ブログ記事24件
今日はレイモンド・チャンドラーをご紹介“長いお別れ“レイモンド・チャンドラー清水俊二訳勝呂忠表紙画1958年初版辻褄が合わない話が多いのに、チャンドラーがだんだん好きになったのは彼の人生が波瀾万丈で興味深かったから。好きな順に①長いお別れ②大いなる眠り③プレイバック④高い窓⑤さらば愛しき女よ⑥湖中の女⑦かわいい女訳は村上春樹さんではなく、清水俊二さん派。初めて読む方には①、歳を重ねたシニアには③をオススメします。それにしても・・・勝呂さんのこのカバーは
私は電話を切った。なんの関係もなく、デスクの上の鉛筆が床に落ちて芯が折れた。私は鉛筆を拾い、窓の枠にとりつけた鉛筆削りできれいに芯を尖らせてからペン皿の上においた。私は手の塵をはらって、窓の外を眺めた。何も見えなかった。なんの音も聞こえなかった。(レイモンド・チャンドラー「かわいい女」創元推理文庫)
武漢製茶株式会社は戦時中の日中合弁会社で、日本側は現金、中国側は土地と機械などを出資して作られたもの。1938年武漢陥落後の設立なので、対等合弁かどうか、詳細はわからない。中国側の資料では合弁はかなり強制的だったらしい。清水俊二氏によると、武漢磚茶の重要性は、「張家口」(河北省)で物々交換とロシア向けの茶輸出などなど。作者の清水俊二は武漢製茶株式会社の専務取締役員だった。実は清水俊二氏について湖北省の恩施茶業界から何回か問い合わせがあった。その理由については、戦後に清水俊二氏の息子さん、清
お気に入りの写真を投稿しよう!仕事を頑張った自分へのご褒美。「スビ・マハル稲野店のマトンビリヤニセットとチキンティッカとラッシー」本題の「お気に入りの写真」へ戻しますと、お気に入りというよりも「ある意味時代を同じくするのが遅かった先人」の印刷写真のコピーを使わせていただくと、このお二人の仕事をもっと見て見たかった…なんて昔、思いました。今の日本に暮らされている方の中で、次の写真に写っておられるお二人をご存じの方々は何パーセントいらっしゃることでしょうね。左のサングラス姿のお方
<ヒギンズ、チャンドラー>1561「死にゆく者への祈り」ジャック・ヒギンズ長編井坂清:訳早川文庫篠つく雨の中に鈍い銃声が響いた。犠牲者の後頭部から脳漿が飛び散る。拳銃を構えた男の顔は、悪魔のように蒼白だった……。男の名はマーチン・ファロン。IRAを脱けた今では、ただのおたずね者にすぎない。イングランド北部を牛耳る悪の帝王ミーアンから殺しを請負ったのも、逃亡用のパスポートと切符のためだった。が、犯行を敬虔な神父とその姪に知ら
いつも楽しませていただいてるAikoさんのブログで『立呑粋酔→バートラッフル@兵庫・神戸(六甲)』健康診断終わりました体重は昨年より3キロ増愛子でございます胴囲もヤバかったメタボ確定健康診断の結果については自分の不徳の致すところなので甘んじて受けます今の悩…ameblo.jp先日この本の話題が出てきたので久しぶりに読んでみようかと自分で憶えているつもりのものとけっこう違うところがありました・笑それでも読んでいるとお酒が飲みたくなりすが今では煙
プレイバック海外小説を敬遠している方の中には訳文が肌に合わないという理由があるかもしれません。レイモンド・チャンドラーの「プレイバック」清水俊二さんの訳に続き村上春樹さんも訳されています。何か違いがあるのか二冊を読み比べてみました。清水俊二さんは1906年生まれ映画字幕の他アガサ・クリスティーやレイモンド・チャンドラーなど多くの海外小説を翻訳されています。プレイバック私立探偵のフィリップが依頼されたのはある女性を尾行し、落ち着き先を報告せよ。というものだった。女性を恐喝する
今日は4月最終日。早いもので、今年の3分の1が終わりですね~。ここでちょっと振り返ると、「今年の抱負」に書いた目標はわりと順調に実行できているかなあと思います。1.息子も今のところ調子がいいですし、2.著書のペーパーバック化も実現できました。3.読書三昧もけっこうできていますし、4.自分の訳はドキュメンタリーだけですが、見直しつつnoteにまとめています。読書については、そもそも月に1冊の低い目標でしたが・・・これまでは、翻訳の仕事が忙しいこともあるし映像を観
ビートルズのカバー広しといえど、本家を超えたものは無いが如し。クラフトワーク、YMOもそうですね。グループで、並桁外れのグルーブ感があると、超えられない、唯一無二。それがボブ・ディランとなると、「Allalonethewatchtower」となれば、ジミ・ヘンドリックス、「Knock'ontheheven'sdoor」ならば、エリック・クラプトンが良い(?)カバーがオリジナルを超えている。J・D・サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」「ナインストーリー」ならば野崎孝訳、レイモン
『映画字幕の作り方教えます』という本は、字幕スーパーの第一人者、清水俊二さんが書かれたエッセイ集だ。「作り方教えます」というタイトルだが、字幕翻訳者になるための指南書でも字幕作りの"Howto"ものでもなく、清水さんの覚え書きという感じのエッセイである。戦前から戦後にかけて、パラマウントで映画と関わってきた日々のことを書いておられ、洋画と字幕スーパーの歴史を知ることができる非常に貴重な記録となっている。清水俊二さんは、1906年(明治39年)生まれ。昭和4年に
映像翻訳者の会"Wakka"のHPに、拙著『夢を叶える字幕翻訳者の翻訳ノート』をご紹介いただきました。ずっと、そういうページがあるのを知らなくて、昨日Xのお知らせで知って覗いてみたら、なんと、字幕翻訳者の大御所、清水俊二さん、戸田奈津子さん、太田直子さん、などのお名前と同じページに私の名前と著書が・・・!「おー!」と思わず声が出てしまいました。あと紹介されていたのは、山崎剛太郎さんというフランス文学の翻訳者さん、ベテラン字幕翻訳者の落合寿和さん、私も
夏野菜に大葉がたっぷり添えらて届きました。今年の夏はいつにも増して水やりが大変なようです。大丈夫かな?少し心配…。さて、今日も読書のお話を書きます。村上春樹さんが愛読していたという「長いお別れ」和書と洋書を読んでみました。久々のペーパーバック、横書きが新鮮◆心に残ったフレーズわたしはめったに心を動かされない性質だが、彼はどこかに私の心をとらえるものを持っていた。(清水俊二)私は感情に流されることなく生きるように努めている。しかしその男には、私の個々の琴
※追記しました。〜決して屈するな…!決して!男なら、男の意地を見せろ!!〜私立探偵フィリップ・マーロウは依頼の帰りにナイト・クラブのフロリダンの前で、大鹿マロイという大男と出くわした。出所仕立てのマロイは“ヴェルマ”という女を探し求めていた。彼女はフロリダンで歌手として働いていたという。そんなマロイはフロリダンの店主を殺害し、逃走。マロイに巻き込まれたマーロウは警察の取り調べにも屈せず、個人的興味もあって独自に調査を開始する。その矢先、マーロウはリンゼイ・マリオという男から護衛の依頼
チャンドラーはやっぱり、清水俊二訳。田口俊樹訳も読んでみたけれど…まるで別の話みたい。村上春樹訳もあまり…長いお別れハヤカワ・ミステリ文庫HM7Amazon(アマゾン)990円長い別れ(創元推理文庫Mチ1-7)Amazon(アマゾン)875〜3,850円ロング・グッドバイ(ハヤカワ・ミステリ文庫チ1-11)Amazon(アマゾン)183〜4,350円プレイバックハヤカワ・ミステリ文庫HM7Amazon(アマゾン)732円高い窓Am
日本での公開はアメリカでの公開から数ヶ月遅れて1980年になってからでしたウィキペディアによると先行公開が2月16日一般公開が3月15日配給はなつかしの日本ヘラルド映画先行公開が70mm上映館での封切りを意味していたと思いますたぶん70mm版はテアトル東京で観ました35mm版より短いのは1979の入った著作権表記一行以外一切タイトルが出なかったからですメインタイトルのApocalypse
翻訳界における新訳ブームには底がたいものがあるらしく、出版社によっては、新旧両作品を並売するという、おいしい二毛作ビジネスに励むところもあるようだ。(^^;長らく清水俊一らベテラン翻訳者の訳業で知られてきたレイモンド・チャンドラー作品に、あの村上春樹が新訳をぶちあげてきて話題となってからすでに久しいけれど、業界のプロも黙って見ているばかりではない。つい最近も、田口俊樹による『長い別れ』が創元推理文庫から刊行されたばかりで、TheLongGoodbyeを多種多様に味わえるとは、な
戸田学の映画ごたく#3映画の日本語字幕ー名翻訳家ー作家・映画コラムニスト戸田学私が好きな映画に関係するあらゆるエピソード、俳優や監督、カメラマンなどなどさまざまな観点から切り取ったお話をくどくどと言いたてたいと思います。ブログ:戸田学の映画誌https://ameblo.jp/toda-eiga/Twitter:戸田学の映画誌@todaeigashi#映画...www.youtube.com
あさって(2022年5月12日)NHKBSプレミアムで『小さな恋のメロディ』がまた放送されます前回放送された時の録画とそれ以前にいまは無きイマジカBSで放送された時の録画(どちらもDRモード)の映像を比較しますイマジカBS放送時は細く上下に黒が入るほどワイド画面前回NHKBSプレミアムで放送された時は両端にピラーコラムが表示されるほどですからなぜかイマジカBS版よりスタンダードサイズに近いというか
かつて文学で異国の気分。なかなか渡航が難しい時代。せめても、しかも軍事的に異国事情を知らなければならない切迫感が時代の背景にあった明治期。文学と言うものを自己撞着しなければならないが、そもそも文章、組み立てから作らなければならない時代。夏目漱石は文学論を作り出し、文学と言うものの構造を見、森鷗外はアンデルセンの「即興詩人」、クラウゼヴィッツの「戦争論」等の訳業、そして自己の創作。文章、文体から作らなければならない。後に、谷崎潤一郎の豊潤な文章が現れ、堀口大學のボードレール「悪の華」等の訳業
読了!映画字幕を手がけた、まさに先駆者の清水さん。ご本人が字幕翻訳家と名乗りたくないとのことなので、そのようには書きませんが、昭和6年から字幕を手がけていたとのこと…!!今とは何もかもが違い過ぎて、それこそ知識が豊富でないと務まらないお仕事だっただろうな…古い映画を観てみたくなりました。
カバー写真には本来は映画のシーンを使うのだが、フィリップマーローシリーズでこの作品だけは映画化されなかった。作品の知名度にも劣るものの、この名台詞の認知度は多分一番かもしれない↓IfIwasn'thard,Iwouldn'tbealive.IfIcouldn'teverbegentle,Iwouldn'tdeservetobealive.やさしい英語だが、小洒落た対句表現。実際にアメリカンは日常的にかくもオシャレに会話するのかなあ。アタシはアメリ
さあ、1980年に公開された「スター・ウォーズ帝国の逆襲」の日本語吹き替え版の復元計画、前回に引き続き、サブタイトルの秘密に肉薄する2回目。前回は、スター・ウォーズ研究の第一人者のお一人、武田英明さんに、サブタイトルについて質問したところまでお伝えした。別冊映画秘宝吹替洋画劇場(洋泉社MOOK)Amazon(アマゾン)1,535〜18,779円すると、武田さんからの返答は驚くべきものだった。<質問>サブタイトル「エピソード5」で、「5」の表記は「5」か「V」か
有名なアガサの作品ですが、ツイッターでフォローさせていただいている方のツイートから、また新しい表紙に代わっているという事を知り、さっそくAmazonで調べてみました。私は表紙違いを4冊持っていますが、これを買ったら、旧訳新訳併せて5冊になってしまいます・・・でも買いますがwww旧訳は清水俊二さん訳新訳は青木久恵さん訳私はゆーじあむさんがお持ちの、期間限定ジャケットが気になります~いつも教えていただき、ありがとうございますゆーじあむ@yuseum『そして誰もいなくなった』のカバ
本に纏わる。読書していると、外山滋比古の「読書の方法」にありますが、未知を読む場合と既知を読み場合とがある。違いが出てくる。同じ読書でも、かなり違う。それと、相性。評論を読むのは楽しい。小林秀雄、加藤周一、吉本隆明、花田清輝、江藤淳、柄谷行人は読み込んだ。渡部昇一、山本七平、日下公人、小室直樹、養老孟司、内田樹も。内容が入ってくるのに時間がかかる作品がある。読み込めば、分かる、が。なかなか入ってこない。相性ではないかと思うが、タイミングと言うものもある。さほど難しく無
どうも。清水さんの訳のほうもまだ売っているので、そっちでも良かったんだけど、一部だけくさすところがあるので、より傷つかない村上さんの方をあげました。レイモンド・チャンドラーの長編第2作、「フェアウェル、マイラブリー」~「さよなら、愛しい人」(村上)「さらば愛しき女よ」(清水)です。村上春樹がレイモンド・チャンドラー作品の改訳に挑んだのは、『翻訳というのは、せいぜい50年くらいで賞味期限が切れるんじゃないか?』という村上氏の持論以外にも、チャンドラー作品を都市小説として蘇らせる意図が
チャンドラーさんです。フィリップ・マーロウです。かっこいいなぁ。訳もいい。(清水俊二さんは往時の映画字幕訳で有名ですね)「長いお別れ」、、、せつないやるせない物語。友テリー・レノックスへの想いが美しくもあります。ハードボイルドの頂点ですね。チャンドラーさんといえば、「男は強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」の名言もまた、よく知られた言葉です。(※この言葉、今じゃあ、性差別って言われかねない笑。)※※※いつもご覧頂きまことにありがとうございます!本
FinalSpeechof"TheGreatDictator"byCharlieChaplin(TheJewishbarber)【故清水俊二先生字幕より】★★★私は皇帝にはなりたくない支配はしたくないできれば援助したいユダヤ人も黒人も白人も人類はお互いに助け合うべきだ他人の幸福を念願としてお互いに憎み合ったりしてはいけない世界には全人類を養う富が在る人生は自由で楽しいはずのものなのに貪欲が人類を毒し、憎悪をもたらし、悲劇と
この記事はなるべくネタバレしないように書いてますが、まだ読んだことのない方は、そのまま後戻りして、何も知らずに真っさらの状態で本作を読むことをお勧めします。***イギリスのデヴァン州にあるインディアン島。この無人の島をU・N・オーエンと名乗る人物が買い取った。彼の邸宅に招かれたのは、互いに繋がりのない、年齢も経歴も様々な十人の男女。高名な元判事、家庭教師の若い娘、元陸軍大尉、信仰の厚い老婦人、退役の老将軍、腕利きの医者、遊び好きの青年、胡散臭い元警部、召使いの夫婦…。世間から完全に隔離さ
様々な読者がそれぞれ自由な読み方ができるように、できるだけ言葉の幅を広くとって翻訳するように心がけた。(中略)清水(俊二)さんの「正調ハードボイルド」訳とも少し違うし、田中小実昌さんの自由闊達な「語り訳」とも少し違う。僕なりのチャンドラー訳がそこにあると思う。(村上春樹「寄稿」日本経済新聞社)
若い頃、英語の勉強に本格的に取り組もうとした時、目標を「字幕なしで、映画を理解できる」というエラい高い所に設定しました。で、面白そうなビデオを何本か借りて、チャレンジしたんですけど、ものの見事に、挫折しました。まずは、英語の聞き取りに集中するんですけど、聞き取れなかったところなんかは、つい字幕を見てしまう。元の英語と、字幕の関係に注意を向けてると、その間に、英語のセリフはどんどん先に行ってて、追いつけない・・・・同時通訳並みのスキルが必要な学習法だというのが、(私なりの)結論でした。