1995年6月3日、東京の自衛隊幹部学校で「日本は、少なくとも対英米戦争は自存自衛のため立ち上がった。大東亜戦争を侵略戦争とする論議には絶対に同意できない」と語ったのは、元陸軍参謀瀬島龍三だ。彼は戦後11年間のシベリア抑留を経て伊藤忠商事に入社、10年で専務、20年で会長になり、さらに歴代首相の指南役と呼ばれるまで出世階段を上り詰めた。その経歴は瀬島神話と言われたが、なぜ、無謀な戦争の核心にかかわった瀬島が不死鳥のようによみがえったのか。その軌跡をたどれば、戦後日本の暗部に潜む沈黙の歴史が見えて