されど彼国(かのくに)へだに到(いたり)なば、百日が間(あひだ)には、かならず捕得(とりえ)んといふ事のまづうれしく、易〓(やすなり)には厚(あつ)く酬(むくひ)て、次(つぎ)の日彼人(かのひと)の勘文(かんもん)をもて、縁由(ことのよし)を聞(きこ)え奉(たてまつ)り、百日を限(かぎ)りて鶴(つる)を尋出(たづねいだ)す/べきよしをねがひ給ひしかば、上皇(じようくわう)やうやく聴(ゆる)させ給ひて、「しからば日数(ひかず)たがひなく、鳥(とり)を進(まゐら)せ候へ」と仰下(おふせくだ)されけり