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金文(きんぶん)を書くには、文字を調べる必要があります。大保𣪘の「対(對)」字は、特に調べないと、何が何やら判りません。調べて、調べて、やっとこさ、書けるのです。生徒さんは、正確な文字を書いて、全臨完成です。安東麟ando-rin@nifty.com
何年前であったか、夫と息子たちが、3人そろって四日間家をあけるということがあった。おそらく、サッカーチームの夏合宿だったのであろう。記憶はいつでも曖昧である。日頃、朝から晩まで誰もいないなど、ありはしない生活であったため、甲骨文や金文の原寸拓本のトレースをしようと決めていた。朝からずっと書き続け、楽しくて、朝昼晩の食事の時間以外は、ずっとトレースをしていた。3日目の夕方であったか、グズグズグズ~という低い音が聞こえ、目が回った。
今回は、戦いの甲骨文と題して、松丸道雄氏の解説による『中国法書選』【1】を参考にした資料を作成しました。問い1「子」について新訂『字統』によりますと、十二支の「ね」は籀文の字形とあって、干支に用いる「ね」はその簡略形で、子の字を第一辰の「ね」に用いることはないとあります。同じ甲骨文内で、わざわざ「子」と「ね」を使い分けるのは、なぜでしょうか。答え新訂『字統』の白川先生のご文章、解りづらいですね~。久しぶりに読んでも、読みにくい。ただ、この読みにくさが、白川
篆刻家の清水先生の御実家にて、甲骨文を読み取る勉強会を開いています。月1第3週の土曜日、昨日も行って、資料について語ってきました。清水先生の後ろに乗せてある本は、以前、勉強中に崩れました。整理すれば、清水先生側にも人が座れる。この間まで、わたしが一番若くてぴちぴちしていたのに、ぴちぴちで、才能があって、肌がpinkの若い女性たちが入って、平均年齢はぐっと下がり、お部屋もぎっしり。この筆文字の写真はイトーさんが書いてくれた、今回の部分。
「臨書」は、「手習い」、「習字」と言い換えることもできそうです。「臨書」を読み下すと、書に臨むと読めます。臨むとは、目の前にする、面するという意味で、書の古典を目の前に置き、眺めて書くことを表しています。また、「手習い」、「習字」は、書の古典の文字を見て、手で習う(書く)ことを意味しています。目の前の古典を見てから、書く。「な~んだ、簡単そうだ」と思われるかもしれませんが、見る時に、何を考えるかということが重要なのです。つまり、書く前段階として、見る、眺める。書くために、文字分析
池袋にある、お習字の先生である清水先生の御実家を改装した御宅にて、月1の、甲骨文や金文を読むお勉強会があります。10人にも満たないメンバーで、一般の、おじさま、おばさまが参加されています。安東麟の書道教室ではないので、書くということはいたしません。(ただ、以前いらした、我が生徒さんの車地さまは、積極的にその日に読む部分を半切に書いてきました。偉すぎる~。)2024年5月からは、字源は落合淳思氏の書物に準拠して、天来書院発行の中国古代の書①『甲骨文』を読
これまで、甲骨文オタクの日常の作業として、いや、もはや趣味と化した行為であり、甲骨文に触れていないと気が済まないため、ひたすら一つの甲骨を読んでは、拓本をスキャンして、研究者の訳を読んでは、落合淳思氏の記述する字源に当てはめて、試訳し、「面白い」とか、「この内容では人の心には刺さらない」など腕組みをしながら、独り言を言っては、USBに保存して、寝かしてきた。それが大量になり、分類は行っているのであるが、中には、古いままの資料が残ったままのものがある
O黒さんは、とても静かな方です。出しゃばらず、おしゃべりではなく、いつまで経っても、乙女のようです。2月の最後は、祖先神の甲骨文をさせていただきました。半切に書いてくださいました。毎回、我が学書会の甲骨文の書の在り方である、「刻風は真似しても、刻法に縛られるな」を忠実に理解して、書いてくださっています。伊藤さん!O黒さんって素敵ですね。あのような人になりたいと言ってみたところで、性根がどう考えても出しゃばりな私は、絶対にO黒さん
これは、甲骨文を専門にする書家の視点から見た、甲骨文のガイドです。甲骨文を創作する場合のガイドではなく、甲骨文の臨書を行う場合の心得です。書道を愛好する方は、すぐに筆を持ってしまいがちですね。すぐに墨を磨って筆を持って書こうという姿勢は素晴らしいとは思うのですが、まずは、頭を動かしましょう。まずは、脳トレ、理解が先です。古代文字は、いきなり筆を持って書くことはできません。知らないで書くことはできませんよね。まずは、前段階として、甲骨文を書く前に行な...youtu.be天来書院
古代文字を専門とする書家が字形分析を行うなど、古代文字に取り組むさまをご覧いただければ幸いです。是非、漢字のルーツである甲骨文を書くところを見て頂いて、古代の文字を体感していただきたいと思っています。これまでは、秦の始皇帝が文字統一を果たした時代以前の先秦(せんしん)の文字は、定型化する前の文字として、古代の文字にルール(型)などまだ作られていなかったとして、書道研究は深くされてこなかったという印象があります。それで、自由に書いて良いという風潮になっていったのです。書道を愛好する方々が、甲骨
家人が外出し、静かになったリビングで動画を撮りつつ、説明するのが好き。ただし、家人がいきなり帰ってくると、気まずい・・・。そして、せっかくうまくお話しできた、うまく説明できていると思ったときに限って、息子がちょっと早めに帰ってきて、未完成の動画となり、削除!2度ほど、舌打ちして、親の仇のような目で見ると、息子は恐れをなして、すぐ出るからさ~と言って、すぐさま外出してくれる。静かになったリビングで動画を撮るのが、大好き。字源を知れば、古代文字が書ける‼古代ロ
これは、甲骨文を専門にする書家の視点から見た甲骨文のガイドです。ここでは、落合淳思先生の字源説明に依拠し、基本形(基本的字形)を可視化して提示させていただくことも目的の一つとしています。甲骨文のナビゲートは、わたくし、古代文字書家安東麟です。天来書院テキストシリーズ甲骨文をご持参の方‼お持ちでない方も~、みんな集まって~‼甲骨文のガイドを行いますよ~。これまでは、秦の始皇帝が文字統一を果たした時代以前の先秦(せんしん)の文字は、定型化する前の文字として、古代の文字にルール(型)などまだ作ら
今回は、おそらく今月だけたぶん今回限り3月1日に送付しました。以前、大分に届くのが中旬になったことから、今回も、速達郵便にしました。金曜の午後4時半すぎに出しても、次の日につくのですね。先月は、ご丁寧にしっかり資料に目を通してくださいまして、感謝申し上げます。まったく無にしたわけではなく、必ず役立てますから、伊藤さんのご助言も入れつつ、資料作りを行ってまいります。ありがとうございます。2024年3月3日あんどうりん
書いて味わう甲骨文‼甲骨文の王系表を落合淳思先生の『殷ー中国史最古の王朝』に拠って作りました。この表をもとにして、祖先神を含む甲骨文を読んでいこうと思っています。安東麟(あんどうりん)●書家のパフォーマンス書家を自称する方がパフォーマンス重視になっている昨今、書家という職業は、文字に丁寧に向き合い、書くという視点を持つことから、文字分析に長けた強みを打ち出したいと考えています。「古代文字を可視化する」「古代の書記者に寄り添う」をモットーにして活動する古代文字専門の書家の安東麟が、新たな古代文
タイトルは、辛口コメントと記述しましたが、これが大切なのです。これまでは、お弟子さんは、師匠の言いなり。こう書きなさいと言われたら、こう書く。書道という道は、師匠が導いてくれる通り、師匠のおっしゃる通りに書いていくのだというあり方でしたね。しかし、これでは、お弟子さんが師匠になれるのは、師匠が死んでから。師匠が長生きならば、いつになっても、そのお弟子は、弟子のまま。(大人しい、わたしがその世界に入ったら、確実に陽の目を浴びないうちに、弟子の中でも頭角を表せず、死んでいくだけであります。)お
・これまでの甲骨文の臨書とその問題点これまで甲骨文の書は、刻された文字を眺め、その刻された甲骨文を臨書していた。だが、甲骨文は筆で下書きされており、甲骨版上にいまも残る筆文字を眺めると、下書きのちょうど中央部分を彫っていたことが判明した。(安東資料作成済)天来書院の本に記載のある「骨書(ほねがき)」という文言をご存じであろうか。現代書道の父と言われる比田井天来(ひだいてんらい)氏の御令孫である比田井和子氏が、佐野光一先生とテキストシリーズを出版する際に、小さい文字などには硬筆で