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獅子文六は横浜出身なのに題名は今の横浜では聞いたことがない言葉です。終戦直後の日本では一般に使われていたのでしょうか?今の横浜の状況と比べて読むと非常に興味深いです。巻末の獅子文六のエッセイに出てくる聘珍楼も本店は移転のため閉店と横浜で暮らす同窓生の中で話題になっていました。5月15日まで。最後に行きたい気もするし、中華街は混んでいそうで嫌な気もするし。2、30年前は最低でも年に5回は中華街での食事に行ったり宴会に参加したりしていました。それぞれの贔屓の店があって楽しかった。最近
3月23日(水)の観劇。公演は、27日までなので、すでに終わっていますが。原作は、獅子文六(1893~1969)。『可否道』という題名で、1962年から翌年まで、読売新聞に連載されたもの。1969年に、文庫化された時に、『コーヒーと恋愛(可否道)』(ちくま文庫)と。1963年には、『可否道よりなんじゃもんじゃ』という題名で、映画化されてもいるそうです。それを、五戸真理枝が、脚色・演出。観劇の前には、当時の風俗の上に成立している、「古色」がかった作品と。しかし、実際は、2時間25
カムカムエヴリバディすっかり朝ドラ『カムカムエヴリバディ』にハマりこんでしまって日々楽しみに観ていますが、いよいよ次週で最終回。なんだか細かいところに、小さなミステリが細工物ののように象眼されていて、脚本の藤本有紀さん自身、ずいぶん楽しまれて書かれているのかな?といった印象です。ちょうど、オダギリ・ジョーが登場した後半から割ときちんと観だしたのですが「朝ドラ」はやはり第1作の原作となった獅子文六『娘と私』を踏襲することで成立している。獅子文六は戦後のホームドラマの原型をつくりあげた作
文学座アトリエ公演『コーヒーと恋愛』無事閉幕。船を降りて陸に上がった時みたいに足元にまだ波の感覚が残っている。ちょうど千秋楽の3月27日に東京の桜は満開と宣言された。綺麗だな〜。桜の木を見るたびに足を止める。だけど今は、花をじっと眺めていてもやわらかな色や、ふわりとした形がなかなか脳裏に定着しない。思い出が多すぎるからだ。幾つかの手づくりの小道具は廃棄しづらく家に持って帰ってきた。コーヒーの花やハイビスカス的な花の冠カバのマスク数客のコーヒーカップ。雀の写真。
演劇はLIVE(ライブ)である。つまり「生」である。「生」である以上「死」は宿命である。終演後、舞台セットはバールと金槌によって瞬く間に消滅した。儚く悲しいことである。しかし、だからこそ尊いものでもある。毎公演、100名超のお客様と人生の貴重な一瞬を共有できた事に心から感謝申し上げます。ご来場下さいました皆様、そしてこのブログをご覧頂いた皆様、本当にありがとうございました。今後とも文学座にご声援を賜る事が出来れば幸いです。皆様のご健勝をお祈り致しまして長きに渡った『コーヒーと恋
信濃町の文学座アトリエで小説家で演出家、岸田國士、久保田万太郎と文学座を創設した獅子文六の小説を五戸真理枝が脚色・演出した「コーヒーと恋愛」を観た。珈琲の入れ方を研究しその作法、味の追求を茶道ならぬ「可否道」として広めていこうとするサークル仲間たちの中の紅一点、アイドル的存在の女優坂井モエ子(吉野実紗)の恋愛模様を巡って—彼女の夫の浮気、別離に加え仲間内で新しい恋を成就させようという動きがー話は展開していく。「文学座ならではの脚色」を目指したという五戸、確かに年齢層の厚い、安定感
先日「コーヒーと恋愛」の配信のときお三人の幹事について語るようにとの指名があった。三幹事と言われてもお三方は雲の上も上宇宙の人といった感じで結局私のむかし語りに終始してしまったがそのとき語り切れなかったいくつかを並べてみようかと思う。1950年、終戦の5年後。あたりはまだ焼野原が残っていてその中にすっくと建った文学座アトリエはそれはそれはおしゃれな建物だった。芝生に覆われた庭と、舞台客席は大きな一枚ガラスの扉で仕切られ庭に置かれたシャコ貝を小さなクマの噴水が
この小説を初めて読んだのは4年くらい前。誰か舞台化してくれないかなー絶対面白いのになーと思っていたら文学座が上演してくれましたコーヒーと恋愛原作:獅子文六(同名タイトル)脚色・演出:五戸真理枝於:文学座アトリエ知らなかったけど文学座の創設者だったんですね獅子文六(=岩田豊雄)さん。原作を3回は読んでいるので登場人物のイメージが私の中で出来上がっていたんだけどそうそうわかる〜と、ビジュアル含め納得のキャラ設定に満足満
今朝の横浜の空、うっすらと雲が上空を覆っていますが、晴れていて明るいです。この雲が払われていくに連れて暖かくなるのでしょうか。それにしても昨日は前日と一転、日差しがなく寒い1日でした。午後から降り出した雨脚が強まるにつけ、コートは身に付けていましたが、なんでこんな日に芝居の切符を買ったのだろうかと我が身の不運を呪いました。昨日はNPOの仕事を午後2時に終えて、まずはMスポーツセンターに向かいました。いつもなら午後3時頃から午後5時までをここで過ごして、6時には帰宅出来ます。しかし、午後6時
はじめまして、研修科2年演出部の丸島たまみと申します。2月26日更新の記事内で五戸さんにも紹介して頂いたのですが、美術家を志望しています。現在研修科生でありスタッフとしてまだまだ勉強中という立場ですが、この度衣裳担当で参加させて頂いております!とある日の稽古終わりに五戸さんに衣裳のご相談をさせて頂き、一通り打ち合わせが終了した所で『丸島さんもブログを書いてみない?』とのご提案がありました。ブログが二週目に差し掛かり、【私の偏愛】というテーマで書かれた座組みの皆さまの記事を拝読しながら
『コーヒーと恋愛』2ステージ上演されてみますと物語に新劇が出てくるせいかアトリエや、そこにいる俳優やスタッフそしてお客様にも馴染みやすい演目のようで。既に何十ステージもこなしてきたかのようなこなれ感があり不思議な芝居だナァと感じております。この演目は今回、照明プランを担当している阪口美和さんの発案で企画されました。(明かり作り中の美和さん)企画を練り始めたのは2017年の秋。あれから4年半。時間に関しては通常の倍以上かけております。山あり谷ありの道のりでした。
文学座アトリエ公演『コーヒーと恋愛』は明日が初日。ここまできたらさすがに無事に開幕できる気がする。ありがたいことです。戯曲を書く段階でかなり沢山の笑いどころを仕組んだのだけれども。果たして、作用するのかどうか。まだ演出的なつめが甘いところがあるだろうか。笑いを取ることばかり狙っちゃいかんと自分に言い聞かせている危険な登山の最後の岩場。毎朝起きるとまた今日も生きてるのか。あー働かにゃ。と思い。重い体を引きずり起こして朝ご飯を作り洗濯して掃除をして。それから稽
急に娘が幼い頃、お祭りですくってきた小さな金魚が飼いたくなった。コロナ以来、海外在住の娘とは3年も顔をあわせていない。金魚飼おうか飼うまいか……?まずPCで金魚鉢を取り寄せたものの、金魚そのものは何処で買えばよいものやら?調べてみると1匹数千円もするものばかり、私の欲しいのは昔お祭りですくった名もない小さな金魚なのだ。考えたあげくフェースブックにコメントを出したところ、大勢の方からメッセージを頂いた。一匹60円、小さな赤い金魚3匹。最初に買った水槽は3匹の金
獅子文六著の「やっさもっさ」は七十年前に発表された。戦後間もない横浜が舞台である。実はこの文庫、横浜崎陽軒のシウマイのパッケージが全面帯になっていて、それを見て母ちゃんは購入を決めたそうだ。シウマイの話もちょこっと出てきたが、それが本題と云うわけではない。戦後の混血児の話がメインである。何しろ昔に書かれた本だけに、人種差別の表現はすごいし、人権無視の台詞は飛ぶわ、七十年前の日本ってこんなかよと驚きはしないが、その時代と比べると今の世って生温いなと思わざるを得ない
ブログリレーは、まさに今2巡目に入ろうとしております。稽古場より、実況を五戸がお送りいたします。『コーヒーと恋愛』チームは2月23日いよいよアトリエ入りしました。毎日本番の舞台装置で稽古しています。今回の舞台装置は一言で言うと“おしゃれ”です。もう一言添えるとシャレが効いております。立ち稽古の2巡目に入りお芝居は少しずーつ、うっすらと喜劇性を増してきました。コーヒーを飲む場面がいくつもあるのですが淹れたり、配ったり、飲んだり、しゃべったり大忙し。恋の場面は
私は朝倉セツさんの猫の絵のモ-ニングカップを使っている。「コ-ヒ-と恋愛」の冒頭に、エッグシェルというカップがでてくる。光が透けるほどの薄さだそうだ。むかし私は京都の古道具やで、かなり薄手のカップを求めたことがあった。トルコの青のド-ムを思わせる美しい小さなカップだった。な~~んにも無い日、ゆっくり朝寝をして、ヴェランダからの陽をあびながらコ-ヒ-を飲むのが私の贅沢な休日だった。そこつ者の私にそんな日が長く続くはずもなく、間もなくそのカップは、繊細な破片と化してしま
家から数駅離れたところにちょっと特別なコーヒー豆の専門店がある。店の名前は“焙煎急行”『コーヒーと恋愛』脚色のためにコーヒーを研究しはじめたばかりの頃この店の前を通りかかった。雰囲気に誘われて、入ってみると世界各地の生産者から買い付けた豆が生豆の状態で陳列されていて。お客の好みに合わせてその場で焙煎して売るお店だった。あの頃はまだ私はコーヒーという飲み物を掴みきれておらず『コーヒーと恋愛』に出てくる“可否道”というものをどうあつかって脚色するべきか迷っていた。
2月9日スタッフ、キャスト、みんなで池袋に集合。コーヒーの勉強をしてきました。劇中でに出てくるサイフォン式ネルドリップ式フレンチプレス式でコーヒーを抽出する原理と器具の扱い方を習い実際にコーヒーを淹れて実習。俳優が器具の前で構えてみるとすぐサマになるものだなと感心しちゃいました。あっという間にコーヒーの達人、あるいは喫茶店の店主らしくなります。見た目は。本番の舞台ではリアルタイムで本当にコーヒーを淹れる予定です。出演者の皆さんは、緊張で手が震えるのをお
前回2コマ目がちょっとヒドいことになっていたので、差し替えさせてください。獅子文六先生の大番のことを詳しく知りたいという方はどうぞ御自分でお調べなさって下さいね♥つづく
『コーヒーと恋愛』の稽古は静かに進行しております。本日は脚色、演出担当の五戸より稽古場レポートのような演出家のぼやきのような記事をお届けいたします。実は私は1月の中旬から下旬にかけて新型コロナに感染してしまいました。稽古開始の5日前に外出禁止が解けるという。ギリギリセーフな感染。マジで気をつけろよ演出家って感じですよね。申し訳ない。。当人としては「モデルナワクチンの強い副反応に2回苦しんだのに結局、感染するんかい!!なんでやねん!!あーあ。不条理だ。
昨日、『コーヒーと恋愛』というタイトルの私が脚色、演出を担当する公演の稽古がはじまりました。わたしは最近、演出家としてプロとして仕事をはじめていますが演劇の世界で一番やりたかったことは劇作の仕事です。2005年の春に自分には自分の書いた戯曲を演出する力が足りないのだと痛感して、文学座附属演劇研究所に入り勉強しようと決意しました。あの春からもう17年。今回の戯曲は脚色ですが自分の書いた戯曲を自分で演出することが果たして、できるかどうか。楽しい演劇を作るにあたり作
こんにちはいつも、ありがとうございます。今日は、舞台のお知らせです。「マーリエ・プロジェクト」の活動でも、縁の下の力持ち?として、色々とサポートしてくれている、原康義(はらやすよし)氏の😂今年初の舞台出演のお知らせです。文学座公演3月アトリエの会「コーヒーと恋愛」原作:獅子文六脚色・演出:五戸真理枝於:信濃町文学座アトリエ2022年3月15日(火)~27日(日)
≪畳≫百年文庫③林芙美子・獅子文六・山川方夫百年文庫、3冊目の漢字は≪畳≫山川方夫さんは存じあげなかったのですが、パワーのある作品でした!⇑クリックお願いいたします<(__*)>
正月の間に戯曲の第三稿を固めなければならない。第三稿とは『コーヒーと恋愛』の決定稿。ここ数日、ひと月ほど前にやっと完成した第ニ稿をにらめつけている。ひとつ、大きな改変をどうやって取り入れるべきかずーっと考えていたのだけれども。やっぱり変えないことにした。ここまで書いてきた自分を信じよう。そう決心がついたらすっと気が楽になった。私はこの『コーヒーと恋愛』の戯曲を何がなんでも傑作にしなくちゃと相当、肩肘張ってたんだなぁ。でももういいです。劇作家の仕事、終了とします
札幌も雪☃️。。。今年もまた雪との闘いの日々が。。。広島に生まれた時は、まさかこんな雪の国に来るとは思いもしませんでした。昭和25年は庶民達が「自由」と言う言葉を意識し出した時期。戦争も終わり、その安心感か、次第に軽薄に傾いていく当時の世相を反映しているものでしょう。かっては敵性用語と厳しく使用を禁止された英語も、気軽に使う様になりました。その一つが獅子文六氏の小説「自由学校」。「自由学校」では「とんでもハップン」と言う言葉が生まれ大流行。。。元は、第二次世界大戦後、学生の間で使
11月5日は本番前の最後のお休みだった。このあと劇場仕込み、本番と続くのでしばらく丸一日のお休みがなくなる。そういう休日にはうってつけの大気の透明度が高い美しい快晴。私は来年3月のアトリエ公演『コーヒーと恋愛』のチラシやポスターのデザインをお願いした小田島等さんの運営されている画廊へ打ち合わせがてら遊びに行った。阿佐ヶ谷駅を降りると目の覚めるような青い空と黄葉した木々のコントラストに包まれる。VOIDと画廊の名前で検索すると空所、がらんどう、と意味が出てきた。自分
しとしと雨の降る金曜日金曜日は『ジャンガリアン』の稽古はお休み今日は来年3月の文学座アトリエ公演『コーヒーと恋愛』のチラシのデザインについての打ち合わせがあった。ちくま文庫版のカバーデザインを担当していらっしゃる小田島等さんに全く面識がなかったのだけれどもダメ元で依頼してみたらノリノリな気配でデザインを引き受けてくださったのだ。何事も行動する前にあきらめてはいけないのだな。小田島さんの現代と過去が絶妙にミックスされる作品群。『コーヒーと恋愛』を文学座アトリエで
「自由学校」「自由学校」全編1951年5月5日公開。獅子文六のベストセラーを映画化。原作:獅子文六脚本:斎藤良輔監督:渋谷実キャスト:南村五百助:佐分利信南村駒子:高峰三枝子羽根田力:三津田健羽根田銀子:田村秋子藤村ユリ:淡島千景堀芳蘭:杉村春子堀隆文:佐田啓二辺見卓:清水将夫平さん:笠智衆茂木:松井翠声茂木夫人:高橋豊子長谷川金次:東野英治郎加治木:小沢栄下宿のおばさん:望月美恵子あらすじ:かねてから自由になりたかった南村
9月末締め切りの原稿を書き始めているので、ブログを書く時間が少なくなっている。そのため、この間、書いてきた「海軍」について簡単な中間総括を。獅子文六の小説「海軍」は。その書名のとおり日本の海軍の歴史と現状(海軍兵学校の様子を含め)をかなり詳しくかいている。もちろん、友情や恋心についても書いているが。しかし、若者を特殊潜航艇へと駆り立てるような表現はなく、主人公のたんたんとした生き方を描いているような感じがした。二作目映画でかなり長い時間描かれた海軍葬の場面は書かれているが、それ
『教育改革の終焉』、『教育の私事性と公教育の解体』をはじめ多数の分厚い著作を出されている市川昭午先生に、「いまの人たちがよく、真逆(まぎゃく)、という言葉を使っているけど、これは間違ったいるですよ。逆、でいいんです。」そういえば、私たちの世代は「真逆(ぎゃく)」などという言葉は使わなかったはずだ。と思っていたら、私より年配の獅子文六が書いた『海軍』のなかに「真逆、君、静物というものを、否定するんじゃあるまいね」という会話文が出たきたのである。この「真逆」という漢字にふら