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JamesSetouchi石川達三『悪女の手記』新潮文庫1石川達三1905~1985秋田県横手の生まれ。東京、岡山県高梁などで育つ。早大英文科中退。1930年移民船に乗りブラジルへ。1935年移民の実態を描いた『蒼氓(そうぼう)』で第1回芥川賞。日中戦争開始時南京事件を扱った『生きている兵隊』。他に『風にそよぐ葦』『人間の壁』『青春の蹉跌』『四十八歳の抵抗』『悪の愉(たの)しさ』など。最も有名な作家の一人。(新潮社の作家紹介などから)2『悪女の手記』(ネタバレします
JamesSetouchi石川達三『蒼氓(そうぼう)』1石川達三1905(明治38)~1985(昭和60)。秋田県横手市生まれ。早大英文科中退。1930(昭和5)年、移民船でブラジルに渡る。半年後帰国。1935(昭和10)年『蒼氓』で第1回芥川賞受賞。他に『生きてゐる兵隊』『風にそよぐ葦』『人間の壁』『青春の蹉跌(さてつ)』など。(新潮社の作者紹介サイトを参照した。)2『蒼氓(そうぼう)』1935(昭和10)年同人雑誌『星座』に発表された。第1回芥川賞を受賞。
石川達三の小説「生きてゐる兵隊」が伏字だらけで掲載された『中央公論』は1938年2月17日に配本されたが、次の日はもう「聖戦にしたがう軍を故意に誹謗したもの」として発売禁止となった。さらに石川達三は雑誌の編集者、発行者らと共に起訴され、翌年4月に禁錮4か月、執行猶予3年の重い判決を受けている。判決理由は、「皇軍兵士の非戦闘員殺戮、略奪、軍規弛緩の状況を記述したる安寧秩序を紊乱する事項」を執筆したからだという。(半藤一利「『生きている兵隊』の時代解説に代えて」石川達三『生きている兵隊』中公文庫
栗原貞子は夫の唯一が1940年に徴用で上海にいた時に見聞きした話をもとに、戦争中の1942年、秘かに詩「戦争とは何か」を書いた。高梁が秋風にザワザワと鳴っている高梁畑では女に渇いた兵士たちが女達を追い込んで百鬼夜行の様を演じるのだ。故国にあれば、よい父、よい兄、よい子が戦場という地獄の世界では人間性を失ってしまって猛獣のように荒れ狂うのだ。(栗原貞子「戦争とは何か」部分『問われるヒロシマ』三一書房1992より)日中戦争では日本軍兵士による略奪、強姦
この本は、中国に赴任する前に読んだ何冊かの日本軍による中国での民間人の虐殺について著した本である。作者の石川達三さんは中国戦線へ従軍してこの自由な創作を試みたものである、と部隊名、将兵の姓名などすべて仮想のものと宣言している。内容はとなれば、かなり生々しいショッキングな描写が続きます。昭和十三年『中央公論』から伏字削除され発表されたが、即日発売禁止となる。その後、石川達三さんは逮捕起訴となる。当時の日本には表現の自由はなくなっていたということです。日本の第二次世界大戦