を聞いて、この本、こんなにも熱い本だったんだと、目から鱗がボロボロ落ちた回でした。今まで何を読んでいたのだろうと思うくらい。猫の話、冷蔵庫
ひとの一生を描いたエッセイですから、ある意味で一代記と呼べるかもしれません。でも、特定の個人の人生を追っているわけではなく、ありふれた人物像を想定して、ひとりの人の人生を旅にみたてて、精神科医の視点と経験のうえにたって綴っています。著者はハンセン病施設で精神科医長を勤めた人物。人生について、病や死についても人一倍苛酷な状況にあった人たちと接した経験は、サイエンスを超えた部分で考えることは多かったことでしょう。***◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆こころの旅
講師の嵩倉美帆先生は大学で臨床教育学を研究されていらっしゃいます。「神谷美恵子の世界」ということで、彼女が活動されたハンセン病の方についても学びました。ハンセン病の人たちと言うと、どうしても「砂の器」や「もののけ姫」のタタラ場の包帯を巻いた病人たちのイメージしかなかったのですが、現実は更に重く苦しいもので、もし自分だったら、その中で希望を見出して生きていけるのだろうかと、何度も自問自答してしまいました。授業で多摩全生園の映像を見て、まるで強制収容所のような生活を知り、日本にも
作家で精神科医の加賀乙彦さんが老衰のため1月12日にお亡くなりになられました加賀さんの「宣告」はこれまで読んだものの中で最も心に残る作品のひとつでした遠藤周作さんの作品と並び58歳でカトリック信徒となられた加賀乙彦さんの作品は私の信仰の道行きに無くてはならない導きとなりました又、敬愛するもうひとりの精神科医で文筆家の神谷美恵子さんの作品との出会いも加賀乙彦さんが館長を勤められた「軽井沢高原文庫」にありました思えばこういった方々の作品のほとんどを20代〜30代前半
「100分de名著」はもう10年以上続いてるんですね。(Eテレで一冊の本を、25分x4週に分けて読み解く番組、私は知ってまだ浅いのですが。)これまでに番組で取り上げた作品の中から厳選した3冊について、伊集院さんと専門家の方が改めて対談をするという内容でした。(番組放送時では伊集院さんは「本を読んでない立場」で、その後「作品を実際に読んでみて、改めて専門家の方と対談し」出版されたものでした。)『名著の話僕とカフカのひきこもり』伊
神谷美恵子『生きがいについて』を久し振りに開いていたら、とてもいい文章がたくさんあった。その一部を下に紹介する。結構大量の引用だけども。新しい道にどんな困難が伴おうとも、これ以外に自分の生きる道はないのだとわかったひとは、思い切って高いところからとびおりるような気持でそれをえらびとるほかはない。ティリッヒのいう「生存への勇気」をここでふるいおこしうるかどうかによって、その後の一生に天と地の差がおこる。この決断と選択と「賭け」の前に尻込みしたときには、いわゆる「実存的欲求不満」の根ぶかい種を
「記憶の肖像」(中井久夫著・みすず書房発行)を読んだ。10年ほど前に友人が数編のコピーを送ってくれていましたが、中井先生の訃報に接し、今回全部を読んでみたいと思ったのです。↑友人が送ってくれた、神戸の額縁、名谷に住む、住む場所の力、ある青年医師の力のコピーです。中井先生は我が家から比較的近いところにお住まいで親近感を覚えたものです。みすず書房のサイトで本書は次のように紹介されています。どうも童話とエッセイは書けないようだ——それが私の長い間の固定観念であった。緊張の
5月12日の早朝、福岡市東区の病院で20歳の頃からの親友・K君が75歳で亡くなった。彼は私と同じ昭和22年生れだが、私より12日遅い4月1日が誕生日だった。私たちは福岡市東区香椎にある小さな教会で知り合った。それ以来の長い付き合いだった。知り合ってから50数年間、彼は私のことを「はやと君」と名前で呼び、私は彼のことを苗字にちゃん付けして「Kちゃん」と呼びあってきた。私が昭和46年に転勤で福岡を離れるまでの数年間、教会の他の仲間とともに、それこそお互い”兄弟姉妹”
雨上がりにかかる虹は希望のしるし・・・・・・・・・・空の虹を見るとき私のハートはおどる子どものときもそうだったし大人の今もそうだ(ワーズワース)・・・・・虹は突然の贈り物のようにやってきて心をいっぱいにときめかすそれで充分でしたいつくるか分からない贈り物を誰も待つことはできないのですから(立原えりか)・・・・・・○素直なままで夕陽の沈む一番キレイな瞬間が見たくて息がきれるまで走ることははずかしいことだとは思いません。消えかけた虹の色を
神谷美恵子『生きがいについて』から。しかし生活のために働いていなければ人間としての値打がないということならば、世のなかには、ほかにも同列のひとがたくさんいるはずであるが、彼らはみな価値がないことになるのであろうか。こういうものの考えかたの根底には、人間の価値は経済力によってきまる、という価値判断がある。病気のため、その他の事情のため、働くことができなくなったひとは、自分も今まで無意識のうちに採用していたかも知れない上のような価値基準に対して再検討と変革を加えなくては、劣等感を克服すること
拙著『夢をあきらめないで――68歳で性別適合手術』は、夢をあきらめないで68歳で性別適合手術[電子改訂版]著者は70歳過ぎの経済学者。幼少期から男性としての自分の体に違和感があった。身体の性と心の性の不一致に悩み続け、体と心の性分化のしかた、性的少数者に関する心理学・精神医学の文献などを読みあさってきた。性的少数者は環境から生まれるのではなく、持って生まれた資質によるという。そして、自らも心の性に従って生きることを決意した。本書では、うつ状態が大半を占めた約1…store.voyag
ワンセルフカード、メイントレーナーのマサコ(中本雅子)です。”人間が最も生きがいを感じるのは、自分がしたいと思うことと義務とが一致したとき”この一節は先日もご紹介した→こちら『生きがいについて』(神谷美恵子(精神科医):著みすず書房/1966年初版)を再読していて見つけたもの。折しも愛知のエリアマネージャー、山田康予さん→こちらから今年もありがたいことに出張講座の打診があり、来月に開催が決定したのでことさら胸に沁みました。思えば
すぐ役立たないことにも大切なものがあるのではないでしょうか神谷美恵子(「見えないもの、聞こえないもの」より)精神科医でもある神谷美恵子は私たちにすばらしい道標を残してくれました命や生きがいについて考えるとき彼女の言葉に光を見出す人も多いのではないでしょうか彼女のエッセイには日常の糧になるようなきらりと光る言葉がちりばめられています日々「現実」の日常生活に追われている私たちでも彼女は言います神戸女学院にて(1962年頃)現実とは果たして見えたり聞こえたり
他人が見た夢の話なんか、面白くないとは思うけど、まあ、ちょっとお付き合いください。うちの息子ってわりと「憧れの人」がいるのね。カッケーってついて行っちゃう感じの。のこのこ突撃しちゃって可愛がってもらえるタイプ。これは現実でもそうただし、今回の「センセイ」は、私のあこがれの人。私が超憧れてるので興味をもって、会ってみたら超かっこよかったので、息子も憧れちゃった。その先生には、ご家族で楽しんでいるオリジナルのかるたがあって、今回は、それをいっしょにやってもらえること
気が付けば更新しないまま10日以上が経過してました・・・。いかんいかん。元気にしております。『ミステリと言う勿れ』面白いですね。あ、ドラマです。アメーバの無料期間に私はマンガも読んでて、おもろいなあ、と思ってたらドラマが始まって。菅田将暉は整(ととのう)役にしては顔が丸すぎるかも、と思ってたけど、「ええ~」の言い方がドンピシャで、いい配役だったんじゃないかな、と今では思ってます。それにしても、鼻の形がかっこよすぎる。電子ブックスもありますが、まだまだ紙の本も!人気ですね!
訳は神谷美恵子さんで昭和23年の訳者序に、「子育てに忙しい時期で」と断りがあって、何かジンとするものがありました。原典が皇帝があちこちに書き残したものであり、なかなか訳も、困難だったと思われます。でもそんな物がどうして今も読まれているのか、それは高い倫理観に支えられた文章であるからです。こういう本は最初から順番に、という読み方は私はしません。パラと開いたところを読む。さすが、皇帝です。どこを読んでも、清々しく高潔です。実はかなーり恥ずかしい腰巻きがついておりまして、それは外しております(笑
第34回介護福祉士国家試験お疲れさま受験された方、お疲れ様でした。今年も珍問奇問が受験者を困惑させたみたいですね。神谷美恵子って誰?まつり縫い?夜勤明けにサングラス?原因は布団?SNSで話題に上がった試験問題を取り上げブログを書きました。「この知識、介護に必要?」って思わず思ってしまう問題もあったみたいです。合格発表は令和4年3月25日(金曜日)。たくさんの介護福祉士が誕生することを祈ります。ブログ投稿「ミカタのシンプルスタイル」第34
このブログにはドストエフスキーの本の感想を書くことが多いけれども、ぼくはもともと海外の小説はほとんど読んだことがない。もっというと、ぼくがかつてのめり込んだのは、村上春樹、安部公房、森田正馬、河合隼雄、木村敏、鈴木大拙、西田幾多郎、井筒俊彦、夏目漱石、神谷美恵子といったラインナップなので日本人だけだ。ドストエフスキーはぼくが初めて興味を持った海外の人と言ってもいいかもしれない。でもやはり日本人の書いた本のほうが親しみやすい。そうだ、久し振りに鈴木大拙を読んでみようかな。漱石も読みたい。宗教
大好きな言葉に再会した。娘が不登校の時に出会った言葉。以前の私は気がつくとすぐ、自分の思い通りのレールに子どもたちを乗せたがる母親だった。弓が親で、矢が子どもなら射る者とは一体誰なのだろう。その子の魂が本来持っている、生きる力なのかもしれない。親や子を見守る、大いなる大自然、宇宙、神なのかもしれない。あの日からこの詩はわたしの大切な指針となった。これは翻訳家でもあり、精神科医でもあった神谷美恵子さんの訳😊🌸〜🍀〜🍀〜🍀〜🍀〜🍀〜🍀〜🍀〜🍀〜赤ん坊を抱いたひとりの女
「自分の存在は何かのため、またはだれかのために必要であるか」が肯定的に答えられれば、それだけで充分生きがいをみとめるひとが多いと思われる。-神谷美恵子-難しく考えず、小さな満足と小さな納得の中で生きている。生きがい程でなくても、失うとやる気を喪失する時もある。
学生の時、就活が始まる一年前、だいぶ焦っていた。「これで人生が決まるんだ」という気持ちにさせられていたから。高校受験でも、大学受験の時もやる気を起こさせようと躍起になる教師から「これで人生がだいたい決まるんだぞ!」といわれた。いまなら「それは違います」といえるけど、当時は親子で焦っていました(笑)それで、いきなり哲学書を借りたり、買ったりして読み始め、哲学の先生に『生きがいについて』を勧められた。今日、本棚を片づけていたらその本を久しぶりに手に取ってみた。