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結局は早期治療が一番以前から外眼筋麻痺による複視の患者さんはご来院されていましたが、ここのところ続けて来院された動眼神経麻痺について気付いたことを書いていきます。先ずは動眼神経麻痺が発病してから来院されるまでの時間で治り方が違うことは、以前もこちらで書きました。つまり時間経過が長いほど治りが悪く、時間経過が短いほど治りが良いということです。これは想像しやすいと思います。次に大事なことが、そもそも動眼神経麻痺が起こった原因が何であるかです。ここでは大きく動眼
2023年のニュースレター一覧です現在当院にご来院されている方はご存じでしょうが、当院では毎月1日にニュースレターを発行しています。今年1年のニュースレターの内容を、お知らせ以外に限ってタイトルのみご紹介します。<ニュースレター2023年1月号>【1月号】<新年特別企画女性のからだ>・女性ホルモンが作られる場所は・卵子と卵胞の違いは・卵胞とは・卵胞はダイナミックに変化する・月経のことを知りましょう・エストロゲンと更年期・エストロゲンは男性ホルモンから
国民の約2%がビジュアルスノー症候群?皆さんはビジュアルスノー症候群(VSS)という病気をご存知ですか?厳密に言うと、現段階では病気ではなく症候群ではあるのですが、脳や神経系の器質的問題があるのかもしれないと言われています。VSSとは、視界の中にまるで雪が降るかのような模様が見えたり、景色がドット状に見えたりする現象です。また耳鳴りや羞明などの現象も同時に現れますが、実はこのような症状を同時発生的に訴える患者さんは、当院にも多く来院されます。またVSSの患者さんに
来院前に是非読んで下さい網膜や視神経の障害により視野欠損や視野狭窄が出現した場合、機能低下から始まり徐々に器質的変化に移行していきます。つまり最初の内は、ただ単に視野の一部が見えないだけで、網膜や視神経の細胞自体が死滅したわけではありませんが、やがて時間経過と共に細胞自体が死滅してしまうということです。一旦死滅した神経細胞は元に戻りませんので、そうなる前に細胞死を防がなくてはいけません。では次の図を見て下さい。一番左の軽度視野狭窄では、一番外側のグレーの部分
飛蚊症が気になる方は他に気になることを探すといい飛蚊症に悩む方は非常に多いのですが、眼科的に問題がないと診断された飛蚊症に関しては、実は完治することが可能だと思います。網膜疾患や視神経疾患ではない時の飛蚊症は、硝子体内に漂う凝固したタンパク質に焦点を合わせてしまうことが原因になります。人間は普段、自分にとって都合のいいものだけを見るようになっていますが、眼精疲労が強くなったり脳が披露していると、その自動調整能力が低下してしまいます。その結果、本来は見る必要の無い硝子体内
初発の時にしっかり治療することが大事網膜分枝静脈閉塞症は、網膜からの静脈血を運び出す細い血管が詰まってしまうことで、黄斑(網膜の中心)の浮腫や出血を起こすことがある眼科疾患です。原因は不明ですが、糖尿病や高脂血症などの基礎疾患があると発病しやすく、根本的な治療法はないため、病院では対症療法が行われます。網膜分枝静脈が詰まる原因としては、血管が細くなっていることと、血栓が出来やすくなっていることが考えられるため、基本的な体調管理も欠かせないと言われています。個人的に鍼灸治療は
昨日の記事で、眼科疾患が首の痛みを伴うことが多く、その予兆としても、首の痛みが出ることがあるとご紹介しました。実は首の痛みに対して行う鍼灸治療は、そのまま眼科疾患の治療としても利用出来ます。首の周囲にある経穴に対して施術すると、頚部の筋肉が緩むだけではなく、目の周囲の血流増加も同時に起こるため、様々な眼科症状に有効なのです。主な経穴としては、天柱、風池、寛骨、えい風、人迎などを使い、しっかりと筋肉が緩むのを確認します。こうした局所治療比較的即効性があり、首の凝りや痛
加齢黄斑変性症の成り立ちと回復時期かねてから加齢黄斑変性症の成り立ちには、循環障害による網膜の栄養不良や老廃物の貯留、更には活性酸素の発生が大きく関わると考えていました。それを検証するために、少し前からご来院されている加齢黄斑変性症の患者さんに、眼科での画像診断の結果をご提供して頂きながら、当院でも簡易検査などを行ってきました。先日は2カ月終了後の変化を、ぼちぼち良好であるとこのブログでお伝えし、HPでも同様の内容で少し詳しい記事をUPしていました。<該当
以前こちらでも少し書いた、鍼灸治療による網膜ドルーゼンの変化についてです。網膜ドルーゼンは、網膜の新陳代謝で出来た老廃物が上手く除去されず、網膜に残ってしまったものです。ドルーゼンが網膜上に残ってしまうと、網膜が凸凹してしまうことで変視症の原因になったり、加齢黄斑変性症の原因になると言われています。鍼灸治療は網膜の循環障害を取り除くことは、中心性漿液性脈絡網膜症の臨床結果からも明らかですが、ドルーゼンに対しての効果に関しては、未だはっきりとしたこと
まだまだ構想段階ですが現在自分一人で計画していることは、「治療頻度を少なくても眼科疾患の進行を防げる」ということを証明出来ないかということです。現在当院で行っている鍼灸治療では、特定の眼科疾患でだけであれば、治療頻度を減らしても悪影響がないことを確認していますが、それ以外では基本的に、「治療効果=治療頻度」という法則があります。そのため、徐々に進行する網膜色素変性症や緑内障では、週1回~2週に1回の治療頻度を守って頂いています。ところが
ご紹介することは珍しくありません色々な経緯で折角ご来院して頂いたにも関わらず、私が自ら施術をすることなく他院にご紹介するのは、次のような時です。1.明らかな不適応疾患で来院された時当院で鍼灸治療を受けて頂いたとしても、根治どころか悪化する可能性がある場合には、迷わず専門医にご紹介します。(鍼灸で悪化するわけではありません)例えば、未だ診断を受けていない悪性腫瘍や予後不良の疾患など、当院で治療を受けていることで、適切な治療機会を失うことが予想される場合に
網膜ドルーゼンに治療効果あり?現在進行形のお話ですが、約2カ月前から網膜ドルーゼンの患者さんに対して、鍼灸治療を行っています。現在まで週2回の施術を続けながら、当院で経過を観察しています。網膜ドルーゼンは、眼底部の循環障害により老廃物が溜まり、網膜の変性を起こす原因とも言われますが、未だに西洋医学では取り除く術がありません。網膜にドルーゼンがあると網膜に凸凹が出来るため、視野に歪みも現れます。(変視症)そのため、もし鍼灸治療でドルーゼンが除去出来るなら
先日、K-popでも聞こうかとYouTubeを見ている時に、たまたまとある眼科医のYouTubeを見付けました。その中では、目の周囲に電気を流すことで、網膜色素変性症や緑内障が改善するようなことを言っていました。内容としては、当院がよく言っているような内容と同様で、脈絡膜の血流が良くなることで視野や視力が多少改善し、症状の進行が防げる可能性があるのではないかというものでした。ただコメント欄を見ていると、多少自分なりに解釈したり過大評価する方もいたりし
眼科疾患は全身状態が影響イスラム教にはラマダンという習慣があります。このラマダンの1カ月間は、日の出から日没までの間断食をしなくてはいけないため、一時的に飢餓状態に近くなります。完全な断食ではないものの、日没から日の出までの間に1日分の食事として、普段よりも水分を多くした大麦粥であったり、ヤギのミルクを飲んだりするそうです。(Wikipedia参考)こうして接種する飲食物を大きく減らすと。眼底部にある脈絡膜の厚みが薄くなるという報告があります。The
先日こちらでも少しご紹介した、近視性脈絡膜新生血管による視力低下の患者さんですが、その後大学病院の検査で回復が認められ、職場復帰を果たすことが出来ました。<その時のブログ>『とある日の治療院日記【イレギュラーな治り方は過大評価しないこと】』治り過ぎると怖くなる?長年治療院をしていると、たまにイレギュラーな患者さんに出会うことがあります。見たことも聞いたこともない症状や病気、そしてどんな治療…ameblo.jp発病後視力が1.2から0.3になっていたのですが、
治って終わりではありません中心性網膜炎による中心性漿液性脈絡網膜症や、脈絡膜新生血管による出血の後、適切な治療や生活改善を行うと、多くの人が症状を改善することが出来ます。ただこうした症状が特別な理由もなく発病した場合には、その原因は生活習慣や様々なストレス、或いは体質などによることが殆どです。症状が無事改善すると、今までの生活に戻る方が大半だと思いますが、それだけでは症状が再発しても仕方ありません。そこで眼科疾患の再発を防ぐために出来ることは、生活の
治り過ぎると怖くなる?長年治療院をしていると、たまにイレギュラーな患者さんに出会うことがあります。見たことも聞いたこともない症状や病気、そしてどんな治療にも全く反応しない方や、逆に驚くほど早く変化する反応する方などです。今回の患者さんは、驚くほど早く変化した患者さんです。この患者さんは、近視性脈絡膜新生血管による中心性漿液性脈絡網膜症を患い、2回のルセンティス(抗VEGF薬)の眼内注射を受けましたが、効果が見られないためご来院されました。来院時には通
治療開始には勇気が必要虚血性後部視神経症は、視神経を栄養する血管の循環障害により、視神経の栄養不良や酸素不足が原因で、機能低下や変性が起こる眼科疾患です。<参考HP:虚血性視神経症と鍼灸>栄養血管の循環障害が血管の炎症で起こる場合には、ステロイドパルス治療が治療法として選択されますが、それ以外の原因の場合には基本的に治療法がありません。視神経症に虚血が起こった場合、恐らく最初の内は可逆的な機能低下が進んでいき、その後不可逆的な神経の変性が起こってくると思われま
一石二鳥になる患部の触診よく患者さんから聞くお話として、「最近の医者は患者に手を触れずに、検査データだけで診断をする。」というものがあります。確かに西洋医学では、検査データを中心に診察を進めるため、悪いところを触ったり見たりするよりも、画像診断や血液検査のデータを中心に見ることが多く、患者さんにとっては不満と不安を感じることに繋がります。まぁ内臓が悪いからといって、実際に内臓を触ることが出来るわけでもありませんので、現在の検査データでの診察が悪
よくぞ当院に来て下さったという患者さんでした先日ご来院されたのは、当院の患者さんとしては珍しい70代の方でした。数年前から目が見えづらくなり、近所の眼科で診察を受けた結果、「網膜ドルーゼン」と診断されたそうです。網膜ドルーゼンとは、網膜で新陳代謝の結果生じた老廃物が、処理能力が低下したことで上手く除去できない為に、網膜とブルッフ膜との間に貯留したものです。ドルーゼンがあるからといって、視力低下が起こるということはありませんが、加齢黄斑変性症との関係
治療頻度は治療技術よりも大事かも治療頻度のお話は、このブログでも度々取り上げています。当院のような自費の治療所では、治療費がどうしても高額になる為、治療院選びにとっても、治療頻度は重要な決定要因になるはずです。(交通費もですが)そこで私の治療所では、予め初診の際に、予診票の中で希望する頻度を書いて頂くようにしています。その上で、こちらが必要だと思う頻度を提案し、出来るだけ合意の上で頻度を決定しています。ただ患者さんが希望する内容と、必要
白く見えるのには理由があるのです網膜色素変性症の方とお話をしていると、眼科の検査では眼に問題がないのに、「まるで白い霧の中にいるようで…。」と訴える方が少なからずいらっしゃいます。網膜色素変性症の方は、続発症としての白内障を発病しやすいため、多くの方はこれを疑うのですが、白内障なら一目瞭然で眼科の検査で分かります。ところが眼科では白内障を否定され、眼には問題が無いと言われてしまうため、「自分が気にし過ぎなのかな…」「それとも別の眼科疾患のせいなの
自分でコントロールする日を目指して中心性網膜炎や中心性漿液性脈絡網膜症と診断された方は、発病から時間が経ってくると、症状の変化が自覚的に分かるようになります。眼底の浮腫が増えるに連れて、光の輪が見えたり、見える映像のゆがみが強くなったり、見える映像に色がついていたりします。また症状の悪化が何によって起こるのかも分かるようで、仕事で眼を使う頻度が増えたり、精神的なストレスを強く感じたり、睡眠時間が減ってきたりすると、上に書いたような症状が強くなり、眼科を受診
「専門家」を鵜吞みにするのは…東洋医学は全体を見て治療する医学である為、特に専門分野はないというのは、古典的な東洋医学的鍼灸をする人の常套句です。こうした、「どんな症状でも、どんな疾患でも治療出来ます。」という言葉は、はたして信じても良いのでしょうか?四診は自己評価が難しい東洋医学は四診を使って患者さんの状態を把握しますが、この四診の能力を自分で正しく把握することが難しく、しばしば鍼灸師の過信を生む原因になります。そのため、患者
中心性漿液性脈絡網膜症は時間との闘い先日ご来院された方は、約1年半に渡って施術を受けて頂いている患者さんでした。この患者さんは、原因不明の中心性漿液性脈絡網膜症を発症し、経過観察では症状が改善しなかったため、鍼灸治療を受けて頂いています。つい先日、発症から1年半経ってOCT検査を受けたところ、網膜の浮腫が完全に無くなっていたということでした。この患者さんの場合、初診の時が発病から約5か月ということで、比較的早い時期に来て頂いたことも、完全に浮腫が引いた
実際に患者さんからの情報は貴重よく患者さんから、「ここを押すと楽になるんです!」とか「ここと繋がっているみたいなんです!」と言われることがあります。そのほとんどは既に臨床的に経験済みで、自分の持つ知識で説明が出来ることなのですが、中には目から鱗が落ちるお話を聞くこともあります。実際に疾患や症状を抱える患者さんからの声を聴くと、それらの疾患や症状に、より深い理解が出来ることもあるため、毎日同じような内容のお話にでも、治療家はしっかりと耳を傾ける必
私が今回の治療所を開設以来、ずっと気になっていることがありました。それは治療室のドアのことです。当院はあまり広くないスペースにも関わらず、個室を作りたかったものですから、比較的強固な壁とドアを使って部屋を仕切っています。以前の治療所では仕切りはカーテンのみで、柱があるせいで個室風だったものの、完全な個室ではありませんでした。そこで張りきって完全個室にしたものの、狭いスペースで部屋を作ったため、廊下も決して広いとは言えない幅で、しかも経費を抑えるた
よく鍼灸院のHPなどでは、鍼灸治療が効果を挙げるものとして、色々な症状や疾患が挙げれています。そこで今回は少し違った視点で、鍼灸治療が効果を挙げやすいものと、挙げにくいものを分類化する方法について、書いていきたいと思います。今回の分類では、効果の挙がりやすさの評価として、◯:非常に効果が挙がりやすいもの△:効果が挙がるまでに時間が掛かるもの、或いは出にくいこともあるもの。✖︎:効果が期待出来ないか、あったとしても例外的なもの。という3
進行予防には血管攣縮を防ぐ血管の攣縮(れんしゅく)とは、血管が異常に収縮してしまうことです。血管の攣縮が起こると、その欠陥を通る血液で栄養している組織では、栄養不足や酸素欠乏により機能低下が起こってしまい、場合によっては組織の脆弱化や壊死が起こります。血管攣縮の原因となるものは、喫煙や血管内を通るホルモン、そして自律神経の働きによることが多いようです。原因不明の眼科疾患の中には、こうした血管攣縮によるものが含まれるようで、この血管攣縮を改善することが、
鍼で治るのは仮性近視のみだけど…先日来院前の患者さんから、「近視は鍼で治りますか?」というご質問を頂きました。同じような疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますので、こちらでお答えしたいと思います。Q.近視は鍼で治るのか?A.治りません(以上!)というわけにはいきませんので、少し詳しくご説明してきます。そもそも近視というのは、目から入った光(映像)が、眼球内のどの辺りで像を結ぶかで決まります。しっかりと網膜上で像を結