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牧文四郎十五歳からの青春記。江戸から百二十里離れた海坂藩。養父・助左衛門は藩内の内紛で腹を切らされる。互いに淡い思いを抱いてた幼馴染みのふくは江戸へ去り奥勤めから殿のお手が付き届かぬ人へ。文四郎は罪人の子と虐げられ苦労するも反動で打ち込む剣術の腕はめきめき上達した。支えてくれたのは小和田逸平や島崎与之助などの友。ようやく家禄が戻った文四郎。ある日父切腹の真実を知る。今の筆頭家老里村が対立する横山派を退けるためにその手足であった父たちが犠牲になったのであった。その里村から欅御殿に
葉室麟の「蜩ノ記」を読んだら、やはり、こちらもぜひ、読まなければ、なぁんてことは思いませんでしたが、蝉繋がりで、思わず手に取りました。と申しましても、私は、こちらの本ではなく、文春web文庫というのを最近できた我が市の電子図書館で借りることができました。本は、ペーパーでしょう!と、私はずっと思っている人ですが、PCやスマートフォンで読んで見ると、意外に字が大きくて読みやすかった(^_^)という印象でした。そして、ページがめくりやすい、画面をタッチするだけで
時代小説の第一人者、藤沢周平原作の同名小説を映画化した本格時代劇の名作。2002年公開。監督は山田洋次、主演は真田広之と宮沢りえ。日本アカデミー賞作品賞受賞作。幕末の庄内、海坂藩。平侍の清兵衛は妻を亡くし、二人の娘と老母のために下城の太鼓が鳴ると家路を急ぐ毎日。同僚たちはそんな彼を“たそがれ清兵衛”と呼んでいた。ある日、幼なじみの朋江を救ったことから彼の腕が噂になり、上意討ちの討手として清兵衛が選ばれてしまう。清兵衛は藩命に逆らえず、朋江への想いを打ち明け、切腹
藤沢周平作品は、今年は早くも5冊目の読書になりました。とりたてて感動を煽るようなストーリーではなく自然体なのですが、読み終わると人間の心の機微や温かさ、哀しさ、などがクローズアップされて何とも言えない余韻を残します。簡潔で端正な文章も素晴らしくて、しばらく読まないでいると読みたくなってくるんですよね。刺激の強い小説を読んだ後は特に。世の中変っても、変らないのは男の心―。一家の糊口を凌ぐために刀を売り、竹光を腰に仕官の条件である上意討へと向う浪人の心意気『竹光始末』。口喧し
お馴染み海坂藩。時代小説の泰斗が生み出した架空の土地。その藩を舞台に据えた全三篇です。藤沢小説の魅力のひとつとも云える浮生の遣る瀬無さや男女の哀切は、三篇とも鳴りを潜めている感がありますが、その代わりに微笑ましさや安堵感を覚えるストーリーになっていると思います。そして、それぞれのストーリーを紡ぐは熟練の妙技と端正な文章。それを追っているときの愉悦が至高であり、ずっと読んでいたいとさえ思うものです。三篇100頁強の短さではありますが、その中でも藤沢小説のフィネスが感じられる三篇になっています。
【Q17731】作者の故郷である山形の庄内藩がモデルとされ、三方を山に囲まれ城下を南から北へ五間(ごけん)川が流れている、藤沢周平の直木賞受賞作『暗殺の年輪』や『蝉しぐれ』『たそがれ清兵衛』など多くの作品の舞台となっている江戸時代の架空の藩はどこ?【海坂(うなさか)藩】【Q17732】自動車ガソリンのJIS規格。レギュラーガソリンのオクタン価は89.0以上と規定されていますが、ハイオクガソリンのオクタン価はいくつ以上と規定されている?【96.0以上】【Q17733】北原白秋作詞の童謡『ゆ
2022(32)2022/2/8観:WOWOW放送『山桜(やまざくら)』2008年日本映画99分原作/藤沢周平監督/篠原哲雄脚本/飯田健三郎×長谷川康夫製作/川城和実他音楽/四谷卯大主題歌/一青窈「栞」撮影/喜久村徳章編集/奥原好幸美術/金田克美殺陣/高瀬将嗣【キャスト】磯村野江(夫を亡くし再嫁)/田中麗奈手塚弥一郎(剣術の名手)/東山紀之浦井七左衛門(野江の父)/篠田三郎瑞江(野江の母)/檀ふみ志津(弥一郎の母)/富司純子新之助(野江の弟)/北
2002年山田洋二監督が撮った『たそがれ清兵衛』がヒットし、翌年同じ原作者の藤沢周平作品である『蝉しぐれ』がNHKによって映像化された。やはり同じ庄内地方にある海坂藩(うなさかはん)もので、お家騒動と恋、そして秘剣もでてくる。初の放送時には7回に分けたものを昨年末に放送されたのは3夜連続であったが、カット部分は感じられず話が繋がりうまい編集であった。記憶では初回は観ていたが再放送時にも観ているとおもう。普請組に属する牧文四郎は叔母の夫である牧家に養子に入った身。28石という軽輩
蝉しぐれ2005年10月1日公開互いに愛し合いながらも、運命の波に翻弄される下級武士とその幼なじみの悲恋を描いた時代劇。あらすじ“海坂藩”の下級武士・牧助左衛門の15歳になる剣術に長けた息子・文四郎と、隣家に住む幼なじみのふくは、秘かな相思の仲。だがある日、城内の世継ぎ問題に巻き込まれた助左衛門が、対立する側の家老・里村左内に切腹を命じられたことから文四郎の境遇は一変、罪人の子として、母・登世と共に辛い日々を送る破目になってしまう。そんな中、今度はふくが殿の江戸屋敷の奥に勤めることになっ
コレも田中麗奈と東山紀之の組み合わせで時代劇ってのが物珍しくて予約録画しといたヤツ!観る前にあらすじをwikiで覗いたら「海坂藩」!が舞台じゃないですか!♪俄然興味が湧いてチェックしました!下級武士の娘・野江(田中麗奈)は夫に病で先立たれ出戻りとして磯村家へ再び嫁いだ。しかし世継ぎが出来ない事もあり冷遇され辛い毎日を送っていた。そんな中で以前、野江に縁談を申し込んだことのある手塚(東山紀之)と再会する。剣術の使い手と聴き怖い人物だろうと縁談を断った過去がある野江だったが実際には話してみると
武士の一分2006年12月1日公開山田洋次監督の藤沢周平時代劇映画化三部作の最後を飾るヒューマンドラマ。あらすじ東北の小藩、海坂藩に仕える三十石の下級武士・三村新之丞は、城下の木部道場で剣術を極め藩校では秀才と言われながらも、その務めは藩主の毒見役。不本意な仕事ではあったが、美しく気立てのいい妻の加世と慎ましくも幸せに暮らしていた。ある日、新之丞は藩主の昼食に供されたつぶ貝の毒にあたって倒れる。激しい痛みに意識を失い高熱にうなされ続け、からくも一命はとりとめたものの新之丞は失明してしま
スティーブンキングのホラーサスペンスが好きな方はニヤリとし....そして不思議な思いを持つ筈だ。BD/DVD/デジタル【予告】「キャッスルロック」8.7リリース/デジタル配信同時開始この町には、“それ<狂気>”が潜んでいる。脚本スティーヴン・キング(『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』『ショーシャンクの空に』『シャイニング』原作者)×製作総指揮J.J.エイブラムス(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』「ウエストワールド」「LOST」製作総指揮)豪華タッグで贈る、全米震撼のミステリ.
一昨日、初蝉の声を聞いた。今日、今年初めての蝉を見かけた。この長雨が明ければもう夏だ。熱海の土石流による被害に会われた方は本当にお気の毒だ。山間部に住むとなれば、谷筋とわかっていても家を建てざるを得ないこともあるだろう。ここのところ毎年線状降水帯による被害が起きている。日本に住んでいればいつ自分が被害に会うかわからない。大阪は天気予報では雨なのだが、ほとんどの時間は曇り。どよーんと蒸し暑い。洗濯物を外に干しても乾かないので専らカワック頼り。カワックにせよ乾燥機にせよ
風の果て(上)Amazon(アマゾン)565円2冊ほど藤沢周平のいわゆる「鶴岡」もの(正確には春秋山伏記」は鶴岡ものとは言えないかもしれないが)を読んだのだが、どうもあまりしっくりこなかった。藤沢周平といえば、今も読み続けられている有名な作家だ。なぜあまりしっくりこないのか、もしかしたら、選んだ作品がまずかったのかと思い、別な作品を探してみた。いわゆる「江戸もの」はあまり読まないことにしている。この種の江戸の町を舞台にしたシリーズは、過去の経験から、どの作家の場合も、どれ
味噌汁の具材で何が一番好きかと問われたら、真っ先にこれと答えます。我家で収穫したばかりの新じゃがと、インゲン、新玉ねぎ、その上に山椒の粉をかけます。旬の野菜が一気に味わえるのですからもう堪りません!!それからもう一つ、この時期になると必ず思い出すのがこれ・・・<山形県ホームページより>山形の孟宗汁です。孟宗竹の筍、厚揚げ、椎茸、酒粕と味噌で味付けします。サラリーマンをしていた30年前、筍の時期になると特に用事が無くても庄内地方へ出張し
「蝉しぐれ」蝉しぐれプレミアム・エディション[DVD]4,531円Amazon前にNHKで放送されたドラマ版の「蝉しぐれ」がすごく好きで、映画版は「蝉しぐれ」の世界観をどんな風に描いているのかな~と前から気になっていて、ずっと観たいと思っていました。感想は…。個人的にはドラマ版の方が好きだな~と思いました。映画版のファンの方には申し訳ないですが…。ドラマも映画も、黒土三男さんという監督が制作されていたようで、ストーリーはほぼ一緒なんですが、配役が全く違うんです
本日は、1622年から「酒井家」の居城となった「鶴ケ岡(つるがおか)城」(山形県鶴岡市)を訪ねます。藩主(城主)となった「酒井家」のお話ですが、大きく分けて二系統あります。①「徳川家康」が天下を取るのに大いに貢献した武将「四天王」の一人である「酒井忠次」の孫で、「家次」の子「酒井忠勝」は有名ですが、高崎から高田、松代を経て庄内鶴ケ岡13万石8千石で入城しました。②「徳川家康」の父親「松平広忠」の重臣であった「酒井正親」の系統で、更にその息子「重忠」(1)と「忠利」(2)の系統に
子どもの頃、形のいい木の枝や棒を拾ってきては、それを剣だ刀だと言い張ってチャンバラごっこに興じ、わけの分からん必殺技を編み出してはひとり悦に入っていました。幼子なれど、もののふの心が宿っていたのでせう。その所為かどうかは分かりませんが、こうした特異な剣技のお話には今でも胸が高鳴り、いいなぁ格好良いなぁ、ってイノセントな声を上げたりします。不世出の必殺剣を受け継ぐ者たちのお話です。そして剣戟だけでなく、女男の間に窺える思慕恋情も、心温まるお話もあれば哀絶この上ないお話もあり、そのどれもが胸に響い
【行き】可愛い路面電車に乗って街中に出ました八丁堀で降りて、エレベータに乗って8階へ…「八丁座」映画鑑賞はここが一番落ち着くんです【散り椿】ポスターを見て鑑賞したかった映画です。藤沢周平の「海坂藩」を思い出しながら(主人公になったつもりで^^)観ました。大輪の花です…、なんという種類の椿なんでしょう。背景に何度か映る立山が美しかった愛のために死んではいけません、愛のために生きなければなりません!そして、剣術は強くなければなりません!最後は一人で旅に出てゆく~
武士と言っても階級があり、平侍だとこんなにも生活に困窮した生活を送らなければならなかったことが歴史を通して分かります。男性や女性の在り方が美しく、清らかで潔い、そんな時代を感じます。山田洋二監督作品の温かい雰囲気と相まって、作品が一層ソフトに感じます。出演俳優陣の人選も毎回素晴らしいと思う監督ですが、特に田中泯の存在はピリッとスパイスを効かせたように締まってます。田中泯(たなかみん、1945年3月10日-独特のダンス活動
昨日までの記事の続きです。北海道は道北の過疎の町、美深町を出発した我々は札幌で1泊、八戸で1泊した後、山形県の庄内地方に向けて車を走らせました。庄内というのは山形県の日本海沿いに広がる地方で鶴岡市と酒田市が結びついて一つの文化圏・経済圏を形成しています。ここは日本現代文学にとっても重要な土地なんですよね。一般には、孤高の時代小説作家、藤沢周平の故郷として有名です。藤沢周平の小説には“海坂藩”という架空の藩がその舞台として登場しますが、この海坂藩が庄内藩をモデルとして
ただ、愛する人のために。■製作日本(2002)監督:山田洋次脚本:山田洋次、朝間義隆原作:藤沢周平「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」■主な出演真田広之、宮沢りえ、吹越満、小林稔侍、田中泯■あらすじ井口清兵衛は幕末の庄内、海坂藩の平侍。妻を病で亡くし、幼い二人の娘と老母を養っている。生活は苦しく、下城の太鼓が鳴ると付き合いは全て断って帰宅し家事と内職に励む毎日。そんな清兵衛を同僚たちは「たそがれ清兵衛」と陰で呼んでいた。ある日、清兵衛は幼馴染の朋江と再会する。■感想
藤沢周平の時代小説の舞台となった出羽ノ国海坂(うなさか)藩。この海坂藩・城下図を同じ山形県出身の井上ひさしが絵図面を作って見せた。文藝春秋の藤沢周平全集第5巻の巻末、向井敏の海坂藩由来にも書かれている。それによると、藤沢ファンでもある井上ひさしが三日三晩かけてしあげたものだそうで、図面の描写は詳密をきわめ、おもな登場人物についてはその屋敷割りの拡大図まで添えるという凝りよう。町々の位置関係のうえでの矛盾など、作者の思い違いもちゃんと指摘されていて、眺めていて飽きない。と書か
月組公演に向けて、『カンパニー』を早く読まねば!と思いつつ、全く読めていませんさいとうちほさんの『トゥーランドット』と『ポーの一族』は再読しましたけれどね発表されたキャストを思い浮かべながら、妄想は膨らみますね〜ついつい手に取ってしまう本に、藤沢周平作品があります。数多くの作品がテレビドラマ化、映画化されていますね。宝塚では『若き日の唄は忘れじ』で有名な『蝉しぐれ』。檀れいさんがヒロインを演じた『武士の一分』。宝塚ファンでお馴染みの北川景子さんが主演した『花のあと』。多くのファン
びゅぅ~・・びゅ~・・う~さぶぅ!昨日は大変強い寒風が吹き。帰り道を歩く自分の身体を痛めつける。すっかり冷え切った身体で帰宅すると、そこには熱々のおでんと「お帰り。寒かったろう」という家族の声。冷え切った身体がぽっと温かくなった・・・さて、本日は日本時代劇映画に多くの作品を提供している藤沢周平さんの短編時代小説集から、海坂藩大全(上・下)をご紹介したいと思います。『海坂藩大全(上・下)』は、藤沢周平さんが生み出した、東北の貧しい小藩・海坂藩を舞台とした、主に下士とそ
真田広之主演他。時は幕末―。庄内地方の小藩・海坂藩の下級武士・井口清兵衛(真田広之)。妻に先立たれ、二人の幼い娘と老母の世話をするために、御蔵方の勤めが終わるとすぐに帰宅することから“たそがれ清兵衛”とあだ名されていた。ある日、かつて想いを寄せていた幼なじみ・朋江(宮沢りえ)の危機を救ったことから剣の腕が藩士の噂になり、上意討ち手として清兵衛が選ばれる。清兵衛は藩命には逆らえず、朋江への秘めていた想いを打ち明け、意を決して邸に向かう。愛する家族のために、命を賭けた壮絶な闘いが始まった・・・。
葉室麟の直木賞受賞作品“蜩ノ記”を、読んでみました。PHPで葉室氏のインタビュー記事が掲載されていたこともあり、私好みの匂いがしたので買ってみたのです。やっぱり、私好みの時代小説でした。藤沢周平を硬派にした感じとでも言いましょうか。時代の表舞台には登場しない、市井の人々や下級武士が主人公なところは、藤沢周平そっくりです(そこが、良いのですがね)。文体も、似ています。小説全体から漂ってくる気配が、藤沢周平なのですね。小説の舞台も、藤沢作品では東北の小藩“海坂藩”ですが、
山形県鶴岡市<九郎右衛門農場>〜「海坂だだちゃ豆」〜8月19日、娘が依頼してくれた鶴岡の「木村くろうえもん農場」から「海坂だだちゃ豆」の「白山(しらやま)」が届いた。一般注文への発送は手間がかかるので、昨年で終りと聞いていたので今年は諦めていたが、届いて嬉しい〜鶴岡市では平成9年度以降、在来枝豆系20種以上のうち特に味が優れ収穫期間の異なる10種を選び、鶴岡市で栽培されたものを商標的に「だだちゃ豆」と呼ばれる。中でも甘味とコクを備えて一番美味しいのが「白山」で、8月中旬~下旬という短期間