「客からみた誠もあれば、遊女から見た情けがあるのが当たり前、客の中でも粋なふりして悪知恵を働かせるのもいます。前髪を垂らしている子供のころからなめ腐った了見で、遊女、芸子は嘘をつくのが常。産毛ほどの誠もなく人を騙すのが仕事だとばかり。飲み込んだ僻みから思いのほか女郎、芸子が誠を言い、惜しがっていれば、店の主人にも親にも女郎が神や仏にのめりこんで、千万人の客の中に誠を建てるのは自分だけと、自分に納得させて。それなのに頼みもしないのに、正義感振り回してろくでもないお客だねぇ。と寄ってたかって梃をつか