わたしがジェンダーをめぐる世の中の風向きの変化を察知し、「自分のような者が性をめぐる心のあり方をカムアウトしても、許される世の中になってきたんだ」と判断し、性同一性障害当事者という立場を鮮明にしたのは2003年でした。ちょうど上川あやさんの世田谷区議選への立候補の時期と重なりました。その上川さんのニュースとからめながら、当時わたしが発行していた個人新聞『ふだらく通信』の第72号(2003年4月)、第73号(同年5月)、第74号(同年8月)に、三回に分けて、まずは客観的な話から始めて、最終的にはわ