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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問2今回は、「一般気象学」p69、図3.11、「エマグラム上で、熱力学のいろいろな量の間の関係」を参考にしながら、図4で実際に970hPaにある空気塊を持ち上げてみましょう。まず、970hPaの空気塊は未飽和ですので気温を乾燥断熱線に沿って、もう一方の露点温度を等飽和混合比線に沿って持ち上げていきます。次に、持ち上げている両者が交差するところで空気塊は飽和に達しますので、この高度が「持ち上げ凝結高度」とな
こんばんは。今回は、図4において、970hPaにある空気塊が断熱的に上昇した時の「持ち上げ凝結高度」および自由対流高度を超えて上昇した時の浮力がなくなる高度をそれぞれ求め、さらに上昇の過程で形成される可能性が高い雲の種類を十種雲形で答えよ、という問題です。今回も一般知識の大気の熱力学の復習ですが、今度はこのエマグラムを使って、実際に手を動かして、「持ち上げ凝結高度」、「自由対流高度」、自由対流高度を超えて上昇した時の浮力がなくなる高度、すなわち「中立浮力高度」をきちんと理解しているか確認
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問2まず、状態曲線(エマグラム)のある気層において、問題文の「大気の成層状態」について問われた場合ですが、エマグラムには、乾燥断熱線、湿潤断熱線、等飽和混合比線が引かれています。このうち、乾燥断熱線の傾きと湿潤断熱線の傾きに対して、ある気層の温度減率の傾きがどんな傾きを示しているかを見ることによって、「絶対安定」、「絶対不安定」、「条件付き不安定」を判断します。そこで一般知識の大気の熱力学の復習、「一般
こんばんは。前回は最も下層にある逆転層の下端の高度を読み取りました。今回はその逆転層の下端から970hPaまでの気層の状態を答えて、そのように判断した理由を述べよ、という問題です。35字程度で理由を述べよ、ということですが、難しく考える必要はなく、一般知識の「大気の熱力学」で学んどことを落とし込めば良いだけです。わからなかった方は、一般知識の合否関係なく、大気の熱力学をしっかり復習しておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問2※記事中の問題文
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1「一般気象学」p71の図3.13、「湿潤大気の静的安定性」の図を見ながら逆転層とは何かを考えます。気温減率が湿潤断熱線よりも小さい場合は安定であるということができ、このような部分が見られる気層のことを「安定層」とよんでいるわけですが、中でも特に高度が上がるにつれて気温が高くなる気温の逆転が見られるケースがあり、このような気層を「逆転層」とよんでいます。これを踏まえて、図4の名瀬の状態曲線(エマグラム)から、
こんばんは。今回からは、図4の8日21時の名瀬の状態曲線(エマグラム)についての問題です。この図を⽤いて、名瀬の上空の⼤気状態に関する問いに答えよ、ということで、最初は状態曲線より最も下層にある逆転層の下端の⾼度を10hPa刻みで読み取ってみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。13日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問1(5)まず、第63回試験・実技1・問3(1)でも触れましたが、一般知識に大気の熱力学の復習として、もう一度、一般気象学p72の図3.14、「自由対流高度の説明図」を見ながら考えてみます。条件付き不安定の成層状態において、例えば、地形による強制上昇や日射による地表付近の加熱や風の収束などによる何らかの原因で空気塊が上昇するとき、空気塊が飽和して凝結が始まる高度は「持ち上げ凝結高度」で概ね雲底高度
こんばんは。今回は、館野、鹿児島のそれぞれの地点において、自由対流高度を越えた後、空気塊の浮力がなくなる高度を求めよ、という問題です。先日、第63回試験・実技1・問3でも同様の問題を学習しましたが、すぐに求められるかチャレンジしてみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問1(5)問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。12日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問1(5)前問の(5)①において求めた館野の前線面の高度は810hPaでした。この高度は850hPaに位置する前線面よりも高い高度であることがわかります。(5)の問題の後の(6)では前線を解析する問題がありますが、前もって図2の赤外画像及び、図4、図5で850hPa面の前線の走向を見てみますと、ほぼ東西方向に延びており、そのため北側から南側になるほど前線面の高度が低くなっていることがわかります。したがって
こんばんは。前回は館野における前線面の高度を求めましたが、今回はその結果、この前線面が850hPa面では館野の「南」または「北」のどちらに位置するのか解答し、そのように判断した理由を述べよ、という内容の問題です。①の前線面がどこにあたるか理解した上で正解できていれば難なく得点できるかと思います。わからなかった方は、前問についてよく復習した上でチャレンジしてみて下さい。次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問1(5)問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援セン
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問1まず初めに、前線面とはどの部分を指すのかについて触れてみたいと思います。前線面とは、異なる気団が接する面のことをいいます。その前線面が地上に接しているところを前線とよんでいます。上に温暖前線面を例として簡単な模式図を描きましたが、左側の図の青い矢印でそれぞれ示しているところです。では、これを状態曲線(エマグラム)で見た場合、温暖前線面はどの部分にあたるかを示したのが右側の図になります。寒気
こんばんは。今回から①②③に分けて図3の館野及び鹿児島の状態曲線を用いた問題を考えてみます。まず、①では館野における前線面の高度を10hPa刻みで解答し、またそのように判断した理由のうち、気温について述べよ、という内容の問題です。一般知識や専門知識で前線及び前線面について断面で模式的に見た場合について学習しましたが、状態曲線(エマグラム)において、気温の鉛直分布でそれがどのように現れるかについてみてみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問1
このブログに掲載する気象予報士試験問題は、事前に(財)気象業務支援センターにブログへの掲載を確認し、ホームページで公開されている試験問題、または本試験の試験問題を使用しています。問題の答え・解答方法については(財)気象業務支援センターとは全く無関係で私個人の責任により掲載しています。今日は問2(3)(4)(5)を考えていきます。(3)について図8(C)を見ていきます。図1の九州付近の低気圧に対応する前線面の高度を答える問題です。前線面は気温の逆転層の上端で、風向が上層に向か
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、(A)について見ますと、湿数は全層にわたって湿潤で、図6(上)の予想においても湿数3℃以下の湿潤域と700hPaと一致していること、また地上における風向については、図4(下)の等圧線の走向から北から北西と推定され、状態曲線でも地上付近で弱い北から北西の風向となっていることから、秋田と判断されます。したがって、(A)は秋田となります。次に(B)について見ますと、(2)でも考察しましたように、風向が全層
このブログに掲載する気象予報士試験問題は、事前に(財)気象業務支援センターにブログへの掲載を確認し、ホームページで公開されている試験問題、または本試験の試験問題を使用しています。問題の答え・解答方法については(財)気象業務支援センターとは全く無関係で私個人の責任により掲載しています。今日は問2(2)を考えていきます。図8(A),(B),(C)をならべて見ていきます。真ん中の(B)の湿数と風向の鉛直方向の変化が他の2地点と異なる特徴を答える問題です。湿数については(A),(
このブログに掲載する気象予報士試験問題は、事前に(財)気象業務支援センターにブログへの掲載を確認し、ホームページで公開されている試験問題、または本試験の試験問題を使用しています。問題の答え・解答方法については(財)気象業務支援センターとは全く無関係で私個人の責任により掲載しています。今日は問2(1)を考えていきます。(1)は図8(A)を見ていきます。問題文に「気温と風向の鉛直分布から判断される、最下層から2つ目の前線面の高度」を20hPa刻みで求めると書かれています。ま
こんばんは。今回は、問2の(1)〜(4)のこれまでの考察に基づいて、(A)(B)(C)の状態曲線がそれぞれどの地点のものなのか、という問題です。気温減率、湿数、風向からその地点と判断できる決め手は何かを考えてみましょう。次回、一緒に考えてみたいとお見ます。第62回試験・実技試験2・問2問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。5日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2大気の静的安定性につきましては、大気の熱力学、図として一般気象学p71の図3.13「湿潤大気の静的安定性」で学習しましたように、気温減率が湿潤断熱減率より小さい、すなわち立っている状態であれば「絶対安定」、乾燥断熱減率より大きい、すなわち寝ている状態であれば「絶対不安定」、乾燥断熱減率より小さく、湿潤断熱減率より大きければ「条件付き不安定」ということでした。(A)これを踏まえて(A)の状態曲線から
こんばんは。今回は、図8の(A)(B)についての問題です。この両者の状態曲線の1000hPaから600hPaの範囲における静的安定度の特徴を両者の違いに着目して述べよ、という内容で、明確な条件付き不安定の範囲が100hPa以上あるときには、その範囲を20hPa刻みで言及せよ、と但し書きがあります。一般知識の大気の熱力学の復習になりますが、しっかり知識が定着しているか考えてみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2問題文及び図表は一般財
こんばんは。新年あけましておめでとうございます。2025年も当ブログ「てるてる風雲録」を宜しくお願いします。いよいよ第63回気象予報士試験も今月ということで、早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、850hPa面での前線について、初期時刻の29日21時では問1(2)①、24時間後の30日21時では問1(5)の考察より、ともに6℃の等温線に対応してることがわかりましたので、12時間後の30日9時においても6℃の等温線に対応しているものと考えます
こんばんは。今回は、図8(C)の状態曲線についての問題です。この状態曲線から、初期時刻の地上天気図の九州付近の低気圧に対応する前線面の高度を求めるという内容で次回、2025年1月1日から一緒に考えてみたいと思います。2024年も、当ブログ「てるてる風雲録」をご覧いただき、ありがとうございました。1月の受験に臨まれる方におかれましては、年末年始に関係なくスパートをかけておられる方が多いかと思います。僕も受験時代はそうでした。インフルエンザも流行っているようですので、無理をしすぎず、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず初めに、状態曲線(エマグラム)を見ることによって、ある地点上空の空気の湿り気がわかるという特徴について簡単に触れておきたいと思います。この図8では、気温を実線、露点温度を破線で表しています。この両者のの差のことを「湿数」と呼んでいるわけですが、ある高度において、気温と露点温度の線が大きく離れていれば、その高度における空気は乾燥していることを示し、逆に接近していれば湿潤であることを示し
こんばんは。今回は、図8(B)の状態曲線について、湿数および風向の鉛直方向の変化について他の2地点と異なる特徴をそれぞれ述べよ、という問題です。湿数の見方に少し触れながら、どのような違いが見られるのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。30日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2まず、図8の3つの状態曲線が、秋田、館野、松江のいずれかは現時点で不明であるものの、(A)の状態曲線において、気温と風向の鉛直分布から判断される最下層から2つ目の前線面の高度は何hPaか気温分布から考えてみます。前線面では、寒気の上空に暖気が流れ込みますと、暖気と寒気の接する部分に遷移層が形成され、その中では気温減率が小さい気層、すなわち安定層が見られます。また場合によって気温の逆転が見られ逆転層が見
こんばんは。今回は、図8(A)〜(C)の30日9時における秋田、館野、松江のいずれかの状態曲線と風の鉛直分布を使った問題です。まず初めは、(A)図の気温と風向分布から判断される、最下層から2つ目の前線面の高度を20hPa刻みd解答し、気温については前線面と判断した理由を、風向については前線面を挟む上下100hPaの範囲内の風向の特徴をそれぞれ述べよ、という内容です。以前、第62回試験・実技1・問1(4)でもこれと類似した問題がありましたね。今回はどうでしょうか、次回、一緒に考えてみたい
こんばんは。今回は、図4の鹿児島の状態曲線(エマグラム)を使って、鹿児島上空の大気の状態がどうなっているのかを見る問題です。今回の①では、鹿児島上空の温暖前線面の気圧を答え、さらに、そのように判断をした根拠を簡潔に述べよ、という内容です。温暖前線面はエマグラム上でどのような特徴として現れるのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問1問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。10日分の考察編は次回更新の予定
こんばんは。今回は、図8の状態曲線の右側の鹿児島における風の鉛直分布についての問題です。問題では、950hPaから500hPaまでの風向および風速の鉛直分布の特徴を述べよ、という内容になっています。風向と風速にどのような変化が見られるのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問2(3)問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。20日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問2(3)前回の問2(3)①では、自由対流高度は920hPaと求められました。空気塊はここから浮力を得て、強制的な力を与えなくても、ひとりでに湿潤断熱線に沿って上昇することになります。上昇を続ける空気塊はやがて再び気温の鉛直分布と交わり、浮力がなくなります。このときの高度のことを「中立浮力高度」とよんでいます。図に示しましたように、自由対流高度から先へ上昇していく空気塊はどういう動きになるか、湿潤断熱
こんばんは。前回の①では、鹿児島の状態曲線より空気塊を強制的に持ち上げたときの自由対流高度を求めました。今回はこの空気塊が自由対流高度を越えて上昇したときにやがて浮力がなくなる高度を求める問題です。エマグラム上浮力がなくなる高度に達するときとはどういう状態か、また図8ではその高度が300hPaより上になるか下になるのかについて次回、一緒に考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問2(3)問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。1
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問2今回は、図8の鹿児島の状態曲線(エマグラム)から自由対流高度を求めてみます。図8の右側に「エマグラムの右下枠内の拡大図」が抜き出されており、求めやすいように配慮されていますので、これを用いてみましょう。地上の空気塊は飽和するまでは乾燥断熱線に沿って上昇しますが、持ち上げ凝結高度まで上昇して空気塊が飽和し、水蒸気が凝結し始めますと、空気塊は湿潤断熱線に沿って上昇することになります。